サヴェッジ・フロンティアDR1235
第一章 オーク、来る
「トラン家の人々」
●森へ
オークの襲撃を乗り切った村人たち。
しかし謎は残されたままだ。
ひとまず警戒態勢を継続することになった村で、一行はまだ避難してきていないトラン一家の様子を見に行く事となった。
ザク: …というわけで
ザク: お前さんたち、よろしく頼むぞ
ハンベイ: さて、どこだったか?
イノーラ: 森の中だろ
リック: わかった
ザク: ああ、そうだ
ザク: 門の鍵を渡しておこう
グロック: むにゃむにゃ
グロック: もうたべられまへん
リック: グロック
ダーマン: どこの方言でしょう…
リック: グロック、おきろよ
グロック: ごはん?
リック: 出発するよ
グロック: おーがいしょく、てやつだな
リック: ?
グロック: そとにたべにいくんでしょ?
リック: オーガ移植??
二人は放っておいて、ザクは鍵を差し出す。
ザク: これが門の鍵だ
ダーマン: 預かりました
ザク: それと…
ザク: もし補給が必要なら倉庫に寄っていくといい
ザク: 何があるかわからんからな
ザク: 準備はしっかりしていってくれ
リック: といっても特に必要なものはないな
ダーマン: 治療具などあれば持っておいた方が
イノーラ: 矢はまだあるな
ザク: じゃあ、頼んだぞ。なるべく早くな
ところでプレイヤーにとって目的地は初めての場所だが、キャラクターにとっては行ったことがあるか、もしくは想像できる範囲なので行き方などを説明しておく。また、村人であるPC達が知らないとおかしいような事は聞かれた段階で答える事を伝えておく。
リック: それじゃ準備はいいかな
ダーマン: ええ
イノーラ: いいぞ
グロック: なにしにいくかしらないけどいいぞ
●トラン家
一行はファーフォレストまでやってきた。
村を出たとき曇っていた空からは、雪が降ってきている。
リック: だいぶ降ってきたかな
ダーマン: 急ぎましょう
リック: えーと…
リック: どっちのほうだったかな…
グロック: りっくおぼえてないか
リック: どうもこのあたりは覚えられないんだよなあ
とか言いながら歩いていると……
ダーマン: む
ハンベイ: む?
イノーラ: 待って
リック: ?
ダーマン、ハンベイ、イノーラの3人が何かに気が付いたようだ。
今回はダイスパック(手動で能力値/スキル判定などするツール)は使わずに、特定エリアにPCが入ると自動的にスキル判定して、成功した人にだけメッセージを見せるスクリプトを使っている。
イノーラ: オークの足跡だ
ダーマン: 東に向かうオークの足跡が
リック: へっ?
リック: どこ?
ハンベイ: 東に向かってるな
ダーマン: ここから東に。
リック: 東っていうと
リック: あっちかい?
ダーマン: 道を外れてますね
イノーラ: 追うか?
イノーラ: 私が偵察してきてもいいけど
ハンベイ: いや、安否のほうが先だろう
リック: トラン家は南のほうだと思うんだけど…
PC一行が足跡を発見した場所を横切って東に向かうオークの足跡。
しかしトラン家はリックが言うように南の方角なので、方角的には関係ない。
リック: どれくらい前の足跡かわかる?
イノーラ: 半日以上前だな
イノーラ: 追っても仕方ないか
グロック: すべった
リック: 大丈夫、グロック?
グロック: おれ、ゆきだるまだ
イノーラ: 先に進もう
一行はこの足跡を無視して先に進んだ。
ちなみにこの足跡は今回のシナリオ的には、本当に無関係な寄り道で、辿っていくとオークの一団が野営しているのを発見できる。
ある特殊なアイテムが設置してあって、もし取得していたらそれに関係するイベントを用意する予定があった。
リック: !!
リック: 足跡だ!
ハンベイ: む?
リック: オークの足跡が集団で
リック: トラン家のほうに向かってるみたいだよ!
リック: 急ごう!
ダーマン: それはまずい
イノーラ: 遅かったか
イノーラ: 足跡は…七体ぐらいいるんじゃないかな
ハンベイ: 急いだほうがいいかもしれん……
グロック: あせるよくない
しかし駆け出すリックに引っ張られる形で先を急ぐ事になった。
なお、人数まで把握できたのはイノーラだけで、そもそも発見できなかったのはグロックだけ(笑)
リック: !
リック: あれは!!
森の開けた場所に佇むトラン一家の家。
そこには数体のオークが略奪行為をしていた。
駆けつけたリックが敵を発見した時、敵もまたリックを発見したためそのまま遭遇戦に突入した。
リック: この!
敵オークは弓兵と両手用斧を持った戦士系である。
このゲームでは両手武器のクリティカルヒットは、特にHPが低い序盤では即死の危険性もある。
ほとんど命中しないはず、という実力差があっても偶然のクリティカルヒットで殺されたりすることもあるのでDMは序盤両手武器を持たせるのは慎重にすべきだ。
実際このときはハンベイにクリティカルヒットが当たってしまって危なかった(笑)
リック: ヘンベイ!
リック: 大丈夫?!
仲間のサポートでハンベイは事なきを得、一行は敵を倒した。
この頃になってくるとゲーム的な意味でもパーティーにまとまりが出てくる。
グロック: おれおーくたおしたっ!
グロック: あそこにいたやつたおしたっ!
リック: すごいじゃないか、グロック!
グロック: おれがんばった
リック: それにしても…変なオークだった
リック: 急に気を失ったように立ちすくんだり
リック: グーグー寝たりしていたように見えたんだけど…
何度も言うが、リックはグロックが魔術師であることを知らないので(以下略)
リック: それにしても…
見事なまでに荒らされているトラン家。
ドアは突き破られ、家財道具なども窓から放り出されていたり、家の中もめちゃくちゃである。
イノーラ: …徹底的に荒らされてるな
敷地内を捜索する一行だが、トラン家の人間は見当たらない。
リックはふと目に留まったメモ書きに気になる一文を発見した。
リック: チーズの中にいるネズミの気持ちがわかるかい…
リック: これ、もしかして
グロック: ん?
グロック: チーズ?!
グロック: ちーずどこ
リック: チーズじゃあないよ、グロック
リック: 山だ
トラン家からもう少し森に入ったところに小さな岩山がある。どういう成り立ちかは不明だが大小様々な洞穴が(ネズミくらいのものから人が通れるくらいまで)ぼこぼこと開いており、その外観からリックやロウラン達は「かじられチーズ山」と呼んでいる。
グロック: やまのよーな
グロック: ちーず!
リック: もしかするとロウランはあそこへ避難したのかな
ダーマン: ふむ。と言う事はこの家の誰かがまだ生きていると見ても良いですね
リック: 行ってみよう!
ダーマン: ええ
●かじられチーズ山
一行はリックの先導で「かじられチーズ山」が見えるところまでやってきた。
今までの経験から、かなりの数のオークがこの付近に入り込んでいることがわかったため、警戒しているのか足跡を捜索する。
イノーラ: ないみたいだぞ
ダーマン: なさそうですね
ダーマン: まだこの道にはオークは来てないと思いますよ
グロック: なにしてるりっく
グロック: ちーずまだか
リック: とりあえず行ってみるしかなさそうだ
実はこのとき、ハンベイはオークのものと思しき足跡を発見していた。
が、自信が無かったので黙っていた。(というかその辺のやり取りを裏でDMとしている間に進行してしまった)
ハンベイの捜索はダイス1だったので逆の結果を伝えたわけだが(笑)
リック: あぶない!
突如聞こえてきた羽音に警戒したリックが見ると、崖の上から赤く目を光らせた大きなカラスが集団で襲い掛かってきた。
素早い動きで突っついて来るが、武器で叩き落とす。
グロック: おーこんばんのおかずだ
イノーラ: …羽むしったら駄目かな
カラスを撃退したリックは、山の陰から足が出ているのが見えた。
リック: これは?!
ダーマン: ゴブリンですね。絶命してます
リック: びっくりした…子供かと一瞬…
ゴブリンの死体を調べる。
リック: 何かで切り裂かれているようだけど
リック: 獣のしわざかな…
グロック: けものいっぱいだぞ
ダーマン: うーん
ダーマン: にしては切り裂かれたような感じです
ハンベイ: 牙か武器か……
リック: うーん…
グロック: りっく、かんがえるいいぞ
ダーマン: あの場にいたのは鳥ですしね
結局、考えても分からないので先に山を調べる事にした一行。
ちなみにこの死体は、山のどこかに鋭い爪を持つ猛獣(正体はクラッグ・キャットだがそれと分かるヒントまでは出してない)がいる事を教えるつもりで置いたのだが、単に警戒心を煽るという意味もある。
リック: 足跡?
ダーマン: 足跡
無数にある洞穴のうち、一つの入り口で足跡を発見した。
イノーラ: 中にいるんじゃないか?
ダーマン: ブーツではない…少なくともトラン家の人じゃないのか
リック: ゴブリンかな
リック: あっちにもいたし
グロック: ごぶりん
イノーラ: じゃ、中に入る必要はないだろう
リック: でも気になるよ
リック: ロウランやトラン家の人たちが
リック: もしかしてこの洞窟に隠れていたところにゴブリンが押し寄せた…ということもあるかも知れないし
ダーマン: 問題はさっきまで雪も降っていた事ですよね
ダーマン: 人の足跡は消えてしまっただけという可能性も…
グロック: ごぶりん・・・
グロック: ちーずなくなるかも!
ハンベイ: いる可能性は十分にありか
リック: 捕まってしまっている可能性も…
リック: 一応調べてみたほうがいいと思うんだけど
ハンベイ: 覗いてみるか
イノーラ: 好きにしろ
ということで洞窟に踏み入る。
入ってすぐの広くなったところに、ゴブリンが3体ほど火の回りでゴロゴロしている。
まだ一行には気が付いていない様子だったが、そのまますぐに眠り込んでしまった。
リック: ??
リック: グロック、なにか言った?
グロック: ねむれいった
グロック: そしたらねむった
リック: ???
リック: オーク語かい??
グロック: ちがうことば
リック: ???
リック: よくわからないな
リックはグロックが(以下略)
グロックのスリープでゴブリンたちは眠らされた。
イノーラ: 奥がありそうだな
ダーマン: こんな入り口でキャンプしてると言う事は追いかけたりしてる訳じゃないのかも
ハンベイ: 偶然ということもありうるが
リック: そうか、そういわれればそうかも
イノーラ: 奥も見るのか
一行はさらに奥へと続く通路に入っていく。
くねくねとした狭い通路を進んでいくと、出会い頭に何かと遭遇した。
リック: !
コボルド: わー、こうさんする! おれ、小さくて弱い生き物!!
何をする事もなく、その何か(コボルド)は降参して武器を放り出し、両手を挙げた。
リック: ここで何をしている?
コボルド: 仲間からはぐれて、連れてこられた。ごぶりん、おれをドレイにする言った!仲間のところに帰りたいよー。
リックは逃走されないようにコボルドの腕を掴んだ。
リック: 他の人間を見たか?
コボルド: 見てないよー。
コボルド: ごぶりん、ここに住む事に決めたと言ったよ。すぐ近くのことだよ。あなたたち、ごぶりん殺して。おれ、仲間のところに帰れるよ。
ハンベイ: おびえきっているな、うそをつく余裕はなかろう
コボルドの様子を見てハンベイはそう判断したが、グロックは違うようだ。
グロック: しんじるのかりっく
グロック: こぼるど、わるいいきものだぞ!
リック: でもヘンベイは確信があるみたいだよ
ダーマン: まあ概ね信じて良いんじゃないですか?
グロック: ・・・おれあたまいいの、みんなしらないんだ
リック: さすがに…無抵抗の奴を捕まえて拷問なんかするのもかわいそうだよ
イノーラ: 私はどっちにしろ殺しておくべきだと思うが
リック: イノーラまでそんなこと…
ハンベイ: 戦意もないやつをか?
リック: でもゴブリンのことはともかく
リック: 人間は見ていないということは、ロウランたちはここへは来ていないということかな
ハンベイ: もしくは奥まで見ていないか
グロック: うそかも
最初のやり取りの直後、コボルドが嘘をついていないか見抜こうとする判定をしていて、結果グロックが大失敗したためDMからプレイヤーに「コボルドが嘘をついていると確信できる」というような事を言ってある。逆にハンベイはかなり高い数値で成功しているので「嘘をついていないと確信できる」と告げている。他のPCも普通に成功しているので「たぶん嘘はついてないと思う」という結果を伝えた。
その結果このようなやり取りになっているわけだが、それは置いといても、それぞれのキャラクター性が出てきてこういう場面は楽しい。
また、D&Dにはアライメントというキャラクターの善悪観を表すパラメータがあり、こういう場面でどんなロールプレイをするかの指針になる。
ダーマン: ふうむ。では武器だけ奪いましょう。それでどうです?
グロック: いりぐちのたる、つめる
グロック: おとなしくなる
リック: …まあどうしてもっていうなら仕方ないけど
リック: あんまり手荒なことはやめようよ
イノーラ: 妥協案だな
ダーマン: では悪いですが武器を渡して下さい。それと次に私たちがくるまで樽にいてもらいます。それで良ければあなたの命を奪いません。
グロック: くうきのあな、あける、それでしなない
コボルド : さんせい!
リック: うん、たるの中にいればゴブリンにも見つからないよ
コボルド: 帰るとき、だしてくれる?
ダーマン: ええ、お約束しましょう
コボルド: じゃあ中にいるよ〜
コボルドは助けてもらえるものと信じて近くにあった樽の中に自発的に入った(笑)
リック: 念のためおくまで見てみようか
ダーマン: そうですね
一行はさらに奥へと進む。
リック: ずいぶん長いな
リック: !
一番奥の少し広くなったところに、ゴブリンが数体、生活していた。
ゴブリン側が不意を撃たれた格好だが、これはコボルドを上手く処理していたため。
戦闘は一行に有利な形で始まり、ほとんど被害なく倒せた。
リック: かたづいたか…
リック: それにしてもずいぶん古い設備だ
ダーマン: ずいぶんと古い設備ですね
ハンベイ: 鉱山かなにかだったのか?
ハンベイ: ずいぶん古そうだが
そこには昇降機の成れの果てらしき支柱や、大きな縦穴があり、それらはゴブリンが作ったものとは思えない。
リック: ゴブリンはここを住処にしようとしていた…とかいっていたけど
リック: さっきの奴
グロック: ちーずまだかりっく
ダーマン: まあなんにせよ、ここにトラン家の人間はいません
イノーラ: とりあえず、外に戻ったらどうだ
リック: そうしよう
リック: ヘンベイ?
ハンベイは縦穴を調べている。
ハンベイ: ふむ、ここに逃げ込んだということもなさそうだ
リック: ああ、なるほど
リック: いこう
グロック: きれいないしひろった
グロック: あげるよ
イノーラ: ありがとう
一行は外へと戻る。途中で樽からコボルドを出してやる。
イノーラは面白くなさそうな顔だ。
コボルド: ありがとう、ニンゲンたち
コボルド: お礼にこの肉は食べてもいいよ
どこからか取り出した謎の肉塊(一応焼いてある)を差し出す。
リック: い、いや、遠慮しておくよ…
リックは断ったが、グロックはそれを拾い上げると食べてしまった。
リック: グロック…
リック: おなかこわしても知らないぞ
グロック: うまいうまい
グロック: やくとこわさないぞ
グロック: りっく、ものしらないな
リック: 焼いても死なない虫もいるんだよ
グロック: おー
グロック: そんなむしたべたら、つよくなるな
ダーマン: もう一つ聞きたいんですが、ゴブリン達はこの穴だけにすんでいるんですか?
コボルド: たぶんそう…
コボルド: 違う穴いったことないの
ダーマン: ふむ
ハンベイ: 他の場所に逃げ込んだか……
ダーマン: では別の穴を探しますか
これ以上聞けることもなさそうなのでコボルドを解放する。
コボルド: おれ、いくよ
コボルドは去っていった。
一行も洞窟を出て、山の捜索に戻る。
リック: !
リック: あぶない!
小さな洞窟を覗いたりしつつ捜索していた一行は、ちょうど小川の岸で熊さんと出会ってしまった。
恐らく冬眠から醒めたばかりであろう熊は一行に襲い掛かってくる。
ゴブリンなどよりよほど強い(個体としては)ので、多少苦戦しつつ撃退する。
リック: お
リック: グロック
リック: 見ろよ、ほら
リック: 熊がとってたんだ
リック: あとで食べよう
熊がいた岸の近くには、魚が上げられていた。
リックはさっさと拾っていくが、ハンベイは微妙な表情だ。
リック: ここにもどうくつが
さらに進んだ先で見つけた洞窟は、他と比べて中が広く奥まで続いているようだ。
一行はひとまずここで休憩する事にして、火を起こして食事を取る。
グロック: くったらねむくなったよ
グロック: おれねていいかりっく
リック: ん
リック: がまんできないなら仕方ないな
リック: 手短にすませろよ
直前の戦闘でレベルアップしていたので呪文を準備し直したいのだろう。
ところで呪文を準備する時は呪文書を読んだりしているはずだが、その様子でリックは気が付かないのだろうか?
●トラン家の人々
数時間ほど休息を取った一行は捜索を再開して洞窟の奥へと向かう。
ダーマン: 鉄格子
通路の奥は鉄格子で塞がれている。
リック: なんだろう
リック: こんな場所に
鉄格子には鍵が掛かっていて、開ける技能の持ち主もいないので武器で壊す。
リック: !
リック: いてっ
グロック: ?
ハンベイ: 罠だって、遅かったか
狩人が獲物を取るのに使う罠が鉄格子の向こうには仕掛けられていて、リックがそれにひっかかった。
ダーマン: その右にもあります!動かないで
ダーマンやハンベイ、イノーラは罠が見えるらしいが、リックたちは見えないようだ。
罠を避けたり、ひっかかったり(笑)しながら一行は奥に進む。
山の縦穴に出たり、下りたり上がったりしながら進んでいくと、かなり広い洞窟に出た。
洞窟には木製の扉が取り付けてあったり、松明台には松明がかけられたりしている。
明らかに人の手が加わった様子に安心したリックが入っていくと、突然ドアが開いて武器を持った人間が飛び掛ってきた!
リック: あっ
ロウラン : あっ
すんでのところで、武器を止めるロウラン。
リック: ロウラン!
ロウラン : みんな!
リック: 無事だったんだね!
ダーマン: よかった
グロック: ちーずくえるか
ロウラン: よかった、ついに来たかと
リック: よかった、心配したんだよ
ダーマン: 怪我などありませんか?他にも人はいますか?
ロウラン: おれたちは大丈夫だ。みんな無事だ
ロウラン: まさか助けに来てくれるとは思ってなかった
グロック: さしいれだ
グロック: さめてもうまいよ
さっきコボルドにもらった肉の残りを差し出す。
ロウラン: …なんの肉だよ、これ
あっさり拒否するロウラン。食べ物には困っていないらしい。
リック: おいグロック…
リック: その肉はやめなよ
グロック: くわないのか
リック: おなかこわすったら
グロック: んまいのに
ダーマン: 村の方も襲われましたが、なんとか無事です
ロウラン: !
ロウラン: やっぱり村にも…
ロウラン: 村のほうはどうだ?
リック: 大きな襲撃があったんだけど
リック: いまのところみんな無事だよ
リック: みんなで撃退した
ハンベイ: みんなとはいいがたいが
ダーマン: 門や壁に傷が付いたくらいですね
ロウラン: そうか…うちは…いや、たぶんここに来たってことはうちにおいたメモを見たんだよな?
グロック: おーくいっぱいいた
ロウラン: うちは駄目だ。あいつらものすごい数がいたんだ
グロック: おれもつよいおーくやっつけた
ロウラン: それでここに逃げてきた。
リック: 連中はロウランの家を狙っていたのかい?
リック: それとも通りすがっただけだったのかな
ロウラン: …どうだろう?
ダーマン: ふむ
ダーマン: 通りすがりというのは正解かも。ほら東に延びていた足跡
ハンベイ: かもな
そこへロウランの父親が現われた。
トラン: たぶん
トラン: 通りすがり…だと思うが
リック: あ!
トラン: あいつら、俺たちを追うよりも
トラン: うちにあった食べ物に飛びついていた
トラン: 恐らく飢えていたんだろう
リック: なるほど…
リック: でも結果的にそれが幸いしましたね
トラン: ……
リック: ?
トランの沈黙に何かあると見たのか、リックのPCがトランの様子を調べる。
が、特に何も分からなかった。
ハンベイ: 生餌にならなくてよかった
ロウラン: とりあえず、こちらに
リック: (気のせいかな…?
案内されて洞窟の一室に通される一行。
そこにはロウランの姉と弟が隠れていた。
テーブルやカーペット、毛布などもあるので思い思いに楽な姿勢をとる。
ダーマン: 意外に用意がいいですね
ロウラン: 親父が去年から、ここを隠れ家にしようって準備していたんだ
ロウラン: とりあえず、ここで休んでくれよ
グロック: うん、みんならくにするいいぞ
リック: グロックがいうことじゃないって…
グロック: ・・・そうか
グロック: むつかしいな
ロウラン: それで、みんな揃って俺たちを探しに来てくれたのは
ロウラン: まだオークが来るってことなのか?
ハンベイ: さぁ、それはわからん
ロウラン: うちに居たやつらはどうしたんだ?
リック: お前の家にいた奴らはやっつけたよ
ダーマン: 残りは東に向かったようですがなんの目的かは不明ですね
リック: とりあえず、村まで来ないかい?
ロウラン: …そうだな、ここの蓄えでも夏まではなんとかなりそうだけど
リック: そんなにあるのか
ロウラン: 村にいたほうがいいかもしれない
ロウラン: ザクがそう言ってるのか?
ダーマン: 流れてきたゴブリンが住み着いてましたし、あまり良い隠れ家ではないですね
ロウラン: よし、それじゃあ村に行こう、親父、みんな、準備を…
と呼びかけるロウラン。しかし……
トラン: …おれはいかんぞ
ダーマン: は?
トラン: ここに隠れていれば大丈夫だ。村に行く必要があるのか?
リック: みんなで一緒にいたほうが安全ですよ
ダーマン: 安全性で言えば村にいる方が高いですね
ロウラン: そうだよな!
ロウラン: …なに言ってんだ、みんながわざわざ来てくれたのに
ハンベイ: 夏までここにいて外に出たらオークしかいなかったなんてことになるかも知れんぞ
トラン: いや、おれは行かない。
トラン: ここにいて、そのうちほとぼりが冷めれば家に戻れる
トラン: 村なんて、ほんとうにオークがまだまだ来るなら一番の目標じゃないか
リック: そ、それは…
リック: 確かに、そう…かも知れないけど…
トラン: ここのほうが安全だし、
グロック: じゃみんなでここくればいい
グロック: おれあたまいいな!
トラン: おれはおれの土地から離れたくない
トラン: ここまでどれだけの苦労があったと思ってるんだ!
ダーマン: ここもあなたの地所なんですか?
ダーマン: まだ開拓されてないようですが
トラン: 今はまだそうとは言えないが
トラン: 将来的にはそうだ
トラン: とにかく!おれはここから離れたくないんだ!
リック: (こまったな…
ダーマン: まあ、それなら問題ないじゃないですか。ここを開拓しようという意志のある人はおそらくあなただけです
ハンベイ: いったん離れたからといってすべての権利がなくなるわけでもあるまいに
しかし二人の言葉には聞く耳持たず、トランは部屋から出て行った。
イノーラ: 無事は確認したんだし、好きにさせてやれよ。それで死ぬのはトランの勝手だろう
ロウラン: …
リック: でもロウランだって親父さんを置いてはいけないよ
ロウラン: …ちょっとまっててくれ
そう言うとロウランは姉と弟と共に父親を追って部屋を出た。
グロック: じゃあごはんにしよう
グロック: だれかやいてくれ
外で拾った魚を取り出す。
イノーラ: まず鱗をはがないと駄目だぞ
グロック: へえ
グロック: おれりょーりにがてだ
リック: 調味料がないな
ダーマンが荷物から小袋を取り出す。
ダーマン: と言っても塩ですが
ハンベイ: 魚は塩焼きがいちばんうまい
魚を焼いたりなんだりしていると、洞窟にロウランの怒声が響いた。
ロウラン : わかったよ!もうわかった!ならここで野たれ死ねばいいさ!
ロウラン : あばよ、頑固親父!
リック: ん
ダーマン: あー…
ハンベイ: 騒がしいな
グロック: またけんかだ
怒りに足を踏み鳴らしながらロウランが一行のいる部屋にやってきた。
リック: ロウラン
ロウラン : …
リック: やっぱり…?
ロウラン: すまない、準備するから待っててくれ
リック: いいけど…
ロウラン: オレと、兄弟は村に行く
リック: 親父さんはいいのかい?
ロウラン: いいんだ!
リック: ちょ、ちょっと待てって
リック: それじゃ親父さん一人きりじゃないか
ロウラン: 知るもんか
ロウラン: それでも行かないっていうんだからな
ダーマン: なんでここから離れたくないか聞きましたか?
ハンベイ: 実際聞いてなくても心当たりでもいいんだが、なにかないか?
ロウラン: 理由なんて知るものか。
ロウラン: 昔からただ、他人の意見を聞くのが嫌なだけさ
リック: うーん…
リック: (どうもロウランはしょっちゅう親父さんとけんかしてるみたいだし…
リック: (話にいかせたのは失敗だったかなぁ
そこへ、ロウランの姉マシェリが弟マルドを連れて現われる。
マシェリ: ロウラン
マシェリ: 悪いけど、マルドを連れて行っておくれよ
ダーマン: そうですね。せめてマルド君は連れて行かないと
ロウラン: ねえさんは?
マシェリ: 親父が残るというのなら、あたしも残るしかないだろう
マシェリ: 一人にはしておけない
ロウラン: …なんでさ?
マシェリ: 親父ももう若い頃とは違うんだろうさ…いまさら流浪の生活はもう疲れてしまってうんざりなんだよ
ダーマン: ここも村にいるのとそう違わない気もしますが
リック: なんとかして説得はできないかなあ
ロウラン: 説得なんて無理だ。とにかく、おれは準備するから
ロウラン: ねえさんも、準備してくれよな
リック: 困ったな
リック: おい、ロウランってば
意固地になっているロウランは、リックの呼びかけも無視して準備のために自分の部屋に向かう。
マシェリ: …
リック: まあ大丈夫だとは思うけど…
ハンベイ: ほんの目と鼻の先だというのに、
マシェリ: …親父があそこにこだわっているのは間違いない
リック: あそこ?
ダーマン: あそこ?
ハンベイ: なにか?
マシェリ: 理由は知らないけど…あの土地になにかこだわりがあるみたいだ
ダーマン: あの廃坑ですか?
マシェリ: いや、あたしらの家さ
ダーマン: ???
リック: 家に??
マシェリ: あの家から離れたくないようなんだ
リック: なんなんだろう
マシェリ: どちらにしてもオークがいたら戻れないってのに…
リック: (特に何も見当たらなかったような気もするけど…
ハンベイ: ここにいても村にいても離れてることには変わりあるまいが……
マシェリ: 言い出したら聞かないからさ…ロウランもだけど
リック: ほんと、よく似た親子だよ
ハンベイ: 背中を見て育つもんだ
マシェリ: とにかく、あたしたちがここにいる事と
マシェリ: ロウランとマルドだけでも村でかくまってもらえれば
マシェリ: なんとかなるとは思うけど…
ダーマン: ふうーむ
マシェリ: ま、もし親父を説得できたら最高だけどね…
リック: なんとか…やるだけはやってみるかなあ
ダーマン: …ロウラン君、明らかに説得なんかしてないですね
グロック: けんかだきっと
リック: あんまり自信はないけど
リック: 話してみよう
リックたちはトランの部屋に向かう。
トランを腕を組んで壁を睨んでいる。
リック: トランさん
トラン: …なんだ
リック: 話があるんです
トラン: …
リック: 何があるのかはあえて聞きませんが…
リック: やっぱり村のみんなと一緒にいたほうがいいですよ
リック: どちらにしてもオークがいなくなるまでは
リック: 家にも戻れないんだし
トラン: …
リック: それなら少しでも安全な場所にいたほうがいいでしょう
トラン: 村が安全という保障があるのか?
ダーマン: ここよりは安全である可能性は高いですよ
リック: それは… 保証はできないけど、
リック: こんなところにいたら、オークがいなくなったかどうかだってわからないじゃあないですか
ハンベイ: ここにいて、いつになったら安全になったとわかる?
トラン: 俺たちはずっと森で暮らしているんだぞ。外に偵察に出るくらいはできる
リック: こんなところに一人や二人きりで残っていて、オークが大軍で攻め寄せてきたらどうしようもないじゃあないですか
ダーマン: 正直に言えばここは腹ぺこのクマでも迷い込めば終わりです
グロック: くまー
ハンベイ: ふむ、そこで下手を打って死んでしまったら、このとちがどうこう言う必要もなくなるな
リック: ロウランはああいう奴だから
リック: ちゃんとは言わないけど、トランさんのことを心配してるんですよ
ダーマン: それにあなたが家族を大事に思うようにあなたの家族もあなたが大事なのですよ
トラン: …
トラン: おれはあの家を取り戻したいんだ…少しでも早くに
トラン: 村に行ったら、村の仕事を手伝ってしまって戻るに戻れないかもしれない…
リック: それならなおさらですよ
トラン: それに、村のほうが安全という意見にはまだ納得はできない
リック: 村も襲撃を受けて
リック: いや、それは撃退したんだけど
リック: オークたちはどうやら
リック: 何かの狙いがあって、北からずっと来たらしい…ということがわかったんです
リック: いまその目的を突き止めるために手分けして調査をしているんだけど
トラン: …狙いってなんだ
リック: *肩をすくめる*
リック: でも村にいればそういう情報だっていちはやく手に入るし
リック: それがわかればトランさんが家に帰れるのだって速くなるかも知れない
トラン: 馬鹿らしい、やつらには目先の欲しかないさ
ダーマン: 今回はそうでもないようなんですよ
リック: 話によると、ずっと北の
リック: ええと…どこだったっけ、
ハンベイ: 目的を探るにも手も足りないしな
ダーマン: 世界の背骨山脈の中心あたりらしいですね
リック: そのあたりからずっと遠征してきたという話もあるんです
トラン: それこそ馬鹿らしい。そんなわけがあるか!
トラン: スパインからここまで、途中に何があるか知ってるのか?どれほどの距離かも?
リック: 目先の欲でそんな遠くからわざわざやってくるなんてありえないですよ
ハンベイ: ありえない話ではあるが、物証がでてしまってはいかんともな
トラン: そんな大遠征をしてくるなんてありえんな
リック: 村まで来ればちゃんと証拠の盾もあるんですが
グロック: これかりっく
グロックが証拠の盾を取り出して見せる。
といってもその意味を、トランは見ただけで分からないので一瞥しただけだ。
ハンベイ: っていうか、持ち歩いてたのか
グロック: これおれのせんりひん
ダーマン: 持ってきてたんですか
トラン: …とにかく、オレはいかない。村にいくより、ここにいたほうが早く家を取り戻せると思うからな
説得不能と見て退散する一行。
ダーマン: うーん。困りましたねえ
グロック: なにこまる?
グロック: このひとのこる、おれたちかえる
グロック: もんだいなし
リック: 問題あるよ
ダーマン: トランさんはここを動きたくないそうです
イノーラ: もういいだろ、決めたことはやらせてやれよ
グロック: なぜもんだい?
リック: いない間にオークやゴブリンや熊が来たら、まずいだろう
グロック: そしたらたたかういいぞ
グロック: かてばいきのこる
リック: 勝てなかったら困るじゃあないか
グロック: そしたらしぬ
グロック: でもおれこまらない
ダーマン: 起きてる時なら良いですが1人ではずっと起きてる事も出来ませんよ
リック: 死んじゃったらロウランが悲しむだろう
グロック: おれべつにかなしくないな
リック: グロックだって父さんや母さんが死んじゃったら悲しくないの?
グロック: もういない
グロック: だからかなしくない
グロック: おやじきらいだ
グロック: おれがころしたもんね
リック: へっ???
グロック: おやじきたないおーく
グロック: しんでとうぜん
リック: あ、ああ…
リック: そういえばそうか…
リック: 弱ったなあ
ダーマン: …とりあえず、グロックさんの家庭の事情はまたあとで
グロック: あまりここいると
グロック: むらにおーくくるぞ
リック: それも心配だ
グロック: だからいまからかえる、いちばん
リックは再びロウランの部屋に向かう。
ロウランは鎧を身に着け、荷物をまとめている。
リック: ロウラン、本当にいいのかい
リック: これっきり親父さんと最後になるかも知れないんだぞ
ロウラン: いいんだよ
ロウラン: 知るか!
ダーマン: 仕方ない。一度戻ってあらためてまた来てみるという所でどうです?
ダーマン: どうも双方、頭に血が上っているようだ
リック: …
ハンベイ: しかし、ここにこもってる間に誰かが不心得を起こして土地を横取りする可能性もあるかもしれんな
ハンベイ: 近くで見張ってたほうがいいんじゃないのか?
ダーマン: これだけの証人がいる所で土地をだまし取れるとは思えませんが
ロウラン: 親父は昔から
ロウラン: 人と人の
ロウラン: なんていうか情の通いってのを
ロウラン: 信じてないんだよ
リック: そんな…
ロウラン: みんなが来てくれたってのに、それに答えようともしないんだからな
ロウラン: 親父にとって
ロウラン: 人と人の関係は
ロウラン: 取引とか交換条件とかでしかないのさ
リック: そんな人が子供を三人も作るとは思えないけどなあ
グロック: りっく・・・
リック: ?
グロック: りっく、べんきょしろ
リック: ?
リック: なにをさ
グロック: んーと
グロック: なんだっけ?
グロック: わすれた
ロウラン: 準備は出来た。そろそろ行こう
ロウラン: 村のほうも心配だからな
リック: でも確かにずっとここにいるわけにもいかないな… 村も心配だ
ダーマン: 一度戻り、また様子を見に来ましょう
ロウランが部屋から出ると、マシェリとマルドが立っている。
ロウラン: …ねえさん、本当に行かないのかい?
マシェリ: マルドを頼むわ
マシェリ: ロウラン。…みんな
マシェリ: あたしたちがココにいることを伝えてくれるだけでも
マシェリ: 全然違うさ。
リック: わかった
マシェリ: (小声で)ザクに知恵を拝借しておくれ
リックはうなづいた。
マシェリ: じゃ、頼んだよ
リック: それじゃ気をつけて
ダーマン: お気をつけて
リック: それじゃトランさん、またきます
イノーラ: じゃあな
リック: くれぐれも気をつけて
●帰還
ロウランとマルドの面倒を見ながら一行は村に戻ってきた。
見たところ、異常があった様子はない。
一行は報告のため、酒場兼集会場に向かった。
ロウラン : 良かった。無事についたよ、ありがとう
一行をザクが出迎える。
リック: こっちはかわりないかい?
ザク: うむ。こっちは大丈夫だ
ザク: ロウランとマルドの二人だけか?
リック: 実は…
ダーマン: ええ…実は
かくかくしかじか、というわけで事情を説明する。
ザク: それは残念だ…
リック: ロウランの姉さんからは
リック: なんとかしてトランさんを説得する知恵を拝借してくれと頼まれてきたんだけど…
ザク: ふーむ…
ダーマン: そういう事ですので折を見てもう一度様子を見に行ったほうが良いかと
リック: あの調子だとなかなか難しそうだ
ザク: そうだな…
ザク: うーん…
ザク: トランがなぜ、あの場所に拘るのか
ザク: それはわからん。まさかあの男に限って、嫁さんの墓があるから…なんていうロマンチックな理由ではないんだろうけど…
イノーラ: …羽交い絞めにして連れてくればよかったのに
ハンベイ: 土地に執着があるなら、ここにこなければ土地を失うような方策をとればよい
リック: うーん
グロック: ざくがちょくせつ、どげざ
グロック: これでだめか?
リック: そういう問題じゃないよ
ザク: しかし、我々は自由に土地を得られるが、かわりに放棄するのも自由だ
ザク: 協力を強制もできない。そういう集団だからな
ダーマン: どちらにしろ、すぐに片づく問題ではないでしょうね
グロック: むつかしいな
リック: ロウランのやつはあの通り、親父さんと話し合う気は全くないみたいだし…
ザク: …もし村を守りきれたら
ザク: そのときは、家を取り戻すのをこちらも手助けする…なんていう交換条件だったらいけるかもしれないが
さりげなく言ったが、この交換条件を持ち出すのは正解の一つ。
ただし今回のシナリオにおいてトランを説得することはそれほど重要ではなく、隠れ家でのPC同士の会話や行動などの過程でキャラクターの性格を垣間見せてもらうのが目的。
実際、NPC絡みの会話というのがこの手のゲームの醍醐味であることだし。
ザク: ともかく、だ
ザク: いまのところ一家は無事で、そのうち二人はこちらに協力してくれたわけだし
ザク: それで十分だな。トランの頭の中はわしにもわからんわ
ダーマン: そうですか
リック: ザクならなにか心当たりがあるんじゃあないかと思ってたんだけど…
ザク: うむ。居場所がわかればいざというときもどうにかなるし
ハンベイ: あんまり安全とも思えん場所なのだが
ザク: マシェリがいるなら、ここまで逃げてくる事もできよう
ザク: 折をみて、またもう一度行ってもらうかもしれん
ダーマン: そうしましょう
ザク: とにかく今日は疲れただろう。食事をして休んでくれ
リック: そうさせてもらうよ
ハンベイ: 頭が冷えるまで待つしかないか?
ザク: うむ
ダーマン: はい。それでは
イノーラ: そうするよ
ザク: 何かあったら起こすよ
やっとゆっくり休む事が出来るためか、一行は横になるとあっという間に眠りに落ちた。
※ネタばらし。
ちなみにトランが家に拘る理由はマシェリの言ったように「ずっと流浪の生活をしてきたから、歳を取った事もあり、自分の家や土地に特別な思いがある」という事と、ダーマンやイノーラのプレイヤーはプレイヤー発言で言っていたのだけど「妻の墓があるから」という事、この二つの理由が主たるもの。
説得する方法はロウランのセリフがヒントで、「取引」を持ち出すのが一番だが、「妻の墓」方面から心情に訴える方法もあるにはあった。
しかしシナリオにおいてトラン説得がクリア目標ではないし、とにかく頑固者というキャラクターなので普通には説得されないつもりでいたため、説得できなかったからと言って失敗とかいう事はない。