大好きな女がこの近くにいるの、たぶんここは知らないけど

12/16から週末まで、仕事で京都、大阪に出張に来ていました。
オレンジのキャリーバッグを引きずりながら、階段を駆けのぼったり駆け下りたり。
でもいつもより重さを感じないのは、たぶん大好きな女がこの近くにいるから。

ホテルにチェックインして荷物を下ろして、その時を待つ。
テレビは付いている、見ていないけれど。あれは時計代わり。番組が終わったら1時間の合図。

今この時間、大好きな女がどこで何をしているのか、知っている貴重な時間。
だから心は体の中には収まらない。
東京のステージに立つ大好きな女の姿を思い出しては、きっと増えているであろうフリートーキングのネタの時間超過を加味しつつ、そろそろと出かける。

大好きな女の季節は、たいがい町が綺麗だ。
ひとりで歩く綺麗な町は決して嫌いではない。まして大好きな女に会いにいく夜ならば。
風はなく星も瞬く夜だけど、いっそ雪か霙でも吹雪いてくれればと思ってしまうのは、
あの人の視線を独占したいという欲求から来るのだろう。
天気が悪いほうが出待ちの人数は少ない。そんなことを期待してしまうのだ。

尤も、人の心と行動は裏腹なもので、実際に大好きな女の目線がこちらを向こうものなら、これでよかったのか自信を失い、物陰に身を隠しそうになる自分もいる。

オリックス劇場までの道のりは、すれ違った赤いビニール袋を持った人たちの顔を眺めながら歩く。
大好きな女はみんなの期待に応えることができただろうか。
笑顔だったら右手の指を折り、冷めた顔だったら左手の指を折る。どちらもポケットの中。

みんなが帰るその道を歩き進むのも割と好きだ。
みんなが去っていく中、大好きな女の元に残る感じが好きなのかもしれない。

 

21:20。ホールの裏手には十数人が集まっていた。
今年最後の公演だから、軽い打ち上げとかしているかもしれないよ。ほらほら、風邪をひくと行けないからみんな帰ったほうがいいよ。安心してください。僕が最後までこの場に残り、皆さんの分まで・・・・・とか思うものの、実際に自分ひとりだけしかいなかったら大好きな女が寂しい思いをしてしまうかもしれない訳で、心からそれを望んでいるわけではない。


ちょうど1時間ぐらいだろうか。
イヤホンから流れてくる「大好きな男がこの近くにいるの、たぶんここは知らないけど」の歌声を 「大好きな女がこの近くにいるの、たぶんここに僕がいるとは知らないけど」と替え歌バージョンで脳内に流していたころ、係員から「まもなくみゆきさんを乗せた車が出ます」というアナウンス。
親切じゃないか。

車は僕らのいる右側に曲がり、後部座席の窓が開いていて大好きな女の声が聞こえた。

そして僕は表側に。そこにもはや誰もいない。ほんの一時間前には公演を見た人でごった返していたであろう場所とは思えぬ静けさ。

今夜は公演の最終日だよ。
歌詞を忘れる大好きな女が、なにか忘れ物をして戻ってきたなら運命の出会いだな、なんて思いながら数分間眺めていたら、近くで荷物の搬出をしていたスタッフらしき人から訝しげな目でじろじろ見られた。

すいません、立ち去ります。
その場所にいることが相応しくないということなのだろうね。確かにその通りなんだけど。

大好きな女はたぶん明日、新大阪の駅で弁当屋に立ち寄るのだろう。
残念だが私は明日も仕事です。10時にアポがある。その次は13時。その次は15:30。
頑張っても新大阪の駅に行けるのは17時過ぎ。これで出会えたら確かに運命かもね。

一日オフで奈良の大仏でも観光に行っててくれないかな。
土曜なら午前中は新大阪の駅にいられる。
昼ごろの新幹線で帰る予定です。

大好きな女がこの近くにいるの、たぶんここは知らないホテルの一室にて。

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