2003年7月・8月

蕪島神社をのぞむ 2003.7.14.  ウミネコの島

昔 ここは ほんとの島だったそうだ
ウミネコたちの安住の島だった
いつしか陸続きとなり
島の頂の小さな社にお参りする人たちも増え
わたってくる生き物も増え
ウミネコたちには安住の地ではなくなった
それでも島のそこここに子どもを育てる親鳥たちの姿
その小さな社に抱かれ 
巣立つ日を無事に迎えることを願い 幼子たちを守る
幾年も幾年も 親たちはずっとそれを続けていくのだ
ニッコウキスゲが風に揺れて 2003.7.16.  それでも咲いている

海岸線を彩るこの季節の花々に惹かれ
海を観に行った
ニッコウキスゲが強い浜風にあおられ
海の方に体を揺らす
人知れず咲いている花々を見れば
この美しさを我が庭にと思うのだろう
盗掘の絶えないこの浜辺で
それでも自分たちの住処はここなのだと
海の命を感じ その生を貰って生きるのだと
花たちの声にならない訴えを聴いた気がする
三社大祭 2003.8.3.  祭り

太鼓が響く
かけ声が響く
豪華な山車に 目を瞠らせ 心奪われる

その豪華な山車を引いているのは 人
太鼓を打ち鳴らし 声を張り上げる
それぞれの持ち場で それぞれの役割を果たし
大粒の汗を額に張り付かせ 今輝く
撥を振るい 喝采を浴びる子らも
必死に綱を引く子らも
脇につき 黙って仕掛けを動かす子らも