オーディオ日記 第28章 オーディオへの想い(その11) 2011年 8月31日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK

前回からの続きであるが、DSD形式(DSFファイル)について、少し気になった点があったので、SONYのHP等にて確認してみた。

Sonic Stage Mastering Studioという前世代のVAIOにバンドルされていたソフトウエアはアナログ音源を取り込み、DSFファイルを作成することができる。VAIOに搭載のSound Realityというチップと連動してDSD対応を高速、高品質にて行うもの。

しかしながら、DSFファイルを作成、ハンドリングするためのソフトウエア(Sonic Stage Mastering StudioならびにDSD Playerなど)については、Windows7になって以降、VAIOのどのモデルにもバンドルされていない。Windows Vista機まではバンドルされていたが、どうやらWindows7対応を行っていない模様である。正確なところは把握できていないが、一部には開発停止との情報もあった。

これは一体どういうことであろうか? 
VAIOのハードウエア仕様を詳細に確認すると、DSD対応のSound Realityチップは引き続きLシリーズ等には搭載されている。しかし、DSFファイルの作成や再生を行うための肝心のソフトウエアがない。開発停止ということであれば、Windows7版はもう手に入らないであろう。このため、現状はAudioGateだけが唯一無二の存在になってしまっているようだ。

DSFファイルを再生できるSACDプレーヤは現在のところ2機種(SCD-XA5400ESとSCD-XE800)、とPS3であり変動はないが、選択肢は決して多くないことも事実。このようなことをあれこれと繋ぎ合わせると、SONYはDSD形式(DSFファイル)の普及を既に見限ってしまった、ということなのであろうか。本家本元のSONYがこの対応だとすると、将来性は悲観的なのかもしれない。KORGのAudioGateの一般への解放は大歓迎なのであるが、もしかしたらこれは少し遅すぎたのかもしれない。また、VAIOにおけるDSD対応はPCオーディオ、ネットオーディオのハイレゾ音源に対する期待の高まりという、機が熟さない時期に登場したため、こちらは早すぎたとも云えるのであろうか。

アナログレコードを96KHz/24bitのWAVに取り込んだものを更にDSFファイルへアップコンバートした音楽を聴きながら、これを書いているが、音のタッチやスムーズさも含めて原盤のアナログのイメージを良く表現してくれている。高音質という観点では非常にポテンシャルの高いDSDなので、PCMハイレゾ音源と並列となるよう広く普及して欲しいと思う。


next back index