2月17日


神様の樹

神様の樹
久しぶりに雪が降った。
今までの雪の残骸は醜く灰色に濁っていたが、
新しい純白に包まれ、野も田も化粧直し。
柔らかいさくさくとした踏み心地、
どこまでも広がるまぶしさ。
その中にどっしりと、悠久の時を生きているこの大木に、
神様が住んでいると誰が言い出したのか。

いくたびの季節を過ごしてきたのか、
鮮やかな緑の苗田にも、
黄金に輝く稲穂にも、
まぶしい白にも、
変わらず、穏やかに眺め下ろしている、
大きな懐のなかに、人たちを包みこみながら。