ドワーフクエスト
第三章 ミスリルホールの英雄
「大トンネル再び」


● 大トンネル再び

*一行は、フンディンに従って再び大トンネルに戻ってきた。

スキールニル : それでフンディンよ

フンディン: ?

スキールニル : どうやって黒エルフを見つけるんだ

フンディン: とりあえず下層へおりよう

スキールニル : 王の友人かそうでないか
スキールニル : どうやって見分けるんだ?

アル: それは重要だね

フンディン: そんなもの
フンディン: 見れば分かるんじゃあないかな?

スキールニル : ナニを根拠に・・・

エル: 聞けばいいさ
エル: あなたは王様の友達ですか?ってね

フンディン: とりあえず早く行こうよ

アル: 突っ込んだ方が良かったか?


*一行が歩き始めてすぐのところに、ミスリルホールの者と思われるドワーフの戦士が立っていた。周囲を見ても、ゴブリンのいた名残りは見当たらない。ドワーフは一行に気がつくと、敬礼をする。一行が何者か知っているわけではないかもしれないが、礼儀として、だろう。ひとまず現在の状況を確認するためにスキールニルが問いかける。

スキールニル: 現在の状況は?

ミスリルホールの戦士: この付近の敵は一掃され、現在3つの部隊に分かれて二層へと進行中。作戦エリアは立ち入り禁止になっています。

スキールニル: ブルーノー王はどちらに?

ミスリルホールの戦士: 一層のこのエリアの中央付近に、現在臨時で作戦本部が設置されています。そちらにいらっしゃるかと思いますが。

スキールニル: アシモ殿はどちらに?

ミスリルホールの戦士: 一層のこのエリアの中央付近に、現在臨時で作戦本部が設置されています。そちらにいらっしゃいます。

スキールニル: ドロウについて何かわかったことは?

ミスリルホールの戦士: ドロウ?

スキールニル: ドリッズト ドゥアーデンのこと

ミスリルホールの戦士: まだ、なにも。

スキールニル: では、こちら側に入り込んだといわれているドロウのことは?

ミスリルホールの戦士: 確認された死体はありますが、生き残ったものは確認されていません。

スキールニル : 王に会ってみるのもいいな
スキールニル : あえればだけどな

フンディン: そうかな?

エル: 二層へいってみよか

フンディン: ええ、そうしましょう

スキールニル : 人相風体も何もわからんのに・・・

フンディン: スキーニーは少し緊張感に欠けていると思うよ

スキールニル : 俺を侮辱する気なのか

エル: お

フンディン: ?

エル: 決闘か!?

フンディン: 人だ
フンディン: 人がいます

フンディン: あまり目に付いて
フンディン: 呼び止められては困りますから
フンディン: 堂々として
フンディン: さりげなく通り過ぎましょう

エル: 武器はしまっとこか

スキールニル : それも不自然だが

フンディン: 武器は持っていたほうがいいですよ
フンディン: 危ない場所ですから

エル: 散歩散歩

フンディン: むしろ素手のほうが怪しまれてしまうかも知れません

エル: ふむぅ


*戦士たちは一行を見ても特に呼び止めることはない。一行はそのままアドバール方面に戻る道を進み、そのまま二層へと降りた。

フンディン: おや
フンディン: やあ、橋の修理は終わったようですね


*先日は壊れていた二層の橋だが、修理が終わっているようだ。話によれば二層まではミスリルホールの部隊が進行したようだから、そのときに修理されたのだろう。

フンディン: またあのコウモリがいますね

エル: うん

フンディン: あまり騒ぎ立てないように気をつけましょう

エル: わあああ
エル: 襲ってきた


*またもや、コウモリに襲われる一行。このコウモリは凶暴なのだ。

フンディン: ふう

エル: 結構気が荒いな

フンディン: 特に騒ぎを聞きつけられたりはしなかったようですね

スキールニル : 相手が潜んでるんだとしたらわからんけどね


*戦闘の音でも、ミスリルホールの部隊もドロウもやってくる気配はない。一行はそのまま、三層にまで降りてきた。以前にフックホラーと遭遇した階層だ。

フンディン: ここは…
フンディン: 倉庫のようです
フンディン: 虫が・・


*以前にフックホラーから逃げている時、逃げ込もうとしたが巨大な虫(ファイヤービートルなど)がいてあきらめた部屋だ。今回は準備も出来ているし追われているわけでもない。一行は虫を退治することにした。

スキールニル : いいか?

アル: 確かこの先にとさかがいたんだよな?


*とさか=フックホラー

フンディン: この!

エル: うは、ででかい


*とはいっても、ファイヤービートルは一行にとってそれほどの脅威ではない。一行は虫を退治した。

スキールニル : やれやれ

エル: 内臓だ
エル: だしが取れる・・・

スキールニル : 内臓なんかどうするんだよ・・・

フンディン: ??

アル: 変な物でダシ取るなよ


*以前にきたときには、倉庫のある通路の先にはフックホラーがいたため引き返したが、今は見当たらない。フックホラーのいた通路に出ると、坑道らしく線路が引いてあり横転したままのトロッコなども見える。

フンディン: がぜん
フンディン: 坑道らしくなってきました

スキールニル : エル傷治せるか?


*エルがスキールニルを治療する。

スキールニル : 血が止まった

フンディン: またあの虫がいます


*再び虫。虫を退治しつつ一行は通路を進む。

フンディン: とりあえずはどこからか入り込んだ虫しかいないようですが…
フンディン: ん?
フンディン: 何か動いた…?

エル: おや
エル: 俺も見えた

スキールニル : かさかさ言う音がするな

フンディン: それになんだかチューチュー

エル: 総合するとあれだ
エル: あのいやな・・・

フンディン: !


*一行が立ち止まって前方に気を取られているとき、すでに敵は天井を伝って…上から飛び降りてきた!ジャイアントスパイターだ。なし崩しに戦闘に入る。

フンディン: 気持ち悪いです…

*などと言いながらもフンディンとスキールニルが相手をする。双子は少し離れて援護しようとするが…

フンディン: !

*もう一匹のクモが、双子の目の前に下りてきた!

エル: うひゃあ

*スキールニルが慌てて戻り、クモの相手をする。フンディンも目の前のクモを倒してからスキールニルのほうへやってきて、クモは退治された。

アル: キモが冷えた

フンディン: まったく

エル: 天井から落ちてきたぜ、兄者

スキールニル : 俺もちょっと焦っちまったぜ

アル: この前と一緒だな

フンディン: !!


*安心した隙を、捕食者は狙ってくるものだ。潜んでいたジャイアントスパイダーがもう一匹、フンディンの背後に忍び寄りフンディンに噛み付いた。

エル: う

フンディン: このお!
フンディン: ふう
フンディン: 助かったよ、スキーニー

スキールニル : お前が死ぬと困る
スキールニル : ここまでつれてこられたんだしな

エル: 誰が死んでも困るな


*ジャイアントスパイダーを退治した一行は先に進み、さらに下の階層へと降りる道を見つけた。

フンディン: この先が四層…

スキールニル : 多分誰かが死んだらみな死ぬな

フンディン: *ごくり*

スキールニル : 俺たちはまだそれほどの腕じゃない

フンディン: …

エル: 行くのかい?

フンディン: も、もちろんです!

スキールニル : その覚悟があってきたんだろう?

アル: 震えてるぞ…


*一行は四層へと降りていった。

●大トンネル 四層

アル: *ごくり*

フンディン: わっ!

スキールニル : ?

フンディン: なにか
フンディン: 聞こえなかった、スキーニー?

スキールニル : いいや
スキールニル : 何かいたのか?

エル: ん?

フンディン: なにかが…歩く音!

スキールニル : 別にしないようだが

エル: 神経質になりすぎだ

フンディン: き、気のせい


*と、フンディンが言おうとした瞬間、通路の影からゴブリンが飛び掛ってきた!

フンディン: わっ!

エル: じゃ、ないね


*スキールニルのグレートソードに、ゴブリンは叩き潰された。

フンディン: *どきどきどきどき*

エル: 見事だな、スキールニル

スキールニル : 大振りしすぎたな


*と、通路を曲がったところでまたもや虫と出くわした。が、今度の虫は何かを吹き付けてきた!

エル: うわ

フンディン: うわあ

エル: 何だ この臭い!


*まともに吸い込んだエルは悪臭にめまいを起こして立ちすくむ。スティンキングビートルだ。

フンディン: このお!

エル: くぅ

アル: ?

フンディン: な、なんとか息がもったぁ

スキールニル : ドロウの呪文かと思った

エル: 蟲の息か

スキールニル : だったら今頃生きてねえか

フンディン: お、お、おっかないこといわないでよ
フンディン: スキーニー!

スキールニル : お前が行くって言い出したんだぞ!
スキールニル : しっかりしてくれよ
スキールニル : む

フンディン: ま、また!


*とはいえ、気をつけていれば息を止めることもできる。通路の先にいたスティンキングビートルは問題なく倒せた。そのまま坑道を進む一行だが…

フンディン: うわ!
フンディン: こ、こ、これ
フンディン: 血?!

エル: どうした?
エル: 血だな

フンディン: 血の後がむこうへ…


*床には、血の跡がある。別の坑道のほうへ、点々と続いている…

スキールニル : それはそうだろうな
スキールニル : 戦なんだし

エル: 兄者だって血を流してる

アル: ちょっとだけ…な

フンディン: 出た!


*血の跡を辿っていくと、ゴブリンの集団を見つけた。軍服らしいものを身に着けているところから、ドロウの奴隷だったゴブリンたちだろう。何かを話し合っているのか一行には気がついていない。一行はそのまま先制攻撃に入った。

フンディン: この!

*ゴブリンシャーマンの呪文を受けつつも、一行はゴブリンの一団を倒した。

フンディン: ふう…
フンディン: 特にてがかりになりそうなものはないですね
フンディン: きっとゴブリンたちが戦利品を集めていただけでしょう

スキールニル : いい物を見つけた


*ゴブリンとはいえ、ドロウに使われていたやつらだ。リーダーは魔法のかかった軍服を着ていた。

フンディン: なんだか身体が重い…

スキールニル : あの呪い師の呪いだな

エル: 呪いだよ、蛮族の呪術師が使う

フンディン: あ、軽くなりました


*歩いているうちに、フンディン抵抗に成功。自力回復した。

フンディン: ?

スキールニル : なんだ?

フンディン: 鍵がかかっているようです


*先に進む一行は、扉を見つけたが鍵がかかっているようだ。

スキールニル : ぶち破ってみるか?

*フンディンは扉の向こうの音が聞こえないかと聞き耳を立てたが何も聞こえない。(判定に失敗している)

フンディン: なにも聞こえませんね…

エル: じゃあ空なのだろう

スキールニル : 無視するかぶち破るかだが


*フンディンは扉に斧をたたきつけてみる。

フンディン: かたい…
フンディン: やっぱりやめておきましょう
フンディン: 立派な器物破損ですしね


*扉を無視し、先に進む一行。上の階から流れ落ちてきた地下水脈の流れが、ごうごうという音を響かせる。空気も湿り気を帯びてきた。そのまま進むと、地下水脈の流れの岸に出た。一行はそのまま岸伝いに進む。

フンディン: ん

エル: どした?

フンディン: この辺り
フンディン: あまり流れが速くないようです
フンディン: 荷物を軽くすればなんとか
フンディン: あちらへ渡れそうな気もします

スキールニル : それは難しいな
スキールニル : お前の鎧は軽いだろうがな

エル: フンディンは泳げないだろう
エル: 足がつくのかな


*荷物を軽く…ということでアルが荷物から食事を取り出して食べようとする…

エル: 食べちゃったら軽くした事にならないぞ!

*とかやっている間に、フンディンは背負い袋や鎧などの荷物を降ろしていた。

フンディン: ふう
フンディン: それじゃ

スキールニル : あっちにわたっても丸腰で如何する気なんだ

フンディン: 斧だけもっていくよ

エル: そもそもフンディンは泳げないだろ

フンディン: なにごとも経験です
フンディン: まずはしっかり準備運動から

エル: 流されたって知らないぞ

スキールニル : おいまて
スキールニル : ロープを腰に巻け

フンディン: イチ
フンディン: ニ
フンディン: サン
フンディン: シ


*フンディン準備運動中

スキールニル : エルとアルと俺で支えるんだ

アル: あいよ

エル: ほい

スキールニル : その後うまく荷物を向こう岸に

フンディン: ふう、こんなところで十分ですね

アル: *まきまき*

スキールニル : 向こう岸から引っ張る

フンディン: あ、縄なら

スキールニル : その際流される危険があるがな

フンディン: これを使ってください
フンディン: わっ

スキールニル : 何しやがる


*フンディンがロープをほどくと、勢いでロープがスキールニルに当たった…

フンディン: ごめん、スキーニー
フンディン: まだ扱いになれていなくて…
フンディン: ほどこうとしたら勢いで

エル: ・・・

フンディン: ほら、スキーニー
フンディン: 早く鎧を脱いで準備体操を
フンディン: 時間があまりないんだよ
スキールニル : 俺は最後に渡る

フンディン: それじゃ先に行くからね

スキールニル : ああ

フンディン: (あんなこと言って、本当は怖いのかな)


*フンディンは水に入った。 少し進むと…

スキールニル : おいホントに平気かあいつ

*ドプン、と水柱を上げて沈んだ…(重度の失敗)

エル: ぶ・・・

スキールニル : ・・・・

フンディン: あっ…

アル: お…おい…

フンディン: #35&%&%(#GGNb!!

スキールニル : 仕方ない引っ張れ!


*流れに囚われたフンディンの体は重い。

エル: 引っ張られるぅ

フンディン: …………

スキールニル : 思いっきり引け!
スキールニル : せーの!


*エルががんばったおかげで、フンディンは引き上げられたが完全に溺れていた…(エルがこの判定で一番活躍したため、このように伝えた)

エル: ・・・

アル: …

エル: どうするんだい

スキールニル : ぺちぺち

フンディン: ……

スキールニル : コレじゃしばらく動けねえ


*スキールニルはフンディンの腹を押して無理やり水を吐かせると、ばしばしと殴る。

フンディン: *ぴゅーっ!
フンディン: うわっ!
フンディン: げぼげおびおklhじ

スキールニル : 起きろ!

フンディン: ぜええ…ぜええ…

スキールニル : お前もう泳がなくていいよ・・・

フンディン: あ、アタマが…
フンディン: 鼻が… 耳が・・

スキールニル : がんばったのは解るからよ!

フンディン: ううう……

アル: *はぁ*

スキールニル : ここをわたるのは最後の手段だ
スキールニル : いいな?

フンディン: *ズキズキ*
フンディン: うう、わかったよ…

スキールニル : アル血止めくれないかな?


*少し前にした怪我が気になっていたようだ。アルのキュアライトウーンズ発動。

スキールニル : よく効くなあ
スキールニル : いつの間に覚えたんだっけ
スキールニル : すげえ

フンディン: いきましょう…

アル: 少し前かなぁ?

スキールニル : そうか


*アルはクレリックをマルチクラスしている。一行は地下水脈を渡るのを一時あきらめて、まだ見ていない他の場所を探索することにした。少し広くなっているところに、ゴブリンを見つけた。3体のゴブリンは何かをまさぐっているようだ。一行はまずゴブリンを退治すると、ゴブリンが調べていたものを見つける…

フンディン: あっ!
フンディン: これ
フンディン: もしかして

スキールニル : コレは・・・

フンディン: ドロウ??
フンディン: うわあ
フンディン: 岩でつぶされているようですね


*ドロウの死体だ。右足は完全に岩で潰されていて、その血の跡が点々を奥の通路に続いている。奥から足を引きずってきたのだろう。死因は右足の失血死かもしれないが、おそらく致命傷になったのは頭の右側に激突した岩だろう…。顔は半分判別がつかなくなっている。

エル: ドロウも死ぬのか

スキールニル : いい鎧着てやがるなあ
スキールニル : ちょっと品定めしてくれ

エル: わからないな

アル: よく分からん

スキールニル : 残念

フンディン: とりあえずもらっておきましょう

スキールニル : そうだな

フンディン: ここにおいておいてもゴブリンに略奪されるだけです


*事実、ドロウの武器はすでに周りにいたゴブリンが奪っていたようだ。アルがその武器を拾っておく。ゴブリンたちはちょうど、鎧を剥ぎ取ろうとしていたところだったのだ。

スキールニル : おいまて

フンディン: ?

スキールニル : ドロウの死体があったということは
スキールニル : その死体の見方が
スキールニル : いるかもしれん
スキールニル : 油断するな

フンディン: 死体の味方?

スキールニル : 死体になる前の

フンディン: ああ、仲間のドロウっていうことだね

スキールニル : そうだよ

エル: 俺たちが殺したと思われたりして

スキールニル : それはあるかもな
スキールニル : 血の跡だ

エル: うん

フンディン: これは…

スキールニル : 点々と・・・


*一行は血の跡を辿って通路を進む。と、すぐに…

フンディン: 落盤のあとです

*通路は完全に崩れ去った天井に押しつぶされていて、復旧するのは不可能に見える。崩れた岩の隙間からは血が流れ落ちて血だまりを作っており、隙間からは元が何の生き物かわからない残骸が見えた…。

スキールニル : おやっさんの話にあったやつはコレか

フンディン: こんなに埋まってしまっては…
フンディン: とても先へ進むことも無理そうです

スキールニル : 戻って他のところも見てみよう

フンディン: やっぱり…
フンディン: 泳いで…渡るしか…

スキールニル : いや
スキールニル : 西側はまだ見てないはずだ
スキールニル : そちらからまわれるかもしれん

フンディン: その西側に渡れないんだから
フンディン: 意味が無いじゃないか


*言いながらも、西側に回りこめる道を探して進む一行だったが…

フンディン: なにか

エル: ゴブリンの臭いだ

アル: うわあああああ


*前方にゴブリンを発見した一行だったが、突然アルの悲鳴が後ろから聞こえてきた。振り向くとアルはいない。いつの間にかはぐれたのだろうか。

フンディン: ??

スキールニル : なに!

フンディン: いまのこえは??
フンディン: あ、アルドリックさん??


*一行は走って通路を戻り、アルを探す。途中、倒れているアルを発見した。瀕死の状態だったが、治療がなくとか間に合った。そのすぐ近くにはジャイアントスパイダーがいる。ジャイアントスパイダーは仲間が戻ってきたので逃げようとしたが、スキールニルとフンディンに倒されてしまった。

フンディン: どうして寝ているんです??

スキールニル : 蜘蛛にやられたんだな

フンディン: なにがあったのですか?

アル: く…蜘蛛が

フンディン: 離れてはいけません


*一行はアルを助け起こすと、ゴブリンのいた通路に戻る。方角からして、その先にいけば西側に回りこめるはずだ。一行はゴブリンを倒して通路を進むが…

フンディン: やっぱり
フンディン: これではだめだよ、スキーニー


*その通路の先も、先ほどの場所と同じように完全に塞がれていた。

スキールニル : 泳ぎたいんならそれでもいいが

フンディン: 他に道がないんだから
フンディン: 仕方ないじゃないか!

スキールニル : あのドアを如何するかだな

エル: 亀裂入ってたぜ

フンディン: ?

エル: フンディンが体当たりすれば壊れるんじゃないか

フンディン: どこにです?

エル: ドアさ

フンディン: ああ…

スキールニル : お前がぶち破ろうとしただろうが

フンディン: でもあの扉を壊したところで
フンディン: どうにかなるとは思えませんよ
フンディン: アルドリックさんはどこです?

スキールニル : やれることは何でもやるもんだ

エル: すぐそばにいる

フンディン: 離れないで下さい

アル: 走れないんだよ


*アルは毒と傷の影響で思うように動けない。

スキールニル : ドアの向こうにドリッズトが隠れてないとも限らん
スキールニル : まあまずないだろうが
スキールニル : それにアルはこの状態で泳げると思えない


*フンディンは黙って扉のところに戻ると、言われたように扉を破壊した。扉の奥は整形されて部屋になっており、さらに奥に向かう扉がついているが、そこにはドワーフ語で「立ち入り禁止」と書かれている。

フンディン: 立ち入りを禁ずる?
フンディン: ここを壊すのはさすがによくないと思いますが…

スキールニル : 何かこんな場所のこといわれたか?
スキールニル : ところでフンディン

フンディン: ?

スキールニル : ドリッズトはホントに
スキールニル : ここにいるんだろうな

フンディン: だって
フンディン: あの坑道の崩れているの
フンディン: 見ただろう?

スキールニル : ああ

フンディン: あれをやるためのおとりになったんだから
フンディン: ここ以外のどこにいるっていうのさ

スキールニル : 他に道がないと断言できるのか?

フンディン: やるしかないよ

エル: ふむぅ


*フンディンはさっさと、地下水脈の流れが多少緩やかになっていた場所に向かって歩き出す。

スキールニル : どうしてこう行き当たりばったりなんだ

*ぶつぶつ言うスキールニルは無視してフンディンはずんずん進む。アルがだいぶ遅れてしまっている。

フンディン: 離れないで!

スキールニル : 歩くのがはやい
スキールニル : 無茶を言うな
スキールニル : 毒が抜けきってないやつがいるというのに・・・


*一行は、渡れそうな場所まで戻ってきた。

フンディン: *ごくり*
フンディン: 食事をとって
フンディン: 少し休んだほうがいいなら
フンディン: 休みましょう
フンディン: わたしが見張ります
フンディン: アルドリックさん
フンディン: エルドリックさんも

エル: 少し休ませて貰おうかな

フンディン: はい


*一行は食事を取り、しばらく休んだ。

アル: じゃ、今度は俺が先に行くよ

フンディン: 向こう岸へいけたら

スキールニル : そうか

フンディン: ロープをこちらに
フンディン: 渡して頂いてもいいですか?

アル: あぁ、やってみる

フンディン: 気をつけてください…

アル: まぁ期待はしないでくれ


*荷物を下ろして川に入るアル。

フンディン: あっ!

アル: あああ、足がつったぁぁぁ

フンディン: 大丈夫ですか!

アル: すすす、すまん
アル: *ぜえぜえ*


*少し泳いだアルだが、足がつって溺れそうになり自力で戻ってきた。本来アルは泳げるので、フンディンのようなダメージはない(判定に失敗)

アル: ふうううう

フンディン: うう…

スキールニル : この調子だとそのうち死人が出るな

アル: まさか足がつるとは…

フンディン: やっぱり…わたしが行くしかなさそうですね…

スキールニル : 何とか筏でも作れんものかな


*フンディン再度挑戦。本来は何度も判定することはないのだが、今回は失敗の度合いによってダメージがあるというリスクがあるので再挑戦も許可している。

アル: 犬が暴れてるみたいだな…

スキールニル : 一応泳いでる・・・のかね

フンディン: ごぼ…っ!!


*たらふく水を飲みながらも、フンディンはなんとか向こう岸にたどり着いた。(ダメージは受けてもらったけど、一応判定には成功した)

アル: おぉ!

フンディン: ぷはっ!
フンディン: ぜえ…ぜえ…ぜえ・・・

エル: やるもんだ

フンディン: な、なんとか…


*フンディンは自分に結ばれているロープをほどくと、近くの岩に縛り付ける。

スキールニル : このへんがいいか

アル: そうだね

スキールニル : 器用なヤツ頼む

アル: はいよ


*ロープを持って待っていたアルが、やはり同じようにロープを縛り付けた。

アル: *ぎゅ*

スキールニル : コレでだいぶ楽になりそうか

スキールニル : この短い剣を借りておくぞ

アル: あいよ


*他の仲間たちも一人ずつ、短剣など軽いものだけ持ってロープを伝い、渡る。やがて全員が渡り終えた。

フンディン: スキーニーすごい…

スキールニル : よく泳いでたからなガキのころ

フンディン: どうやったらそんなふうに水の中でうごけるんだい??

スキールニル : さあな
スキールニル : ガキのころから水は平気なんだ

フンディン: そういえばスキーニーの昔のこと
フンディン: あんまり聞いたことがないな

スキールニル : 話したことないしな

アル: あの荷物…ゴブリンに取られたりしないだろうなぁ?

フンディン: …

スキールニル : あり得るけど
スキールニル : ドロウの荷物が混じってる
スキールニル : うかつには手を出さん気がする

アル: ドロウの荷物…ゴブリンが持ってたんだけどな

フンディン: スキーニー海に住んでたの?

スキールニル : いいや
スキールニル : 海に住むわけねえだろ

フンディン: それじゃどうして泳げるのさ?

スキールニル : よく川で泳いでた

フンディン: へえー
フンディン: 叔父上と一緒に?

スキールニル : なんたって風呂もなかったし
スキールニル : いいや
スキールニル : ミョルニルはかなづちだ

フンディン: そうなんだ…

スキールニル : 名前にぴったりだな

フンディン: どうして?

スキールニル : 伝説に歌われるそういう戦槌がある

アル: ミョルニルだからだろ?

スキールニル : 異世界の神の武器らしいが

フンディン: へえ〜

アル: はぁ…食い物は持ってくるんだったなぁ

フンディン: 皆さん
フンディン: 服は持ってきていないのですか?

アル: 来てない

エル: もって来たよ

フンディン: スキーニーは?

スキールニル : 服は持ってねえ

フンディン: ……

スキールニル : 泳ぐのに邪魔だ

フンディン: …そ、それじゃ行きましょうか…
フンディン: (なんか緊張感に欠けるなぁ…)


*みんな裸で、手に短剣やダガーを持っているだけだからね(笑)

●英雄の邂逅

フンディン: スパイダーです

エル: うう
エル: 武器も鎧も無しでか

フンディン: さがっていてください


*覚悟を決めて、フンディンとスキールニルがジャイアントスパイダーに攻撃を仕掛ける。しかしさすがに鎧がなくてはすぐに傷ついてしまう。と、突然真っ黒なヒョウが暗闇から飛び出すと、スパイダーを鋭い爪と牙で切り裂く。スパイダーは絶命した。

フンディン: ?!

アル: あの豹…

フンディン: うわ、わわあ
フンディン: 消えた??
フンディン: いまのは一体…

スキールニル : ドロウにであったら一貫の終わりだな

アル: なんか普通の豹じゃない感じがした


*ヒョウは再び影に溶け込むように姿を消した…

フンディン: 離れないで下さい

*仲間に声をかけながら、通路を進む。通路はいくつかに分かれていて、探索するも特に何も見つからない…と。

フンディン: 血痕…?

スキールニル : 血の跡だな

フンディン: こちらへ続いているようですね
フンディン: *ごくり*


*フンディンは血を調べる。それほど古いものではなさそうだ。血痕は、通路の奥へと点々と続いている。

フンディン: あっ!
フンディン: しーっ!

エル: ん?


*以下、( はひそひそ話。

スキールニル : (なんだ

フンディン: (隠れてください!!
フンディン: (いました!
フンディン: (ドロウが…

エル: (なにが?

スキールニル : (どっちだろうな

フンディン: どっち?

スキールニル : (敵なら死は免れん

フンディン: ああ
フンディン: (そういうことだね

スキールニル : (まあやってみないとワカランが・・・
スキールニル : (こうなると逃げ道もない

フンディン: (最初にちらっと見えた感じだと
フンディン: (怪我をしているみたいだったけど・・
フンディン: (でも遠かったからわからないです

スキールニル : (こうしててもワカラン

フンディン: (どうしよう?

エル: 行ってみよう

アル: じゃ、俺が死んでくるか

スキールニル : 敵だったらこっちか向こうかだ

フンディン: (ええっ?

スキールニル : いや
スキールニル : お前一人で死なせないぜ

エル: と言いたいが、裸じゃなぁ・・・

フンディン: …
フンディン: それじゃわたしが行きます…

スキールニル : 行こう


*一行が床に座り込んでいるドロウに近づこうとすると、突然ふたたびヒョウが現れた。

フンディン: わわ!

スキールニル : おい!

闇のように黒い豹 : *うなり声*

フンディン: さっきの豹?!
フンディン: まってスキーニー
フンディン: 危ないよ

闇のように黒い豹 : *あなた達が近づくのを警戒している*

スキールニル : すぐに襲ってくる様子はないな


*フンディンは荷物から保存食を取り出して、ヒョウの目の前に差し出してみるが…無反応だ。

エル: どこがドロウだ

スキールニル : いや・・・
スキールニル : 奥にいる

フンディン: ほら、大丈夫ですよ
フンディン: おいしいレーションです

スキールニル : 生肉のほうが好きなんだぞ
スキールニル : そういう動物は

闇のように黒い豹 : *フンディンを見ている…*

フンディン: 肉…
フンディン: あ、
フンディン: 魚ならありました
フンディン: はい
フンディン: ヨシヨシ

闇のように黒い豹 : *近づくと、いつでも攻撃できる態勢になる*

フンディン: うわ…

エル: ほら

フンディン: なんだか

スキールニル : (緊張感のないやつだな)

フンディン: 殺気立っているようですが…

スキールニル : 主を守ってるようだな


*通路の奥の部屋には確かにドロウが座り込んでいる。しかしこの距離でもドロウは動こうとしない。

フンディン: こんなものを持っているから
フンディン: 警戒してしまっているのかも知れませんね


*フンディンは床に武器を置いて両手をあげる。

アル: う〜ん

フンディン: わたしは敵ではありません

アル: 言葉通じればなあ

スキールニル : 通じんかなやはり

エル: 兄者、歌を歌ってみよう

闇のように黒い豹 : *観察している*

エル: 人もエルフもドワーフも、動物も
エル: 音楽の前ではみな平等さ

フンディン: もしかしてこの
フンディン: 豹
フンディン: あそこにいるドロウを守っている・・のでしょうか?

スキールニル : そうに決まってる

フンディン: 服を着ているから
フンディン: 怪しまれているのかも…知れませんね

スキールニル : いや
スキールニル : そうだろうか

アル: ここからじゃ魔法も届かないなぁ

フンディン: ほら、これで何もありません


*フンディンはなぜか裸になる。

エル: らちがあかないぜ
エル: 向こうに行こう

スキールニル : おい解るか、ご主人の手当てをしてやろう
スキールニル : そこをどいてくれ

フンディン: ここを通っても
フンディン: よろしいでしょうか?

スキールニル : わかるわけねえか


*だが、一行の言葉にヒョウは一定の距離をとりつつも道をあけた。

フンディン: *ごくり*

アル: よし
アル: ここからなら

フンディン: …

エル: 呪文がいいぜ


*近づいてみると、ドロウは意識を失っているようだ。右手右足にかなりひどい怪我を負っていて致命傷になりかねない。が、すでに傷は手当てされており一命は取り留めるだろうことがわかる。

スキールニル : 敵だったらえらいことだがな
スキールニル : やむをえんか

フンディン: このままここに置いて行ったら
フンディン: 死んでしまうかも知れません…
フンディン: が…

スキールニル : かといって川は渡れまい?

アル: だな…

フンディン: それもそうだし…

スキールニル : 傷をぬらすわけにはいかん

フンディン: この人がドリップトさんでなかったら
フンディン: 大変なことになるよ

スキールニル : ああ
スキールニル : しかし誰かが手当てをしたということは・・・
スキールニル : ほかに誰かいたわけだな?


*ドロウの傷の手当ては、どうみても自分でやったようには見えない。

アル: とにかくやれるだけやってあげよう

フンディン: ?
フンディン: どういうことだい、スキーニー?

スキールニル : そいつを手当てした誰かが
スキールニル : まだ生きてればどこかにいるはずだ

傷ついたドロウ: …

エル: ドリッズトてのはさ
エル: ブルーノーもそうだけど、我ら歌人の歌に出るような英雄なんだ
エル: こんな奴じゃないよ

フンディン: あっ
フンディン: 気がつきましたか?

傷ついたドロウ: !!
傷ついたドロウ: ヴァル・ガム・ダ!!


*目を覚ましたドロウは驚いて叫んだ。ドロウ語のようでフンディンたちには理解できない。

フンディン: うわわ
フンディン: あ、あ、あ、
フンディン: 怪しい者ではありません!

スキールニル : お前は敵か?味方か?

フンディン: ただの通りすがりのドワーフです!

傷ついたドロウ: 離れろ!!


*目の前にいるのがドワーフと気がついたドロウは、今度はドワーフ語で警告しながらクロスボウを構える。ドロウがよく暗殺用あるいは護身用として持ち歩く小さなクロスボウピストルだが、それには猛毒が仕込まれておりかすっただけで数秒後には死に至るという噂だ。

フンディン: あなたは…

スキールニル : 今はやりあう気はない

傷ついたドロウ: ドワーフどもが…俺に止めを刺しにきたのか…

フンディン: ドリップト・ドゥアーデンさんですか?

スキールニル : 俺たちが欲しいのは情報だ

エル: ドリッズトだってのに

傷ついたドロウ: この矢には毒が縫ってある…一人道連れにしてやるぞ!!

スキールニル : 俺たちはそのドゥアーデンを探している

フンディン: お、おちつ、おちついてください

傷ついたドロウ: 離れろ!どこかに行け!

フンディン: あなたに危害を加えるつもりはないのです

アル: お前が落ち着け


*ドロウはクロスボウをフンディンに向ける。

フンディン: うわわ

スキールニル : そいつがどこにいったか知らんか?

フンディン: (どうも話を聞くつもりがないみたいです…

スキールニル : それさえ教えればすぐに消える

フンディン: (スキーニー
フンディン: (意識がもうろうとしているみたいだよ
フンディン: (話聞こえていないみたい
フンディン: (一度離れよう

傷ついたドロウ: ドゥアーデンの末っ子がいたら…殺して…や…る…

フンディン: ??

アル: …


*言いながら、ドロウは再び意識を失った。

スキールニル : ヤツではないようだな
スキールニル : 行こう

フンディン: 仕方ないですね…

スキールニル : 今は関わってる暇はない

フンディン: それじゃ猫さん
フンディン: また後で来ますね


*ひとまず一行はその場を離れる。

フンディン: なんだったのでしょう…?
フンディン: ドリップトさんのお友達でしょうか??

エル: ドリッズトじゃないドロウなら排除すべきじゃないのかな

スキールニル : ドゥアーデンと戦ったんだろうか

フンディン: それにしてはどうして手当てがしてあったのか

エル: ドロウは悪だと聞いてるよ

フンディン: わからないですよ
フンディン: それにあの猫さんは
フンディン: 悪い生き物には…
フンディン: なにか、見えなかったのです

スキールニル : どうせ逃げられんからひとまず放っておこう

エル: わかった

アル: 見付けたら殺すって言ってたけどな…

フンディン: 誰をです?

スキールニル : ドリッズトをだ

フンディン: ああ

スキールニル : 囮になったときに戦ったのかもしれないな

フンディン: わたしたちが探しているのはドリップト・ドゥラーデンさんですよ
フンディン: 人違いです

アル: やれやれ

フンディン: ドロウの名前は我々コモンのものにとっては判別しづらいものだと聞いています


*別の通路を進むと、落盤の場所にたどり着いた。

フンディン: これは…

アル: さっきの反対側か

フンディン: これではどうしようもないですね…

スキールニル : ここに埋まってたらたすからんだろうな

フンディン: さっきの人に手当てした人が
フンディン: どこかにいるはずだよ、スキーニー
フンディン: 少なくともここに埋まっている人のほかに…

アル: あの死んだドロウかもしれないけどな

フンディン: こんなことならさっきの鎧
フンディン: 持ってきておくべきだったなぁ

フンディン: 変わった痕跡もなさそうです…
フンディン: あっ!
フンディン: 猫さん


*フンディンたちが行き止まりから戻ると、通路にさっきの黒ヒョウがいて、こちらを見ている。

エル: 猫じゃないぞ

フンディン: どうしたんです?
フンディン: ?
フンディン: ついてこいと?


*黒ヒョウは、一行についてこい、というようなしぐさを見せた。フンディンたちはヒョウの後をついていく…。

フンディン: うわ!
フンディン: でたあ!


*黒ヒョウに案内された先には、一人のドロウが立っていた。武装しており、怪我などはないようだ。

スキールニル : おい!

ドロウ: …

フンディン: あ、ああな、あなあなな

スキールニル : お前はドリッズト・ドゥアーデンか?

フンディン: あなたは


*ドロウは一行を観察しつつ、よってきた黒ヒョウをやさしく撫でた。

フンディン: ・・
フンディン: …
フンディン: その猫さんの…お友達…なのですか?

スキールニル : 答えろ!

エル: うはあ

ドロウ: 君たちは…バトルハンマー氏族のものじゃないな

フンディン: スキーニー!
フンディン: ??

スキールニル : そうだ違う
スキールニル : だがあんたを探しに来た

フンディン: あなたはもしかして
フンディン: ドリップト・ドゥアーデンさん?

ドロウ: どこから来たんだい?ドワーフさんたち

スキールニル : アンタがドリッズトであるならな
スキールニル : その前にお前の名を聞こう

フンディン: わたしは…

ドロウ: 順番に話してくれ

アル: ええい混乱するからどっちかが喋れ!

スキールニル : 俺はスキールニルだ

フンディン: フンディン・アイアンビアードです

スキールニル : フンディンの話はまだるっこしいんだが
スキールニル : 好きなだけしゃべれ

ドロウ: ご丁寧に、私はドリッズド・ドゥアーデン

フンディン: !
フンディン: 実は…ドリップト・ドゥアーデンという人を探して
フンディン: ここまでやってきたのですが
フンディン: ご存知ないでしょうか?

アル: おおい…

フンディン: ?

ドリッズド: これは親友のグエンワイヴァー

フンディン: おお、そんな名前の猫サンでしたか

ドリッズド: ブルーノーに頼まれてきたのか?

エル: 猫はないよ

スキールニル : いや・・・

フンディン: たのまれ…

スキールニル : 頼まれてないな

フンディン: 実は…

アル: お節介焼きでね、こいつ

スキールニル : お節介めが・・・

ドリッズド: グエンワイヴァーもういい。ありがとう


*グエンワイヴァーは霞のごとく消えた。

フンディン: 故あってミスリルホールにご厄介になっていたのですが…

フンディン: 消えた??!!

ドリッズド: 自分の家に帰っただけさ

フンディン: 家…??
フンディン: …はっ

スキールニル : (すげえな・・・隙がねえ・・・)

フンディン: そう、故あってミスリルホールにご厄介になっていたのですが

ドリッズド: うむ

フンディン: ブルーノー・バトルハンマー王のご友人であるドリップトどのが危地にあるとお聞きし
フンディン: 客人として何もせぬままに待つのはどうも…その、こう…

エル: (ズト、だ

フンディン: ??

スキールニル : つまりだ
スキールニル : 頼まれもしないのに勝手に
スキールニル : でてきて
スキールニル : わざわざアンタを助けに来た大ばか者と

フンディン: お助けに参った次第です

スキールニル : その大ばか者についてきた
スキールニル : 間抜けどもが
スキールニル : 俺たちってワケダ

ドリッズド: ふむ…私は特に助けを必要としていないが

アル: 助ける必要なかったみたいだけどね…
アル: 全然元気そうだし…

ドリッズド: だが、ここまで来てしまったのなら仕方がないな…

フンディン: ??
フンディン: しかしあなたがドリッズトどのだとすると
フンディン: 向こうにいたドロウは一体??

ドリッズド: …!

フンディン: てっきりあの方がドリッズトどのかと思ったのですが

スキールニル : ドゥアーデンの末っ子を殺すとかいってたぞ

ドリッズド: 見つけてしまったのか…

エル: 正直僕らは感激してますよ
エル: 僕ととなりの兄は詩人でして
エル: あなたの歌は良く知ってる

ドリッズド: 私の勇名なんて、大したもんじゃないさ

エル: はは

フンディン: あのドロウさんは一体どなたなのです?

ドリッズド: で、君たちは…
ドリッズド: そのドロウをどうした?

スキールニル : まだ生きてるぞ

フンディン: ずいぶん傷ついていらっしゃるようでしたので
フンディン: ええ

アル: 治療しちゃった…

フンディン: お休みになられているはずです

ドリッズド: …それで、もう一つ聞きたい

フンディン: ?

ドリッズド: 君たちは、ここにドロウがいた事を報告するのか?

フンディン: ??

スキールニル : どういうことだ?

フンディン: ドロウなら目の前に
フンディン: いるではありませんか

スキールニル : していけない理由があるのか

ドリッズド: 誰かに話すのか?ドロウの生き残りがまだいたと

フンディン: 他に何を報告すると?
フンディン: ??

ドリッズド: …
ドリッズド: もし

アル: まっ、要は報告しなけりゃいいんでしょ

ドリッズド: 君たちが報告したらどうなると思う?

スキールニル : どうなるんだ?

ドリッズド: わからないか?

フンディン: どうなるのでしょう?

アル: 勿論殺しに来るでしょ

スキールニル : そうだな

ドリッズド: 私が聞きたいのは、黙っているかどうかではなく

アル: だから見なかったことにすると

ドリッズド: 黙っていることをどう思うか、だよ
ドリッズド: あのドロウはアドバールの工夫を何人か殺しただろう…

フンディン: ……
フンディン: 元より
フンディン: 咎はドワーフの鉱山に侵入してきたドロウのほうにある
フンディン: それはふまえての上でのご質問ですか?

ドリッズド: もちろんそうだ

フンディン: ……

アル: 俺は別に恨みないからなぁ

フンディン: けれど何人も殺されたのですよ
フンディン: 同朋が
フンディン: アルドリックさんは
フンディン: 平和に暮らしていたところへ突然外から敵が襲ってきて
フンディン: そのせいで家族が帰ってこなくなる
フンディン: どういうことか
フンディン: わかりますか?

アル: 死んだのは俺の家族じゃない

フンディン: …!
フンディン: そういう考え方は…わたしにはできません…!

エル: フンディン・・・

アル: まぁそうだろうね

スキールニル : なぜそんなことを聞くんだ?

アル: じゃ行ってサクッと殺してくれば?

フンディン: …っ…

アル: 今ならやれるよ、多分
アル: 俺は嫌だけどね

ドリッズド: 私には…それがたとえ邪悪なものでも、死に掛けている同胞を助けないことはできない

フンディン: ……

ドリッズド: それに、もう二度と
ドリッズド: 自分の手で同胞を殺したくない


*ドリッズドは意味ありげに、ヒョウの形をした縞メノウの彫像の緩やかなカーブを指でなぞる。

スキールニル : わかった
スキールニル : 俺が殺そう
スキールニル : 俺を止めるか?
スキールニル : あんたなら造作もないだろうな・・・

ドリッズド: だが、君たちはドワーフだ
ドリッズド: 私は隠しておきたかったが、見つけられてしまった
ドリッズド: 私は私の信念に基づいて行動した
ドリッズド: 君らは…君らの信念に従うがいい

スキールニル : 判った

フンディン: …

ドリッズド: だが一つだけ言わせてくれ

スキールニル : ?

ドリッズド: 私は傷ついた同胞を助けようとした。そして今も助けたいと思っている
ドリッズド: …それだけだ

スキールニル : そいつはアンタを
スキールニル : 殺すつもりだが
スキールニル : それでも助けるのか・・・

ドリッズド: それでもだ

アル: スキールニル

スキールニル : 俺にはわからん・・・

アル: 悪いがフンディンについていってやってくれ

ドリッズド: 私はここにいる

アル: そうしてくれると嬉しいですね

アル: 彼らがどうするかは分かりませんが
アル: フンディンは優しいやつです
アル: もしかしたらそのままにしてくるかもしれません

エル: (兄者、ブルーノーと彼は親友なんだろ?)
エル: (戻らせなきゃ )

アル: (そう聞いてるね)
アル: (でも、素直にきくかなぁ?)

エル: (兄者が説得するのさ

アル: (それ無理、俺は傍観者だから)
アル: (説得は英雄の仕事)
アル: (俺はそれを語る)
アル: (結果がどうであれ…ね)

エル: じゃあ、やはり俺は楽器か

アル: エルはエルのしたいようにするのがいいと思うよ

●フンディンの選択

*フンディンは一人、傷ついたドロウの元に戻ってきていた。そこへスキールニルがやってくる。

フンディン: ……

スキールニル : どうした
スキールニル : やらないのか?

フンディン: …
フンディン: …(まだ…生きてる…のか…

スキールニル : 報告に行って
スキールニル : ドワーフがここに来たとしよう
スキールニル : そいつが撃たれて死ぬかもしれない

フンディン: …

スキールニル : 今殺すのがコイツのためかもしれないな
スキールニル : 楽に殺してやれる
スキールニル : お前のやりたいようにするといい

フンディン: ………

フンディン: ……

スキールニル : ・・・・決断できないか

フンディン: …行こう、スキーニー

スキールニル : どうする気だ?
スキールニル : こいつは生かしておくのか

フンディン: ドリッズトどのに
フンディン: 言われたからじゃないんだ
フンディン: ……こうして傷ついて
フンディン: 苦しんでいるのが
フンディン: 例えドロウであっても
フンディン: …それを見ると…父上のことを思い出してしまって…
フンディン: そう考えると刃は下ろせない
フンディン: 下ろせないんだよ、スキーニー

スキールニル : ならばこのドロウは
スキールニル : 将来のお前の姿だな

フンディン: …

スキールニル : その甘さが死を招く
スキールニル : 場合によっては・・・友の命も・・・

フンディン: そうならないように
フンディン: 強くなるよ


*スキールニルは肩をすくめて、ドリッズドの元に戻るフンディンの後を追った。

フンディン: …ドロウはもういませんでした

アル: そうか

フンディン: 傷の治りが予想外に早かったようです

ドリッズド: 感謝する

フンディン: 感謝?
フンディン: 勘違いしないで下さい!
フンディン: あなたに言われたからどうこうするわけではありませんよ!
フンディン: わたしが
フンディン: ムンディン・アイアンビアードの息子フンディンが
フンディン: 己の名のもとに決めたことです
フンディン: あなたに感謝されるいわれはありません!

アル: フンディン…

ドリッズド: そうか。わかったよ…

フンディン: …帰りましょう

スキールニル : アホもここまでくると見上げたものだが
スキールニル : よく決断したな

ドリッズド: 一つ頼みを聞いてくれ

フンディン: ?

ドリッズド: これを


*ドリッズドは小さな白い彫刻の首飾りを取り出すと、フンディンに渡した。ホールの仲間、レギスの作ったナックルヘッドトラウトの骨で作られたアクセサリーだ。

フンディン: これは?

ドリッズド: ブルーノーに見せれば信用してくれるはずだ

フンディン: あなたは一緒に来ないのですか?

ドリッズド: ドリッズドは己の信ずる道に従って、少し君の元を離れると伝えてくれ

スキールニル : ドロウのことがあるから立ち去ろうっていうのか

フンディン: しかしそれではきっと…

スキールニル : あんたを狙ってたみたいだが

フンディン: 王はお悲しみになりますよ

ドリッズド: あのドロウが動けるようになったらアンダーダークまで連れて行く
ドリッズド: そこから街までたどり着けるかは、彼次第だが

スキールニル : ・・・・

フンディン: …

スキールニル : そこで戦いになったらどうなる?

ドリッズド: 私は、彼の腕前なら戦いは避けられる

フンディン: …それが済んだら
フンディン: ミスリルホールへきっと戻られますね?

ドリッズド: もちろん

フンディン: ブルーノー王のもとへ戻られると
フンディン: 約束してください

ドリッズド: 約束する

フンディン: …ではわたしの申し上げることはもう何もありません

アル: さぁ、帰ろう!

フンディン: 帰りましょう、皆さん

スキールニル : というより

エル: うん

スキールニル : 泳ごう、だな

アル: …

ドリッズド: それでは、
ドリッズド: フンディン・アイアンビアードとその仲間たち
ドリッズド: またいずれ、会うこともあるかもしれないな

フンディン: 大地の王モラディンがかすかの時なれどあなたの道を祝福しますように


*ドリッズドは手を振った。フンディンが祈りの言葉を返し、少し進んでから振り返ると、もうそこにドロウの姿はなかった。

●ブルーノー王との会見

スキールニル : 妙なヤツだ

フンディン: …

スキールニル : 世の中広い

アル: いい人だと思うよ、俺は

スキールニル : いろんなやつがいるな
スキールニル : 俺は悪いやつだとはいってないぜ
スキールニル : だが妙なヤツだ


*その後、対岸においてきたオッドアイがゴブリンに盗まれるなどの騒動はあったものの、一行は無事に一層まで戻ってきた。まずブルーノー王に会わねばならない。フンディンは近くの戦士に話しかけた。

フンディン: すみません
フンディン: 少しよろしいでしょうか?

ミスリルホールの戦士: なんだ?

フンディン: おたずねしたいことがありまして
フンディン: ブルーノー王はいまどこにおわせられますでしょうか?

アル: アシモさんの方が先でないかい?

ミスリルホールの戦士: 仮設の本部にいらっしゃる

フンディン: アシモどのも王様も
フンディン: 本部にいらっしゃるはずですよ

アル: 一緒か

スキールニル : 両方一緒にいるんじゃないのか?

フンディン: 先ほどのお話ですと
フンディン: その本部は

スキールニル : 早速いこうぜ

フンディン: どちらへ行けばたどりつけますでしょうか?

ミスリルホールの戦士: ここを真っ直ぐだが

フンディン: ありがとうございます
フンディン: では失礼します

ミスリルホールの戦士: 今忙しいから煩わせるなよ

フンディン: はっ

アル: おっとと


*案内のとおり、通路をまっすぐ進むと仮設の本部が設置されている広間に出ることができた。

フンディン: 失礼します!
フンディン: 緊急のごようにて

アシモ: あなたたちは

フンディン: ご無礼ながらブルーノー・バトルハンマー王に申し上げたき儀ございます

アシモ: アドバールから来た方々ですね

フンディン: おお、アシモどの

アシモ: なにをしているんです、こんなところで

フンディン: じつは、そのう…
フンディン: 話せば長くなるのですが


*言いながら、フンディンはドリッズドから預かったアクセサリを取り出してそれとなく見せる。アシモの近くでイライラした様子の赤毛のドワーフ…ブルーノーはちらっとそれを見た。

ブルーノー バトルハンマー: おい、アシモ、お前ちょっとここにいろ

アシモ: は?

ブルーノー バトルハンマー: お前はうるさいから、ここにいろ!わかったな?

アシモ: は…


*突然のブルーノーの言葉にぽかんとしたアシモだが、命令をうけて頭を下げた。

スキールニル : 面白い男だな

アル: *くす*

ブルーノー バトルハンマー: おい、こっちにこい


*ブルーノーは広間の奥に歩きながら、一行を手招きする。

フンディン: ??
フンディン: ???

ブルーノー バトルハンマー: ぐずぐずするんじゃない


*一行はブルーノーについて奥に進む。広間の奥にも戦士が何人かいたが、ブルーノーに一瞥されると、頭を下げて離れている。人払いをしているのだろう。

ブルーノー バトルハンマー: …

フンディン: バトルハンマー陛下??

ブルーノー バトルハンマー: お前、その首から提げてるのは
ブルーノー バトルハンマー: よく見せろ

フンディン: は、はい

フンディン: 陛下

ブルーノー バトルハンマー: ん、早く言え

フンディン: 実は私どもフェルバールから参った者でありまして

ブルーノー バトルハンマー: まてまて

フンディン: ?

アル: (そこからかよ…)

ブルーノー バトルハンマー: わしが知りたいのはこの首飾りについてだ

フンディン: は、はい

スキールニル : ドリッズトがくれたモンです

フンディン: 話は省きますが、僭越ながら私ども
フンディン: 地下坑道にてドリッズトどのお会いしました

ブルーノー バトルハンマー: あのドロウに会ったのか?やつはいまどこにいる?

フンディン: そして王に伝言を

ブルーノー バトルハンマー: なんだ、それを早く言え


*ブルーノーの大声は、人払いする意味があるのか疑問なほどだ。いちいち食って掛かるような話し方が独特でもある。

フンディン: 「ドリッズトは信ずる道に従い、少しの間君の元を離れる」と

ブルーノー バトルハンマー: なんだと??

フンディン: それだけ申して、あとは私にその首飾りを

ブルーノー バトルハンマー: それだけか?

アル: (やっと覚えたか)

フンディン: けれど必ず王のもとへ
フンディン: ミスリルホールへ戻られるとの約束を交わしました

ブルーノー バトルハンマー: 当たり前だ!


*ブルーノーは怒鳴った。

フンディン: も、申し訳ございません!

アル: *びくく*

スキールニル : (コイツも面白い男だ)

ブルーノー バトルハンマー: うーむ…あの石頭の真っ黒エルフめ!!

フンディン: 出すぎたことをしたとは思いますが…
フンディン: 客人の身であるということに甘えて
フンディン: 皆様がお困りになられているのを見過ごすことが出来ず…


*フンディンが話している間も、ブルーノーはイライラした様子で足を踏み鳴らしながらウロウロしている。実際にはフンディンたちに怒っているわけではないのだが、フンディンは自分がイラつかせているのではと心配になった。

フンディン: うう…

ブルーノー バトルハンマー: くそっ、あのエルフの石頭ならドラゴンも一発だな!!

フンディン: ではお伝えすることは以上です

エル: 君のは人をいらつかせるのさ

スキールニル : うはは

フンディン: 我らはこれにて…

スキールニル : 確かに

フンディン: *しょぼーん*

スキールニル : ・・・っと失礼


*出て行こうとする一行。

ブルーノー バトルハンマー: おい、まて

フンディン: ?

ブルーノー バトルハンマー: 話は済んでおらん

フンディン: な、なんでありましょうか?

ブルーノー バトルハンマー: お前、アシモと気が合うだろ

フンディン: ?
フンディン: アシモどのと…ですか?

スキールニル : あーまだるっこしい話が
スキールニル : お互い好きだねえ

ブルーノー バトルハンマー: あの小僧っ子は、お前とよく似ておる

フンディン: 残念ながら私アシモどのとお会いしたのはまだほんの先日のことでして

スキールニル : 話が長くて日が暮れるんですよ

ブルーノー バトルハンマー: うーむ、まあエルフの事は心配いらん

アル: わ、笑いすぎた…

ブルーノー バトルハンマー: 心配して損したな

エル: (失礼だな、兄者は)

ブルーノー バトルハンマー: わしは帰る。お前らはまた後で、わしのとこに来い

フンディン: は、はい

ブルーノー バトルハンマー: わかったな!?

フンディン: 後日お会いする時にはこのように無礼のないよう
フンディン: ゆめゆめ肝に銘じて参ります・・

ブルーノー バトルハンマー: 眠い。戻るぞ


*ブルーノーはさっさと帰ってしまった。

フンディン: はあ…

アル: うひひひひひ
アル: あぁ面白かった

スキールニル : おもしれえ男だ

フンディン: こしがぬけるかと思いましたよ

スキールニル : 俺と気が合いそう

エル: フンディンとは合わないな

スキールニル : 合わないな


●帰還

*一行は、ミスリルホールのあてがわれた部屋へと戻ってきた。

フンディン: ふう…

アル: 疲れた〜

フンディン: なんとか無事に戻って来れました

スキールニル : 無謀な探検しちまったなまったく

エル: でも面白かった

スキールニル : 俺は寝る

フンディン: 一時はどうなることかと思いました

スキールニル : zzzzzz

アル: さっきの鎧誰が持ってる?
アル: ドロウの

フンディン: (スキーニー、珍しく寝る前のトレーニングも忘れて寝入ってる…)
フンディン: (よほどつかれたのかな)

アル: 分かった!
アル: 見事なハーフプレートだ

スキールニル : いい鎧だなあ

フンディン: これはすばらしいですね

スキールニル : ちょっと着てみるかな

フンディン: あ、スキーニー
フンディン: もう起きたのか

スキールニル : 案外動きやすい

フンディン: そうだね
フンディン: 板金鎧といっても
フンディン: 全身を覆うわけじゃないから
フンディン: その型は
フンディン: だからスキーニーのように攻撃的に敵陣へ切り込む戦士には
フンディン: 向いていると思うよ

スキールニル : この鎧誰かにやるわ

エル: ちょっと細いな

スキールニル : フンディン

エル: 直せないかな?フンディン

スキールニル : 直してやれよ

フンディン: それじゃ余分な部分の継ぎには

フンディン: さっき拾った鋲革鎧を使おうかな…


*フンディンは作業に入る。実際にはサイズのルールはNWNにはないし、そんなにすぐ直せるものでもないと思うが、そこを気にしちゃつまらなくなる(笑)

フンディン: これくらいでどうでしょうか?
フンディン: 寸法はだいたいあっていると思うのですが

エル: ふぁあ、さすが、血は争えない
エル: ピタリだ

フンディン: きつくないですか?
フンディン: よかった

エル: 大丈夫さ


*というわけで、スキールニルはドロウの持っていたハーフプレート+1を、エルはお下がりのハーフプレートをもらった。

エル: どうだい?ドワーフの戦士らしくなっただろ

スキールニル : かなりのつわものに見えるな
スキールニル : 戦利品は売るか

フンディン: さすがに今日は疲れました

アル: 重いから持ってって

エル: 泳ぐと疲れるな

スキールニル : 泳ぐのは気持ちいいぞ

フンディン: 生まれて初めてです

エル: 泳いでる時はいいのだけれど

フンディン: なんだか水からあがると
フンディン: 身体が重く感じますね

スキールニル : 川遊びは楽しかった

フンディン: ふしぎなものです

スキールニル : ガキのころの話だが・・・

エル: 昔溺れそうになって兄者に助けられた事があった

スキールニル : そんなことがあったのか

アル: 忘れたよ、そんなの


*戦利品の整理をし、そんな話をしながら一行は眠りについた。旅の本来の目的、その手かがりはミスリルホールにあるのだろうか…。


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