2001年2月
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2001.2.8. 世界にひとつだけのケーキ 今日は次男の誕生日。 家族の誕生日だけは、ケーキを焼く。 それを子供がクリームや苺で飾る。 今日のケーキは三男の飾りつけ。 ―ローソクなんぼん?―13本だよ。 とても人様には見せられない、でも見せたい、 でこぼこの笑えるケーキ。 もう何年も、我が家の歴史になってきたけど、 ろうそくを立てる場所がなくなってきて、 そのうち、この歴史も終わるのかな。 いつまでいっしょにハッピーバースデーと言えるのか。 おいしい、とほおばる姿を見せてくれるのか。 |
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2001.2.17. 神様の樹 久しぶりに雪が降った。 今までの雪の残骸は醜く灰色に濁っていたが、 新しい純白に包まれ、野も田も化粧直し。 柔らかいさくさくとした踏み心地、どこまでも広がるまぶしさ。 その中にどっしりと、悠久の時を生きているこの大木に、 神様が住んでいると誰が言い出したのか。 いくたびの季節を過ごしてきたのか、 鮮やかな緑の苗田にも、黄金に輝く稲穂にも、まぶしい白にも、変わらず、穏やかに眺め下ろしている、 大きな懐のなかに、人たちを包みこみながら。 |
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2001.2.19 春を呼ぶ舞い えんぶりという舞がある。 長い冬の終わり、もうすぐ春の気配が生まれる、そんな頃に、次の年の豊年祈願の舞を、豊穣の神に捧げる。 北の国の人たちの長い苦しみがあって、 その苦しみがなければ生まれない崇高な芸術。 田作りがうまくいくように、 お天道様が味方してくださるように。 北国人の祈りは深く、深く、 舞の力強さにつながっていく…。 |