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地の文はGMです。
(キャラ名)PL:はプレイヤー発言です。
【参加キャラクター】
・リオアルド(リオ):シェイプシフター(熊)/男性/戦士
・ラキエル(ラキ):リーン/女性/旅人
・チャム:フェアリー/女性/精霊使い
・ブレイブ:人間/男性/クレリック
・ブルード:ドワーフ/男性/戦士[NPC]
では、皆さんのキャラクターはくじらのヒゲ亭で1夜を過ごしました。
朝になって1階に皆さん、揃っている事にしてください。
1泊5cpですので、その分のお金は支払っておいてください。
※以下、ラキとチャムの前日の会話ということで。
チャムPL:あ、あのぉ・・・チャムの所持金って1cpしか無いのですが(^_^;)
ラキPL:何でしたら一緒に泊まりませんか?
ラキ 「まあ、あなたもしかして、昨日のフェーじゃありません? もし良ければ、私の部屋に来ませんか? 色々話しも聞きたいですから。」
チャム 「あーーーっ!昨日のお姉ちゃんでしゅぅーーーっ!!(ぴゅーーぴとっ)ごきげんようでしゅ(*^^*)」
ラキ 「くすくす。ごきげんよう。私の名前はラキっていうの。あなたは?」
チャム 「チャムはねチャムって言うんでしゅ(*^^*)」
ラキ 「チャムちゃんっていうのね。これから仲良くしましょうね。」
ラキ 「あなたみたいな小さな人が1人で居るのって、すごく珍しいと思うのだけど、どうしたの?」
チャム 「えっとでしゅね、えっとでしゅね こぉ〜〜〜〜んないっぱいのほしくしゃの中でおやしゅみしてたたんでしゅ。しょんでお目々がしゃめたら知らない所にいたんでしゅ。お姉ちゃんはチャムのお家を知ってるでしゅか?」
ラキ 「ええっと、旅の途中でフェーの村に立ち寄ったことはあるけど、チャムちゃんみたいな喋り方はしていなかったと思うわ。だから、たぶん違うと思うんだけど、もし気になるなら今度一緒に行きましょうか?」
チャム 「はいでしゅ(^O^)/ でもしょの前にもっとお外のしぇ界が見てみたいでしゅ(*^^*)」
ラキ 「その気持ちはよく分かるわ。それなら、2人で一緒に世界を見て回りましょうか。それなら、戻りたくなったときに案内できるし。」
チャム 「わ〜い、仲良くしゅるでしゅ(*^^*) ところでお姉ちゃんは何してるでしゅか?」
ラキ 「私はねぇ、いろんな所を旅して回っているのよ。だって、家にいたんじゃ見ることも聞くこともないようなものが世界にはたくさんあるんだもの。全部見ないで居るなんて、とても損をしていると思わない?」
チャム 「たくさんあるでしゅか?w(@_@)w チャムも見たいでしゅ見たいでしゅ見たいでしゅぅ〜!!」(笑)
ラキ 「そんなにあせらないの。」
ラキ 「世界には驚きもあるけれど、危険もいっぱいあるの。それに備えて準備するのも大切なのよ。そういう準備のために、こういう街で話を聞いて、情報を集めるの。ここで聞ける話にも、不思議なことを教えてくれるものがあるし。そして、これは大事なことなんだけど、人間の街で暮らすには、色々お金が必要なの。私の様に1つ所に留まらない人間は、給金を貰えるような仕事はあんまり出来ないから、芸を披露したり、日雇いになったりしてお金を稼がなくちゃならないのよ。」
※翌朝に戻って。
カウンターでは、ドワーフのブルードが朝食を食べている所です。
すると、そこに1人の中年女性が入ってきます。
雰囲気から言って、食堂のおばちゃんという風です。
その人はズカズカとカウンターまでやってきます。
グレイ(くじらのヒゲ亭主人) 「ミラーさん…どうしました?」
ミラー(入ってきた中年女性) 「どうしたもこうしたもないわよ!」
ミラー 「アンタん所から雇った…あのドワーフ! どうなってるの?! ぜんぜん仕事してないじゃない!」
と、カウンターのブルードに目が止まり、
ミラー 「あ、あんた! ちょっと、今朝地下室に行ったら、まだ沢山いたわよ!」
ブルード 「またか…俺は昨日、ちゃんと全部退治したぞ!」
ミラー 「なら、見に来てごらんなさいよ! お金払ってるんだから、きっちりやるのが常識でしょ! 少なくとも、ここじゃそうなのよ!」
ブルード 「ドワーフだってそうだ! お前ら人間より、そこんとこはきっちりやる!」
と、喧嘩が始まります。グレイはやれやれと止めに入って、ブルードに諭します。
グレイ 「ブルード、この場合ミラーさんが嘘つく理由もないだろ? また出たんだよ。行って確かめてきな」
ブルード 「…わかった。俺だって、こんなこと言われちゃあな。くそっ、どうなってんだ。昨日は全部退治したのに」
ミラー 「まってよ、この人だけじゃ心配だわ。私は忙しいから見張れないし、アンタん所から他に誰かやってよ。グレイさん」
グレイ 「(はー…まいったな、こりゃ。俺が金出して誰か雇うしかねーか)はいはい。もちろん、うちが紹介した仕事ですからな」
と、いうわけでグレイは店内を見回します。
ラキ 「(ずいぶんな剣幕ですね・・・)」
ブレイブ 「なんだ、何か起きたのか?えらい剣幕だが……まぁとりあえず良いか、マスター朝食を頼む。精のつくもので頼む、まぁ今日は暇だがなぁ」
では、グレイさんの視線はリオ君に止まります。
グレイ 「お、リオ。お前さん仕事探してたな。手始めに俺に雇われてくれないか?」
リオ 「えっ? 早速仕事貰えるんですか? やっほ〜!」
リオ 「あっ! ラキさんだ! 仕事あるってさ、仕事、仕事〜!」
ラキ 「そうなんですか?おめでとうございます。」
リオPL:一緒にいるチャムちゃんを発見。
リオ 「○×△□!?(←漫画的驚きの表現)」
ラキ 「リオさんはフェー(妖精)を見たことが有りませんか? チャムさんと言います。昨日、仲良しになったんですよ。」
リオ 「ふぇ〜? おいらの村には居なかったなぁ。」
チャム 「ふわぁ〜〜〜おっきな人でしゅ〜〜〜w(@_@)w」
リオ 「そう言う君はちっちゃい人だね〜(^-^)」
ラキ 「彼女たちは森の奥などに集落を作って暮らしているんです。こういった街ではあまり見かけることはありませんね。物珍しさやいかがわしい実験の材料に捕らえられることがあってから人前には、滅多に現れなくなりましたから。」
リオ 「へぇ、確かに珍しいって言うか、ビックリだよね。こんなに小さくて、しかも空を飛ぶなんてさ(^-^)」
ラキ 「ふふ。空を飛ぶのが珍しいですか?」
リオ 「虫や鳥なら珍しくないけど、普通の人は空飛べないもんね。」
グレイ 「いや、俺が雇えるのは一人だけだ。もしお前さんが、一人はいやだというのなら、別の仕事もあるがね。そん時は別なやつにブルードと一緒に行ってもらうが?」>リオ
リオ 「え〜! そうなんですか?」
グレイは他にお店にいる人にも声をかけます。
グレイ 「ちょっとした仕事に興味あるやつはいないかね?」
ラキ 「どんな内容なんです?できそうかそうでないかを判断しなくては返事もできないんですけど。」
グレイ 「いや、まぁ、そこのブルードと同じなんだが、ようはねずみ退治さ。1日かかると思うが、とにかく上手くやれば銀貨1枚の報酬だ」
ブレイブ 「仕事、仕事というので、何かと思ったらネズミ退治か、しかしネズミ退治に銀貨一枚とはずいぶんと奮発するな、お主。」
ラキ 「そうでもないんじゃありませんか? こういう大きな街だと、ネズミの数も馬鹿になりませんし、先ほどの話では結構しつこい相手のようですから。あ、失礼しました。私はラキと申します。貴方は?」
ブレイブ 「あ、申し遅れた、私はブレイブという旅のクレリックだ。まぁ旅に出たばかりで、正直色々と勉強することばかりなのだが。しかしネズミの数もこれだけの街になると確かに馬鹿にならないというのもうなずけるな。」
ブレイブ 「わしは暇だし、昔貧乏寺でネズミどもとの戦い(?)には、毎日のように遭遇しておったので、手伝ってもかまわんよ。」
ラキ 「経験者がいらっしゃるなら心強いですね。正直、手を出しかねていたところですが、私でも力になれるなら手伝わせて下さい。ここでこうしていても、財布が軽くなるばかりですから(笑)。」
ブレイブ 「田舎の寺院での経験がどこまで役に立つかわからぬが、あの手の小動物が相手では、人手は多いに越したことはないからな。それならば、報酬は山分けということで一緒にやろう。確かに財布の中身も心細くなるしな(笑)。」
グレイ 「うむ。報酬のほうは一人銀貨1枚という話だが、2人でという事だ。しかしなぁ、このネズミ退治の仕事、今数件抱えててな。引き受けるなら、2名ずつ1組で頼むことになるが、どうかね?」
リオ 「はいはいはい! やります、やります!」
チャム 「はいはいはい!! チャムも行くでしゅ〜〜〜っ!!(>_<)/ ・・・ところで何処へ行くでしゅか(・_・?)」
ブレイブ 「ははは、威勢のいいちびチャンだな。うむ、あちらが構わんと言うのならば、3人で仕事でも構わないのではないか、もともと山分けのつもりだったのだしな。」
ラキ 「報酬はその人ごとに用意されて居るみたいですから分け前でもめることはないと思いますけれど(笑)。」
ラキ 「働きが少ないとは云わないで下さいね?(笑)」
ブレイブ 「まぁ、地下室で寝ていたら、さすがにどやすだろうが、人それぞれ自分の限界があるからな、そんなことで目くじらはたてんよ、ワッハッハッハッハ」
ラキ 「そんな。いくら疲れていても、ネズミさんのたくさん居るところで眠ったりなんて出来ませんよ(笑)。」
ブレイブ 「いや旅慣れてるように見えたのでな、しかしまぁねずみが横を走り回る中で寝るのは難しいか(笑)。」
ラキ 「野宿していても、普通ならそういった小動物は近寄ってこないですから。あまりそういう状況になった事はありませんね(笑)。」
ブレイブ 「もしネズミとかが苦手ならば、フォローに徹してもらっていても構わんぞ?」
ラキ 「いえ、仕事ですから。全然ダメなら最初から受けませんから(笑)。」
チャム 「おじしゃん、おじしゃん チャムはチビじゃないでしゅ。チャムって言うでしゅ おじしゃんは何て言うでしゅか?」
ブレイブ 「おおすまんなチビちゃ……(笑)チャムか、うむよろしく頼むぞ。」
ブレイブ 「わしはブレイブという、ちびチャンもし一緒に仕事をするならば、よろしくな。」
チャム 「ブレイブしゃんって言うでしゅか。宜しくでしゅ(^O^)/」
ラキ 「くすくすくす・・・。チャムさんは元気ですね。お仕事はネズミ退治。多分、地下室や倉庫などの暗い所に行くことになると思いますよ。」
ラキ 「でも、2人組で分けられるのですか・・・困りましたねぇ。経験者のブレイブさんとは、出来れば御一緒したいですがチャムさんと離ればなれになるというのも避けたいですし・・・3人で、という訳にはいかないのですか?」
グレイさんによると、3人でも問題はないそうです。多いに越した事はないですし。ただ、報酬は増やせないので、3人で行くとなると山分けという事になります。
ラキ 「こういった仕事は普段からあっても不思議ではありませんが、割とたくさんの働き口があるというのは不思議ですね。何か、大量に発生したとかの理由があるのでしょうか?」
グレイ 「どうだろうな? 確かにちょっと多いなこの依頼は。だいたい、普通なら自分の所で処理する問題だろう?」
ラキ 「そうですよね。普通なら、ネコイラズやそれこそ猫そのものを飼うとかしておけば大丈夫なはずですし。何か、原因がありそうですよね。」
グレイ 「ネズミが最近増えたって話はここんとこ話題にはなってたんだ。倉庫だの取引場の多い西区が最初で、次はここ、東区にまで移ってきたのかもしれん。まぁ、ただのネズミには違いないはずだが…」
ラキ 「固まって移動してきたのでしょうか・・・。被害に遭っている家は集中しているのでしょうか?」
グレイ 「いや、地区毎に増えてきているようだ。ネズミは下水道なんかを利用してるだろうからな。ケイレスはもともと、今の大きさの都市じゃなかったんだ。今大体わかれている地区毎に広がっていったようなところがあるから下水道や、大きな道以外の道は地区毎に分かれているんだ」
ラキ 「それぞれの場所で繁殖しているわけですか。それですと、ネズミを街から一掃するのはかなり困難な話ですよね・・・」
ブルード 「いや、俺が行った所のネズミは強暴だった。猫が食われてたしな。一応、気をつけたほうがいいぞ」
ラキ 「それは、ちょっと物騒な話ですねぇ・・・気を付けろと云われましても、どういった備えをすれば良いのか。ブルードさん、でしたか?何かアドバイスなど有りませんでしょうか?」
ブルード 「寝転がったりしなけりゃ、人間にまでは襲いかかってはこない。脅かせば逃げるんだが、どうも物陰からこっちを見張ってるみたいで気に入らんけどな」
ラキ 「人を恐れる様子がないんですか。それはまた、不気味な話ですね。」
グレイ 「じゃあ、リオ。よろしく頼む。ブルードが適当にやってるとは思ってないが、一応依頼人の頼みだからな。それに2人でやれば早いだろう」
リオ 「はい、親方! 頑張ります!」
ブルード 「リオって言ったっけな。俺はブルード・バトルモールだ。じゃ、行くぞ」
リオ 「はい、宜しくお願いします、アニ…、じゃない…、ブルードさん!」
では、ブルードとリオの2人は依頼人であるミラーさんの家に到着しました。
ミラーさんのところは食堂をやっているようです。
ミラーさんの了解を得て、二人は地下室におりてきました。
中は暗いのですが、明かり用のランタンをミラーさんに借りています。
また、ブルードは地下室内の明かりにも火をつけます。
ブルード 「まったくどこから入り込んでくるんだ? うむ…まずはどこかに入り込んでくる場所があるはずだ。そいつを探す」
と言って地下室内を探し始めます。
リオ 「はい! ええと、ねずみの出て来そうな穴を探せばいいんですよね?」
では、協力して探すという事で…
リオ君の能力4+ブルードの能力2+ブルードのスキル1D6で合計6+1D6で判定します。
20分で入り口らしき穴を発見しました。
壁が食い破られて大きな穴があいてます。サッカーボールくらいの大きさですね。
ブルード 「……どんなネズミだ、こいつは?」
ブルード 「俺はこの穴を石でふさぐから、えっと…お前さんはネズミを追っ払ってくれ。どうやってもいいが、二度と戻ってこないようにな」
リオ 「はい、アニ…いや、ブルードさん。」
リオ 「二度と戻ってこないようにかぁ…。そうなるとちょっと可哀想な気もするけど叩き潰すしか無いなぁ。」
リオ (お腹減ったな。どうせ殺すなら熊になって食べちゃいたいなぁ。けど、ブルードさんがいるからなぁ…。)
で、1時間ほどやっていると…
ブルード 「よし、これでいいだろう」
と、ブルードが立ちあがります。
リオ 「ふうぅぅぅ。こっちも此処に居た奴等は大方退治できたと思います。」
リオ 「ブルードさん。前に此処に来た時、その穴には気付かなかったんですか?」
ブルード 「いや、昨日まではこんな穴はなかったんだが…!!」
ゆっくりと、ブルードは床に置いたままになっていた斧に手を伸ばします。
視線はリオの後ろをみてますね。
ブルード 「おい、後ろだ…」
リオ 「………!(頷き)」
すると、かなりの数のネズミがリオ君をじっと見ていました。
そいつらはリオ君が後ろを見て確認した瞬間、ぞわっと襲いかかってきます!
リオ 「のわわっ! ブルードさん! こいつら、森のねずみとは全然違うみたいです!」
【1ターン】
リオ18 ブルード21 合計39
ネズミの群れ 30 (ネズミの群れの攻撃力はHPも兼ねています)
ネズミの群れに9ダメージ。
ネズミ側HP 21
【2ターン】
リオ22 ブルード21 合計43
ネズミの群れ 21
ネズミの群れは22ダメージ。
ネズミ側HP -1
2分間の戦闘でネズミは相当数が吹っ飛ばされて戦闘不能です。
ほとんどのネズミは逃げ始めます。
が、突然、1箇所に集まります。見ると、その集団にはひときわ大きいネズミが混じっています。大きさは通常の猫より一回り大きいくらいです。
そいつは牙をむいてこちらを威嚇します。戦闘続行です。
リオ 「うわわっ! で、でっけえ!」
【3ターン】
リオ19 ブルード17 合計36
ネズミの群れ+ボス 30
ネズミの群れ+ボスは6ダメージ。
ネズミ側HP 19
逃げる気配はありません。
【4ターン】
リオ24 ブルード27 合計51
ネズミの群れ+ボス 20
ネズミの群れ+ボスは31ダメージ。
ネズミ側HP -12
戦闘終了。経験点は2点獲得です。
ブルード 「なんだ、こいつは…」
リオ 「………こんなに大きなネズミは初めて見ました。」
リオ 「あっ、アニキ。 おいらは日暮れまでここに残ってみます。もしこんなのが他にも居たら、また壁を喰い破って入ってくるかも知れませんから…」
ブルード 「今度は念入りに石を使って塞いだから平気だとは思うが…確かにあんな妙なネズミがいるとなるとな…お前がそういうなら、俺だけ帰るわけにはいかんだろ」
リオ 「えへへ。実は…一人じゃちょっと心細かったんです。嬉しいです(^-^)」
ミラーさんと話す。
リオ 「どうやらネズミは壁に穴を開けて外から入って来たようですよ。開いていた穴はアニキが塞いでくれましたけど、また入ってくるかも知れないから夕方まで見張りをします。こ〜んなに大きなネズミに噛み付かれそうになりましたから、おいらが大丈夫だと思うまでは”絶対”地下には来ないでください。あっ、それからお腹が減ったので何か食べ物を下さい。お金はこれしかないですけど…、足りますか?」
ミラー 「なんだかわからないけど、そんな大変な事になってるのかい? …それじゃあ、またネズミが出てきちまうのかねぇ…まぁ、今日1日見張っててくれるなら簡単なもんしか出せないけど食事くらいは出させてもらうよ」
リオ 「うわぁ!有り難う御座います、ミラーさん!」
夕方まで見張っていた結果、とりあえず壁を破ってネズミが入ってくるような事はなかったです。
リオ 「うん。大丈夫なようですね。じゃ、帰りましょうか?アニキ」
ミラー 「ご苦労様。ところで、もうだいじょうぶなんだろうね?」
リオ 「もう大丈夫みたいです。あっ、食事ご馳走様でした!」
グレイ 「ん。3人でいいんだな? 報酬の分け方はそっちにまかせるから、上手くやってくれ」
ブレイブ 「わしは細かいことでぐちゃぐちゃするのは、女の涙より苦手なんでな、誰か代わりにやってくれ。」
ラキ 「私達は一緒に泊まっていますから、色々やりくりできます。ですから、ブレイブさんは銀貨1枚、残りの1枚を私達が貰う、とそういう事でいかがですか? 追加で貰えそうな場合は、その時考えましょう。」
チャム 「チャムはお姉しゃんに任せるでしゅ(*^^*)」
で、グレイから依頼人の家の場所等を聞きます。
依頼人は商人のようです。倉庫に使っている場所にネズミが出るので退治してくれ、という依頼です。
チャム 「なんでネズミさん退治しちゃうでしゅか? 悪い事したでしゅか?」
ラキ 「他の人が大事にしていた食べ物を食べちゃったんですよ。悪いネズミは、懲らしめなくちゃいけません。」
特に行動がなければ、依頼人の家に移動します。
依頼人には、グレイのとこから来たと言えば鍵を渡してもらえます。
それから、使用人らしき少年が皆さんについていきます。
依頼人 「こいつは好きに使ってくれてかまいません」
少年 「よろしくお願いします」
チャム 「宜しくでしゅ(^O^)/」
というわけで倉庫まで移動できます。
ブレイブPL:中に入って様子を窺った後、まずは侵入口を探します。あとは少年に、この屋敷と下水口をつなぐようなものがあるか聞くと言ったことからはじめます。
少年 「下水道ですか…えーと…」
と、ネズミにちょっとおびえつつ(笑)てくてくと歩いて、
少年 「この壁の向こうから下に向かって下水道管が通ってると思いますけど…」
ラキ 「捜し物は得意ですから、こちらに任せて下さい。このくらいしか、お手伝いできませんから(笑)」
チャムPL:チャムとキュクレインも協力しますね。
捜索は3人でやると10分ほどで発見できます。
確かに教えられた下水管に沿うように2箇所。
それから通りに面した壁沿いに1箇所、ネズミの作った通り穴らしき穴が発見できます。
チャム 「この穴を塞いじゃえばいいのでしゅか(・_・?)」
チャムPL:取り敢えず、穴の中にキュクレインを飛ばしてみます。
下水管は直径30センチくらいの大きさです。
下水管内に、精霊の視力が届く範囲でもネズミらしき動物が動いているのが見えます。
チャムPL:そうそう、そこら辺にいるネズミを精霊感知で見ると何かわかりますか?
特に精霊に関わる力が働いている事はないようです。
チャム 「穴の中にもネズミしゃんが沢山いるでしゅよ うごうごしてましゅ」
チャム 「どして穴を塞がないのでしゅか?」
少年 「いえ…前まではこんな穴はなかったんです。以前に空いてて、ふさいだ所もあります」
ブレイブ 「フム、無用な殺生は避けたいところだが、壁に穴を開けるようなネズミならば、穴をふさぐだけで何とかなるとはおもえんが、中には入れそうもないし、少し強力に周りを塗り固めるか?」
ラキ 「それが本当なら、ここを塞いでも同じ事になりそうですね。とはいえ下水道に潜ってネズミ退治となると、私達だけでは手に負えないですし。」
ラキ 「一度塞いでも、間をおかずに進入してくるなんて・・・それほどネズミを引きつけるものがここにある様には見えませんが。何か不自然なものを感じますよね。」
チャム 「感じましゅよねぇ」
ブレイブ 「何かどころか、無茶苦茶不自然だぞ、確かにネズミが出やすい環境ではあるが、見たところネズミを引きつけるものなどは、特にないはずだ。下水道というものがそもそも生息しやすい環境なのに、ここに集中するというのは、ここが何かしらのスポットになっているということだろうて」
ブレイブPL:とりあえずは穴をふさぐ応急措置を取ります。
了解です。少年がそれらにつかえそうな道具を持ってきているので、それを借りる事ができます。
ラキ 「こういう仕事は私の方が得意ですから代わります。ブレイブさんは、今この部屋にいるネズミを退治して貰えますか? チャムさん、ネズミを見つけたらブレイブさんに教えて下さい。」
ブレイブ 「承知、ではそちらの方は頼む。ちびちゃん、ネズミが出たら教えてくれ」
チャム 「はいでしゅ!(^O^)/ おじしゃん! あっちにネズミしゃんがいるでしゅよ!! あっ! こっちにもネズミしゃんがいるでしゅ!! あっちにも・・・こっちにも・・・そっちにも・・・ふにゅう・・・目が回るでしゅぅw(@_@)w」
ブレイブ 「ふむ、ほい、ほい、ほい、ほい、ほい……きりがないぞ、これでは。」
ではチャムは「探索」で判定になります。
そしてブレイブは攻撃するにしろ、捕まえるにしろ、「技術」か「運動」の判定になります。
穴を全部応急処置で塞いで、さらに倉庫内のネズミを退治するのに、合計で3時間程かかります。
ちなみにリオ君のほうとは違って、ネズミは普通に逃げ回ります。
そんなこんなでお昼過ぎには終わりますね。
ラキ 「こんな所でしょうか。また数日もすれば破られるかも知れませんが、日雇いを使ったにしては上出来だと思いますが。」
チャム 「ふぅ、やっと終ったでしゅ・・・いい汗かいたでしゅね(*^^*)」
ラキ 「ふふふ。チャムさんはその小さい体で頑張ったんですものね。どうもご苦労さまでした。」
チャム 「(きゅぅううう〜きゅるきゅるきゅる) うみぃ・・・いっぱい動いたらお腹減ったでしゅう(・ ・)ジー」
少年 「あ…食事、もらいに行ってきます。」
ラキ 「さて、取り敢えずの所は応急措置も済みましたし、居座っていたネズミも居なくなったみたいですが、塞いでも意味がなかったのは前回ではっきりしてますし、またこの部屋に居座るのも時間の問題でしょう。根本的な解決をしませんと。」
ラキ 「取り敢えずは、依頼人さんと善後策を講じましょうか。」
ブレイブ 「確かにそれはそうだな。ネズミも時間が経てば、また穴を開けるだろうし、まずは原因の大元を絶たねば何の意味もないな。とはいえ、まずはもう少し情報を集め、チビチャンを見習って、我々も食事でもしながら、今後の計画を練るとするか?」
ラキ 「それが良さそうですね。(^^)」
少年 「それでしたら、親父さんに報告もしてきます。ちょっと、待っててください」
では少年は皆さんの分の食事を入れた籠を持って帰ってきました。
依頼主の商人も一緒です。
商人 「おお、さすがに仕事が速いですな」
と、一通り眺めてから
商人 「なるほど、十分な仕事振りです。まぁ、またネズミどもが出ない事を祈るしかありませんが…とりあえず今回分の報酬は払わせてもらいますよ」
少年「あ、食事です。皆さんどうぞ」
チャム 「わぁ〜い、いっただっきま〜しゅo(^O^*=*^O^)o ぱくぱくぱく・・・もぐもぐもぐ・・・ぱくぱくぱく・・・へへぇ〜美味しいでしゅ(*^^*)」
とりあえず皆さんはそれぞれの仕事を終えてくじら亭に戻ってきました。
で、グレイのほうから報酬を受け取ります。
さて、次のシーンまで3日間の時間があります。
その後、グレイのほうから同様の依頼を数件紹介されますのでそれを引き受けるなら1日につき1spをもらった事にしてください。
ラキ 「この依頼は、いつ頃から多くなったのですか? 出来るだけ、正確な日数を知りたいのですが。」
グレイ 「そうさなぁ…うちに依頼が来始めたのは1週間くらい前かな」
ラキ 「同じ依頼主からもたびたび来ているのですか?」
ラキ 「その日に到着した荷物や、訪れた人が関わっている可能性もありますよね。」
グレイ 「まぁな、しかし旅人なんてここじゃあ毎日何人も来るし、出て行きもするしな。事件だって毎日何かしら起こってるさ」
ラキ 「考えてみれば、町に来て直ぐ行動しても、その日の内に鼠を大発生させられるはずもありませんよね。準備に掛かった日数も考えると、特定は出来ませんか。」
リオPL:ネズミ退治の依頼を受ける人とグレイさんに「ネコサイズのネズミ」の話をしておきます。
グレイ 「ああ、こんな都市部じゃ聞いた事ないが、ジャイアントラットってのはいるもんだぜ。もともとそういうでかくなる種類のもいるのかもしれんが、大抵は古代遺跡なんかでまだ残ってる魔力の影響を受けたりしてデカくなってる事はあるな。冒険者を続けて行けば、ねずみ以外にも、そういう巨大な動物に会う事があるだろうが、でかくても頭は動物程度だからな、注意したほうがいいぞ」
ラキPL:毎日引き受けつつ、この前の倉庫と同じように、何度も荒らされているのか、いつ頃から被害が目立ってきたのかその家の人達に聞いてみます。んで、夜は宿の酒場で歌を唄いながら、噂話に耳を傾けます。
噂話では、ねずみ騒動の話が人々の口に出る事が多くなってるようです。
「うちも気をつけよう」とか「誰々のとこもやられたって」とかですね。
変わったものとしてはこんなのがありました。
「いやぁ、昨日変なやつをみたよ。なんか道で”自然界からの復讐だ! ネズミたちはその最初の使者なのだ!”とか喚いててさ。おかしなやつだったよ」
仕事先で聞いた話のほうでは、ネズミの被害は西地区から広がっているようです。
やはり最初に狙われたり、続けて狙われる場所は近くを下水道や下水管が通ってるようです。皆、下水道がネズミの移動に使われてると考えているようです。
3日間の仕事を終えて4日目の朝です。
皆さんは食事でもしているか、起きてきた所かで1階に集まってる事にしてください。
カウンターではグレイがちょっと渋い顔してます。
グレイ 「うーん……」
ブルード 「どうした?」
グレイ 「いやなぁ。新しい仕事の依頼が来たんだが、問題あってな」
ブルード 「ふむ?」
グレイ 「依頼主は街の警備隊長さんだ。お前さんも知っての通り、今街はネズミ騒動で騒いでるだろ。それで警備隊も出てきたんだが、相手はネズミだ。下水道まで入って退治するなんて誰だって嫌だもんな。それで、こっちに来たわけだ。”ネズミ騒動の原因を探って、その問題を解決してほしい”って言われてもなぁ! ネズミを全部退治できるわけないだろ。原因っていわれても心当たりあるか?! こんな仕事、引き受けるやつなんかいねぇよ」
チャム 「はにゃ? 新しいお仕事でしゅか? もうネズミしゃんと追いかけっこしゅるのは飽きちゃったでしゅ(^_^;)」
リオ 「げすいどう…って、臭いですもんねぇ…。おいらの住んでた村じゃ、あんな酷い匂い嗅いだことないですよぉ…。それに暗いし…。」
ブレイブ 「苦労は察するが、下水道の中の仕事、しかも成功報酬の可能性が強いのでは、受けるにはちとリスクが大きいな。もう少し報酬面で魅力があるならばともかく、これでは……」
グレイ 「まぁな。下水道調査だったら、危険な遺跡調査のほうが引き受けるやつ多そうだ(笑) あのにおいはたまらん」
ブルード 「で、報酬とかはどうなってる?」
グレイ 「お前、受ける気か? ……最初に調査費として一人銀貨5枚、これには滞在費や食費も含まれてるそうだ。原因究明、解決による成功報酬が金貨1枚、結構な額だ。それから警備隊は協力体制で望む、とあるが信用できん。恐らく、ほかにも同じ依頼が行ってるだろうから、1番早く解決したやつらだけ報酬がもらえるんだろう」
ブルード 「条件は悪くない」
グレイ 「そうか? 内容から見るとそうも言えんと思うがね」
ブルード 「ねずみにはうんざりだ。それに何事も経験って言ってただろ」
リオ 「確かにこう毎日ネズミの被害が出るんじゃ放っては置けませんよね! それにおいら、”あの”大きなネズミを見ちゃいましたし…。よしっ! おいら、アニキと一緒ならその仕事、受けます!」
チャム 「チャムも行くでしゅーーーっ(^O^)/」
ラキ 「チャムさんが行きたいというのでしたら、仕方がありませんね。『無事に帰ってきて下さい』と突き放す訳にもゆきませんし。」
ラキ 「『一緒に故郷に行ってみる』と約束しましたからね。こんな大きな街で小さなあなたと離れ離れになってしまったら、見つけだすのはとても難しそうですから。」
ラキ 「これ以上ネズミに悩まされるのは、街の人も御免被るでしょうし解決の目処が立つ様でしたらそれに乗るのも悪くないですね。頼り甲斐の有りそうな御仁も居られることですし。ただ、帰ったらお湯を使わせて下さいね。たくさん。」
ラキ 「私も御一緒して宜しいですか?」
リオ 「勿論だよ! でも、大丈夫? ”げすいどう”ってさぁ、すっごく臭いし、汚れちゃうよ。 まぁ、畑仕事とかに慣れてるような子だったら大丈夫かもしれないけど…。 二人とも(ラキさんとチャムちゃん)そういう風には見えないんだけど…」
ラキ 「実際には、閉鎖された空間である分畑仕事よりも酷い臭いですよ。鼻が利く人には耐えられないでしょうね。あと、臭いが染みついて取れなくなるのもかなり嫌ですね。」
ブレイブ 「ふむ、この間共に仕事をしたものたちが行くというならば、わしも微力ならば手伝うとしよう。」
リオ 「びりょく? おじさん、結構力有りそうに見えるけどなぁ…。ごっつい棒持ってるし、服だってアニキや街の兵隊さん程じゃないけど立派じゃん!」
ブレイブ 「お、おじ……」
では、ラキ、チャム、リオ、ブレイブ、ブルードの5人で仕事を引き受ける事になりました。
グレイ 「そうか…詳しい話は警備隊の詰め所(場所を聞きました)にいるシモク副隊長に聞いてくれという事だ」
用件を話すと奥に通してもらいました。
少し待っているとシモク副隊長が現れます。
シモク 「君たちが依頼を引き受けるという冒険者か。私がここの副隊長、シモクだ。まぁ、かけたまえ」
ちょっとえらそうな、線の細い感じの中年の男です。
シモク 「内容については聞いていると思うが、今街を騒がしているねずみ騒動の原因の調査と、その解決だ。我々の調べで、ねずみどもは下水道を移動に利用している事がわかっている。そこで諸君らには下水道に潜って、実態を調査してほしい。いかなる理由もなく、ねずみが大発生するとは考えられないからな」
シモク 「報酬はまず調査の準備費として君たち…5人か…それぞれに銀貨で5枚ずつ払おう。十分過ぎる額と思うが…。後は原因究明とその解決に成功報酬として金貨1枚払う。ほかに、君たちでは手に負えないと判断した場合や人手が必要な場合には連絡をもらえれば我が警備隊から人員を派遣しよう。ただし、我々も暇ではない。だから今回の依頼があるわけだが、そういうわけで、あまりこちらの派遣人員に期待してもらっては困る」
シモク 「今回の依頼は君らの他にも冒険者の1隊が引き受けている。成功報酬は解決したほうにしか支払えないので、その事を忘れないようにな」
最後の言い方は、金で動く冒険者に対してちょっと軽蔑しているような印象を受けました。
リオ 「”もう一隊の冒険者”ってどんな人達っすか? もう下水道に入ってるっすか?」
シモク 「君らと同じようなものだ。まだなんの連絡も受けていない。何しろ、彼らも先ほどここに来たばかりだからな」
ブレイブ (ニヤリと笑ってから)「やれやれどんな奴が出てくるかと思ったら、自分の無能で、冒険者に仕事を頼むにも関わらず、礼儀というものも心得ていないような輩が副隊長とはな。この街の先は、明るくなさそうじゃな。」
シモクに聞こえるようにぼやきます。
ラキ 「ブレイブさん。言い過ぎですよ。相手は、この街のためを思って仕事を受けたと信じる事が出来ない心の貧しい、可哀想な方なんですから。それに、たとえ相手が無能であっても、それならそれで、せいぜいおだてて内心舌を出すくらいでないと(笑)。」
ブレイブ 「まぁ、成功報酬でも仕事をする冒険者と、何もしないでも金がもらえる警備兵の副隊長『殿』とは身分が違いますからなぁ。」
ラキ 「前払いの報酬が過分であると仰有るなら、警備隊の中からも志願者が出るはずでしょうに。現実を見ずに自分だけの結論を押しつけないで下さいね?」>シモク
シモク 「君らと私の認識の違いについて議論するつもりはない。少ないと判断するなら、仕事を引き受けなければいいのではないかね? 私はこの報酬が正当な額だと考えている」
ラキ 「そうですね。安すぎると皆が思っているのはこの仕事を引き受ける人が少ない事がしっかり教えてくれています。敢えて頭の固い人に教えなくても伝わるでしょう。」
ちなみにシモクはどんな言葉にも目に見えて動じるそぶりはありません。
リオ 「じゃあ、あんまり行きたくはないけど行こうか! 急げば先に行った人達に会えるかもしれないしね!」
ラキ 「中は1本道では無いでしょうし、同じ場所から入ったとしても、合流できるかは判りませんけど。」
リオ 「そうなんだぁ…。」
リオ 「でも、もし森の中で凶暴なヤツを狩る時みたいに追い詰めるやり方をするのなら成る可く人数が多い方がいいし、罠なんかも仕掛けた方がいいよね。 何とか連絡取れないかなぁ?」
ラキ 「どうでしょう?相手が易々と同意して下さるとは考えにくいのですが。成功報酬が解決した方にだけ支払われると云う形ですから、自分達だけでせしめようと考えていたら、絶対に邪魔してくるでしょうし。」
リオ 「あっ! そっかぁ…。 山分けってワケにはいかないよね、多分。見ず知らずの人達と競争になっちゃうってのは厄介だなぁ。兵隊さん(シモク)の話じゃ人数もおいら達と同じ位らしいし…」
ラキ 「過激な相手でしたら、自分達以外の同業者に会ったら攻撃して来るかも知れませんよ。地下に潜れば警備隊の目も届かないですから。」
リオ 「うっ…。 それって殺し合いになるかもしれないって事? (暫し絶句)おいら、悪い奴等ならともかく同じ仕事をしている人達と戦うなんて嫌だ! おいら、おいら、喧嘩はするけど殺し合いなんて…。だってそうでしょ? 街で暮らすには仕事やお金は必要だろうけど、その為に人を殺すなんて事、トゥーリア様が許すもんか!」
ラキ 「どちらも譲らないとすれば、そうなるでしょうね。金貨1枚に命をかけるほどの価値があるのか、少々疑問ですが。」
ラキ 「貴方がそう言う考えでも、向こうも同じとは限りませんよ。良くも悪くも、人間という種族は様々な人が居ますから。それに世の中には、人を殺す事を奨励する神様も居るんですよ。」
リオ 「”人間と言う種族”だなんて…。そんな言い方、まるで自分が人間じゃないみたいだ…。ラキさんはどう思ってるの? 人を殺すの…平気なの?」
ラキ 「おかしいですか? 世の中にはドワーフやエルフ、フェアリーといった様々な種族が居ますから、そう言った人達に比べて、という意味で使ったのですが。」
ラキ 「平気も何も、私は人を殺したことなんてありませんよ。そして、これからもそういった事とは関わりたくないと思っています。こんな答えでは満足できませんか?」
リオ 「………………。ごめん。 何て言うか、その、おいら、ちょっとムキになりすぎちゃったみたいだね…。」
ラキ 「構わないですよ。お互いのことが信用できないままでは、パーティーを組んで仕事に当たるなんて出来ませんし。納得行くまで聞いてみる事も必要だと思いますよ。」
リオ 「あれ? 『げすいどう』って入り口何処にあるんだろう? 誰か知ってる?」
ラキ 「そこの副官さんが知っているでしょう。何せ、自分達が守る街のことですもの。知らないなどとは、警備隊の沽券に関わると云うものですわ。」
リオ 「”こけん”…? ま、まぁ、いいや。」
リオ 「とにかく知ってるんなら教えて欲しいっス。おいら、森なら迷わないけど、街では迷ってばかりだから…」
シモク 「下水道の地図に関してはこちらで用意しよう。確か数枚あるはずだ」
といって、人を呼んで、取りに行かせます。
で、少しするとその人が持ってきます。
羊皮紙のやつで、街の全体図が一枚目にあり、ぺらりとめくるとそれにあわせた形で下水道の地図がかかれています。
シモク 「正確な地図というのは貴重なものだ。トラブルで無くしてしまっても弁償しろとは言わないが、必要がなくなったら返してもらいたい」
それと装備に関してですが、
シモク 「警備隊の装備はケイレス市議会からの支給品となっていて、貸し出しする事はできない。この地図もそうなのだが、正確な地図は少ないし値が張るからな、君たちの財産では手に入らないかもしれない。よって、私の判断で特別に貸し出す事にした。それ以外の物は準備費として支払った前金からなんとかしてくれたまえ」
ラキ 「街で迷うとか云う以前に、下水道の中は目印がないでしょうし、地図だけでは心許ないですね。是非案内人が欲しいところです。」
リオ 「”げすいどう”って言うのを作った人が手伝ってくれたらいいのにねぇ」
ラキ 「それは多分無理でしょう。街が出来たのが数年から数十年前なら、生きているかも知れませんがどう見ても新しくはないですし。それに、規模から云ってもこれだけの範囲を把握するのは1人でできる事では無いと思いますよ。あるいは魔法や奇跡を使えば、可能かも知れませんが。」
シモクにたずねるなら、下水道の管理についてはこういう事を教えてくれます。
ケイレスには「下水道管理官」という役職があります。これはかなり身分の高い人間がつきます。
現代の認識だと、「汚くて臭いところ」はあまり良い職場ではないので敬遠されがちですが、下水道は大都市が人の生活できる空間として存在するために必須のものです。
なので、「下水道管理官」に就くという事は議会(ケイレスは王様が存在しますが、これは過去の名残で実際には執政官が権力的には頂点にあります。が、議会の発言力は強力です。議会のメンバーになっているのは商人から成り上がった貴族がメインです。)での発言力を増し、また権力を持っている証でもあります。
ただ、実際には下水道管理官は下水道管理のための金や資材の流れを押さえているだけで自分では何もしてません。
では実際に管理をやっているのは誰かというと、実はいません。
下水道が壊れたり詰まったりした時だけ、職人が呼ばれて修理に入るだけです。
で、シモクはこういった場合に修理に呼ばれた職人などに知り合いはいません。
また、都市警備隊は下水道も含めて警備していますが、普段下水道までパトロールしたりしません。
というわけで、下水道内は無法地帯になってるって事です。
もちろん、それを利用している輩はいるでしょうね。
ラキPL:では、そういった場合に連絡を付ける職人の家を教えて貰えますでしょうか。
修理工として呼ばれるような職人はまったく知らないようです。決まった人がいるわけでもないようですね。
そのかわり、職人ギルド(大工ギルドでしょうか)への紹介状は書いてもらえます。
シモク 「とは言え、私の紹介状で向こうが全面的に協力するとは考えにくいところではあるがね」
ラキ 「リオさんたちが見たという、大きなネズミが出現した場所の下水道に潜る事にしましょうか。他ではあまり見かけなかったみたいですし、なにかそこだけ特別という気もします。」
リオ 「それならおいらとアニキ(ブルード)が最初に行った仕事先だよ。でも、げすいどうの中からそこへ行けるかどうかは自信無いなぁ。あそこの地下から入るっていう手もあるけど、食事ご馳走になっちゃったし、折角埋めた穴をもう一回開けるのもちょっとねぇ…。」
ラキ 「本格的な作業で埋め戻したなら手を出しかねますが、石か何かで塞いだだけなら、取り除くのはそれほど難しくはないと思いますけど。戻ってきたら、また埋め戻せば問題有りませんでしょう。」
リオPL:借りられる二枚の地図でミラーさん(でしたよね?)の食堂の位置を特定することは出来そうですか?
リオとブルードの知識では地図を見ただけで特定するのは難しいです。
ブレイブ 「フム、位置を特定するのか? こういう作業は昔にやったことがある、任せろとは言えんが、とりあえず地図を見せてくれるかな? それと、お主たちが行った依頼人の家を案内してくれないか? そうすれば、出来るかもしれん。」
リオ 「おっけ〜! おいら、どうも地図ってのは苦手なんだ(^_^;」
ブレイブPL:とりあえず洞窟用の装備一式の調達をしておきます。
リオ 「そっかぁ…。 ”げすいどう”って洞窟みたいだもんねぇ。そうなると、ロープとか明かりとか必要だ! おっちゃん、頭いいなぁ! とにかく銀貨5枚貰ったし、おいらもお金出すよ。」
チャム 「シモクのおじしゃん ネズミしゃんが大発生した時期と場所と規模をしょれじょれ全部教えてくだしゃいでしゅ」
リオ 「そっか! おいら達が仕事しに行った場所以外にもネズミが出てるトコがあるかもしんないよな! それにもしネズミ達が餌とか何かを探して群毎に移動してるんだとすれば、時期とか場所が分かれば次の移動先が予想しやすいかもしんないし! 凄いぞ、チャム! お前、ちっこいくせにあったまい〜じゃん!」
チャム 「チャムもお役に立ってるでしゅか? 立ってるでしゅか? わぁ〜〜い やったでしゅう(^O^)/」
シモク 「それらははっきりしていないが、時期は2週間から1週間前、場所は現在、西区、南区、東区で被害の報告がある」
チャム 「なんか漠然としてるでしゅね もっと細かく被害報告をまとめてないんでしゅか?」
リオ 「そうだよ〜! そんだけじゃ、ネズミ達の移動の仕方とか早さとか全然わかんないし、何処から手を付けていいか全然分からない! 折角、チャムが凄くいいところに気が付いたのにさぁ〜! もうちょっと詳しく分からないんすか?」
ラキ 「仕方がないでしょう。元々ネズミの被害に注目していた訳でも無いでしょうから、後から調べても漠然とした情報しか残りませんし。被害にあった人全てが、警備隊に届け出るとも思えませんから。住民から直接依頼を受けている“クジラのひげ亭”のマスターの方がそういった状況を把握しやすいでしょうが、それでも漠然としたことしか判りませんでしたからね。」
シモク 「一軒、一軒被害報告をもらっているわけではないのでな。まぁ、とはいえ我々でまとめた所では、下水道が通っている場所やその近くの建物に被害が大きいという事だけ判断できるが。しかしそれらは普段からねずみの害が出やすいところではないかね?」
それらも含めて調べてほしいという依頼なわけですね。
ブレイブ 「被害が分散している割には、下水道の北エリアではネズミの被害が出てないことが気になるな。」
ラキ 「そうですね。北地区にはどういった建物が有るのでしょう? 地形的にネズミが入り込めない理由でもあるのですか?」
北地区は川で分断された形になっており、下水道が独立しているためです。
リオ 「どうする? ネズミの移動の仕方が分からないとなると、ラキさんの言ったようにおいらとアニキ(ブルード)がデカネズミと戦った場所に行ってみるか、一番新しくネズミが出るようになった場所に行ってみるのがいいとおいらは思うんだけど?」
ラキ 「被害が四方に広がってますから、一番最近の被害現場もあまり有益なものは得られないと思いますよ。」
ブレイブ 「最近被害が最も頻発しているところがどこなのかがわかるならば、そこから入るのもひとつの手だが、原因を探すには、枝葉末節よりも根を調べないといかんと思うが。通常見られないような巨大なネズミがいたというならば、この現象に関わっていると見る方が自然なはずだし、わしは巨大ネズミが発見された方から調べる方が良いと思うな。」
リオ 「”しようまっせつ”って何? そう言う難しい言葉はおいらには分からないけど、おっちゃんが言いたいのはネズミがいっぱい出たのは”誰かの所為だろう”って事だよね? おいらもその意見に賛成だな。」>ブレイブ
ラキ 「そういえば、もう一方のチームはどこへ行ったのでしょう。何かご存じ有りません?」
シモク 「早速下水道に向かうといっていたな。あてがあるような事は何も言っていなかったが…」
ラキ 「仮に当てがあったとしても、それを後から来る人に教えるほど愚かではないでしょうからね。間違った方向に誘導しようとか、自分達の後を追わせて来たところを襲うという考えではないようですね。」
リオ 「この仕事って、そんな事まで考えなきゃいけないのかな? おいら…、何か嫌だな、そう言うの…。」
ラキ 「好きか嫌いかに関わらず、やらなければいけない事も世の中には有るんですよ。そして、やりたくないからやらないという人の為に苦労する人もいます。」
リオ 「…それは…そうかも知れないけど…。」
ブレイブ 「ワッハッハ、良いのだよそれでも。生きるために、冒険者同士が対立することだって、ままあるからの。ただの、『嫌だな』と考えるのならば、それもまた良いのだよ。結局、生きるという事は、自分ですることなのだから、お主が嫌だと思うならば、そんな事はしなければいいのだ。結局大事なのは、自分に恥じぬ事をするかどうかなのじゃからな。お主がその純粋な心をなくさぬように祈っておこう(笑)。」
ブレイブ 「しかし、ラキ殿も人が悪いな。この純粋なぼうずを脅かしてばかりで。」
ラキ 「そうですね。少し余裕を無くしていた様です。あそこまで、慇懃な方だとは思いませんでしたので(笑)。」
ラキ 「リオさん、とげとげしくなってしまって済みませんでした。」
リオ 「ううん。いいって、いいって、気にしないでよ。実はさ、パン屋のゴードンさんって人にも言われたんだよね。冒険者って野党とか盗賊みたいな人達もいっぱいいるってさ。でも、おやっさん(グレイ)は”仕事って言うより生き方だ”って言ってた。だから…、えっと…、も〜良く分かんないや。とにかく一緒に頑張ろ〜っ!」
ラキ 「ゴードンさんの言っている事は、大抵の街の人が思っている事でしょうね。グレイさんは、そうした人達と付き合う仕事をしている分、彼らのことをもっと知っているでしょうけど。」
リオ 「自分に恥じぬ事…。おいら、今までそんな事考えた事無かった…。でも、何か分かるような気がするよ! 喧嘩する時だって自分が正しくて相手が間違っていると思うからするんだもんね! たま〜に自分が間違ってたり、心の中では悪いと思ってても手が出ちゃう事はあるけどさ(^-^)」
ブレイブ 「そうだな。何が正しいかなどというのは、わしにもさっぱりわからん、だから自分が『良い』と思うことをしておけばよい。それが独りよがりの偽善であろうが、それは自分自身で見つけることなのだからの。結局、冒険を通して何を知り、何を見つけるかは、人によって異なるのだからの。神もそれぐらいは見てるだろうて。」
ラキ 「つまり、『好きなようにしろ』と?」
ブレイブ 「まぁ、そう言われてしまうとそれまでだな。ただな我々の考え方は『好きなようにする』ということから、何かを見つけてくことが大事なのだ。ただ、漫然と好きに生きるというのではなく、目的を持って行動しなければならんということだ。」
リオ 「”ぎぜん”? もぉ〜、ラキさんもおっちゃんも難しい言葉使いすぎ! おいら、頭痛くなっちゃったよぉ〜(>_<)ゞ」>ブレイブ
ラキ 「ふふふ。リオさんの為にも、これからはもう少し『優しい言葉』で話しましょうか。」
ブレイブ 「相手へのいたわりの心、これは何よりも大切な事だな。ラキ殿もきつい言い方こそしておるが、本当は優しいのだな。」
ブレイブ 「まぁ、ラキ殿が言った通り、自分の生き方は自分が決めろと、好きなようにして良いということだ。その代わりどんなことだろうとも、自分のしたことには責任を持てということだ。特に男ならばな!!」
リオ 「自分の…生き方…、責任…。そっか、それが『大人』って事なんだね、きっと…。」
リオ 「よしっ! それじゃ、まずは真っ暗な下水道に入る為の準備しなきゃね! ラキさんとチャム、一緒に行こうぜ!」
チャム 「行くでしゅぅ〜!!(^O^)/」
リオ 「その間におっちゃん(ブレイブさん)はアニキ(ブルードさん)とミラーさんのお店の下見に行ってくれない?」
ラキ 「あら。買いたい物があるブレイブさん達に買い物は任せて、ミラーさんのお店には私が行こうと思っていたのですが・・・仕方有りませんね。ブレイブさん、何か入り用な物はありますか?」
ブレイブ 「まぁ、細かい脳味噌使う作業は、これでもそこそこ得意なのでな。では、買い出しの方は頼むとしよう。」
ブレイブ 「ロープ3m、ランタンに油をお願いできるかな。フックやハンマーもあれば便利だが、少々値が張るから止めておくとしよう。」
ラキ 「わかりました。」
ブルード 「じゃあ、そっちは頼んだ」
ブレイブ 「そうじゃな、とりあえずさっと行って来るとするかな」
二人は別行動を取る。
リオ 「もうお金半分貰っちゃったしさ。それに何だかんだ言っても先に行った人達に先越されたくはないもんね!(^_-)」
ラキ 「先に行かれたのなら先に解決されても、それはそれで理にかなっていると思いますけど・・・(^^; それに、報酬はあれが全額で、金貨1枚はいわばご褒美ですよ?」
リオ 「………んぎゅぅ(^_^; ま、まあいいじゃん! とにかくぅ! 引き受けた以上、頑張ろうよ!」
ラキ 「そうですね。それでは、ネズミの被害に苦しむ人のために頑張りましょう。」
いろいろ買い物をする。
ラキ 「下水道の中で食べるんですか?」>食料を買った人に向けて
チャム 「下水道の中ではあんまり食べたくないでしゅ でも、食べなきゃな状況になっちゃうかもでしゅから、準備だけはしとくでしゅ(*^^*)」
ラキ 「チャムさんならどこからでも地上に出られると思いますけれどね(笑)。」
リオ 「そうだよなぁ、おいらもあんまり下水道の中で食べたいとは思わないよ。ところで、それって結構美味そうだな…。」
ラキ 「欲しければ自分でお買いになった方が。リオさんの様な大きな方に分けてしまうと、チャムさんの分が無くなってしまいます(笑)。」
リオ 「そ、そんなつもりで…言ったんだけどさ。にゃははは…。」
リオ 「チャムの言う通り。いつ出て来られるか分からないから、準備だけはしておこうと思ってさ。『腹が減っては木は切れぬ』って言うしね!」
ラキ 「その考えは判りますが・・・私は遠慮しておきます。それほど深刻な事態にはならないと思いますから。」
リオ 「さて、これで買い物は終わりだね。どうする、ラキさん?荷物とか預かってもらうなら一度おやっさんのトコ(クジラのひげ亭)に戻るかい?
ラキ 「いえ、必要のない物はあらかじめ預けていましたからこのままで大丈夫です。」
リオ 「職人さんのトコはおっちゃん(ブレイブ)やアニキ(ブルード)と合流してからでいいんだよね?」
ラキ 「そうですね。」
リオ 「あっ…、あれ? ところでアニキ達とはどこで待ち合わせたんだっけ?(^_^;」>チャム
チャム 「ふに? どっかで待ち合わせしてたでしゅか? チャムはなんにもお約束してないでしゅよ(^_^;)」
ラキ 「ミラーさんのお店に行けば問題ないのでは?」
ではブレイブさんの知識で判定を。
ダイス+2D6のボーナスをつけてどうぞ。
ブレイブPL:出目は3/5/6で合計14。能力値の6を足して、達成値は合計20です。
ん、ばっちりです。
ミラー食堂の位置も特定できました。
また、警備隊役所〜ミラー食堂間の道とその周辺まで理解しました。
ブレイブ 「フムフム、なるほど……ここがこうなっているから、うむ、大体位置の方は特定出来たぞ。ブルード殿、大体わかりました。ここがこうなっているので、ここが食堂、そして……」
ブレイブ 「さてさて、予想以上にこの地図は正確で助かるな。これならば、思ったよりも作戦が立てやすそうじゃ。」
ミラー食堂で合流した一行は、近くにある下水排出口から中に入る事にしました。
川沿いに下に下りられるようになっている部分があり、そこから下水が流れ落ちています。
下水の量は現在、ちょろちょろ程度で、ほとんど流れていないと思ってください。
入り口は四角くなっていて、中の通路は入り口から見た感じでは小柄な人でも2人でなんとか…程度です。
武器とか振り回すのを考えるなら、1人が限界ですね。
ただし、ブレイブは地図を見ているので知っているんですが、下水道でも中心部分にあたる所は太くなっているはずです。
入り口から想像するに、そこなら大男が4人並んで歩いても余裕って位です。
中は暗く、明かりなどは設置されていません。
においはまだ、しますけども、修正を受けるほどではありません。
我慢できるくらいですね。
チャムPL:チャムは上空、ラキは後方との事ですので、頑丈なリオが先頭で真ん中がブレイブでいいのかな?
チャム 「うにゅう・・・くしゃいでしゅう(T_T) ここに入るでしゅか?」
リオ 「ひゃむもこりぇ、はにゃにひゅめれびゃ?(チャムもこれ、鼻に詰めれば?)」
リオ 「ひゃあ、いくりょ(さあ、行くぞ)」
この入り口から入った中は、通路がまっすぐ進んでいます。
ちょうど股の間を通るような感じで下水がちょろちょろ流れていますね。
中には当然のように、明かりなどはありません。
隊列としては、今回の場面では以下のようになりました。
・精霊
・リオ
・ブレイブ
・ラキ(明かり)
・チャム(空中移動。主に後列扱いでよろしいですか?)
・ブルード
一列で並んでいます。
少し進んでいくと、この下水道に合流しているらしい下水管が壁から突き出ていて、そこから壁伝いに下水が出てる所もあります。
たまに強烈なニオイが下水管から流れ出てきますね…。
さらに、一本道なので進んでいきます。
途中、ねずみが走りまわってるのは確認できますが、特に襲ってきたりはしません。
やがて右に通路が出てきました。
まっすぐと右です。
まっすぐの方向は、進むにつれて下水の量も増えてる感じです。
右側の方向はここからでは様子は良くわかりません。
地図によると、まっすぐ進むと南区の下水道の中心を走っている大きな下水にでます。右側は、東区方面に進んでいるんですが、途中でいくつかの分岐があった後、行き止まりになるようです。
リオ 「おっちゃん、どっち?」
チャムPL:取り敢えずミラー食堂方面に向かうんですよね?
リオPL:その為にミラー食堂の位置をブレイブさんに確かめて貰いましたので、そうしましょう。
それならここはまっすぐですね。
やがて大きな下水道に出ます。
ここは中心を川のように下水が流れていて、その両脇が土手のようになっています。
ここはものすごく強烈なニオイです。
ちょうど、T字路のようになっています。
ミラー食堂に向かうなら右方向ですが…?
リオ 「凄えもんだなぁ…。街の下をこんな川が流れてるんだ。」
リオ 「げほっ、げほっ…。こ、こりゃ駄目だ、詰め物してても臭ってくる。こんなトコに居たら鼻が馬鹿になっちゃうよ。早く先に進もう!」
ブレイブ 「同感だな。こんな仕事さっさと終わらせるに限る。」
リオ 「おっちゃん、今度はどっち?」
ブレイブ 「ミラー食堂に行くならば、右だ。まぁ、基本位置の確認もあるから右に一度行くべきだろうな。」
では、右に進みます。
とりあえずミラー食堂まで向かうという事ですので、そこまで進みます。
右に進んでいくと、途中、さっきみんなが入ってきたような大きさの通路が左右に何本が出ているのですが、3個目の右に進む通路に入ります。
その通路をまた進むと、途中に左方向に入るすごく細い通路があります。
横幅の大きい人だと通れないくらいの狭い通路です。
そこの下水道が、ミラー食堂地下を通過する通路です。
と言う事で、辺りの様子ですが、いまは最初に入ってきた通路と良く似た場所にいます。
後ろに戻るとさっきの大下水道、前に進むと地図によれば左に折れていきます。また、前に進んだ場合は途中に右と左に通路が伸びているようです。
付近にはねずみが多数います。
常識から考えて、少し多いかな、くらいです。
襲って来たり、何か変わった感じはありません。
チャム 「おっきなネズミしゃん、いないでしゅね(・_・ )( ・_・)キョロキョロ」
リオ 「あぁ、いないみたいだなぁ…。う〜ん、取り敢えずここまで来たのはいいけど、これじゃ何も分かんねえや。おまけにミラーさん家の方向はおいらやアニキにゃ入れそうにもない程細い道だし…。」
リオ 「仕方ないな。さっきのでっかい通路に戻るのは嫌だし、このまま真っ直ぐ進んでみるかい?」
では、まっすぐ進む事になりました。
通路を進んでいくと左に折れているので、道なりに進んでいきます。
しばらく進むと、十字路に出ました。
まっすぐと左の方向は、たいまつの光が届かないほうまで通路が続いていて、地図をみても先に伸びています。
右側は、すぐに行き止まりになっています。
で、右側ですが、たいまつの光に照らされて、行き止まりのところに何かあるように見えます。
もしかしたら、ガラクタ等がたまってるだけかもしれませんが…?
チャム 「はにゃ? なんかあるでしゅか?( ・_・)ジー」
リオ 「ん? なんだ?」
チャムPL:そっち方面にキュクレインを飛ばして様子を見てきてもらいます。
行き止まりになっています。
四角い箱型のものが二つほどおいてあって、その上には何か細かいものがおかれているようです。
ここの行き止まり方面は少し高くなっていて、下水は流れ込んでいません。
そして地面にも、何か布のようなものが敷いてあるようです。
特に人影は見当たりませんが、ねずみが何匹かいます。
チャム 「あっちにでしゅね 箱みたなのとか布みたいなのとかあるみたいでしゅ ネズミしゃんはあんましいないみたいでしゅけど・・・行ってみるでしゅか?」
リオ 「はぁ〜? 箱…みたいなのと、布…みたいなの? ベットでもあるのか?」
リオ 「まさか…、人が住んでるわけないよねぇ、こんな場所に。でも…、一応見てみる?」
チャム 「行ってみるでしゅ! なにか面白いものがあるかもしれないでしゅよ(*^^*)」
リオ 「こ〜んな臭いトコに面白いもんなんてあるのかねぇ?」
突き当たりのところは、たいまつに照らされて良く見えます。
簡単に言うと、ホームレスな方の住んでいらっしゃる所を想像してください。
下には布(革かも)が引かれて、木箱が1つあります。
その上や、周りには食べ物の破片や、拾ってきたであろうものがいろいろと散乱しています。
と、そこで!
みなさん全員は後ろに生き物の気配を感じました!
振り向くと、何者かが、通路を曲がっていく所が見えました。走っています。
話合ってる時間はないので、追いかけるつもりの人は追いかけてください。
ちなみに、ブルード・ブレイブは追いかけるつもりはなさそうです。(※ブレイブのPLがしばらく不在との事でNPC扱いになっている)
ラキPL:誰かが追いかけるというのでしたら、明かり持ち担当は付いていきます。
リオ 「待て! お前、誰だ!?」
では、リオ君とラキさんは運動でロールお願いします。
ちなみに-1D6なのを忘れずに(^-^;)
結果はマイナスになり得ますので、その場合も報告をよろしく。
リオPL:きゃ〜(^_^; 運動なんてスキル無しing!(運)2-(1D6)3=”−1” 案の定マイナスでぃす。
ラキは運動スキル1-1=0で、能力値4そのままです。
協力判定の結果は、リオ-1、ラキ4なので合計3になります。
リオが駆け出して、それを追いかける形でラキがついていったわけですが、すでに最初の角を曲がった時点で相手の姿は見えなくなってます。
リオはかなりどたばたしてしまって、歩くのと対して変わらない速度です。
たぶんニオイや暗闇、足元の不安定さなどが原因です。
ラキが一緒にいて、ラキにはまだ相手がどちらに行ったかわかったので追跡続行しましたが、大下水道に出た時点で完全に見失いました。
本人が自覚したかはわかりませんが、リオが足を引っ張ってますね(※判定結果より)
ラキ 「リオさん、あまり飛沫を飛ばさないでくださいね。」
リオ 「あっ…、ごめんね。追い掛けるのに必死で気付かなかったよ。」
ラキ 「リオさん、このまま闇雲に走っても、迷うばかりだと思います。見つけだせる可能性も少なそうですし、一度戻りませんか?」
リオ 「そうだね…。この匂いとヌルヌルじゃ、おいらの足じゃとても追い付けそうにないや。」
精霊は確実に追跡続行です。
精霊が見ている情報は伝わるので、それを伝えると…
そいつの身なりなどは判断できませんが、鎧とかは着てません。
また、身のこなしは結構良くて、下水などをひょいひょいと避けて駆けていきます。
また、道を選ぶのに迷ったりはしてません。なれた感じで走っていきます。
で、ある程度進んだ所で、一度後ろを振り返ります。
男です。顔に見覚えはありません。
男はついてきていないのを確認すると、走るのをやめて歩き出そうとしますが、次の瞬間、動きを止めます。
びくっ、という感じで。
まったく身動きできずにいます。
精霊のいる角度からは良く見えませんが、その男の首筋に何か光るものが付きつけられているようです。
チャム 「誰か走って逃げてるでしゅ・・・あ、立ち止まって・・・こっち見たでしゅ!! ふみゅう・・・チャムは知らないおじしゃんでしゅね。また歩き出したでしゅ・・・あれ?立ち止まったまま動かないでしゅ・・・あの首のところで光ってるのは何でしゅかね?」
チャム 「うみゅ・・・これ以上離れるとキューちゃんとお話し出来ないでしゅ。うみゅう・・・あっ!そうでしゅ!チャムが向こうに行けばいいんでしゅ!」
リオとラキの二人が大下水道にいると、残りのメンバーがやってきます。
で、合流しました。
ラキ 「逃げた方の居場所は分かりますか? それでは、追いかけましょう。この際、忍び足で行くより急いだ方が良いでしょうね。」
移動中に精霊のほうから伝わってくる情報ですが。
? 「なぜ、逃げる」
男(逃げてたやつです) 「す、すいません…お、俺は…あいつらは…あなたが雇ったものでは…」
? 「違うな。警備隊に雇われた冒険者だろう。こちらの手の者だと思ったのか? …フフ。どちらにしても、お前には都合が悪いようだな。仲間の元にでも逃げるつもりだったのか?」
男 「違うんだ! ご、誤解なんです…その…これは…」
? 「裏切りと逃亡が…お前の人生のテーマのようだな? 今も、どうやってこの状況から逃げ出すか…考えるのに必死という顔だぞ?」
とかいうような会話をしてます。
?の声は男か女かは判断できません。低い声でしゃべっています。
特に感情のこもった声でもないので、その辺が迫力ある感じですね。
男 「こんな事になるなんて知らなかったんです! 信じてください!」
? 「…それを信じたところで、結果は変わらない…フフ、続けろ」
?はここで、少し楽しそうな感じを匂わせます。
獲物をいたぶってるかのような。
と、このくらいで、移動してくるパーティーの足音が響いてきます。
男 「!」
? 「来たか…さっきの連中のようだ…」
そういうと、すっと気配が消えます。
それとともに、男に押し付けられた刃も引っ込みます。
と、いうところでみんなその場に到着しました。
通路のところに男が一人立っています。
みんなが現れたので振り向きました。
外見上は乞食のような感じです。
そいつは何かあきらめたように、がっくりとひざをつくとつぶやきます。
男 「助けてくれ…」
リオ 「『助けてくれ』…? 俺、確かに『待て』とは言ったけど、別に襲って喰おうとか思ってたワケじゃないんだけど…。」
ラキ 「とりあえず、あなたの名前と身の上、なぜ此処にいるかをこちらの人たちに説明していただけますか?」
男 「俺の名前はカートン。このケイレスの盗賊ギルドの人間…だ。身なりはこんなだが、別に本当の乞食じゃない」
ラキ 「別に身なりや職業で判断するつもりはありませんよ。」
カートン 「ギルドの…連絡と見張りの役だ…」
ラキ 「それが真実かどうかは、ここでは訊ねません。ギルドに問い合わせればすむことですし。」
ラキ 「もう1人居たようですが、その方は?」
カートン 「すぐ近くにいるはずだ…我々にはわからなくても」
ラキ 「魔術師・・・ですか?」
という事で場所を変えて、行き止まりまで戻ってきました。
カートン 「払う金はないが助けて欲しい。あんたたちの仕事に関する情報にもなる話だ」
リオ 「盗賊って人の物を盗むヤツらだろ?」
リオ 「そんなヤツを助けてやる義理は無いね!」
リオ 「なっ! そうだろ? みんな!」
ブルード 「俺も盗人は嫌いだが、グレイの話によるとこういう都会の盗賊ってやつは盗人とも限らんらしい。とは言え、そう簡単に信用もできんな」
リオ 「その通り! こんな臭いところでウロウロしてるヤツなんて、信用できませんね、おいらも!」
ラキ 「ちょっと落ち着いて貰えますか?」
ラキPL:曖昧な微笑みをうかべつつ、リオさんをなだめます。
ラキ 「確かに盗賊ギルドはそうした人達の集まりですが、彼らが日常的に悪い事をしている訳では無いんですよ。逆に、ギルドのメンバーとして登録される事で悪い事がやりづらくなっている人たちなのですから。」
ラキ 「それに、今このとき助けを求めている人を見殺しにするのは後味が良くないと思いますよ? 第一有るかどうかも分からない、この人の悪事を裁く権利は私達には無いのですから。」
リオ 「ラ、ラキちゃんがそう言うのなら…。」
ラキ 「そうですね。こちらとしては、仕事が達成できれば問題ないですからそのための協力も吝かではありません。真実助けを求めるのでしたら、こちらも出来る限りの事はしますよ。まずは、あなたの話を聞きましょう。」
カートン 「わかった。俺の知ってる事は全部話す…」
と、少し息を呑んで間を空けます。
カートン 「話は2週間近く前にさかのぼるんだが…この辺りの通路はギルドの連絡係もいる場所だ…言わなくてもわかると思うが、そういう場所だ。そこに妙な新顔が現れた。ギルドの見張り役には、実際に地下に流れてきた宿無しなんかを雇っている事も多い。だが、相手が何者かわからない状態では、もちろん、そんな話はしない。ただ、その男の事を上に報告したら、見張っておくようには言われた」
カートン 「恐らく、上ではその男の事を調べてたんだろう。本当の宿無しで、ここに住むつもりなら、雇ってもいい。だが、それ以外の場合もあるからな…そんな度胸のあるやつも最近は見ないが…。ともかく、そんな状態で数日過ぎた。その間、その男は、他の宿無し…ほとんどがギルド員なんだが…に、何か話しを持ちかけてるようだった」
カートン 「俺は上からの連絡もこないのを不審に思った。身元がすぐにわからないやつなんてそうそういないからだ。本当は…指示を待てば良かったんだろう…でも俺は自分の判断で行動した。そいつに接触してみたんだ」
カートン 「そいつは…奇妙なやつだった…」
身体をぶるっと震わせます。
カートン 「なんと言ったらいいんだろう…言ってる事はめちゃくちゃだ。自分達の王国を作るとか…見下してきたやつらに復讐するとか、見返してやるんだ、とか。でも、あの目…あの目だ…なぜか惹かれた…まるで魔法にかかったみたいに。あの輝く目に…」
リオ 「王国…? 復讐…?」
カートンは恐怖に震えるように、自分の肩を抱いて、ぶるぶると震えます。
それから急に顔を上げて、大きな声を出します。
カートン 「こんな事になるなんて知らなかったんだ! あいつは力を持ってると言った! それを俺達にも分け与えると言った! 俺達はそして、見た! それは確かに…すばらしいものに思えたんだ! ほんのちょっとの代償だと思った。それがこんなに…不気味なものだって、知らなかったんだ!」
カートンは少し落ち着いてから、続けます。
カートン 「すさまじい体力…力…どんな傷だって、すぐに治っちまう。変身してる時は…自分の身体に力が満ち溢れるのを感じて…それはすばらしい気分になれる…でも変身するときはすごい苦痛なんだ。自分が捻じ曲げられる…文字通りそうだ、それを実感するんだ。そして元に戻った時、力を失って…自分がひどく弱弱しい生き物になった気がする…でも変身の苦痛をまた味わうのはイヤだ…。最悪なんだ。本当に…地獄なんだ…」
ブルード 「何を言ってる?」
カートン 「次の月が出る時…また変わってしまう…それだけじゃない、あいつの意のままに、あいつに変えられたやつは変えられてしまうんだ。そしてあいつの命令には逆らえない…」
リオ 「月…? トゥーリア様? 変わる…。」
ブルード 「だから何の話をして…」
カートン 「ライカンスロープだよ! 知らないのか?! あんたら冒険者だろ?! あいつがそうだったんだ!」
カートン 「あいつは今も勢力を伸ばしてる。今は地下にいる人間…ギルドの連絡役や見張り役なんかを仲間に引き入れてるけど、それが終わったら地上にまで手を伸ばすつもりだ。あいつの手下…ネズミどもが地上に偵察に出ているだろう? 俺は…あいつの仲間になっちまって…ギルドにもにらまれちまった! なぁ、元に戻れる方法を探してくれ! できる限り協力はする!」
リオ 「元に…戻る…? 変身…しなく…なる? 病気…治る?」
? 「正直者は損をする…なんて言葉があったな?」
突然、通路の影から声とともに人の気配が現れます。
そこはちょっとくぼんでる程度で、普通そこに人がいたらわかるんですが、まさに影に溶け込んでいたかのように、誰も気がつきませんでした。
今もそこにいるのはわかりますが、姿はほとんど見えません。
ちなみに声の主はチャムならわかります。
通路でカートンを脅していた?やつです。
? 「それも時と場合によるってわけだ。ひとつ学んだよ…カートン。お前がウソでもついて…何も知らないなんて言ってたら…フフ、お前にはそのほうが良かったのかな? その苦しみとやらから解放されるなら、な」
カートンは「ひっ」と息を呑んで、そのまま固まってしまいます。
相当ビビってるようです。
? 「俺の名はレヴィン。何者かは、そこのカートンとやらが良く知っている」
カートン 「…ボス直属の…ボスに個人的に雇われてる…最強の暗殺者…」
ぶつぶつとつぶやくようにいいます。
レヴィンはまだ姿を見せないまま、続けます。
レヴィン 「と、いうわけだ。良かったな、カートン? まだ生きていられるぞ?」
と、みんなのほうに語り掛けてきます。
レヴィン 「こちらの仕事の目標と、そちらの仕事の目標が重なってしまったようだな。あんたらの誰かが…俺の存在に気がついてるようだったんでな。変に勘ぐられても面倒だ。ここはひとつ、協力と行かないか、冒険者?」
リオ 「おいら…やる…。おいら、協力するよ…。何でもする…。」
リオPL:ふらふらと無防備にレヴィンに近付きます。
ガシッとブルードがリオの手をつかみます。
リオ 「ぐおっ!」
リオPL:一瞬、熊の咆哮にも似た雄叫びを上げ、抵抗します(^_^; 体力10+スキル1(出目:6)=「16」です。あいたたた…。こんな時に6が出るとは…(ToT)
じゃあブレイブさんにも協力してもらおうかな(笑)
ブルードが能力値4にスキル2で出目は…9、合計13
ブレイブが能力値4でスキルなし、合計4
で合わせて17です。
ともかく、リオ君は二人に止められました。
レヴィン 「賢明だ。…俺の顔を見て今も生きている人間は3人しかいない」
ラキ 「この匂いに、朦朧としているのでしょうか。早く出た方が良い様な気がしてきました。」
レヴィン 「そいつは協力したいようだが…他はどうだ」
ラキ 「どう答えても、そちらはやりたいようになさるのでしょう? 逆らえない状況で返答を求められると云うのはあまり好みじゃないのですけれど。」
ラキ 「とりあえず、この人に危害を加えない様ですからわざわざ敵対するまでもないでしょう。」
レヴィン 「強制はしてないぞ? こちらの仕事の邪魔になるようなら、対処はするが。俺はただ、確実に仕事をこなしたいだけだ。それに…俺だって役にも立たない奴らなら、こんな話は持ちかけない」
レヴィン「…ドワーフ?」
と答えを促します。
ブルード「…いいだろう。話してみろ。ただし、俺達の背中に立つなよ」
レヴィン「お互いにな」
ちょっと楽しそうにいいました(^-^;)
レヴィン 「まずそこの…カートンの言ったように、今地下をうろうろしてるやつ、名前はラッターというんだが、そいつが仲間に引き入れているのはギルドのメンバーだ。ほとんどがギルド内部の事は知らない、下っ端の雇われだがな。だが、ギルドのメンバーにかわりはない。つまり、ボスはギルドにケンカを売られたと判断してるわけだ。…それで、俺はそのラッターとかいうやつに用がある。」
ブルード 「そいつを殺すわけか」
レヴィン 「さぁな、そいつは勝手に想像してくれ」
ブルード 「俺達は、そのラッターってのが今回の騒動の原因なら、会わなきゃならん。この男の言ってる事が真実なら」
レヴィン 「では、条件を言おう。俺はラッターの居所がつかめればそれでいい。見つければ、後はどうとでもできる。」
ブルード 「こっちは、…そうだな…こっちの用件が先だ。」
レヴィン 「いいだろう。ラッターの居所にはカートンに案内させる。その後は、そちらの用件が先だ。わかっていると思うが、この取引は他言無用」
ブルード 「……」
レヴィン 「カートンはそちらに預ける。今後の行動の予定もいちいち連絡する必要はない。好きに動いてくれ。…それとこいつを、渡しておこう」
何か小袋を投げてよこします。
レヴィン 「もし、戦いになったら必要になるだろう。罠や毒なんかは仕込んでない。取引相手を裏切ったりはしないさ」
ブルード 「……」
チャム 「(しげしげと眺めつつ)これ、なんでしゅかね?」
中には液体の入った小ビンが4本と、ルーンの刻まれた指輪が入ってます。
レヴィン 「それは魔法の薬だ。飲めば半日くらいは、有害な空気から守ってくれるだろう。指輪は後2日の間だけだが、それを使えば武器に魔力を付与する事ができるだろう」
チャム 「ありがとでしゅ(*^^*)」
チャム 「ねぇねぇレヴィンしゃん 下水道にいるおじしゃんの仲間はみんなこのおじしゃんみたいになっちゃったでしゅか?」
レヴィン 「全員ではない。ギルドのメンバーという事に限れば5人。それ以外もいるだろうな」
チャム 「しょの人達はラッターっていう人と一緒にいるんでしゅか?」
カートン 「一緒にいるかもしれないし、何か任務で離れているかもしれない」
レヴィン 「任務?」(ちょっとバカにしたような物言い)
カートン 「偵察とか…仲間を増やすための交渉とか、警備とか…いろいろです」
ラキ 「ところで、この人(カートン)も気にしておられましたがそのラッターという人物の身元など、何か情報は得られたのですか?」
レヴィン 「いや、まったくなしだ。つまり、ラッターはケイレスとケイレス周辺にはゆかりのない者、外から来た人間という事になるな。森の中に隠れ住んでる連中なら、わからんがね」
レヴィン 「それでは、俺は消えるとしよう…」
と、彼は姿を消しました。
正確には、気配を完全に消して皆さんには認識できなくなった、というところです。
ブルード 「さて、どうする?」
リオ 「カートン…だったよね? あんた、ラッターとかってヤツの居所知ってるのかい?」
リオPL:リオはカートンさんの前に立ち、ぐいっと胸倉を掴みます。
チャム 「リオしゃん、リオしゃん、どうどうどうヾ(^_^;)」
チャム 「ところでラッターって人はこの近くにいるんでしゅか?」
カートン 「わからないんだ。ただ、ねぐらにしている場所をいくつか知っているから、そこをあたってみるしか…。だけどなるべく急いで欲しい。もし俺が裏切った事が感づかれたら…向こうから動いてくるかもしれない…」
ブルード 「ふん、ならそれを利用しておびき出すのも手か」
カートン 「冗談はよしてくれ!」
ラキ 「皆さん、なぜそんなに彼をいじめるんです? ようやくの事で助けを求めて縋り付いたのにそんな対応をされては、彼だってたまったものでは無いでしょう。折しも、彼らにとって非常に恐ろしい方と相対したばかりですのに。・・・人はもっと助け合うものだと聞いていましたが。」
ブルード 「まるで自分は人間じゃないみたいな言い方だな。前から気になってたんだが、ラキは”自分は違う”みたいな…距離を取ってるような物言いするんだな」
ラキ 「………」
ラキ 「出身が南なもので、言い回しや訛りが少し入っているかも知れません。その所為では無いでしょうか。私は別に、皆さんと距離を置こうとか、そういった考えは持っておりませんよ? よそよそしいのはご容赦ください。なにしろ、同じ宿に居ると云ってもこれまで言葉を交わしたことが無いのですし。」
少しの間、視線はそらしませんが…
ブルード 「そうか。いやなに、ちょっと気になっただけだ」
ラキ 「指輪は、私が使いましょう。前に出るのは苦手ですし、チャムさんには、ちょっと大きすぎるでしょうから。」
チャム 「んじゃ、はいでしゅ(指輪を渡す仕種)ところでこっちの小ビンはどうしゅるでしゅか? 4つしかないみたいでしゅけど…」
ラキ 「時間が経つと効果が無くなってしまう様ですから、飲むのはもう少し後でも宜しいと思います。飲んで探し回って、空振りしたら台無しですからね。」
ブルード 「確かに、向こうが感づく前にこっちから動いたほうがいいか。戦いになるとは限らんが、まぁ、そうなるだろうからな」
カートン 「わかった。案内する…俺の知ってる限りでは3箇所あるんだがどこに向かう?」
ブルード 「場所を知らんのに、決められるわけないだろが。とりあえず近い所からでいいか?」
リオPL:リオは黙ってこっくりと頷きます。
では、近い場所から探り入れていくという事で行動開始です。
渡されたアイテムを使うタイミングはそちらから申し出がない限り使いません。
と、いう事で20分ほど歩きます。
少し進むと、通路の曲がり角の向こうから微かに明かりが漏れているのが見えてきます。
カートン 「あそこが1つ目の場所だ」(小さい声)
ブルード 「たいまつを消せ。ランタンは明かりを一番小さく絞ってくれ」
ラキ 「リオさん、おとなしくしてください。ひとまず様子を見てみないと、何をされるか分かりませんよ。」
リオ 「えっ? あ、うん。」
チャムPL:いつもの如くキュクレインを飛ばして様子を見てみます。
ランタン(あまり強くない)を囲んで3人の人間(に見える)が何か食事を取っているように見えます。
まだこちらには気がついてないようです。
ブルードが忍び足で近づこうとします。
…えっと、行動修正の-1d6を入れて…失敗ですね(笑)
男A 「ん?」
男B 「誰だ?」
という感じで男が3人出てきます。あまり緊張感はない感じでしたが、ブルード含む見なれないパーティーを見て様子が変わりました。
男A 「な、何者だ?」
男B 「カートンか? そいつらはなんだ?」
といいつつ、ナイフや棒といった武器を構えて聞いてきます。
ラキ 「いまのうちに、薬を飲んで置いた方が良いかも知れませんね。」
カートン 「この人達は…」
ブルード 「おい、カートン。この中にやつはいるのか?」
カートン 「いや、いないけど…」
ブルード 「俺達はラッターに用があるんだ。お前達には用はない」
男A 「なんだって?」
男B 「どういう事だ? カートン?」
男C 「……」
リオ 「あんた達も人が獣に変ってしまう病気を広めようとしているのか?」
男A 「病気だって?」(ちょっとあきれたような感じで)
男B 「病気ってのは害があるものだろ。俺たちは力をもらったんだ」
ラキ 「ちょっと話が間違って伝わっているみたいですね。私達は町でそういう噂を耳にしたんです。もし本当なら、どんなものか知りたいじゃないですか。」
男C 「カートン、そいつらを仲間にするつもりで連れてきたのかと思ったが…お前達は敵か?」
ブルード 「お前らに用はないって言ったろ。だが、やるってんなら、やってやる」
ラキ 「あんまり最初から喧嘩腰になっちゃ駄目ですよ。仲間になるためには、ラッターという人に会わなければ駄目なのでしょう? それとも、あなたたちでも仲間を増やすことが出来るのですか?」
男C 「むろん、できるさ。相手が望む望まないに限らず…な」
男B 「だがラッター様は俺達が勝手に仲間を増やすのは禁止してるじゃないか」
ラキ 「では皆さんはその人から直々に仲間にして貰った、と。そういった方は他にもたくさん居るのですか?」
男C 「それを聞いてどうする?」
男B 「お前達は俺達の仲間になりたいのか? それとも…」
ブルード 「こいつら、まともじゃないのはすぐわかるだろ? 話したって無駄だ」
ラキ 「何も得られないと決めつけたものでもないでしょう?」
ブルード 「ふむ…」
リオ 「その”力”とやらで何をするつもりなんだよ!」
男A 「なにをするかだって?(笑)」
男C 「お前は力が欲しいと思ったことはないのか? 自分を裏切ったやつ、受け入れなかったやつ、理解しないやつ…そんなバカなやつらに復讐する力を…」
リオ 「復讐? ふん! 一体どんな復讐をするつもりなんだ? 殺すのか? 病気をうつすのか? 少なくともあんたらを裏切った奴も、受け入れなかった奴も、理解しない奴も、あんた達を殺してはいないのに?」
男A 「なら、ただ黙って殺されるまで待つのか?」
男B 「殺されるより、つらい事だってある。お前にはわからないだろうけどな」
男C 「…殺すのもいいだろう。服従させるのもおもしろい。とにかく俺達にはその力がある」
リオ 「あぁ、もう…。何が言いたいのかサッパリ分からないね! あんた達、ギルドとかって言う集まりの人だったんだろ? 一体、誰に復讐したいんだよ? 今、ネズミがいっぱい出て迷惑してるのは街の人達だ。それにあんた達は”変身”する時、凄く嫌な気分になるんだろ? しかも”ラッター”とかって奴の命令には逆らえないって聞いたぞ。そんなんで何をするつもりなんだよ?」
男A 「お前らのほうこそ、どういうつもりでここに来たんだ?」
リオ 「ネズミがいっぱい出るのはなんでか調べて、食い止める為! …だったんだけど、今はおいら一人でもラッターって人に会って、話を聞きたいって思ってる。」
男A 「…いいだろう」
ラキ 「自分が別の存在になるというのには興味を覚えますが、教えて貰えることは教えて貰わないと、不安ですから。1度選んでしまうと、後戻りできないかも知れませんからね。」
男C 「それなら、こちらでラッターと会えるようにしてもいい。時間と場所はこちらで決めさせてもらうが」
リオ 「何日も後になんの? おいらは今すぐにでも会いたいんだけどな。それにあんた達は気にしてないみたいだけど、ここの匂いは森で育ったおいらには馴染みが無さ過ぎて、ちょっとイライラして来てるんだ。」
男C 「今すぐというわけにはいかない。今晩でどうだ」
ラキ 「それほど手間が掛からないのなら、今直ぐにして貰えませんか? ここは、そう何度も足を踏み入れたい場所じゃありませんし。」
男C 「今すぐは無理だ」
リオ 「カートン、あんたはどうする? おいらと一緒にラッターって人に会うかい?」
カートン 「あ、ああ…もちろん」
ラキ 「それでよろしいんですか? 一刻も早く会いたいのでは無いのですか?」
カートン 「いや…まかせるよ」
ラキ 「それでいい、というのでしたら強くは言いませんが。」
リオ 「今夜でいいよね。おいら、早くここから出たい…。何だか、頭が痛くて…。」
ラキ 「ではそういたしますか?どのみち、また此処に来る事を考えれば、今会うのもそう違いはないと思いますけど。」
ブレイブ 「むぅ、このままでは埒があかぬ、このような場所にいるのも無駄ならば、会う時間になるまで一度外にでて出直す方がよいのではないか?」
約束の時間まで数時間あるので、一度外に出て準備をする。
リオPL:リオは外に出てボォっとしてます。
じゃあ、ボーっしてるならブルードが話し掛けてきます。
ブルード 「どうした? まだ一仕事あるってのに、そんなことじゃ困るな」
というと、バトルアックスを取り出して、まぁ磨くわけじゃないんですが、確認するようにちょっと見て、刃を指でなでながら続けます。
ブルード 「さっきから様子が変だぞ。何か気になる事でもあるんなら、話してみてもいい。お前さんよりは人生経験は豊富だからな」
リオ 「気になる…? そりゃ気になりますよ。だって人が…人間が獣になっちゃうって言うんですよ…。その上、獣の姿になると命令に逆らえないなんて…。一体、そんな病気、どうやったら治せるんでしょう?」
ブルード 「さぁな…ライカンスロープになる、という話は有名だが、元に戻す方法までは俺にもわからん。その方法も知られているものなら、こんなに恐怖で語られる事もないだろうしな。しかし、本当に病気なのかどうか…呪いの類って事もある。普通の病気なら司祭が治せるだろう」
リオ 「呪い…。何かやだなぁ、そう言うの…。もし病気ならブレイブのおっちゃんでも治せるのかなぁ…。」
ブルード 「命令に逆らえないというのは強制的に…まぁ、魔法で操られるように動かされるのか、それとも自分の主人や法に逆らえないかのように従わざるを得ないのか、そのヘンのところも聞いとくべきかもしれんな」
リオ 「さっきの話ぶりじゃ、多分カートンさんに聞いても分からないでしょうね…。あっ…、でも…。」
リオ 「ねぇ、カートンさん。変身しなければラッターって人に操られることは無いの?」
カートン 「操られるってのとは少し違う感じなんだ。なんて説明したらいいか…うーん…これは体験しないとわからないと思うんだけど、自分の意識は残ってるんだが、酒に酔った時に似ていて記憶にも残るんだけど、自分が自分でないような…変わるというか…性格やルールに対する意識が変わる…そんな感じで、ラッターがとても偉大な人物に思えて従ってしまうんだ」
リオ 「ふ〜ん。『自分が自分でないような…』って言うのは分かるような気がするなぁ。人間とは違う生き物の姿になっちゃうんだしね…。」
カートン 「それから、満月を見ると変身してしまうってのは実は違う。満月に”なる”と変身してしまうんだ。強制的に。ちなみにラッターの命令によっても、変身してしまう。…ひとつ忠告しておくが、ライカンスロープに深く噛まれると感染するから…」
それから少し考えて、
カートン 「なぁ…俺は行かなくてもいいかな…ラッターに会っても、俺の問題は解決しないだろうし…」
リオ 「うん。ラッターって言う人の命令で変身してしまうのなら行かない方が良いかも知れないね。もしかしたら…、いや、多分、そのラッターって人とは戦わないといけないような気がするから…。その時に操られてしまったら困るもんね。」
リオ 「おいらは…大丈夫かなぁ…?」
リオ 「ねぇ、アニキ。もし…、もしもおいらがおかしくなっちゃったら…。いや、今からそんな事考えても仕方ないよね…。」
ブルード 「もしお前が操られて襲ってきた時、それを止める方法がないなら、俺はお前でも殺す。お前も俺がそうなったら、そうしろ。自分の命を犠牲にすべき他人なんて世界中に一人くらいしかいるもんじゃない」
リオ 「イ・ヤ・ダ! おいら、アニキの為だったら何をしようと『止める方法』ってヤツを探し出してみせる! 勿論、自分の命だってちゃんと守ってみせるよ!」
リオ 「とにかく…、そんな事はそんな状況になってから考える事にするよ! だって、今は”ラッター”って人に会って何を話したらいいかも分からないもん」
ブルード 「今回の件の原因はそのラッターってやつで間違いないだろう。それを報告することで今回の依頼のほとんどは達成する事もできるが…」
ブルード 「俺も勢いでこんな状況にしちまったが、向こうに準備する時間を与えちまったんだよなぁ。戦力的には向こうのほうが断然多いってのに」
リオ 「う〜ん、戦力かぁ…。衛兵の人達に事情を話して応援を頼みましょうか? 出口を抑えておいてもらうとか…。もし、本当にラッターって人が犯人って言うか大元だとすると、戦いになって運悪くおいら達が負けるような事になっても逃げられないようにしておいて貰った方がいいですよね?」
ブルード 「二人で話してても仕方ない。他のやつらが戻ってくるのを待とう」
ラキはネズミをおびき寄せられそうなチーズの塊を購入。ネズミ退治用の毒や道具は売り切れていました。
ブレイブはライカンスロープについて調べてみましたが、成果はありませんでした。
リオ 「ねぇ、ブレイブのおっちゃん。これからおいら達、ラッターって人に会って”話をする”んだよねぇ? んで、もしネズミを操っているのならやめさせる…でいいんだよね?」
ブレイブ 「まぁ、基本的な姿勢はそうなるな。ただ向こうがそこまで協力的かどうかには疑問をつけざるを得ないからな、場合によっては問答無用でという事になることも覚悟しておく必要があるだろうて」
リオ 「ラキさん、向こうはいきなり喧嘩売ってきたりすると思う? やっぱり”らいかんすろーぷ”って”退治”しなきゃいけないのかなぁ?
ラキ 「どうでしょう?ただ今回は“ライカンスロープ”だから悪いとか、そういう事ではないでしょう? 民家にネズミをけしかけて、食べ物を食い荒らしたり、壁をぼろぼろにしたり、悪さをしている連中を懲らしめるのはごくごく当然のことと思いますが。」
リオ 「そうだね…。」
ラキ 「分からなくなったときは、一度戻って考え直してみる。そうすれば、道は見えてきますわ。」
リオ 「だとすると、応援を呼んだ方がいいのかな? 衛兵の人とか…。そうそう、もう一組の人達はどうしてるんだろうねぇ?」
ラキ 「応援は、間に合うかどうか分かりませんね。それに、衛兵達を引き連れていくと、逃げられるかも知れません。でも、盗賊ギルドの方が私達を監視しているようですし、向こうの方でも準備は進めているでしょう。私達は私達で事を進めるのが、この場合一番ではないでしょうか。」
リオ 「分かったよ。だけど、僕らに何が出来るんだろう? おいらはただ喧嘩がちょっと強いだけの田舎者なんだよ。」
ラキ 「私がそれに答えを用意することは出来ません。仮にそうしたとして、ただ云われるままに行動してリオさんは答えを得られますか? 云われるままに行動して、考えることを放棄しても、私は構いませんがそれでは、ラッターという男に操られる人達と何も変わるところはありませんよ。」
ブルード 「確かに向こうのほうが数は多かろう。それに準備も整えておるだろうな。戦いになるとは限らんかもしれんがそうなる可能性が高いとすれば、なにかしら考えておく必要はあるかもしれん」
と、カートンが口を挟んできます。
カートン 「悪いんだけど…俺は付いていかなくていいかな? もう道案内もいらないだろうし、俺が行っても解決にはならないよ」
リオ 「確かに、もしラッターって人が僕らを”敵”だと思ったらあんたも僕らを襲ってくる側になっちゃうかも知れないからね。おいらは来ない方が良いと思うけど…。みんなはどう思う?」
カートン 「操られる可能性は高い…というか…たぶんそうなる…」
ラキ 「それでは、私達が聞き出したことを、後で包み隠さずあなたにお話しいたします。それで、あなたの私達に対する依頼の完了とさせていただいて宜しいでしょうか?」
カートン 「そうだな…うん、それで構わない。できれば元に戻る方法を聞き出してきて欲しい」
リオ 「あれ? アニキ、満月っていつだっけ?
ブルード 「いつだ?」
カートン 「まだ先だよ。3日後くらいだと思う」
リオ 「それに”らいかんすろーぷ”って普通の武器じゃ傷付かないって本当なのかなぁ?」
ブルード 「戦ったことはないが恐らくな」
リオ 「それと、ラッターって人に会ってからの事だけど、おいらは取り敢えず話を聞いてみたいって思ってる。なんで人が獣になっちゃうのか? 普通の人に戻る方法は無いのか? 他にも獣になっちゃう人はいるのか? なんで町の人を困らせるような事をしてるのか?ってね。」
では、カートンは残して他のメンバーでラッターに指定された場所に向かいます。
約束の時間に指定された場所まできました。
通路の入り口に、話をした3人の男が待ってます。
男 「そいつは預からせてもらってもかまわんか?」
と、こちらの松明もしくはランタンなど明かりにしているものを渡すようにと手を出してきます。
男 「はっきりと顔を見られるのを嫌うやつもいるんだ」
ラキ 「生憎ですけど、これがないと私達はかなり不便になりますの。顔を見られたくない方たちは、フードでも被っていて貰えませんか?」
男 「なるほど。しかしこちらにとってあんた達は客というわけではない。むしろ、そちらがこちらに合わせるべきだと思うがね」
ラキ 「でしたら、そこの通路の影に明かりを置いておく、という事で宜しいでしょう?」
入り口のところに置いていく、というのでしたら特に止めはしません。
その後。
男 「こっちだ」
と1人に案内されて奥に行くと、そこは行き止まりで部屋のような空間になってます。
そこにはランタンが一個あるだけで明かりとしても弱くしてあるのか、結構暗いです。
ブルード 「左右に3人ずつ。真中に一人。多分あいつがラッターだ」
と、ブルードがささやきました。
すると明かりの中に一人の男が進み出てきました。
ラッター 「俺がラッターだ…話がある冒険者というのは君らかね?」
ラキ 「2、3聞きたいことがあって来ました。まず、今街を騒がせているネズミ騒動との関わりについて。それから、ライカンスロープとはどんな人達なのか。最後に、あなたはどうして仲間を増やそうなどと考えたのですか?」
ラッター(と名乗った男)はニヤリと笑います。
その目はらんらんと輝いていて、なんと言いますか、ある意味生き生きとしているように見えます。
ラッター 「なるほど。君らが盗賊ギルドの使者かと思っていたが、どうやら違うらしいな。…そうか、衛兵隊あたりに雇われた冒険者諸君か。ふふふ、君達は上の街で暮らす人間をどう思う。特に権力とやらを持っている人間を」
ずいっと一歩前に出てきます。
ラッター 「ゆがんでいると思わんかね? 不自然だと思わんかね? なぜ、ああも傲慢に人が人を裁くのか。なぜ権力をかさに着、人が人を見下すのか? そしてその傲慢さで、やつらは自分たちが自然を利用していると考えている。自然がやつらを生かし…いや、生きる事を許しているのに!」
バッとマントの前を開き、両手を開きます。
ラッターを見ている人は(この場合たぶん全員かな)その胸元にペンダントが揺れているのに気がつきます。
わずかな明かりを反射して光ってるのが見えたからなんですが、それだけなので、どんなペンダントなのかはわかりません。
ラキ 「・・・質問に、答えて貰っていませんが。」
ラキ 「感想を訊ねているのなら、特に何とも思っていない、というのが答えです。私はそもそも旅人ですから、その街に関して、何も権利を持ってません。逆に向こうから束縛されることもありませんが。つながりのない人達の罪を問うのもおかしな話でしょう?」
ラッター 「それならばこそだ! 人間!」
ラキ 「(私は、“人”じゃあ無いんですけどね・・・)」
ラッター 「我は人間ではない。人間よりも遥かに進んだ力、そして思考を持っているのだ! それに気がついた時、私ははっきりとわかった! 我が力を用いて何をすべきなのかを!」
ラキ 「さて、どういった所が“人より進んでいる”のか それ以前に、どんな基準でそれをいっているのでしょうね。」
ラッター 「虐げられた人間…いや、人以外の種族でも、そして自然そのもの…蹂躙されたもの達を救わねばならぬ! だからこそ、我が帝国を築き上げ、腐った輩に真実を知らしめ、踏みにじられたものを救わねばならぬ!」
と、熱く語ります。
ラキ 「エルフやドワーフといった、いわゆる“人以外の種族”の方たちはわざわざそんなことを行おうともしていない様ですけど。」
ラッターは一方的にしゃべっていたわけですが、それに対して反応していたか、いないかに関わらず、皆さん全員がなんとなくラッターに注目してしまいます。
これは魔法の力とかではなく、単にラッターのもつ交渉能力値の高さです。
なので判断力などが奪われたわけではありません。
「なにをバカな」とか「なんかヘンな事言ってるなぁ」とか思いつつも気になってしまう、って感じです。
ラッター 「我が帝国を頼ってくるもの、そして協力を申し出るものを拒みはせぬ…どうだ、諸君?」
ラッター 「手始めはまずこの街を我が帝国の領土とする。そのためにもまだまだ騎士が必要なのだ」
と言いますが、このセリフを語り始めた時から、ラッターの目が光を放ち始めます。
(※長引いてしまったので、シナリオを終了させました。)
ラッターの瞳が光を放ちます。
それは魔法の力を持っているように感じます。
皆さんはそれに対して抵抗してみせますが、どんどん意識が朦朧としてきます。
ラッターは皆さんが魔法にかかったのを確認すると満足げに皆さんを眺めます。
ラッター 「彼らも我らが理想を聞き、帝国の者となった!」
ラッターは宣言し、それから少し考えて、リオを指差します。
それに従って、フラフラとリオはラッターの前に進みました。
ラッター 「この儀式により、そなたは真の意味で我らが仲間となる…」
ラッターはリオの腕を取ります。見ればラッターは半分ネズミに変身し始めていて、その前歯がズルリと伸びます。
そして、その歯でリオの腕に噛みつきました!
そのまま、ラッターは一瞬ニヤリと笑ったように見えました。が、次の瞬間、顔色を変えてリオの腕から口を離します。
ラッター 「グワァ…グエッ…ゲッ、ゲッ…」
血か何かを苦しそうに吐き出します。
周りの者はびっくりして、ラッターへと駆け寄りました。
(※リオはシェイプシフターなので、ライカンスロープにならないため)
リオは腕を噛まれた痛みで正気に戻ります。
自分が魔法にかかっていたという事は覚えているので、振り向くと仲間がまだ魔力にとらわれているようです。
リオはひっぱたくなり、なんなりして皆を正気に戻します。
全員正気に戻って態勢を整える頃、ラッターは憎しみに満ちた目で皆を睨みつけ、「殺せ! こいつらを殺せ!」と命令します。
戦闘に突入です。
不利な状況下ですが、どこからともなく白刃が光を放って闇を切り裂くように踊ると、手下は2.3人、声もなく倒れます。即死です。
ラッターはその瞬間、本能的に駆け出します。
後ろの壁に隠し通路があったようです。
皆さんの前には敵の手下が3人、変身して立ちはだかります。
戦闘中、ラッターが奥の隠し通路に逃げ込むのを見ますが、その後に続いて影が通路へと入っていくように見えました。
戦いが終わって、皆さんが隠し通路の前に行くと、通路のすぐ横あたりの物陰から声を掛けられます。
「あんた達を取引相手に選んで正解だったよ」
暗殺者レヴィンです。
レヴィン 「思ったよりずっと楽に仕事を終える事ができた」
レヴィン 「…俺の今回の仕事は掃除さ。ネズミが一匹、ボスの機嫌を損ねた。だから駆除したんだ。あんた達は街を騒がせてるネズミ騒動の原因を調査し、可能であれば解決する…って仕事だったな。ならもう終わりだ。ネズミの親玉はあの世行き。残ったのはただのネズミだからな」
レヴィン 「一つ、謝っておこうか。そっちの用件が先って約束だったが、手を出してしまった…。まぁ、あの場の誰も想像しない事が起こったんでな。俺も驚いたよ」
レヴィン 「契約違反の代償として、渡しておいた品物はあんた達にやろう」
そして、レヴィンの気配は消え去ります。
通路の奥へ進むと、そこにはラッターの死体がありました。
その姿は人間とネズミが悪夢の中で中途半端に交じり合ったような、恐ろしく奇妙な形になっています。傷は二箇所です。首は皮一枚残して切り裂かれ、心臓の当たりを一突きにされていました。
その後、シモクに報告すると、報酬がもらえます。
カートンは皆さんが戻ってくると「盗賊ギルドに戻れる事になったんだ。それも前よりずっといい待遇でだ。本当に世話になった。ありがとう」といって去って行きます。