夜会Vol.20 リトル・トーキョー

夜会Vol.20の初日を見て参りました。2階席4列目でほぼセンター。かなり見渡しがよい場所。

ネタバレしますので、それを覚悟でお読みください。


今回の夜会は完全新作ではありますが、「野ウサギのように」「BA-NA-NA」「思い出だけではつらすぎる」「テキーラを飲みほして」「LOVERS ONLY」「紅灯の海」「二雙の舟」と結構多い。
そして管理人的には、かなり胸に刺さるシーンが多かったのも確か。

まず初めに思ったのが…看板+ポスターのみゆきさんの写真が小さい!! ポスターは例のごとく巨大化していますが、そこに占めるみゆきさんのサイズはどんどん 小さくなっている! 面積の無駄遣い!(笑)ただ、小さいながらもみゆきさんの目線いただいています(笑)"チラ見の天使"とか言ってもいいですか!?背を向けて いるように見せて、実はこちらを見ているみゆきさん。そりゃ、ポスターで完全に背中向けてたら関西人でなくても「なんでやねん!」ってなりますけど。

さて、ファーストシーン。北海道にあるホテルの女将こと杏奴(みゆきさん)。帳簿を見てくれと番頭さんに言われるがやる気なし。眠そう。旦那とは別居中で、旦那は帰ってくる 気配もなし。旦那に電話をするのを避けているのにいざ電話に出ると初めは緊張しながら話すものの、途中から滝のように話したいことが溢れる杏奴。 旦那さんのこと、すっごく好きなんだろうな、というのが分かる。ただ、訳あって距離ができてしまったのかな?
ここのシーンのみゆきさん、すっごく可愛かった。見てて切なかったけど…。もしもみゆきさんからの電話だったら、僕なら24時間OKなんですが(笑)

リトル・トーキョー。東京ではない東京。本物ではない幻影。でもそこに集まる人々がいる。その幻影というステージでいきなり歌い始める杏奴。選曲は「野ウサギのように」。 「いい男はどこにでもいるから♪ 傍にいてよね~♪」と歌うものの、ステージ上にいい男らしき人影はない。姉の李珠(りず)や隣の家のおいちゃん修身もリトル・トーキョーで ちょいちょい歌う。理由はそれぞれ。きっとどちらも夢かなわなかったんだ。それで本物ではない幻影という舞台の上で、歌うのである。

大雪警報のあと、BA-NA-NAが歌われる。ここはいまひとつストーリーとの繋がりを理解できていないところです。何が足りない、何が足りている。それを 自問自答しているのかもしれない。足りているものだけを数えれば人は大富豪になれる。足りていないものだけを数えれば人は大貧民に成り下がる。
リトル・トーキョーに集まる人たちはきっと後者なのだろうな。杏奴は心にぽっかり穴が開いていて、足りていないものばかりを数えていたのかもしれない。 唯一心を埋めるものが、「つらら」ら山犬たち。でも、そんなつららも密猟者に銃で撃たれ、更に雪崩に巻き込まれてしまう…。

真っ白のドレスに着替えたみゆきさんが突然舞台に現れるシーンで一幕が終わるんだけれど、雪崩に遭ったから白い服に着替えたの? って疑問を感じた。

後半は、杏奴が連れてきた山犬の子供「小雪」もステージ上に。ただ、みゆきワールドの理解の難しさがここに。小雪、みんなは人の子供として接しているのだけれど、 山犬つららの次女なんだよね…。犬を擬人化? 歌をリトル・トーキョーで歌わせるも相当の音痴で全く物にならなそう。でも小雪には別の才能があって、 日本舞踊はみるみる上達していく。人には向き不向きがあるということかな(犬のはずだけど…)。

東京では、ホテルを山ごと自分たちのものにしようと企む者たちの会話が。そこには旦那の文夫の姿が…。おいおい、みゆきさんを泣かせたら承知しないぞー! 計略結婚だったのか…ふーさん。愛がないならみゆきさんに近づかないで!(怒)

後半に近づき、杏奴の遺体が発見される。そこで一同、初めて杏奴が幽霊であることを知る。おいおい…どんだけリアルなんやねん!(笑)誰もが杏奴から後ずさる。 でも……文夫だけは杏奴が近づいても逃げなかった。「貴方だけは逃げないのね。いつもそうだった」って呟くみゆきさんの声が、なんとも言えない愛しさに包まれて いて印象的でした。

その直後、山に山犬の目が多数。それに反応する小雪。狼の遠吠え。山に飛び出す小雪。「お前の人生だから、新しい場所で生きて行け」と母親のように送り出す杏奴。 しかし直後、戻ってくる小雪にずっこける杏奴。小雪は言う。「この小さなホテルにみんなを集めて!雪崩がくるから!」と。ホテル&パブ・オークマに雪崩は押し寄せるも 倒壊するほどではなく従業員はみな助かる。でも、この土地を開拓しようとしていた悪者たちは、きっと雪の下に埋もれたんだろうな。文夫の兄とかね。

半壊したリトル・トーキョー。そこに文夫の姿が。ほっとする杏奴。でもね……文夫にはもう見えていないんだ、杏奴のことが…。真っ先に梅乃という芸者に駆け寄り心配する。 その背中を少し悲しそうに眺める杏奴「あなたは鈍感だから知らなかったかもしれないけれど、私、ずっーとあなたのこと好きだった」と呟く。ここにきてうるうるしてくる 管理人…だってさー。今はやりの「チコちゃん」に出てくるカラス風に言うなら、「文夫のばかー!!」。もう、なんでみゆきさんに背を向ける! ここはまずみゆきさんに駆け寄るんじゃ ないのか!? 文夫と芸者は一緒に暮らしていたとはいえ…芸者のこと、好きだったのか…。えー!?俺なら誰と付き合っていても、ここ一番という時は、 断然みゆきさんを助けるけどなっ!

杏奴は自分が死んだときの遺言を書いていた。それは、先祖の意志を継いで、この土地をすべて自然公園(?)にするという条件付きで寄付すること。雪崩によって 家々が雪の下敷きになったことで、図らずもその願いは叶うこととなった。

管理人が気になったこと。
みゆきさんは、人それぞれ、思うようにいかなくても、どこかに自分の居場所があると言っているように思えた。だから最後、かりそめの場所であるリトル・トーキョーも 壊してしまったんじゃないかな。小雪は歌うよりも得意なものや、帰るべき仲間という居場所を見つけた。文夫も然り。好きな女性の元へ戻ることになった。 おいちゃんと姉もそう。「とーびたてーとーびたてー♪」ではないが、幻影なんかにしがみつかないで、それぞれがそれぞれの居場所を見つけなさいと言っているのだと思う。 それが人の幸せ。…ただ、そうなると、杏奴にとっての居場所は? そこはなくてもいいの? いや、なくていいはずなんかないと僕は思う。 みゆきさんに「私はいいの」とか言われたら辛いよね。

舞台の背景に降っていた雪が、後半、流星に見えてしまった。みんなで飾り立てていたクリスマスツリーの星がそうさせたのかな。あれだけの数の流れ星が降ったなら、願いは叶い放題だね。 あ、これはみゆきさんが意図した演出というより、僕の勝手な感受性のせいですが。最後の方で暗転したところに、クリスマスツリー風の光がピカピカ光るシーンが あったでしょ。あれは、地上の星なんじゃないかな。みゆきさんは、ひとりひとり、輝くものをもっているんだから、それを生かしてほしいと思っている気がする。

2000年に何が?パンフレットに2000年冬とか書かれていて気になった。出演者の生年月日と年齢からして、舞台は2000年で間違いない。唯一小雪だけが2001年なのは、 クリスマスが明けた後に生まれたから。でも母親のつららが撃たれたのは確かクリスマスの夜。ということは、撃たれた後もしばらくつららは生きていて、 年を越して生んだということかな? 小雪は21世紀初めに生を得たことになる。もう20世紀の戦争ごたごたの世界から脱した新しい存在として描きたかったのかもしれない?

杏奴で「あんぬ」と読むとか、キラキラネーム半端ない(笑)。舞台は北海道だし、アイヌを指しているのかな?

みゆきさん、ドレスにアップスタイルが似合いすぎ!(笑)。かわいい!結婚して!(財産目当てじゃないです!(笑) 遺言で誰かに寄付してくれていいです!)。 いやほんと、練習中らしきノーメイクのみゆきさんも素敵だし、しっかりメイクのみゆきさんも素敵(//▽//)。もう60代も後半でまもなく…とか思えません…。 どこの誰よりも好き。

最後の最後で暴走しました…onz。みゆきさんの可愛さに勝てず…。正気を失うことに。
今年の夜会は、ダンスが妙にアイドルチック(?)だったり、あれはその場の思い付きだったのか?と思わせる観客とのキャッチボールがあったりとか、 歌詞をすっとばしたりとか…新しいチャレンジを感じました。ラッキー池田さんが初日観に来ていたみたいだし、たぶんダンスは…ですね(笑)

みゆきさん関連News

  1. 中島みゆき「リトル・トーキョー」 (2019年1月30日(水)~2018年2月27日(水)全20公演)
  2. ニューアルバム「相聞」2017年11月22日発売
  3. ニューシングル「慕情」 2017年8月23日発売

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