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土部、得手、ツチグモ関連の設定

 ツチグモ族は元々、土蜘蛛として討伐された人間たちの無念から生まれた妖怪という設定です。
 彼らは「ニンゲンは恐ろしいもの」という認識があり、隠れ里を作り出してそこに逃げ込みました。

 隠れ里にニンゲンは入れないので、彼らは安全な生活を享受することができましたが、永遠に近い寿命を持っているため徐々に無気力になっていきました。

 やがて「そういえば、あのニンゲンとかいう連中はどうなったのかなあ…」というぼんやりした想いが蓄積して土部が誕生します。
 彼はここ数百年で生まれた唯一のツチグモでした。
 生まれる元になった想いにしたがって人間界に出た土部ですが、他にも里を出たツチグモはいました。
 人間への復讐心を忘れられないツチグモ達です。(便宜上、闇のツチグモと呼びます)

 【戦国のころ】
 古寺に住み着いていた土部は人間に興味を持ちつつも中立の立場で、人間を脅かして反応を見たり、時には襲うこともありました。
 ある日、戦で焼け出された母娘が古寺に逃げ込んできて、土部は気まぐれから人間に化けて二人を助けます。
 その後、三人で家族のように暮らしましたが、長くは続きませんでした。流行り病によって二人は死んでしまったのです。
 無気力に永遠を生きるツチグモ族に対して、豊かな感情を持ちつつも儚い命を散らす人間に、土部は興味以上の感情を持ちました。
 二人を埋葬した土部は、失意のままその場を去ります。
 しかし、想いは一つの形となって子供が生まれていました。
 この子供の子孫が得手一家です。

 【現代】
 闇のツチグモの一人、怨(えん)は得手一家がツチグモの血を受け継いでいる事に気がつき監視します。
 しかし彼らの人間的で幸福そうな生活が、怨の怒りを爆発させて得手一家は襲われてしまいます。

 この時、公雄の兄である一雄は半妖の血を覚醒させて怨の攻撃から生き延びましたが、助けられたのは公雄だけでした。
 公雄を親戚に預けた一雄は、いずこかへと去ります。

 そのため公雄は、両親も兄も強盗に殺されたと思っています。
 また、公雄自身も半妖である事を知りません。

 これらの設定によって、以下のような伏線が残されました。
 ・公雄の血が覚醒することはあるのか。
 ・闇のツチグモと怨の動向。
 ・復讐のために怨を追う一雄はどうなったのか。
 ・土部は公雄の事を知っているのかどうか。
 ・土部が闇のツチグモと対峙した時、どうするのか。


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