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ルール確認とテストプレイを兼ねたソロシナリオです。
地の文はGMです。
≫PL:はプレイヤー発言です。
【参加キャラクター】
・リオアルド(リオ):シェイプシフター(熊)/男性/戦士
・ラキエル(ラキ):リーン/女性/旅人
・チャム:フェアリー/女性/精霊使い
旅をするなら、まずは主要な街道に出ていると思いますので、現在はケイレスに向かって街道を歩いています。
街まで1日半の距離ですから、すでにケイレスの街道警備隊の守備範囲に入っているので比較的安全です。
ここまで来れば、街道沿いには旅人のための宿が1日程度の距離をおいて立っています。
時刻は昼を過ぎたところです。
ではイベントが発生するかどうか、決めますので2D6を1回振って出目を教えてください。
このゲームは全体的に低い出目ほど結果が悪くなっています。
リオ 「ふんふんふ〜ん」
リオ 「腹減ったなぁ…」
≫PL:いきなり1+1=「2」です(^_^;
では、少し進んでいると街道沿いの木の下で食事を取っている2人組みの旅人がいます。
リオが通りかかると、声をかけてきます。
旅人A 「あ、そこの方…ちょっとすみませんが…」
リオ 「ん? オラかい? どうかしたずら?」
すると旅人Aは地図を取り出して広げてみせます。
旅人A 「ちょっとお尋ねしますが…」
と、地図を良く見せようとさらに近付いてかなり接近しました。
旅人A 「えーと…今我々がいる場所はこの辺でいいんでしょうか?どうも旅には不慣れで距離がわかりにくくて…」
リオ君の出身村はこの近くでしょうか?(1日程度なら近くで)そうでしたら+1ボーナスで「知識能力値+1D6」ですね。
≫PL:では…やぁ! 知識能力2+ダイス1=「3」です…トホホ。
リオ 「おらも村からこんなに離れたのは初めてだから良く分かんねぇけど、多分、そうだと思うよ(^-^)」
旅人A 「はぁ、そうですか。わかりました。どうも」
と、言って連れの所に戻ります。
≫PL:ほんじゃ、別に先を急いでいるワケでは無いけれど、お腹も減ってるだろうからまたテクテクと歩き出しましょう。
では、しばらく歩いていると、ふと気がつきました。所持金がなくなっている!!
リオ 「あら? あらららららら?」
リオ 「ない! ない! ないないないない…。 ない!」
リオ 「どこで落としたんだろう?」
≫PL:回れ右して来た道を戻ります。勿論、下ばかりをきょろきょろしながら…。
当然、見つかりません(笑)
2人組と出会ったあたりも通過しますが、もう誰もいません(^.^;
では、時刻は夕方を回って、そろそろ今晩の事を考えないといけない時刻になってきました。
次のイベントにいきますので、また2D6を振ってください。
リオ 「参ったなぁ…。何処で落としたんだろう?」
≫PL:とうりゃ! 3+1=「4」ですね…。どうかこれ以上不幸になりませんように(笑)
では、そろそろ街道沿いにある宿屋が見えてくる所までやってきました。
で、いきなりですが前方で何か揉め事がおこってますね。
見るからにゴロツキ風な男(笑)が、1人の青年にインネンをつけているようです。
ゴロツキ 「この俺様にぶつかっておいて、謝るだけだとぉ〜 え〜? 兄さんよぉ〜」
青年 「そ、そこまで騒ぐような事…」
ゴロツキ 「あ、あ〜〜ん?」(睨み)
青年 「い、いや、その…だって…」
リオ 「ん?」
リオ 「こんばんわ、俺様。 俺はリオ。(おじぎ)ところで俺様? おらの村ではぶつかったら謝るのは当たり前の事だけんど、謝ったらそれでおしまいだっぺ。ここらでは他に何かする事があるんか? 教えてけれ…」
ゴロツキ 「あん? なんだ、てめぇは…どこの田舎者か知らねぇが、この辺じゃお前んとことは違う理屈が通るんだよ!」
と、いいつ殴りかかってきます。
リオ 「そっちがその気なら遠慮はしねえぞ!」
≫PL:武器は使いません。
戦闘は、リオ14 対 ごろつき10 でごろつきが4の負けです。
ごろつきの防御力は1なので3ダメージ受けます。
ゴロツキ 「ぐえっ」
ゴロツキ 「ううっ…お、おぼえてやがれっ」
リオ 「ふん! あんたみたいな悪党面、忘れようったって忘れられるかい!」
リオ 「大丈夫け?」
青年 「ありがとうございました。助かりました」
青年 「あ、僕はニムスと言います」
リオ 「おいらはリオ! ケイレスの街まで行くんだ」
リオ 「は…腹減ったぁ…。 なんぞ食べる物あったら分けてくれんけ?おいら財布落として無一文なんだ…」
ニムス 「あ、僕もちょうどそこの宿で食事して一泊する予定なんです。お礼も兼ねてよかったら一緒にどうですか?」
リオ 「そりゃ、温かい物が食べられるなら有り難いけど…いいんけ?大事な旅費じゃろ? 余計な出費は…」
リオ (ぐるるるるるぅぅぅ)「あっ…あははははは(^o^; やっぱご馳走になっちゃおうかなぁ…」
ニムス 「ええ、どうぞ。そこまでギリギリで旅はしませんよ(^−^)」
リオ 「有り難うぅぅぅぅ!」
と、いうわけで宿屋の1階部分の酒場兼食堂にきました。
そして適当に料理を頼んだところで
ニムス 「それでリオ君はケイレスに何をしに行くんですか?」
リオ 「おいら、大人になったから自分で稼がなくちゃいけないんだ。だから住むところと仕事を探しに行くんだぁ」
ニムス 「それなら別に故郷でもいいんじゃないですか? うん、でも都会に憧れる気持ちはわかるなぁ。僕もそうだし。僕の家は故郷の街でパン屋をやってるんですよ。僕もいつか父のようなパン職人になりたくて……ちょうど父の知り合いがケイレスでパン屋をやっているんですが、人手が欲しいそうなんです。それで勉強も兼ねて働かせてもらえる事になったんですよ」
リオ 「パン屋かぁ…(じゅる) パン屋っていいよねぇ…。 おいら、蜂蜜いっぱい使ったパンが喰いてえなぁ…(うっとり) ねぇねぇ、ニムスさん! 良かったらおいらもそのパン屋さんに紹介してもらえないかなぁ? おいら、パンは焼いた事無いけど、力仕事なら自信あるんだ!」
ニムス 「紹介するだけならできますけど…雇ってもらえるかは別ですよ?」
リオ 「うん、大丈夫。こっちは紹介してもらえるだけで大助かりだから。なんせ取り敢えず村を出たはいいけど、知り合いなんて一人もいないからどうしようかって…ちょっと心細かったんだぁ」
ニムス 「ところでリオ君は今夜どうする予定でした? 僕はここに一泊するんだけど」
リオ 「あっ…(固まる) そう言えば、おいら金持ってないんだった(^_^; 今日は宿の近くで野宿だなぁ。 ニムスさん、出発は明日の朝? それだったら夜が明けたら宿屋の前で待ってる!」
ニムス 「個室だったら一緒でもよかったんだけど、相部屋みたいなんだ。ごめんね」
ちなみに、リオ君のいる宿屋はラキがいる宿屋と同じで、時間もほぼ同時ですので。
カウンターのほうに目をやると従業員らしき女性と主人と男性客の3人が会話しているのが見えるでしょうね。
リオ 「そういや火をおこす道具が無いや…。野宿するなら火を焚いておかなきゃ危ないよね。仕方ない、おいら宿屋の人に火を分けてもらってくるよ(^-^) ごちそうさま、ニムスさん。とっても美味しかった! 本当に有り難う!」
ニムス 「いや、助かったのは僕のほうですよ。ありがとう」
≫PL:従業員の女性(ラキさん)に近付いて話し掛けます。
リオ 「すみません。おいら、お金が無いから野宿するんだけど、焚き火の種火がないので火の付いた薪を一本くれませんか?」
ラキ 「そうですねぇ。別に構わないと思いますけど、この辺は街道筋ですし、くべる薪の準備は出来てますか? 1本だけ持っていてもすぐに燃え尽きますよ。準備が出来たら店主の方に仰有って下さい。話を通しておきますので。あ、そこらの枝を切るのはやめて下さいね(笑)。生木は煙ばかりで燃えませんから。」
リオ 「大丈夫! おいら、この前まで木こりの叔父ちゃんの手伝いしてたから森や林の中での野宿は慣れっこだよ(^-^)」
リオ 「じゃ、場所が決まったらまた来るね。 有り難う!」
リオ 「あっ、そうそう! おいら、リオってんだ! 手先は不器用だけど力仕事や喧嘩なら得意だから、お金の代わりに何か手伝えるような事が有ったら言ってね! じゃ、行って来ま〜す!」
それでは場所を見つけて戻ってきてもいいですよ。
この辺はキャンプできそうな場所は多いので、リオの背景から考えても特に判定もいらないでしょう。
リオ 「すみません。 おいら、リオって言います! さっき、ここにいた女の子に『火を分けて欲しい』ってお願いして有ったんですけど…聞いてませんか? あっ! それからお金が無いから『お礼に手伝える事があったら言ってくれ』って言いました。皿洗いとか、薪割りとか、水汲みとか…ええ〜と〜、あとは〜。とにかく力仕事と喧嘩が得意です!(^-^)」
主人 「あ〜、そうなのかい? 火を分けるのはいいが、泊まるところがないならここの裏庭の隅でも貸してやろうか? 金がないなら薪割りでもやってくれれば、それでいいんだが」
リオ 「有り難う御座います! おいら、一生懸命薪割りします!」
リオ 「薪は裏庭ですか?」
主人 「そうそう。裏庭にでると馬小屋が見えるから、その奥だ。寝るのもその近くでな」
リオ 「はい。 それじゃ、一晩、お世話になります!」
≫PL:馬小屋に馬がいるなら近寄って馬の毛を整えて上げながら
リオ 「オッス! おいら、リオ! 一晩この裏でお世話になるから宜しくね!」
リオ 「おっちゃんは『村の外に出たら悪いヤツがいっぱいいるからあまり気を許すな』なんて言ってたけど、ニムスさんも、ここの姉ちゃんも、ご主人もみ〜んな、いい人ばかりじゃん! そりゃ、昼間の兄ちゃん(ゴロツキ)はいい人には見えなかったけどさ…。」
≫PL:そして、薪割りが終わったらゴロリンと横になります。 んでもって、また独り言(^_^;
リオ 「ケイレスってどんなトコなんだろう? 楽しみだなぁ! 父ちゃんと母ちゃん、すぐに見付かるといいなぁ! でも、おっちゃんみたいにおっかない人だったらどうしよう? それにおいらの病気(獣憑き)、ホントに治せるんだろうか?」
リオ 「おいらってホントに病気なのかな? 別に痛くも苦しくもないのに…。それになんで病気なのに神父さんにも相談しちゃいけないんだろう?」
リオ 「綺麗だなぁ…。月の神様ぁ、ちゃんとおいらを見守っていてくださいね。そんでもって、早くお父ちゃんとお母ちゃんに会えますように…」
次の日の朝。
宿の1階にはニムスが待っています。
ニムス 「おはようリオ君。準備がよければ出発しようよ。夕方前にはケイレスの街に入りたいからね」
リオ 「おはよ、ニムスさん! ちょっと待ってね、お礼言ってくるから!」
リオ 「お世話になりましたぁ!(^-^)/」
宿の主人は朝なので忙しそうです。
リオのほうをちらりと見てからすぐに手元に視線を戻して
主人 「はいよ。気をつけてな」
と、適当な感じで言います(笑)
リオ 「有り難う! また、いつか…お金いっぱい儲けられたらご飯食べに来ます! 夕飯、とっても美味しかったから!」
ニムスさんの所に戻り、
リオ 「お待たせ〜!」
リオ 「ところでニムスさん。おいら、街に行くのって初めてだし、泊まる場所の当てもないんだ…。ついでにお金もないしね(^_^; 街で手っ取り早くお金を稼ぐ方法ってなんか知らない?」
ニムス 「ううん…。でもリオ君なら力ありそうだし、すぐに仕事も見つかるよ。大きな街は人も仕事も色々あるみたいだから」
リオ 「うん。ニムスさんと一緒のパン屋さんに雇ってもらえるように頑張るよ! でも、そこに泊めてもらえるのかなぁ? ニムスさんはパン屋さんに住むの?」
ニムス 「うん。住み込みで働く事になってる」
今日の天気は晴れです。
街道はケイレスが近くなるにつれて周囲に農家や牧場なんかが見え初めて、今までの「周囲に人家がない」状態とは大分雰囲気が違ってきます。
緩やかな丘陵地帯を抜けると、街道の先にケイレスの街の外壁が見えてきます。
ここまで来ると、街道周辺の様子は農村みたいになってますね。
人の姿も多くなります。
リオ 「へぇ…。 ケイレスって、あの塀の中にあるんだぁ! おいらてっきりここがケイレスなのかと思っちゃった(^_^; それにしても…お腹減ったねぇ」
ニムス 「パンならあるよ。食べるかい?」
リオ 「うん、食べる、食べる! 有り難う!」
では2人はゲートまでやってきます。
時刻は夕方前といった所です。
少しの質問はありますが、特に厳しくチェックするでもなく通してもらえますね。
ニムス 「わぁ、ここがケイレスか…」
リオ 「………(゚o゚; ;゚o゚)」
辺りを見まわすと、入り口で繁華街でもないのに田舎の村と比べると信じられないくらいの人がいます。
広場のようになっていて、立て札があったりしますね。
客引きのような連中や、何を生業にしているかわからない街の住人も見うけられ、しかも旅してきた人達も沢山いるので田舎育ちには少し異様な光景です。
しばし、呆然とした後。
ニムス 「あっ…と。夜になる前にお店に行かないといけないんだった。えーっと…」
と、地図を広げて、近くにある立て札などを見つつ
ニムス 「この辺かな…よくわからないけど…どう?」
リオに地図を見せて、意見を求めてきます。
リオ 「わかんないよぉ…そんなの見てもぉ…」
≫PL:近くにいる成る可く優しそうなおじさんを指差します。
リオ 「あ…あの人に聞いてみようよ!」
では、その人(笑)に聞いてみてると教えてくれました。
リオ 「おじさん、有り難う!」
目的のパン屋は街の入り口に近い区画の商店街近くにあるようですね。
2人はそこを目指して進みます。
きょろきょろしながら探して歩くと、しばらくして見つかりました。
ニムス 「あっ、あれだ」
と、いうわけで到着です。
パン屋で働いている人にニムスが話し掛け、事情を説明すると主人を呼んでくれました。
ニムス 「ゴードンおじさん!」
ゴードン(主人) 「おっ、来たか。大きくなったなぁ」
ゴードン 「旅なんて始めてで疲れたろう。部屋はもう片付けてあるから、今日はもう休みな」
ニムス 「はい。あっ、それと彼はリオ君といって途中で知り合ったんです。彼もケイレスに出てきたのは初めてで、仕事を探しているんですけど…」
ゴードンは「ふーん」と言いながらリオを見ます。
リオ 「う〜〜〜〜ん。 いい匂いだなぁ! これ何に使うんだろう?」
視線に気付き、
リオ 「はじめまして! おいらはリオ! 大人になったので、イーストウッドの村を出て、仕事を探しに来ました。 力仕事と喧嘩が得意です! ニムスさんの叔父さん! おいら、財布を落としてお金が無いので、早く仕事がしたいです! 宜しくお願いします!」
ゴードン 「ううむ…しかしなぁ。悪いが家で働いてもらうのは諦めてくれ。あまり余裕があるわけじゃないんだ。その替わりと言っちゃあなんだが、たまに手伝いをしてくれれば賃金は出せる」
リオ 「そうですかぁ…」
ゴードン 「そうだ。ちょうど急ぎの注文があったな…。よかったらそれを届けてくれないか?」
リオ 「はい! やらせてください!」
ゴードン 「うむ」
リオ 「もしかして…、一人でこの街の中を? 場所、分かるかなぁ? おいら、こんなに似たような建物ばかりの場所に来たの初めてで…」
ゴードン 「だいじょうぶだ。ここから20分ほどのところにある宿屋でな。大通りにそっていけばすぐわかる…方向音痴とかいう事はないよな?」
リオ 「方向なら大丈夫! 森の中でなら迷った事なんて殆ど無いです!」
リオ 「匂いで覚えられるといいけど…」
ニムス 「匂いって…良かったら僕も付き合おうか?」
リオ 「有り難う! でも、太い道を辿っていけばいいだけならきっと一人でも大丈夫だよ! おいら、頑張ってみる! 星さえ出てれば自分がどっち向いているか分かるしね! ニムスさんはゆっくりと寝て、美味しいパンが焼けるように頑張って!」
ゴードン 「中には下ごしらえした材料とかが入ってる。粉もあるから落とすなよ。向こうの主人には”ゴードンの店から注文の配達です”って言やあ、わかるから」
リオ 「『ゴードンの…店からの…注文の…配達』…っと。 はぁい! それじゃ、行って来ま〜す!」
ゴードン 「あ、そうそう。その店の親父は昔、冒険者をやっててな、運良く生き延びて引退した後、冒険者相手に今の店をはじめたんだ。何か仕事を探してるなら、相談してみてもいいかもしれねぇな。」
リオ 「冒険者?」
リオ 「冒険者って人に頼まれて化け物退治したり、遺跡の謎を解いたり、用心棒したりする人達ですよね?」
ゴードン 「ああ…冒険者に憧れるやつってのは、良くバードなんかが詠う英雄の物語に憧れて…ってのが多いらしいが、お前さんもその口かい? 実際は、そんなかっこいいもんでもないし、盗賊や野盗と変わらん連中も多いんだぜ」
リオ 「そう言えば、おっちゃんもそんな事言ってたなぁ…。」
リオ 「それなら父ちゃんと母ちゃんの事、何か知ってるかもしれない!」
ゴードン 「まぁ、旅に出る事も多いだろうし、いろんな人に会うだろうから人探しにはいいかもしれんが、俺は薦めないな。地道に自分の腕で稼ぐのが一番さ。一攫千金なんて狙うもんじゃないよ。ましてや、自分の命を金で売るような事なんてな」
リオ 「おいら…、別に”英雄になりたい”とか、”お金持ちになりたい”って思ってるわけじゃない…です。 でも…、この街に来て何となく思ったんですけど…、ずっとこの街の中で仕事をして、ずっとこの街に住むってのも、何だかおいらには性に合わないような気がします…」
ゴードン 「そうかい? 君は働き者に見えるから、うまくやっていけると思うけどな。まぁ、自分の生き方は自分で決めるのが一番だ。ただ、命を粗末にするような事だけはないようにな。生まれてきて、一日一日を生きていられるってのは良いことだから」
リオ 「はい!」
と、いうわけで出発ですね。
外はもう薄暗くなってきて、家々は明かりがともっています。
道には街灯があるので、暗闇で迷うことはないでしょう。
とはいえ、建物に囲まれて空の小さい都会では田舎育ちのリオ君になんとなく不気味な雰囲気を覚えさせるかもしれません。
リオ 「凄いなぁ、空は暗いのに道はこんなに明るいなんて…。でも…、明るすぎて星があんまり見えないや…」
大通りにはまだ人が出歩いていますが、皆家路に急いでいるようです。
普通の商店はもう店じまいのようですね。
リオ 「な…何だかみんな歩くの早いなぁ(^_^;」
言われた通りの道を進むと、やがて旅人相手の宿屋や食堂のおおい通りにでます。
で、目的の店も見えてきましたね。
「クジラのひげ亭」という看板が見えてきました。
リオ 「あっ! あれかな? 良かったぁ! 迷わなかったぁ!」
≫PL:ガチャッっとドアを開けるとその場で大声を上げます。
リオ 「こんばんわ! おいら、リオです! えっと、パン屋さんの…ゴードンさんが…えっと、下ごしらえで…注文の…粉が…配達で…あの…」
「クジラのひげ亭」の看板をくぐると、良くあるような一階が食堂で二階が宿というような作りに見えます。道中によった宿屋のような広さはありませんが。
宿にはいかにも冒険者というような風体の男や、つい先ほど到着したような旅の格好をした人、学者風のあまり冒険者らしくない人などが数人、食事をとったり飲んだり、話したりしてます。
入ってきたリオ君に視線は向けますが、特に注意を払ったりはしていません。
奥にはカウンターがあって、そこに宿屋の主人らしき中年の男がいます。
主人はリオに視線を送りますね。「何か用事か?」って感じです。
リオ「あ…あの、こんばんわ。おいら、ゴードンさんの…お店から来ました。これ…えっと、注文の…配達で…。そう言えば分かるって…」
すると、主人はニカッと笑って、
主人 「おお、おお、待ってたぞ。そうだな…じゃあ、奥の調理場まで運んでくれるか? そこの(と、指さして)奥だ。代金はいつもどおり、まとめて払うってゴードンに伝えてくれ」
リオ 「はい!」
≫PL:荷物を降ろすと途端に不安げな表情に変わり、ご主人の近くにおずおずと戻って来ます。
リオ 「あのぉ…。おいら、昔この街にいたテディナルド・ベアとマリアルド・ベアの息子でリオっていいます。 でも、おいらが生まれてすぐに父ちゃんと母ちゃんは旅に出てしまったらしくて、今何処にいるのか分かりません。それで、あのおいらはこの前まで、ずっとイーストウッドのおっちゃんの家で暮らしていて、今日この街に来たばかりで…。それで、あの…途中で財布をなくしてお金も無くて…。それで、あのぉ…この仕事が終わっちゃうと他に仕事も無くて、泊まるところも無くて…。だから、おいら! 父ちゃんと母ちゃんの行方と、それから仕事と泊まるところを探しています! 力仕事と喧嘩なら村で一番でした! お願いです! 何か仕事を下さい!」
主人 「いいかい、お前さん。見たところ、もう大人だろ? それなら下手に出てばかりじゃ駄目だ。金や名声がないなら、自分の実力を種にして交渉するくらいの気持ちがないとな」
リオ 「………」
主人 「それから、自分の事を初めての相手に全部話すのもやめておきな」
リオ 「は…はい! これからは、気を…付けます…」
主人 「ふむ…うちが紹介してる仕事と言ったら冒険者向けなものばかりだ。金も実力もない若造向けに雑用みたいな仕事もあるにはあるがな…。お前さん、冒険者になるつもりなのかい?」
リオ 「おいらの住んでた村には居なかったし、おいら、まだ冒険者って言う仕事がどんなものなのか、本当のところ良く分からないです。だから………、やってみないと分からないです!」
主人 「まぁ、そうだろうがね。そうだな…冒険者ってのは仕事として依頼をこなす事が多いが、仕事と割り切るもんでもねぇ。かっこ良く言えば、生き方みたいなもんでね。何が目標でもいいのさ、ただ色々な事をやってみたいとか、金がほしいとか、剣の腕を磨きたいとか…物語に出てくる英雄のようになりたいなんてのもありかな?」
リオ 「生き方…。英雄…」
主人 「ただな、命懸けなのは確かだ。ほとんどのやつは、誰にもわからんような所で死んだり、大怪我を負ってまともに動けなくなったり…そうなっちまう。しかも命を賭けるわりに報酬は少なかったりな。骨折り損なんて事もしょっちゅうあるもんだ」
リオ 「…でも、でもきっと一生懸命仕事をする事で、命が助かったり、喜んだりしてくれる人がいますよね! おいら…、今まで木こりをやってて、自分のした仕事が他の人にどんな風に役に立つのか?なんて考えた事も無かったです…。でも、おいらの切った木で家を建てたり、家具を作ったり、暖炉で火を焚いたり…、そんな風においらのやった仕事が、何処かで誰かの役に立ってたんですよね、きっと…。冒険者って仕事は、そんな”誰かの役に立つ”って言う事が一番実感できる仕事なんじゃないかって思います! だから…だから、やってみたいです!」
≫PL:真剣な表情です。
リオ 「雑用でもなんでも良いです! おいらに出来る事でお金が貰えるのならとにかくやらせて下さい!」
主人 「うちに来る若いやつで、冒険者になりたいとかやらせてくださいって言うやつも珍しいな(笑) たいていは、もう冒険者気取りだからな。それじゃあ、まずは基本だ。請け負った仕事は最後までやってから、別のもんに手をつける事、だ。まずはゴードンの所に戻って仕事の結果を報告してきな。それから、また来るといい」
リオ 「はい! 行って来ます!」
リオ 「頑張るぞぉ!」
では、そういうわけでパン屋に戻ってきました。
ゴードン 「おう、お疲れさん。仕事の件はどうだった?」
リオ 「はい。 無事に”クジラのひげ亭”に届けました!」
リオ 「ご主人の…あっ、名前聞くの忘れちゃった(^_^; ええと、とにかく『代金はいつものようにまとめて払う』と伝えてくれと頼まれました!」
報酬として銀貨1枚渡します。
リオ 「有り難う御座います!」
ゴードン 「それから、これは坊主を送ってくれたお礼だ。とっときな」
と、さらに銀貨4枚くれました。
リオ 「えっ…、いや、そんな! 送ってもらったのはおいらの方です! それにお金を落として困っている時に宿で食事をご馳走してもらったり、昼間にもパンを貰ったりしましたから…こんなに貰うわけにはいきませんよ! 多すぎます!」
ゴードン 「そうかい? それじゃ……」
と、4枚から1枚取り出して
ゴードン 「銀貨1枚だ。これなら相場だろ?」
と銀貨1枚渡そうとしますが
リオ 「おいらにはまだそう言う事は分かりません。だから、やっぱり配達の仕事の分以外は貰えないです! だって、ニムスさんは村を出てから初めて出来た友達ですから!」
リオ 「それじゃあ、おいらはクジラのひげ亭に戻ります!」
リオ 「仕事貰った事、感謝してます! 今度は自分で稼いだお金でパンを買いに来ます! 有り難う御座いました!」
≫PL:ダダダっと走り出します。
ゴードン 「ちぇっ…余計なことだったか…」
と、頭をぽりぽりしつつ店に戻ります。
クジラのひげ亭に戻り、
リオ 「親方、行ってきました! ゴードンさんから銀貨一枚貰いました!」
主人 「…おい、親方ってのはやめな。俺の名前はグレイだ。皆は親父さんとか呼ぶがね。それじゃあ、少しそこで待ってろ」
リオ 「はい、親方! …じゃなかった、おやっさん!」
どうやら少し忙しいみたいですね。
で、店の1階部分である酒場兼食堂が1段落してから
グレイ 「…で? まずは寝る所だったな。うちは部屋に等級はねぇ、1泊5cpだ。金がないなら馬小屋を貸してやってもいいが、長居するような場所じゃねぇから、早く金を稼ぐんだな」
リオ 「う〜ん、どうしよう…。 もし、今仕事があるのなら取り敢えず今夜は部屋を貸してください。 何て言うか、自分で稼いだお金で泊まってみたいです」
グレイ 「さて、何か聞きたい事があればアドバイスするぜ」
リオ 「この店に来る人は冒険者ばかりなんですか?」
グレイ 「まぁ、たいていはな…。仕事を頼みに来るやつとかは別だが」
リオ 「そうですかぁ」
リオ 「おいら、この街に来たばっかりで未だニムスさんしか友達がいません。今日みたいなお使いの仕事だと街のこと知らないと大変なので、この街を案内してくれそうな人がいたらお願いしたいです。」
グレイ 「この街を案内ったって1日仕事だし、1日じゃあ終わらんだろうからな。ガイドを仕事にしてるやつだっているが、金は取られるぜ?」
リオ 「うっ…。 自分で歩いてみるしかないですね。 まだ次の仕事も見付かってないのにお金払う余裕ないですし…」
リオ 「おやっさんは元冒険者だったってゴードンさんに聞きました。おいらの父ちゃんと母ちゃんの事、何か知りませんか?」
グレイ 「さぁ…覚えはないねぇ。もし以前に会っていれば、そのうちに思い出すかもしれんが」
リオ 「そうですか…」
リオ 「あの…腹減りました! 晩御飯、二人前だと幾らですか?」
グレイ 「一泊の代金には食事代も込みだ。食事の量が足りないなら追加で頼んでもらうが…うちは多少、相手に合わせて量は調節するぞ」
リオ「じゃ、大盛りでお願いします!」
今の状況はリオアルドと同じく、ケイレスを目指して移動中。
後1日半の地点で時刻は昼を回ったところです。
では、2D6を振って結果を教えてください。
≫PL:1と5の、合計6です。
すると、街道沿いを移動してる時に、前方から馬に乗った2人組みがやってきます。
見た感じ、兵隊のようですね。ラキを見つけると、止まります。
兵隊 「ちょっと待ち給え」
と、いってじろじろ見てきます。
ラキ 「なんでしょう?」
兵隊 「最近、この付近で物盗りが出ていてな。差し支えなければ、名前と出身、目的地を聞きたい所なのだが?」
ラキ 「南のクロミュース出身のラキといいます。ケイレスの町を目指している途中なのですが。」
では、「交渉」でチェックです。
スキルはないので能力値そのままの「6」になりますね。
兵隊 「クロミュースか。長旅ですな」
兵隊 「ケイレスまではもう少しだ。道中は我々、街道警備隊が巡回しているから、安心して旅を続けたまえ」
ラキ 「あ、参考までに、その物盗りの特徴とか、教えていただけます? こちらも用心したいものですから。」
兵隊 「うむ。旅人を装った2人組みの男だ。」
ラキ 「なあんだ。それじゃ1人旅の女性なんて全く的外れですよ(笑)。 仮に女装したとして、こんな美人に化けられるはずがないでしょ?」
兵隊 「道を尋ねるふりをして近付き、財布などをスるのが常套手段だが、相手に感づかれると、もう1人のほうが力づくで…となるようだ。実はすでに1人殺されているのだ。」
ラキ 「まあ・・・人を殺して金品を奪うとなると、穏やかではありませんね。」
兵隊 「万が一、出会ったとしても、その場は抵抗せずにすぐ我々に知らせてくれたまえよ」
ラキ 「もちろんです。荒事には全然自信がありませんから。」
ラキ 「情報提供すれば報償が出る、なんて事はありませんよね? 自分で捕らえるなんて事は無理ですが、それくらいなら協力できるかもしれません。」
兵隊 「もちろん。その時は謝礼は払おう。ケイレスの街道警備隊はどこぞの国の軍隊とは違うからな。協力には正当な報酬を支払っている」
では、また少し進んで時刻は夕方になります。
次のイベントに進みますので、また2D6をお願いします。
≫PL:ちょりゃ。・・・7です。
では、その後は特に何事もなく、宿屋に到着します。
宿の料金ですが、個室が1sp、粗末な部屋が5cp、馬小屋が1cpです。
宿屋はさすがに色々な種類の人々がいますね。
もう街に近いだけあって、結構客もおおいです。にぎわってますね。
ラキ 「仕事をお手伝いしますからもう少しまけて貰えませんか? それか、相部屋でも構わないのですが。」
主人 「ああ、そうかい? 今ちょうど手が足りなくなってたところでね」
と、いってラキをじろじろ見てから。
主人 「うむ。給仕なんてのはやった事あるかね? 賃金はまぁ、働きを見てからって事になるが…部屋代の足しにはなるよ」
ラキ 「愛想良くするのは得意ですから。でも、下着やそれに近い姿での給仕はしませんからね(笑)。」
主人 「………も、もちろんさ」
ラキ 「(・・・想像したな、おやぢ)」
と、いうわけで働きます。
交渉か運動の好きなほうでロールしてください。
≫PL:運動(4)+1D6(6)=10 です。
最後に貰う賃金だけは先に決めちゃっておきます。5cp貰いました。
さてさて、料理や酒をテーブルに運ぶアルバイトをしているわけですが、1人のお客に声をかけられました。
男の客 「あの、ちょっとすみません。ここにドミールさんという方が泊まっているはずなんですが…部屋の番号を教えてもらえませんか? 呼び出してもらってもいいのですが…」
ラキ 「ええっと、今日は人が多くて、宿帳で確認してみないとちょっとわからないです。済みませんが、一緒に来て貰えますか?」
≫PL:宿の主人の所に行って事情を説明します。
主人 「それでお客さんはその人とどういう関係なんで?」
男性 「あ、私は今晩ここで宿を取ってるカフェルという者です。えーと…事情を話すと長くなるんですが、そのドミールさんという方とは直接の面識はないんです」
主人 「へ?」
さて、密かに「探索」でチェック…
今いるこの場は1階の食堂内にあるカウンターで、ラキとカフェル、主人の3人が会話しているんですが、いつのまにかすぐ近くの席に移動してきている男がいます。
その男は何気ない風を装ってますが、3人の会話に耳を傾けていますね。ちなみに、その男からは危険な雰囲気を感じます。
カフェル 「いやぁ、私も驚いてるんですが、実は…」
カフェルと名乗った男性は事情の続きを話そうとしてますが…。
≫PL:移動してきた男の方をジーッと見ます。
その男はラキの視線に気付かない素振りでそこにいすわってますね。
ラキ 「(む。なかなか図太いわね)」
ラキ 「何かご用はお有りでしょうか。」
すると男は手を振って「用は無い」というようなジェスチャーをします。
ラキ 「(怪しいのは確かなんだけどなぁ)」
そしてカフェルは続きを話します。
カフェル 「(実は……)ここに来る途中で血を流して倒れている人がいたんですよ。それですぐに駆け寄ったら息があるようなので…」
ラキ 「誰に襲われたとか聞きませんでした? モンスターならともかく、人間のしわざなら犯人が近くにいるかもしれないですよ。」
カフェル 「え? あっ、そうか……。いや、そこまで気が回りませんでした」
カフェル 「私はまともな手当てもできませんし、街道警備の人を呼ぼうにも近くに見当たらなくて。そうこうしているうちにその人が手紙を私に渡しながら、その手紙をこの宿に今晩宿泊しているドミールさんという方に届けて欲しいと言われたんです。とても真剣な表情でしたので、断りきれなくて…」
主人 「お客さん、あんたお人良しだね。それで何かやっかいな事に巻き込まれでもしたらどうするんだい。その状況からして、どう見たって何かおかしな事になってるじゃないか…。で、その人は?」
カフェル 「…亡くなりました。警備隊の方には知らせるつもりです」
主人 「まいったねぇ…うちは街中にあるお偉いさんやお金持ちが泊まるようなお上品な宿じゃあ、ないんでねぇ。もちろん、後ろ暗い宿でもないが」
カフェル 「ご迷惑はおかけしません…」
主人 「もちろんだよ。はぁ……わかりました。じゃあドミールさんという方のお部屋の番号は教えましょ。ただこっちもいちいち顔は覚えてないから、呼び出すのは無理ですよ。それから、何かあっても、うちの責任じゃあないですからね。巻き込まんでくださいよ」
と、主人はしぶしぶ宿帳を開いて指差します。
カフェルはそれを覗きこみました。ドミールの部屋番号のようですね。
カフェル 「ありがとうございます」
カフェルはそれを確認した後、礼をしてから自分のテーブルに戻って食事の続きをします。
ラキ 「やっかい事からは早めに離れた方が良いんじゃありません? お節介ながら、すぐに手紙を届けた方が安全だと思うのですが。」
カフェル 「ん。そうですね…そうします えっと、206号室は2階ですよね?」
≫PL:それでは案内しましょう。怪しい人物は付いてきますか?
カフェルと2人で階段を上がってきました。
誰かついてこないか、というのは振り向かないで気にするんですよね。
では、「探索」の修正無しでロールしてください。
≫PL:探索(4)+1D6(6)=10 です。
相手の顔までは確認できませんが、誰かついてきています。
では、2人で部屋の前まで来ました。
カフェル君が部屋をノックして待ちますが、反応はありません。
カフェル 「留守みたいですね…。仕方ない」
と、言ってドアの下の隙間から手紙を入れようとした所で2人に声が掛かります。
?? 「私に何かご用ですか…?」
振り向くと1人の男性が立っていますね。
ちなみにラキは見覚えあります。さっき3人で会話している時に近くにいた男です。さらに、カフェルと2人で2階に来た時に後をつけてきたのもこの男かもしれない、と思います。
カフェル 「あ、ドミールさんでしょうか?」
???? 「はい。そうですが…あなたは?」
カフェル 「私はカフェルという者です。実はあなた宛に手紙を預かっていまして…」
ドミール 「ああ、どうもありがとうございます」
というようなやり取りをしています。
カフェルはどうもさっさと用事を済ませたい様子で、このままだと普通に渡すように思えます。
ラキ 「ドミールさんも見ず知らずの方が手紙を預かっていることに疑問もあるでしょうし、中で詳しいことを話したいと思いますがどうでしょうか。」
ドミール 「ええ。私もそうして貰おうと思ってました。内容も確認したいですし、お礼も必要ですね」
と、言って部屋の鍵を開けて、2人を招きます。
カフェル 「お礼なんて…そんな」
とか言いつつ部屋に入っていきます。
3人は部屋に入りました。
ドミール 「ちょっと待っててください」
と、言うとドミールは部屋の中のランプに火を灯すんですが……ラキは3人が部屋に入った時に、ドミールが後ろ手に部屋の鍵を掛けたのに気がつきました!
ラキ 「どうして鍵をかけるんですか?」
ドミール 「え? ああ…部屋に入る時に鍵を掛ける癖がありまして」
ラキ 「でも、こういう状況だと却って逃げ道をふさいでしまう事になるんじゃありません? 現に私達にしてみても、今ここで貴方が襲ってきた場合、逃げることが出来ません。」
カフェル 「え…?」
ドミール 「………」
ラキ 「はっきり言います。私は貴方がドミールさんだという確証がもてません。いえ、むしろ別人ではと疑っています。先ほど食堂で近付いてきた時も話を聞くだけで名乗らず、今もここへ来るまでこっそりと後を付けていらした。それらの事情、説明していただけますか?」
ドミール 「なるほどね…わかったよ。食堂で名乗らなかったのはつまらん殺しをしたくなかったからさ!」
そう言いながらドミールは振り向きざまにダガーを(いつのまにか手にあった)カフェルに突き出します。
カフェル 「う、うわっ」
驚いて避けようとしたカフェルはベッドに足をぶつけて転んでしまいます。
ただ幸運にも、その所為でドミールの攻撃はカフェルにかすっただけで済みました。
ドミール 「下手に逃げようとするとよけいに痛い思いをするぞ」
ドミールはカフェルにすごい目付きで睨みながら言います。
カフェルは完全に威圧されてしまって声も出ないようすです。
ドミールは一瞬それに軽蔑の眼差しを向けた後、ラキのほうを向きます。
ラキ 「カフェルさん、下がってください。」
ドミール 「下手に首を突っ込まなきゃ、死ぬことは無かったのにな。お前らが手紙の内容を見たかどうかはこの際問題じゃないんだよ。ただ、この顔の男がここで手紙を受け取ったという事実を知る者がいてはまずいんでな…お前らの後はここの主人だ」
ラキ 「何が『つまらん殺しはしたくない』ですか。下手な小細工が全てを台無しにしてますよ。」
ラキ 「自分の不始末を棚に上げて他人を責めないで下さい。そういうのって、はっきりいって見苦しいです。」
ラキ 「それから、ただ黙って殺されるなんて思いますか?」
≫PL:ここまで言うと、おもむろに息を大きく吸い込んで、悲鳴を上げます(笑)
ラキ 「きゃあああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!」
ドミール 「!!」
ラキ 「これで、騒ぎが下まで伝わりましたよ。私達を殺そうともたもたしていたら、貴方の立場はどんどん悪くなっちゃいますよ。」
ドミール 「ちぃっ!」
ドミールは舌打ちすると、窓を開けて外に飛び降りました。
カフェルはまだ固まってます(^.^;
≫PL:慎重に窓の外を窺います。
では、慎重に窓の外を確認すると、”シュッ”と空気を切る音がして、窓のヘリにダーク(ダガーの一種)が刺さります。
まともに顔を出していたら顔面直撃コースでした。
ラキ 「・・・」
ドミールが闇の中に走り去っていくのを確認しました。
≫PL:その場にへたっと座り込みます。
ラキ 「ふぅぅぅ〜〜〜。」
ではその後一分くらいでドアがドンドンと叩かれます。
男の声 「どうした?!」
で、ドアの鍵を開けてここの用心棒をやっている男が入ってきました。
ちなみにその男が用心棒だというのは主人に聞いてしっています。
用心棒 「おい、どうしたんだ?」
言いつつ、カフェルに気がついてすぐに傷を確認します。
布を取り出して傷口に当てて
用心棒 「かすり傷だ。心配いらねぇですよ」
そしてラキのほうを向いて
用心棒 「何があった?」
ラキ 「あの、ドミールさんに用事があってこの部屋に来たのですが、そこでドミールさんの偽物に襲われそうになって・・・悲鳴を上げたら、逃げていったんですけど。」
用心棒 「ううむ。そりゃあ、ボスに相談しねぇといけねぇな」
そういうわけで用心棒が主人を部屋までつれてきました。
主人 「言わんこっちゃねぇな。だいじょうぶですかい」
と、カフェルに聞くと、カフェルは首を縦に振ります。
主人 「まぁ、今晩も警備隊がここで休憩に来るから、その時にでも全部説明してなんとかしてもらいましょう。それまではこいつが(と、用心棒を叩いて)一緒にいますんで」
それから主人はラキを呼びます。二人して部屋の外に出てから。
主人 「勝手に持ち場離れちゃいけないね。でもまぁ、死人が出るのを防いでくれたのは大手柄だ。…取っておきな」
ラキ 「済みませんでした。でも、放っておくと危なそうだったので。それに、不審な人も見かけた物ですから。」
銀貨2枚くれました。
主人 「しかし、あのダンナ…まだビビってやがる。お前さんも、もう下はいいから荷物を取ってきてあのダンナについててやんな。警備隊が来たら、お前さんにも状況を説明してもらうぜ」
ラキ 「わかりました。ところで、あの部屋を借りていたのは私達を襲ってきた人と同じ人物なんでしょうか。」
主人 「さてなぁ。俺はそいつの顔を見てないし…見れば一応、覚えているとは思うがね」
≫PL:聞くだけ聞いたらカフェルさんの所へ行きます。
ラキ 「カフェルさん、落ち着きましたか?」
ラキ 「余計なことをしちゃったかもしれませんね。あのまま渡していれば、何事もなく終わっていたかもしれませんから。・・・私は、そうはならなかったと思ってますけど。」
すると、ガシッとラキの手を握って。
カフェル 「あなたは命の恩人です!」
ラキ 「?!ち、ちょっと?」
と、我に返って(笑)
カフェル 「あ、ああ…す、すみません」
と、手を離します。
ラキ 「いえ。気にしてませんから。それにしても、親切のつもりが災難でしたね。でも、こんな事で人を助ける気持ちを無くさないでくださいね。今回のことだって、亡くなった人は貴方の気持ちを感謝しているに違いないんですから。」
カフェル 「ええ…そうだといいんですが…もしこの手紙が、届けてはいけないものだったのだとしたら悪事に荷担しようとした事になりますね…」
ラキ 「そうかも知れませんが、あの様子ではほぼ間違いなくあっちが悪人だと思いますよ。」
では、少し時間が経ってから、警備隊の兵隊が2人やってきます。
主人に案内されて、ラキとカフェルのいる部屋までやってきました。
ちなみにやってきた警備兵は以前にラキと街道で話をした兵隊です。
警備兵 「ふむ…大まかには主人から聞いたが、詳しい話をしてもらえるかな?」
で、だいぶ落ち着いたカフェルが説明をします。
手紙を入手した経緯、ドミールに渡そうとした事、襲われた所をラキに助けてもらった事を話します。
≫PL:おそらく相手は怪我をしている可能性を伝えておきます。当った部位にもよるでしょうが、痣くらいは残っているでしょうから。
では警備兵(Aとしましょう)は彼より下っ端らしき若いほう(こちらがBで)に言います。
警備兵A 「ふむ? おいクレー(とBに呼びかけて)、ちょっと外を調べてきてくれ。当たり所にもよるが、もしかすると…という事もあるからな。…注意するんだぞ」
警備兵B 「はい!」
と、Bは出て行きました。
警備兵A 「その手紙とやらを見せてもらっても良いかな? 恐らく持っていてもやっかいなだけだろうから、我々で預かっても良いのだが?」
カフェルは渡すつもりのようです。
ラキ 「もしかすると本人が後で取りに来るかも知れないので、その時に伝えるために、私も見せて貰って構わないですか?」
警備兵A 「そうですな。あなた方はもう無関係ではないのだから、興味があるなら、どうぞ?」
と言って、手紙の封を外して広げます。
カフェルは首を振って、見る気はないようです。
手紙の中身は…読めません。
知らない言葉というのではなくて、暗号のようです。
警備兵A 「これは…以前にも似たようなのを見た事がある。犯罪組織が指令を出すときに良くこう言った符号を使って手紙を書くことがあるんだ」
ラキ 「犯罪組織・・・ですか。とすると、この内容は悪事に関係することなんでしょうか。」
警備兵A 「少なくとも、まともな内容ではないだろうね。わざわざ他人に知られないように暗号を使っているんだから」
意味はわからないながらも、一応手かがりを求めて警備兵Aはじっくりと観察します。
警備兵A 「!! この印は…」
と、手紙の一番下に並んでいる二つの記号だがマークだかわからないものを見て、うなりました。
ラキ 「何か気づいたところでもあったんですか?」
警備兵A 「うむ…これは”森の王”と”赤い牙”の印だ。どちらも表立って街を歩けない組織でね」
警備兵A 「赤い牙というのは、一種の暗殺組織だ。金さえ払えば誰でも殺す、と言われていて規模などは不明。決まった人間によって構成されているのか、それとも各地の暗殺者や賞金稼ぎに仕事を提供するような橋渡しの役目をしているだけなのか…よくわかってはいないんだが…」
警備兵A 「森の王のほうは…こっちこそ、本当に良くわかっていないのだ。この周辺の森を本拠地に活動している組織で、邪教の集団とも言われるし、盗賊団と言うやつもいる。目的も良くわからなくて…ただ、攻撃的な組織である事は確かだ。」
警備兵A 「この2つの組織が絡んでいるなら、間違いなく犯罪に関わる内容だろう」
と、いうところで外に出ていった警備兵Bが戻ってきます。
警備兵B 「そちらの方の言われた辺りを調べてきました。かなりの血痕がありましたので、その男は深手を負っていると思われます。周囲も調査しましたが、潜んでいる様子はありませんでした。もし予想通りの怪我を負っているなら遠くにはまだ行っていないかもしれません。追跡すべきでは?」
警備兵A 「この夜中にか? 街道を外れたら、近くにいたとしても見つけるのは困難だろう。まして我々2人ではな」
警備兵B 「しかし…」
警備兵A 「我々の任務は街道の安全の確保だ。それには犯罪の予防や阻止も含まれるが、今はまずこちらの方々が安全にケイレスまで行けるようにする事が先決だ」
そしてラキとカフェルのほうに向いて。
警備兵A 「襲ってきた男は深手を負っている様子なので、再びあなた方を襲う可能性は低いでしょうが、今晩から我々2人が護衛につきます。行き先はケイレスでしたね? それなら今晩はここに泊まり、明日の朝にケイレスまで護衛しましょう。今回の事も本部に報告しなければなりませんし」
カフェル 「ぜひ、お願いします」
ラキ 「そうしていただけると心強いです。」
そういうわけで次の日になります。
警備兵A 「では、出発しましょうか」
ラキ 「はい。よろしくお願いします。」
ラキ 「一晩でしたけど、お世話になりました。また訪れたとき、人手が足りないようなら遠慮なく言ってくださいな(笑)。」
やがて少し進んだ所で、キャンプを張っている馬車があります。
そこの御者に呼び止められます。
そこの馬車の責任者らしき男が警備兵に話し掛けてきます。
用件を要約すると、昨夜乗客の一人が同じく乗客の女性を襲ったのでそこを取り押さえた。その男の処分を任せたい…というものです。
ラキ 「そういうのは厳しく罰するべきですね。」
警備兵A 「君は(縛られてる男に向かって)ケイレス市民なのか?」
突き出された男 「そうだ」
警備兵A 「それなら我々は君を拘束し、市内の警備に引き渡すとしよう」
ラキ 「あら、フェー(妖精)がいるんですね。」
では一行は馬車と別れて街道を進み、ケイレスに到着します。
まずはゲートで警備兵が話しを通し、その後に街の警備隊本部まで行く事になりました。
本部では警備兵Aが事情を話して、彼らとはお別れになります。
で、その後、カフェルが街の警備兵(Cにしましょう(^^;))に話し掛けます。
カフェル 「あの…またあの男が襲ってきたらどうすれば…我が家に警備はつけてもらえるんでしょうか?」
警備兵C 「まぁ、捜査はしますがね。今はまだ襲ってくるという確証はまったくありませんしねぇ。危険があなたに及ぶ可能性が高いとわかれば、もちろん派遣しますよ。では、これで手続きも終わりです」
カフェル 「そんな…」
本部外にて。
カフェル 「ラキさん…あなたは命の恩人です。もしどこか行く予定がないなら、我が家に来ませんか? …お礼も兼ねて、しばらく滞在していただいても結構ですが…」
ラキ 「その申し出は嬉しいんですけど、私がいるとたぶん、危険な事が起こりますよ?」
カフェル 「え?」
ラキ 「あの手紙はもうケイレスの警備兵に渡っていますから、手紙を持っている人間を処分するという目論見は意味をなさなくなっています。この状況で貴方や私を殺そうとするのは組織にとってもデメリットが大きすぎるはずです。わざわざ手紙の内容が重要だと喧伝するようなものですから。」
カフェル 「なるほど…」
ラキ 「危険なのは、あの暗殺者の方です。私に手傷を負わされていますから、きっと恨みに思っているでしょう。きっと私を狙ってくると思います。ここにいたら、貴方にも迷惑をかけてしまいます。ですから、済みませんけどこのお話は受けられません。」
カフェル 「そ、そうですか…。しかし、やはりお礼しないわけには行きません。これ、私の家の住所です。滞在先が落ち着いたらで結構ですから良かったら尋ねてください。本当に助かりました。」
と、頭を下げて立ち去りました。
状況は他の人と同じくケイレス目指して後1日半という所。
街道を移動中です。
ではイベント決めますので2D6をお願いします。
チャム 「迷子の迷子の子猫ちゃん、私のおうちは何処でしょね?」
≫PL:2D6は9でした。
チャムが街道を進んでいると、後ろから馬車が来ます。
この街道はどうやら乗合馬車みたいのが通ってるようですね。
その馬車はチャムを通り越して少しの所で止まります。
1人の男の人が降りてきて、自分の荷物らしきものを降ろしてますね。
ちなみに、馬車には護衛の傭兵らしい人も乗っています。
≫PL:では荷物をおろしてるおじさんの方に近づきます。
チャム 「うわぁ〜大っきな袋ぉ〜 チャムがすっぽり入っちゃいそうですぅ〜」
チャム 「こんちは〜(*^^*)」
おじさん 「はい? ………う、うわっ、なんだ? ……フェ、フェアリーか? 始めてみた…」
おじさんの声で、馬車に乗っていた他の客や傭兵まで顔を出してきますね。
とりあえず驚く人や、興味深げに見る人、明らかに恐れている人とか色々な反応ですが…
チャム 「チャムっていうです おじさんは何してるですか?」
おじさん 「え? いや、わたしんとこは商売をやっていてね。ちょいと買出しに出た帰りさ。うちの村に帰るにはここで降りるのが一番早いのさ」
チャム 「おじさんの村は“けいれしゅ”ってところでしゅか? チャムは“けいれしゅ”ってところにいきたいのでしゅ」
おじさん 「いや、違うよ。ケイレスに行きたいんなら、この馬車に乗れば連れて行ってもらえるよ」
チャム 「ありがとうでしゅ」
と、話をしているうちに馬車からもう1人革鎧を来た戦士風の男が降りてきます。
戦士 「ムーリさん。荷物降ろすの手伝いますよ」
と、無愛想にいってのけて荷物を降ろし始めます。
おじさん(ムーリ) 「ああ、すみませんな。護衛がお仕事なのに」
戦士 「いえ、予定通り進めるようにするのも仕事のうちです」
チャム 「チャムも手伝うでしゅか?」
ムーリ 「………。いや、いいよ」
≫PL:ペコリとお辞儀をして今度は馬車の方へ向かいます
チャム 「こんにちは!お邪魔しゅるでしゅ(^O^)/」
チャム 「この馬車に乗ると“けいれしゅ”まで連れてってくれるでしゅか?」
御者 「え? …ああ、この馬車はケイレス行きだけど…料金は払ってもらうよ。(……ううむ、フェアリーも通常料金でいいのかなぁ?)」
チャム 「料金ってお金でしゅか? お金は・・・(ごそごそ)・・・はいでしゅ」
≫PL:と言って銅貨を1枚差し出します。これで足りるとは思えませんが(^_^;)
チャム 「これで“けいれしゅ”に行けるでしゅね(*^^*)」
御者 「え…? ちょ、ちょっと冗談だろ?」
チャム 「?(゚_。)?(。_゚)?」
と、言っている所に馬車から中年のおじさんが出てきます。
おじさん 「まぁまぁ、残りは私が出しましょう」
と、御者に銀貨を渡します。
おじさん 「お嬢さん、あまり人間の世界の事は知らないようだね。場合によっては、今みたいな行動は危ないよ?」
チャム 「ありがとでしゅm(..)m これでチャムは‘けいれしゅ’に行けるでしゅか? チャムの村ではお金ってあまり使ってなかったでしゅ 人間のしぇかいは難しいでしゅね」
おじさん 「その難しさがおもしろいんだよ。お金を使わない世界なんて、私みたいな商人には退屈な場所なんだろうなぁ」
と、いうわけで馬車は出発します。
予定では今夜はキャンプし、ケイレス到着は明日の午前中、早い時間に到着予定という事を聞きました。
馬車は御者とそのお手伝いみたいな若者が1人。
護衛の戦士らしき傭兵が全部で2人。
乗客はお金を出してくれた商人のおじさん、ちょっと良い育ちな感じの男女、若い女性1人の4人です。
チャム抜かして合計は8人ですね。
屋根付きの大型なものです。
移動中の馬車は連れがいる人はその人と言葉を交わしたりするくらいで特に何もないです。
さて、馬車はラキやリオが泊まる(ことになる)宿を通りすぎて、街道沿いの馬車がキャンプできるくらいのスペースを見つけて入ります。
すぐさまキャンプの準備をして食事になります。
食事後に、街道警備の兵隊が来て御者と何か会話してますね。
内容は簡単に言うと、「最近、物取りが出るから注意してね」という事です。
ラキと警備兵の会話の内容と同じです。
そのほかには、通行証みたいなものを見せたりとか、客について簡単に教えたりしています。
で寝ることになりますが、馬車の中に全員は寝られないので御者とその手伝い、傭兵たちは外で火を見ながら交代で寝ることになり、客は中で寝るようです。
チャム 「おじしゃんはまだ寝ないでしゅか?」
傭兵 「うん……? あ、ああ…見張りだからな」
チャム 「チャムはまだ眠くないでしゅ ここにいてもいいでしゅか?」
傭兵B 「ああ…いいよ」
傭兵B 「あ、その…な。俺の生まれた村ではフェアリーは…その…呪いをかけるって言われてて…ほ、本当なのか?」
チャム 「チャムは呪ったりなんか出来ないでしゅよ 傭兵しゃんの村のフェアリーは呪うでしゅか? いけましぇんね(ぷんぷん)」
傭兵B 「そ、そうなのか…(ほっ)」
では、傭兵Bが交代の時間になり、チャムも眠くなってきたので寝ることになります。
≫PL:チャムは寝る前に風の精霊を召喚して「キャンプに近寄るものがあれば知らせるように」と命令しておきます。
では、チャムが寝てからどれくらいたったか分からない頃。
チャムは物音か気配かで、ふと目を覚まします。
寝ぼけた感じで薄目を開けると……すぐ目の前に手が迫っています!
何者かはわかりませんが、もう一方の手には何か布を持っています。
チャム 「ふにゃ? にゃにゃにゃ・・・にゃんでしゅかぁ〜!?」
では運動でロールを。
寝起きですが完全な不意打ちではないので修正はなしです。
チャムは間一髪飛び立ちました。
馬車の中は明り取りの窓から指し込む月明かりだけで、手を伸ばしてきた相手が誰かまでは特定できません。
ただ、武器とか鎧を装備しているようには見えません。あと、男です。
そいつは飛び上がったチャムを続けて捕まえようと手を伸ばしてきます。
チャム 「ち、痴漢でしゅぅぅううううううううっ!!(>_<)/」
その声で馬車の中の人たちは目を覚まします。「え?」「な、なんだ?」
≫PL:ところで、もう精霊は帰還しちゃったんでしょうか?
いえ、まだ近くにいるのが感じられます。
相手はチャムが騒ぎはじめたので慌てて黙らせようと今度は手で叩きにきます。一応、戦闘として判定をしましょう。
チャムは移動して外に。精霊に「エア・ショット」を使わせます。
チャム5 対 男2 で男の負けです。
チャムは相手の男の手をかいくぐって天井の明り取りの窓から外に出ました。同時に精霊の放った空気の塊が男にぶつかります。
男 「ぐえっ」
男はふらついて、しりもちをつきました。
女の声 「い、いやぁぁぁ」
別の男 「き、貴様っ、私のスウィートハートの胸を触るとはっ!」
男 「そんなつもりは…」
と、ドタバタしてる所に外にいた傭兵Aが幕を空けて入ってきます。
傭兵A 「何事だっ!」
外の明かりが入ってきたので馬車内の様子が見えるようになりますね。
チャムを襲ったらしき男は、最初に馬車代を払ってくれた商人のおじさんです。尻餅をついている彼の手は隣にいる貴族らしき女性の胸をさわっていて、その隣の貴族らしき男性が怒って立ち上がった所です。
チャム 「ふぇ〜ん(T_T) このおじしゃんが急におしょいかかってきたでしゅう・・・」
傭兵A 「なんだって? ハンスさん…あなたは…」
ハンス(襲ってきたおじさんです) 「違う! 誤解なんだ!」
傭兵A 「私はあなたの事を良く知っているわけではないが、見ず知らずの相手の馬車代まで払ってやる、というのは裏心があるように思えますね。フェアリーは金になる…とでも思ったのでは? 誤解だと言うのなら、どう誤解なんです?」
ハンス 「うう…」
傭兵A 「どうやら、本当にそう考えていたようですね。警備に突き出させてもらいます」
傭兵Aはハンスに詰め寄ります。
ハンス 「おい! 護衛に雇われたなら乗客を守るのが仕事だろうが!」
傭兵A 「犯罪者は乗客にはできない、というのが決まりです」
ハンス 「うおっ!」
ハンスは傭兵に向かって体当たりをしようとしますが、傭兵はそれを避けてハンスを押さえつけます。そして縛り上げました。
ハンスは「くそっ」ともらしながら、恨めしそうにチャムを見ます。
チャム 「ふぇ〜ん 睨んでるでしゅ恐いでしゅう(T_T)」
傭兵A 「皆さん、お騒がせしました。怪我などがなくて良かった。我々を信用して、ゆっくり休んでください」
チャム 「はぁ〜い(*^^*) 傭兵しゃん、おやしゅみなしゃいでしゅ」
≫PL:精霊の召喚を延長して、命令は前回同様に。
ではまたウトウトしてきた頃、今度は精霊に起こされます(^^;)
チャム 「うみゅ〜今度は何でしゅか・・・寝不しょくはお肌の大敵なんでしゅよぉ(/_-)」
≫PL:明り取りの窓から外に飛び出しながらキュクレイン(精霊の名前)に幾つか確認します。
北西から一人が近付いてきます。距離は10メートルというところです。武器の有無や殺気は精霊には判断できません。
チャム 「えっとでしゅね あっちの方から誰か近づいてくる気配がしゅるでしゅよ」
傭兵A 「うん?」
といって立ち上がります。
すると確かに、チャムの指した方向から人が現れました。
手を振っています。
精霊からの情報として、ちょっと動きがぎこちないようですね。
傭兵Aも警戒はしています。
やがて相手の姿が見えるところまで、近づいてきました。
見たところ、旅の装備ではありませんね。武器を持っているようにも見えません。また、怪我をしているようで頭から血が出てます。
男 「も、申し訳ないのですが…少し休ませてもらってもいいでしょうか…」
傭兵A 「どうなされました?」
男 「今そこで盗賊に襲われて…必死に逃げてきたのですが、その時に怪我を…」
傭兵は警戒は一応しつつ、男の様子を観察します。
傭兵A 「確かに、後ろから何かが当たったような傷ですね…。スリングか何かですか?」
男 「さぁ…わかりません…ううっ」
傭兵A 「とりあえず応急手当くらいなら…」
謎の男は傭兵が応急手当をしました。
男 「ありがとうございました…急いで帰らないといけないですし、これ以上は迷惑をおかけできないので、私は行きます」
と、去っていきます。傭兵は止めません。
傭兵 「いえ、お気をつけて」
傭兵 (まぁ…訳ありだろうが、面倒な事になる前に行ってもらって助かるな。)
では次の日になり、おじさんを通りかかった警備兵に引き渡して馬車は出発します。
その日のうちに、馬車はケイレスに到着しました。