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ソードワールドRPG リプレイ後半

 前半はリアルタイムチャットでプレイしていますが、ログを紛失してしまいました。(もしもお持ちの方がおられましたら、ご連絡お待ちしてます)
 後半はMESS(掲示板セッション)で行いました。そのリプレイです。MESSの性質上、会話の流れが前後しているような箇所もあります。

倒した司祭の指輪を調べる。

GM:
では、洞窟で、今倒した男をラルが応急手当している所です。
(GMでロール……)
ラル君は、男が指輪をはめているのに気付きますが、どうもそれは魔法の品物のようです。

ラルのプレイヤー:
セージ技能で何かわかりますか?

GM:
(判定の結果)魔法の品物というのはわかるんですが、知識の中にはないですね。珍しいものだとは思います。

ラル 「ん? これは・・・なあ、ウェイン こいつが右(左)手にしてる指輪よぉ たぶんマジックアイテムだと思うんだが・・・何かわかるか?」

ウェイン 「えーと、ちょっと待って下さいね?」

(知識判定)

ウェイン 「ちょっとわかりませんね。しかし、前にどこかで見たような……そう、あれはギルドの文献の……何か、ものすごく嫌な予感がするのですが。」

ラル 「嫌な予感ねぇ(しげしげと指輪を眺める)ま、取り敢えず貰っとくか 戻ったら(魔術師)ギルドで調べてもらおうぜ 値打ちもんなら売ってもいいし役に立ちそうなもんなら持っててもいいしよ」

ウッズ 「ラル…。 その男の指輪は取り上げといた方が良いのでは無いか? 気のせいかも知れんが何か仕掛けがあるような気がするんじゃが…」

ラル 「ああ、俺もそう思う それに、こんな物でも売ればいくらかにはなるだろうしな(゚ー゚)」

GM:
指輪に触れると、突然、頭がぼーっとするよーな感じがしました。
で、その指輪がすごく魅力的なものだと感じます。
それを指に、はめさえすれば色々とわずらわしいと感じている事から解放されるんじゃないかなーっと思います。
そして、指にそれを付けようと……
しかし、その行動がどこか自分の意思ではないとも感じます。
別の意思に抵抗しようと精神を集中……。

(抵抗判定)

そこでラル君は「はっ!」と我にかえりました。

ウェイン 「やっぱり危険なもののようですねぇ。大丈夫ですかぁ?」

ウッズ 「ん? どうしたんじゃ? 珍しい宝石でもハマっとるんか?」

ラル 「これに触れた瞬間よ なんか無茶苦茶この指輪をはめたくなっちまった・・・この指輪さえはめれば、ゴタゴタが全部片付いちまうような、そんな気になってよ。ま、どうやら抵抗出来たみたいだが・・・ったく、驚かせやがって」

ラル 「なあ、ウェイン この指輪の裏っかわのとこに掘り込んである文字よ 上位古代語なんじゃねぇか? おっと、指輪にゃあ触るなよ 俺の二の舞になっちまう ほれ、ここんとこ お前さん、読めそうか?」

GM:
指輪には上位古代語がかなり書き込まれています。
読める人でも時間をかけないと読めそうにありません。

(ラルが今の経験をもとに再度知識ロール)

GM:
魔法の品物の中には人を操ってしまうようなものがあります。そういうのは付けることで発動する場合と、触るだけでまるでワナのように発動するものがあり、特に後者の場合は「純粋にワナ」の場合と、何か訳ありのときがあります。知識を保存する目的で作られる場合が多いアイテムですね。

ラル 「かくかくしかじか・・・っつ〜訳でよ どうも、この指輪が臭せ〜んじゃねぇかと思うんだ」

ウェイン 「私もそれに同感です。ただ、それを証明できるかどうか……。こういう魔術的なものは信じてくれない人もまだいますから……。」

部屋の中を調べる。

ラル 「どっかにお宝とか隠してねぇかなー せめてギルドに払ったぶんくらいせしめねぇと、あいつに何言われるか判ったもんじゃねぇからなぁ(ぶつぶつぶつ)」

GM:
あまり価値のあるようなものはないんですが、ゾンビたちは服も着てますのでまさぐれば何かあるだろう…と思いました。
ちなみにゾンビは今回武器はなしで、服も旅用のやつで鎧とかではないです。

ラルのプレイヤー:
一応探してみます。
金品はもちろんですが、何か身元を証明できそうなものとか。

GM:
では、合計で50ガメル持っていました。
さらに「オラン〜エレミア間の通行許可証」と、「エレミア行商人ギルド証」を持っているのがいました。

ラル 「こういつらが例の行方不明の商隊か。。。」

今後の行動について話し合う。

ウッズ 「本人はしらばっくれておったが、恐らくこの男がザッシュとか言う狩人に間違いあるまい。あの娘を連れてこよう」

ウェイン 「どうせ穴蔵から引きずり出すんですし、この男が、ザッシュ君であるということは、戦闘中のあの様子からも確実ではないかと。それなら、無理にこの中に連れてこない方がいいかと思いますが」

ウッズ 「あの娘以外には確認できる者がおらんのじゃろ? もしかしたらゾンビの中におるかも知れんしな…。 それにわしの考え通り、この司祭が変わり果てた元恋人だったとしてもあの娘には知る権利があると思うんじゃ。」

ウェイン 「ゾンビの中にいるというのはないでしょう。今までの行動を見るに。それに、ゾンビだったら確認のしようもありませんし。」

ウッズ 「外に一人で放っておくのも危険ではないかな? 狼なんかもいるんじゃろ? この辺…。それにこの男を街に連れ帰るなら遅かれ早かれ引き合わせる事になるのと違うか?」

ウェイン 「若い娘にゾンビなど見せるのも酷でしょうし、護衛代わりに先に外で待っていればよいのでは?」

アリウス 「俺もそー思うな。引き合わせるにしろ何にしろ、この死体だらけの部屋に連れてくることもねーだろ。」

ウッズ 「うむ、言われてみればその通りかもしれん。あまり死体や妖魔の類いを見慣れておらんようじゃったからな」

アリウス 「それよりおっちゃん、この祭壇みてーなのはやっぱりなんかの神様なのかい?」>ウッズ

ウッズ 「あれは…ブラキ神殿で教わったファラリスの紋章のようじゃな。知っているとは思うが、個人の”欲望”を充足させる為には何をしても良いと言う教えを説く教団らしい。わしとて己の技術や能力を高めたいと言う気持ちは有るが、その為に何をしても良いと言うのは気に入らんし、やつらは邪な欲望をも肯定していると聞く…それは許せん事じゃなかろうか?」

ウッズのプレイヤー:
言い終わると、ウッズはつかつかと祭壇に歩み寄り、無言のままマトックを振りあげます。

アリウス 「あー、アレだな。“汝の欲するままに為せ”とか教えてるっていう。つー事はだ。おっちゃんがそいつを壊そうと“欲して”“そのように振る舞う”ってのもその神さんの意に添った事になるよな(笑)。」

ウッズ 「お主…、本気で言っておるか!? 相手は死者をも冒涜するような…」

アリウス 「違うだろ?死者を冒涜してんのはそれを行った人間だ。まあその神さんが力を貸さなかったら出来ねー事だがな。」

ウッズはアリウスを睨みつけるが、アリウスに怒っても仕方ない事に気付く。

ウッズ 「ほんにわしゃぁまだまだ修行が足らんな」

ウェイン 「ああ、そういう祭壇を壊すとよく……」

ウッズは祭壇を壊した。

ウェイン 「何かのトラップが発動したりするのですが、手遅れですね。(ため息)」

ウッズ 「トトト、トラップぅぅぅ?」

ウェイン 「良かったですねぇ、トラップも呪いもなかったようですよ。……ああでも、呪いは一定条件が来たとき発動するというのもありますから、一概に安全とは言えませんがまぁ、とりあえずということで。」

アリウス 「あーあ。やっちまったか。壊す前でなけりゃ、こいつが最近作られたものか、それとも以前からあったものか判ったかも知れねーがな。こいつが(と応急手当されたローブの男を足でつつく)自分でその神さんの教えに目覚めたのか、それとも以前からの司祭か何かに吹き込まれたのかってのもな。」

ウッズ 「それを先に言わんかい(^m^; まったく…、やっちまってから『トラップが有るかも』だの『何か分かったかも』だの『かもかも』言われても今更直せるもんと違うぞい…。まぁ、止められてもやるつもりではおったが(笑)」

アリウス 「実際に痛い目に遭えば、軽率な行動も自然と慎むよーになるだろ。実体験が一番身に付くって云うし(笑)。そー考えて、敢えて止めなかったんだよ。もっとも、かなり危険だと思ったら、何が何でも止めてるがね。それと、俺の疑問はこいつに直接聞けばいー訳だから、おっちゃんがそれを壊しても大して困らねーんだ。」

ラル 「気ぃすんだかぁ? ウッズ こいつら(ゾンビ)例の商隊の連中みたいなんだけどよ、このままうっちゃとっくのもなんだし、その辺にまとめてやらねぇか? 知らせが伝わりゃあ、身内やら関係者やらが葬りに来るんだろうけどよ・・・取り敢えず、な」

ウッズ 「ふむ…。 取り敢えず今のワシに出来るのはこんな事しか無いからな」

ウッズ 「うむ。 外の亡者共もそのままじゃし、あの娘の身も気になる。わしが外に穴を掘って簡単な供養をしておこう。さっきは落ち着いて説明する間がなかったが、実は三年前にラル達と別れた後、つい最近までブラキ神殿に世話になっておってな、簡単な葬儀くらいなら見様見真似で覚えておるんじゃ」

アリウス 「別におっちゃんの神様を冒涜するつもりじゃねーんだが、家族としても、自分達の墓に、自分達なりの神様に祈って貰って埋葬したいんじゃねーの? 形を整えて、祈りだけ捧げとく位でいーとおもうぜ。」

ラル 「俺もそう思うぜ 見たとこゾンビになって間も無いみたいだしよ 身元を引き取りに来たやつらに任せちまうのが一番じゃねぇか? それに、そんだけの墓穴掘るのは、さすがのウッズでも簡単にゃいかねぇだろうしよ・・・」

ウッズ 「まっ、同じ人間であるお主らがそう言うのならそれで良かろう。洞窟の中なら腐敗もゆっくりじゃろうし…」

ウッズのプレイヤー:
ゾンビを部屋の隅に運び、他のゾンビもその場所に集めましょう。

ウッズ 「我らが神よ。 この者達の魂を天界に送り、束の間の安らぎを与えたまえ…。 そして、生まれ変わりし時、二度と他者に愚弄される事無く、自らの信ずる道を自らの足で歩めるよう見守りたまえ…」

ウッズ 「おっと外のゾンビは埋めて良いな? 今からあの匂いじゃ、放置しておいたらどんどん見るに耐えん物になりそうじゃし…」

アリウス 「おっちゃんがそうしたいってんなら止めねーよ。一応そこに誰が眠ってんのか、判るよーにしとけば問題ねーだろ。」

ウッズ 「相手の名前も知らんのに無茶言うわい(笑) まぁ、着ておった物の一部でも見える位置に出しておくとしよう」

アリウス 「取り敢えず、此処は出よーぜ。分かれ道があっただろ。その先を調べて見ねーか?」

ラル 「(そう)だな」

ウェイン 「これで、向こうにも何かいたら、ぞっとしませんけど(^_^;)」

ウッズ 「向こうの通路を捜索するなら任せる…何かあったら呼んでくれ。わしゃ、精神的にちと疲れたよ…。そうそう、わしらより先にエレミアを出たというマイリーの神官戦士が近くに居るやもしれん。 誤解されんように気を付けてな」

アリウス 「生きてる相手なら、交渉くらいするさ(笑)。」

ラル 「そんじゃ、行ってみっか?」

ウッズ 「気を付けてな。 こちらも何かあったら呼ぶとしよう」

別の通路を調べるアリウス、ラル、ウェイン、エレン。

GM:
別の通路のほうには奥に牢屋とかがあっただけで特に何も目に付くものはありませんでした。
牢屋とは言ってもちゃんとしたものではなく、洞窟の奥を利用して途中に鉄格子を取りつけたようなものです。

アリウス 「牢屋ねぇ………こりゃーやっぱり、あいつが使う前にも此処を使っていた奴が居るな。目を覚ましたら色々聞くことがありそーだ。」

アリウスのプレイヤー:
最近使われたような形跡はありますか?

GM:
最近、使われた形跡があります。排泄物とか、ニオイとかですぐにわかりますね。

アリウス 「ふん。此処に閉じこめてたって訳か。ま、1日やそこいらで状況が変わったとも思えねーが、救出が早けりゃ助かったかもな。気の毒に。」

アリウス 「さて、捕まった奴等が何かしら残してねーか………」

牢屋内を探索してみるアリウス、ウェイン、エレン。
しかし特に何もないようだ。

アリウス 「さて、なにも見つからねーし、これ以上ここにいても無駄っぽいな。取り敢えず出よーぜ。」

洞窟の外で埋葬をするウッズ。

GM:
ウッズ君とミアンは外に出てます。
今はウッズ君が埋葬をしている最中ですね。そこへ1人のドワーフがやって来ました。彼は武器を構えていましたが、ウッズを見た後、降ろします。

ドワーフ 「ふむ、見たところブラキ神に仕える神官のようだの。盗賊やなんかの類ではあるまい」

ウッズ 「盗賊なら仲間にラルというのがおるが、ヤツは町中におるスリや物取り専門の奴等とは違うぞ。遺跡や危険な迷路を探検する為にはかかせん男なんじゃ(^m^)」

ドワーフ 「わしはマイリーに仕える神官戦士で名はブルード。実はこの辺でマイリーの神官が行方知れずになってな。事情を調査しておったのだ……そちらはどういう訳でこんな辺鄙なところにおる?」

ウッズ 「そちらと同じようなもんじゃ。 こっちはそこにおるミアンと言う人間の娘さんに頼まれて、彼女のコレ(右手の小指をピッと立てます(笑))を探しておった…。まだ、この洞窟の中で仲間がエレミアの商隊の生き残りがいないか捜索中じゃ…」

ブルード 「むう? そこの女と商隊とどういう関係がある? お前らは商人ギルドにでも雇われたのか?」

ウッズ 「否、わしらは商人ギルドとは直接関係はない。依頼主である人間の女性も同じじゃ。彼女の”コレ”はこの辺にすんどった狩人だそうじゃ。それでな…。 商隊が行方不明になっとると言うのは、依頼の内容の危険度を知る為の情報収集の中で知った事でな。その中にマイリーの神官がおったと言う話も聞いておったんで恐らくこのゾンビにされとった連中が行方不明の商隊の連中だろうと推理したワケじゃ…」

ウッズ 「そうそう、ブルード…と言ったの、アンタが探しとるのはそこのお仲間かな?」

ウッズ 「残念ながらわしらがここに来た時には既にゾンビとやらにされとってな…。霊界回帰(ターンアンデット)も試みたんじゃが、力及ばずでなぁ…。やむなく退治させてもろうた…ホンにすまん」

ブルード 「戦いに倒れるのはマイリー神に仕える者のさだめ。だがゾンビなどにされるとは情けない事じゃ。だが不浄なる者としてさまよい続けるよりはましじゃろう」

ウッズ 「そのゾンビのことなんじゃが…。どうやらこの事件、邪教であるファラリスが絡んでおるらしい…」

ブルード 「もしわしが早く到着しておったとしても、呪われた魂を救う力はなかった。感謝する、ブラキの神官どの」

ウッズ 「否、自分の身を守る為にした事じゃ。感謝などいらんよ。わしの名は”ウッズ”じゃ。ブラキの正式な神官では無いが、神殿の手伝いをしているうちに神の力を身近に感じるようになってな…。おぉ、そうじゃ! ブルード殿、もし急いで帰る必要が無かったら申し訳無いがしばらくご同道願えんじゃろうか? 情けない事にわしゃヘトヘトでな…。仲間が怪我をしておるのに神に祈りの言葉を届けられそうにないんじゃよ…」

ブルード 「まぁ、いい。ファラリスが絡んでおるとなると無視はできんし、わしもこの件については調べて神殿に報告せんといかん。それがすむまではここに留まっておるから、何かあったら呼べ」

ウッズ 「すまんのぉ、恩に着るわい(^m^) 今回は後先考えずに神の力に頼りすぎてしまったようじゃ…」

ウッズ 「おっと、忘れとった。 これはブルード殿に渡しておこう」

ウッズ 「エレミアに戻って事件の報告をする時に『物証が無いと…』と思って、そこのお仲間から借りとったもんじゃ」

ブルード 「わしには証拠なんぞ必要ないが、そういうなら受けとっておこう。後でお前さんが困らなければ良いが」

ウッズ 「幸いファラリスに関係しとった人間を生け捕りに出来たんでな。そいつの証言や、はめとった指輪が証拠になるじゃろ…。それに恐らくマイリー神殿から各ギルドに報告もいくじゃろうし」

洞窟の外で全員が揃う。

GM:
別の通路のほうも探検してきた面々と外で待っていたウッズとミアン、それに新顔のブルードと、たぶん誰かが連れてきているであろう司祭(ザッシュ)と、全員が洞窟の外に出てきました。

アリウス 「ん?おっちゃん、知り合いかい?」>ウッズ

ウッズ 「おぉ、出てきたか。丁度いい、紹介しよう…。こちらは例のマイリー神殿の使いの方でブルード殿じゃ」

アリウス 「ああ、確か信者を捜してる神官戦士が居るって話だったな。」

ウッズ 「彼等がわしの仲間じゃ。 ラルとエレン、それにアリウス。そして、アリウスが連れてきたのは…、ファラリスの司祭…らしい。勿論、ヤツはわしらの仲間ではないが…。どうも、彼ははめていた指輪に操られていたらしいんじゃ」

アリウス 「おいおいおっちゃん。1人忘れてんぜ。」

ウェイン 「ふぅ、所詮ハーフエルフなんて影が薄いものですから……」

ウッズ 「………すまん(^m^; やはり疲れておるようじゃ…」

アリウス 「どーだかな………指輪に書かれてたのは上位古代語ってやつだろ。ファラリスにしろ他の神様にしろ、使うなら自分達の言葉である神聖語ってのにするんじゃねーの?」

ウェイン 「ラルハイムさんがさっきかかりかけたことからも、指輪に操られていた可能性があるということでしょう。」

ウッズ 「そうじゃ、中の様子はどうだったんじゃ? 生存者は見付からなかったんか?」

アリウス 「いーや。他には誰もいなかったぜ。外のと合わせて8人か?商隊の人数がこれだけなら問題ねーが、他にもいたとすると、連れ去られた可能性が有るな。つまりこいつ以外にも関係者が居るって事になる。」

ブルードは無愛想に挨拶し、黙って話を聞いています。

ミアン 「ああっ、ザッシュ! どうしてここに?!」

ウッズ 「やはり…な」

駆け寄ろうとするミアンをアリウスが遮る。

アリウス 「悪りーがちょっと待ってくれ。色々聞きてー事が有るんだ。こっちに襲いかかってきた所から察するに、どーやらこの事件に大分関わりがありそーなんでね。」

ミアン 「ええっ?!」

PCたちは気絶しているザッシュを起こします。

GM:
ザッシュ 「う、う〜ん……」

と、目を覚まします。それから周りを見て、かなり「?」という感じ。
ミアンの姿を見つけて、呼びかけます。

ミアン 「ザッシュ、良かった目を覚ましたのね!」

ザッシュ 「ミアン……どうしてここに? ここは……小屋の近くか、どうなってるんだ? この人たちは?」

ミアンは2ヶ月ちかく姿を見なかったので心配して探しにきたことと、皆さんを雇ったことなんかを話します。

ザッシュ 「なんだって? 何ヶ月も? ……ううっ…そういえば俺は何を」

ラル 「何も覚えてねぇのかい?(頬をポリポリ)ゆっくりでいい。覚えてる所から話してみねぇか?」

ザッシュ 「う、うーん……」

アリウス 「ラルよ、こいつが付けていた指輪を見せてみたらどーだ?」

ラル 「そうだな。なあ、ザッシュ……お前さん、こいつに見覚えねぇか?」

ザッシュ 「ああっ、それは……」

GM:
指輪を見たザッシュは思い出した事を話します。
どうやら街で旅の人から買ったそうです。魔法の指輪だと言っていたそうで、効果は「欲しいものが手に入る」だそうです。

ザッシュ 「最初は怪しいとは思って相手にしなかったんです。……でも、」

とミアンを見て。

ザッシュ 「あの後に……」

ミアンはそれで「はっ」とした様子。

ミアン 「私たちのため……?」

ザッシュ 「俺には金も、身分も、商人としての知識だってないから……ウソだろうとは思ったんだ。でも……俺もまいってたんだ…」

そして、指輪を受けとってからの記憶はないそうです。

ウッズ 「大馬鹿者が…。”身に付けるだけで賭け事に大勝利!””何故か女の子にモテモテ!”、”これのお蔭で見事合格!””見る見るヤセる!”、”背が高くなる!”なんてのは、 十中八九…否、全て楽して儲けようと人間が考えついた大嘘じゃ! そのクセ、『効果が無い』と文句を言うと『これはドワーフさん達には効果が無い様ですね…』なんて言い逃れしよるんじゃ…」

アリウス 「おっちゃん………正直に云いな。幾らで買ったんだ?」

ウッズ 「『賭け事に大勝利ペンダント』は100ガメル…。こいつは全く効き目無しじゃったな。『女の子にモテモテ香水』も100ガメル。寄ってきたのは猫だけじゃった…。『一粒で見る見るヤセる薬』は50ガメル。飲んだら三日間下痢してゲッソリした…。『背が高くなる秘伝の巻き物』は70ガメル。”牛乳飲め”とか”懸垂しろ”とか書いてあった。とにかくじゃ…、どれもこれも値段に見合った価値の物では無かったなぁ…」

アリウス 「俺からみりゃー、割と良心的だったと思うがね(笑)。しかしおっちゃん、ただでさえ食費が人よりかさむのに、そーゆーモンに手ぇだすんだものな。金がねーはずだ。」

ウッズ 「うむ…。まぁ、しかし金など残しても誰が喜ぶでも無し…。毎日飯が食えれば、わしゃそれで満足なんじゃが…。今更神殿には戻れんしのぉ…」

話は戻って……

アリウス 「ふん、そーゆーモンに『魅了』の術まで掛けて付けさせたがるってーのは気にいらねーな。さて、おそらくかーなり重要なんだが………そいつの顔はおぼえてんのかい? そいつを提示できねーと、上の者を説得すんのは難しーと思うんだが。」

ザッシュ 「はい。見ればすぐにわかると思いますけど……本人の言うように旅の格好でしたし、どこにいるかはわかりません」

アリウス 「お前さんの気持ちもわからねーでもねーが、そーいう他人に与えられたよーなモンで目的を達成して、それで満足できんのかい? そーゆーの中身の伴ってねーものは、後で必ず本人を裏切るものだ。苦しかろーが、全てを自分で努力して手に入れろ。まだ若けーんだからな(笑)。」

ザッシュ 「・・・・・」

ラル 「最初はって、すぐに買ったわけじゃねぇんだ?・・・って事は、何度か接触してたのかよ? 名前とか、接触の方法とか、言葉の訛りとか・・・なんでもいい なんか覚えてねぇか?」

ザッシュ 「そうですね……。東方語とか西方語とか、そういうのではなくてなんだか少しおかしい共通語でした。なんというか…子供みたいに上手くないっていうのか……すみません、あまり注意してなかったんです」

ウェイン 「共通語を使うのに、慣れていないような印象でも受けたのですか?」

ウェイン 「そうならば、本来大都市からはかなり離れたところにいる様な者のはずだから、少なくても誰かを利用する必然があったことになるし、わざわざそんなことをするということは、人間関係でザッシュ君を陥れるなり、洞窟に何らかの意図があるかのどちらかでしょうが……う〜ん、わからないですねぇ。」

ラル 「ところでよ、そんな美味しい指輪 あんた、いくらで買ったんだい?」

ザッシュ 「500ガメルも払いました」

ラル 「あんたにゃ辛い話しかもしれんが、聞いてもらうぜ」

ラルのプレイヤー:
って事で、これまでの経緯を簡潔に話します。

アリウス 「しかし、これだけの事をしでかす理由が判らねーな。ただ人を襲ってゾンビにして、何をしようってんだ?」

ザッシュ 「そういえば……そんな気も……ううう。何かの準備だったんです……たぶん」

ラル 「何かの準備ねぇ・・・いつまでに何を準備しなきゃいけなかったのか、何か思い出さねぇか? そんでもって、その準備で何をするつもりだったのか・・・とかよ」

ザッシュ 「わかりません。そこまでは」

ウェイン 「みなさん、ザッシュ君にもう一度あの祭壇を見せてみませんか? 何か思い出すかもしれません。」

ラル 「そうだな。それが手っ取り早いか。なあ、ザッシュ。疲れてるかもしれんが、中までちぃとばかり付き合ってくれっか?」

ザッシュ 「はい」

ファラリスの祭壇があった部屋へ行く。

GM:
ザッシュ君はそれを見ても特に何か思い出す事はないようです。

ウッズ 「困ったのぉ…。 このまま連れ帰ったら恐らく犯罪者として厳しい尋問が待っているだけじゃろうし…。…かと言って、この事件…このままにしておくともっと悪い事がおきそうな気もするしのぉ…」

アリウス 「こいつの言う事が全部本当の事だとしたらの話だけどな。自分が罪に問われたくねーばかりに、話を作ってるっつー事もありえるんだぜ?」

ウェイン 「まぁ、その考えも必要ですが、それだけ賢かったら、もっと他の事をしていたのではないでしょうか。」

アリウス 「時間がなかったって事もあるだろーさ。ま、皆がそうしたいってんなら、俺が我を通す理由もねーよ。ただ、同情だけで庇うにゃ、リスクがちと大きいんじゃねーかってな。」

ウェイン 「確かにリスクは大きいですし、我々のやってることから考えれば、ここは引き渡した方が得策でしょう。ただ、今は信じられるとも信じられないとも言える状況なので、様子を見て処置をするという形が、ベターかなぁと思いますよ。」

アリウス 「なるほど。そういう事なら、ここは人生の先輩に任せますか。」

ウェイン 「(声を小さくして)かばう理由は同情だけではないですしね(^_-)-☆。」

アリウス 「なるほど。そういう事なら、ここは人生の先輩に任せますか。」

ウェイン 「(ぼそぼそと)どうせ、エルフ族やハーフエルフ族は老けてみられるんですよね……まだ20前なのに……人生の先輩にされてしまうのだから……」

アリウス 「あ、そうだったのか? いや、老けてるっていうより年齢が解らねーんだが………ま、それはともかく、俺が云いたかったのは実年齢じゃなくて実際に冒険した年月のことだよ。ここ最近になってこういう稼業を始めた俺なんかより、あんたのほーが、よっぽど経験豊富だと思ってね。」

ウェイン 「ザッシュ君の記憶の方も戻りそうもありませんし、今のところ我々が持っているカードは、あの指輪ぐらいしかないようですね。この後どうするにせよ、一度街に戻った方がいいかもしれません。それに、この指輪を調べるにはギルドの力が必要ですし。ただ、どっっから報酬を上乗せしてもらわないと……」

アリウス 「それでいいぜ。俺だって、こいつらをゾンビにした奴を憎んでいねー訳じゃねーんだ。」

ラル 「これ以上ここにいてもしょうがねぇか・・・」

ラル 「あんたも街までついて来てもらうぜ」>ザッシュ

ウェイン 「私としては、あまりいい気分になるとは思えないので、ザッシュ君を官憲につきだして終わりという風にはしたくはないですが。」

ラル 「俺も出来りゃあそうしたいんだけどな・・・」

アリウス 「ま、確かに依頼人の心証は良くねーよな。恋人な訳だし。」

ラル 「・・・で、あんたはどうするつもりなんだ? この指輪に操られてたのかもしれんが、あんたが――ゾンビに視線をやり――やった事には変わりがねぇしな。」

ザッシュ 「わかりません…。実際自分がこんな…事をした実感もありませんし手段もまったく覚えていません……。街では騒ぎになっているんですか? 僕は街道警備隊なりに出頭したほうが良いんでしょうか…?」

アリウス 「ま、向こうさんもこーいう事件が起こっている以上、そのままにしておいて街の人を不安にさせとく訳にはいかねーからとにかく犯人捕まえて処刑して『これで安心だ』と説明する必要があるだろーしな。たぶんそんな曖昧な証言じゃ、信じてもらえねーと思うぜ。お前さん、そんな最後がお望みかい?」

ザッシュ 「・・・・・」

アリウス 「俺としちゃー、ここまでやらかすよーな奴がこの程度の手応えしかねーなんて信じられねーがな。自分で言うのも癪だが、俺程度の腕前の奴は他にもごろごろいるしな。そんな奴に倒される相手が隊商の人間を1人たりとて逃がすことなく、ゾンビに仕立て上げるなんてできる訳ねーだろ。」

その後の顛末

ブルードが先に街に戻るとシーフギルドから報酬がもらえない件について相談すると……

ブルード 「……まぁ、ここを調べるのに半日はかかるじゃろうなぁ。今すぐに初めても、出発は明日になりそうじゃわい」

というわけで半日程度の時間を確保した一行はまずシーフギルドに行き、以下の情報を売る。
  1.商隊や神官戦士を襲っていたのはゾンビ
  2.ゾンビは全て退治した
  3.ゾンビを操っていたのは暗黒司祭
  4.暗黒司祭も退治した
  5.2と4の場所
  6.暗黒司祭の正体は指輪で操られたザッシュだった
  7.これがその指輪
  8.ザッシュは生きているが操られていた時の事は覚えていない

これに対してシーフギルドの人は報酬を支払い、こう言う。

「そいつがどこの誰かなんて関係ないし、犯人探しが目的じゃねぇ。用は事情さえわかりゃあいいんだ。あんたの報告は事態の説明に使うには十分だ」

「証拠の品ってつもりなら、必要ないぜ。あんた、ギルドにウソの情報を売るほどバカには見えねぇし、それが本当かどうかって事も、実際には問題じゃあないんでね」

シーフギルドの目的は、事件の真相をいち早く得る事にあって解決する事ではない、というわけ。
GMとしてはこの事件の黒幕と、それに繋がる指輪は次回以降の導線に使えるので残しておきたかった。

次にパーティーが最初に請けた依頼はミアンからで「ザッシュを探しに森へ行きたいので護衛してほしい」だったので、これについても報酬をもらう。

ザッシュをどうするか、についてはパーティーの話し合いは「ザッシュを官憲に突き出すような事はしたくない」という流れだったので保留という形になった。

後日、パーティーの滞在する宿屋にミアンとザッシュの二人がやってくる。

ザッシュ 「いろいろと考えてみたんです……実際に操られていたとは言っても自分のした事は事実なんでしょう。それで何をすべきかって事なんです。もし、今回の事件の犯人を探しているのなら、名乗り出るべきだと思いました。でもその様子はありませんし、もしそうしたとして、自分が取り調べなんかされずに処刑されることは……彼女を悲しませるだけです。彼女が危険を犯してまで、森に俺を探しに来てくれて、感動しています。」

ザッシュ 「不安はあったんです。ミアンはやはり、大きな商人の娘です。その気持ちが本物なのかどうか……。そして自分の気持ちも本物なのかどうか。でも今は違います。(2人見詰め合って)やっと分かりました。どれだけお互いが大切なのか、必要なのかって事が。」

ミアンは感動した様子で、こう言います。

ミアン 「2人でどこか別の街に行って暮らしましょう。私は貴方がいれば家を捨ててもいいわ」

しかし、ザッシュは首を振って、

ザッシュ 「それじゃあ、いけないんだ。この先、どうなるかわからない。でも君の両親や故郷を捨ててはいけないよ。俺は決心がついた。君の両親に2人の事を許してもらえるまで、何があっても、あきらめずに説得したいと思う。1人じゃ、無理でも、今は2人だから、やろう!」

二人は手を取り合って、新たな一歩を踏み出しました。

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