2003年6月

2003.6.2. 日暮れの前に

田植えの終わった畦道を犬と歩く
農作業の片付けをする人
植え終わった田を見て歩く人
その誰もが穏やかな顔を持つ
子らの時間もゆったり流れ
アメンボや蛙とともにある
田園という名の優しさをいっぱいに感じながら
やわらかな夕陽を浴びながら
幸せな今日という一日に思いを馳せながら
明日もまた同じ優しさに出会えるようにと願う
2003.6.5.  白い花の咲く頃

昔 そんな歌があった
白い花が咲くのは ふるさとの夢の中
そんな郷愁を誘うのか
ひそやかに静かに秘めやかに
白く白く 野も山も染め上げる
この季節 どうしてこんなに白に染まる

白い花を数えて歩く散歩道
どれもこれも 名を知らぬ
でも 当たり前のように身近にある木々が
花の季節だけ輝きを放つ
他のどんな色もかなわない
白だけが持つ魔法の輝き
歌にあるように 悲しみの色でなく
明るく 明るく 空に向かう