2001年6月
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2001.6.7. ウミネコin田んぼ そぼ降る雨に濡れながら、田んぼにはたくさんのお客さん。 あなたたちは海鳥じゃないの? 海にいるのも飽きたから、ちょっとみんなでハイキング。 おいしい餌があるかしら。 苗の間を上手に歩いて、 あっちへフラフラ、こっちへバサバサ。 雑草が生えぬよう、うまい具合に踏んづけてね。 そんなこと知らないよ、ちょっと遊びに来ただけだもん。 そ知らぬ顔でそっぽを向かれた。 |
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2001.6.13. あの向こうはアメリカ ゆっくりと海を眺めるのは久しぶりだ。 こんなにも静かな海は知らなかった。 ミャーミャーと鳴き騒ぐウミネコたちも 太平洋の荒波の音も、 その大いなる海の静けさを際立たせる。 一点の島影も見えぬ、そのずっとずっと向こうに、 遥か遠い昔の冒険者は 憧れと恐れを持って、船出したのだろうか。 |
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2001.6.13. 大地より海へ 遠い谷から遥かな旅をして、 水はその母のもとに帰る。 大河でも、こんな小さな流れでも、 旅の長さは違っても、間違いなく帰りつく。 この小川は砂浜を削り、その日その日で流れを変える。 気まぐれに揺れながら、海にたどり着く前のひとときを、 ウミネコと戯れながら過ごすのだ。 オブジェのような流木も、その昔の恐竜のように、 まだ真水のままの澄んだ流れを見つめていた。 |
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2001.6.26. 記念碑 近くの海岸にすてきな壁画がある。 防波堤ができたとき、そばの小学校の子供たちが描いたもの。 見ているだけでウキウキしてしまう力作ぞろい。 これを描いた子供たちは、もう成人している頃で、 社会の荒波にもまれ、いろんな経験をして、 きっと楽しいことばかりでもないだろう。 でも、ここへ来れば必ず会える。 目の前が夢いっぱいだった頃の自分に。 限りない水平線をまっすぐに見つめていた自分に。 |