行・ 作品・日本






 誘拐 
[SUSPENSE]
1997.06:日本映画(東宝)
監督:大河原孝夫
CAST-1:渡哲也永瀬正敏酒井美紀柄本明
CAST-2:新克利上田耕一/他
前代未聞の誘拐事件…一流企業の常務、身代金3億円、そして「受渡しのTV中継」を要求する犯人、1億円が入るアタッシュケース3つ、犯人の指示どおりに都内を走らされる会社役員達…いったい犯人は何処に?

STORYは…
前代未聞の誘拐事件…被害者:東昭物産常務・跡宮(&まきぞえの運転手)、身代金3億円、「受渡しのTV中継!」、目撃者の老人の証言、指揮を取る橘警視、捜査にあたる津波警部(叩上げ、かつて自分を刺した少女・マヨを引取っている)、そしてLA帰りの藤刑事(エリート、最新の捜査方法)…身代金の運び役に指名された東昭開発監査役・神崎、3億円を入れた3つのアタッシュケース(30kg)、報道陣の見守る中、神崎は犯人の指示通りに走り出す(時間指定)…都庁、歌舞伎町、国立競技場へ…地名の書かれた紙片、心筋梗塞、次の運び屋の指名、東昭銀行専務・山神、翌日の再スタート、芝浦、田町、芝増上寺:犯人の用意したカバンに詰替え、そして新橋に向かう途中、山神も力尽き倒れてしまう…


多少なり苦しい所はあるが、おもしろい映画だと思う。アレコレ考えて見ていると、何処で身代金が受け渡されたのかは分りますが、動機は後半の展開待ちです… 永瀬正敏はいい、映画にしか出ない(TVに出ない、CMを除く)というスタンス(他に浅野忠信)、日本にももっとこういう人が増えれば良いのにと思う。
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[DREAM]
1990.05:日本映画(WARNER BROS.)     [提供]:STEVEN SPIELBERG
[監督・脚本]:黒澤明
[パンフレットより]:この映画は、八つの夢の話で構成されています。夢には人間の心の中に眠っている、あるいは、かくしたり、おさえ込んだりしているいろいろな気持ちが正直にあられます。そして、夢はそれを驚く程 自由奔放な形で見事に表現して見せてくれます。私は、この映画でその夢と云うものに挑戦してみたいものです。  -黒澤明-
第1話・日照り雨
CAST-1:中野聡彦倍賞美津子/菊の会

陽が射しているのに雨が降る…狐の嫁入りがあると母が言う。5歳位の私は、狐の嫁入りを見てしまう、怒った狐達、彼らの棲みかに向う私…山の彼方の虹、あの下に狐の棲みかがあるはず…

第2話・桃畑
CAST-1:伊崎充則建みさと鈴木美恵/二十騎の会

桃の節句、幼い私、不思議な少女に誘われて裏の畑へ…、大人達が刈った筈の桃畑に、何故か舞散る桃の花、雛人形達…花の盛りを見せてくれた桃の精、消えた少女、何もかも消えた後に桃の木が1本…

第3話・雪あらし
CAST-1:寺尾聰原田美枝子油井昌由樹中嶋しゅう木村栄

雪山、私達4人のパーティー、荒れ狂う吹雪、死の眠りに落ちて行く仲間達、美しい雪女の誘惑、睡魔と戦う私…やがて怒り始める雪女…

第4話・トンネル
CAST-1:寺尾聰頭師佳孝山下哲生/二十騎の会

1人戦争から帰還した私、故郷に戻るトンネルから戦死した筈の部下達が…指示を仰ぐ野口一等兵と第三小隊の部下達、戦争は終わったんだ 「頼む、帰って静かに眠ってくれ」…泣き叫ぶ私…

第5話・鴉
CAST-1:寺尾聰マーティン・スコセッシ

画廊の中、ゴッホの「アルルの跳ね橋」に見入る私、いつのまにか画の中…、画学生の私は憧れのゴッホに出会う、時間がないと慌ただしく去る彼、ゴッホを追ってさまよう私…

第6話・赤富士
CAST-1:寺尾聰井川比佐志根岸季衣

次々と爆発する原子力発電所、灼熱、真赤になって溶けていく富士山、逃げ惑う群集、震動する大地と波…、絶望的な赤い霧の中で足掻く私…

第7話・鬼哭
CAST-1:寺尾聰いかりや長介

地球の終わりらしい、私は1人生残ったらしい… 誰もいない筈の世界に足音、霧の中から現れたのは…1匹の鬼だった、彼が案内してくれた谷底、哭き叫ぶ100匹余の鬼達の姿…

第8話・水車のある村
CAST-1:寺尾聰笠智衆姿晴香

辿り着いた村、老人との出会い、「近頃の人間は自分達も自然の一部だということを忘れている」と語る老人、賑やかなブラスバンドの一行、「…祭があるんですか」と問う私に、「…葬式だよ」と答える老人、「よく生きて、よく働いて、ご苦労さんと言われて死ぬのは目出度い」と…葬儀の列に加わる老人、「正直、生きているのはいいもんだよ、とても面白い!」…そう語った老人の顔が脳裏に焼きついて離れなかった…

[CAST:どれかのストーリーに出演]:加藤茂雄木田三千雄渡辺哲常田富士男竹村健宮坂ひろし/他
黒澤監督は、このような極彩色の夢を見ていたのだろうか…映像美、 とりとめもない夢の話…全8話(計2時間弱)、綺麗なものを見てきたと…、でも…
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 許されざる者 
[HUMAN DRAMA]
2013.09:日本映画(ワーナー・ブラザース映画)
監督:李相日
出演:渡辺謙佐藤浩市柄本明柳楽優弥
忽那汐里小池栄子小澤征悦三浦貴大近藤芳正
國村隼滝藤賢一
芹沢礼多斎藤歩芹澤興人秋辺デボ/他
どうしようかな〜、観ようかな〜、止めようかな〜
クリント・イーストウッドの「許されざる者」のリメイク!俳優陣は豪華な顔ぶれ!
たぶん凄いことは分かってるんだけど…昨日も映画観たし、3D続いてるし、どうしようかな…お財布と相談だ!?
おお〜TOHOシネマズの日(毎月14日)で、1000円じゃないか!行きましょう!

STORYは…
1869年(明治2年)、江戸から明治の転換期の北海道
幕末の世、幕府軍で官軍の志士を斬りまくり「人斬り十兵衛」と恐れられた男…釜田十兵衛
幕府軍伝習歩兵隊に所属する武士とも言えぬ最下層の兵士
敗れた幕府軍、討伐隊の執拗な追跡、蝦夷地の奥深くに逃れた十兵衛、行方知れず…
それから10年あまりが経った1880年…
人里離れた寒村、海辺に孤立したボロ屋、畑を耕しながら細々と暮らす十兵衛
人を斬ることでしか生きる術が無かった男を変えた妻との出会い、家庭を築き、2人の子供に恵まれたものの…
その妻を3年前に失った…残された子供と墓守をしながら、貧しい生活
大雪山の奥、鷲路の村…
初代戸長兼警察署長を務める大石一蔵、絶対的な権力者
秋山喜八の酒場兼女郎宿で事件、若い女郎・なつめが酔客に顔を切り刻まれたと…モノが小さいと笑ったから
刃傷騒ぎを起こした張本人の堀田佐之助と弟・卯之助
使い物にならなくなった女郎の代わりに馬6頭、即断即決&有無を言わさずの大石
納得いかないお梶を筆頭とする女郎達、自分達を牛馬並に扱った大石の裁定に我慢ならず
堀田兄弟に千円の賞金!来る客に堀田兄弟殺しを持ちかける!やがて噂は広まり…
子供と畑仕事をする十兵衛のもと…
思いがけない訪問者、かつて幕府軍伝習歩兵隊の仲間・馬場金吾
風の噂を頼りに十兵衛を探し当てた金吾、鷲路まで一緒に賞金稼ぎに行こうと誘う!
女郎をズタズタに切り刻んだ2人の開拓民に対して女郎達が千円の賞金を懸けたという!折半でどうだ?と…
2度と人を斬らない…亡き妻との約束(酒も断っている)、金吾の申し出を断る十兵衛
しかし現実は…痩せ細った僅かな畑、子供達が食べるのにも事欠く始末
深夜…封印していた刀を掘り出す、スッカリ錆びついた短刀…半月で帰る!子供に言い残し…金吾を追う十兵衛
金吾と合流した十兵衛、途中から1人の若者が後を付いてくる、沢田五郎と名乗る男
ピストルの腕と地理に詳しいこと、既に5人殺したことがある!賞金稼ぎに加えてくれとの売り込み
鷲路まで2日間も短縮できるなら…、急ぐ旅!道案内の役にはたちそう?仲間に加わった五郎、鷲路村へ
早速、鷲路に乗り込んできた北大路正春なる腕に自慢の往年の志士
そこでの武勇伝を書かせるため、姫路弥三郎なる物書きまで同行させていた!
しかし、自分が治める村で敵討ちなど許さない一蔵、刀&銃の持ち込みを禁止、厳重な取締り
完膚なきまで打ちのめされ…無残な姿で村から追い出される正春
入れ替わるように…十兵衛達一行が、一蔵の立ちはだかる村へと近づいていた…


やっぱり元がしっかりしてるから、かなり骨太で見応えある映画に仕上がってます
ネットで見ると、映画通は否定的な意見が、まま目立ちますね…原作観てれば十分と…そうかな〜!?
時代も場所も変えてるんだけどね
100%の完コピ求めてどうする?気に入らない点があるのは分かるが…それで全否定?
金の為に人殺ししてきた主人公→幕府軍vs官軍の戦争の中で…人斬り・十兵衛と呼ばれる主人公
描かれるドラマが変わってくる!背負ったもの、罪悪感、ヘビー感が増す!(やや重くなり過ぎかな?)
ちなみに北海道って、どんな歴史を経て今に至るのかを知っている?まあ置いといて…
原作に対するオマージュに欠けている訳じゃなし!
原作を貶め、愛もなく、改悪し、冒涜するような内容ならともかく…
(私だって愛すべき作品がボロボロにされたなら、怒るが…、泣くこともある)
まあ完コピしてないからダメだと言うなら、2度とリメイクものは観ないことをお勧めする!
まあそう言う一部の映画通の残念なコメントを見てしまったのだけど…
見なくていいものを見てしまうネット社会の功罪?
ちょっと、それに対するコメントが長くなってしまった!
さて、舞台はアメリカ西部から、明治維新後…侍の時代の終焉の時代・日本の北の大地へ
追われ続けて北海道に隠れ住む幕府軍の残党、虐げられるアイヌ、極寒の地でギリギリの生活を送る人々
それぞれの正義感で総べる者、自由の大地“北海道”に広がる抑圧と不満、弱者に向く捌け口
人間の尊厳を冒され…悲鳴をあげる人々、生き抜くため…亡き妻との約束を破り剣を抜く男…
果たして古きが悪で、新しきが正義か?体制を維持するのが正義か?抗うのは悪か?少数派は潰されるだけか?
復讐を求めるのは正義なのか?復讐するのは正義なのか?今、世界的に問われること…
許される?許されざる?者(達)!
北の大地“北海道”で繰り広げられる壮大なドラマ
北海道生まれの私としては…なんかグッとくるし、知ってほしい事実が盛り込まれていて、良かった!
吉永小百合「北の零年」に続く、北海道の歴史映画でもあるのだ!
(一部映画通へ…こんな側面を考えてもいないだろう?)
で…
渡辺謙と佐藤浩市、柄本明、いいな〜って思ってたら、あまり話題になってなかったけど柳楽優弥が怪演だな!
アイヌと和人の間に生まれた子供、新たな時代を生き抜くことの難しさ、一生懸命に脱しようとして?
突きつけられる現実に対応して…変貌を遂げていく!
ああ〜もちろん、渡辺謙&佐藤浩市は重厚かつ迫真の演技です!
但し、耳の悪い私には、味はあるが…チョット柄本明の声は聞き取り辛いのが残念(一般の方は問題ないと…)
極寒の地での…裸で&吊るされ〜のは、命懸けでシャレにならなかったそうな…
相変わらず…國村隼は渋くて、滑稽な役どころがいいですね…
それから…
忽那汐里はイイ感じですが…もうちょっと顔の傷が深くても良かったけど、まあ若い女優さんには可哀想か…
あと個人的好みですが…熱演されてますけど、小池栄子さん、チョット苦手です(個人的好みの問題)
まあ、そんなところかな?で…
結局、誰も簡単には許されることはない、自らの行いの責任を背負って生きていかねばならないんだな…
公開2日目の第1回(10:40)、156席の映画館で9割程度の入り(TOHOシネマズ渋谷SCREEN1)
2011.09format