彩りの終わりに
忙しいふりをして季節の移ろいを気づかない。
樹々の色づく一番美しい時期を見損ない
秋が逝く。
もっときれいだったのに、わたしたち。
樹々が囁く。
はらはらと葉を落としながら、
いつまでもそこに鮮やかにとどまりたいと願う。
しがみついていても、次の年の若芽の邪魔をするだけなのに。