太公望曰く 六守をもつ人を登用せよ

人君がその地位を失うのは、命運を共にすべき官吏の登用を間違えたからである。
臣下には六守(6つの守り)があります。
第一に仁、第二に義、第三に忠、第四に信、第五に勇、第六に謀。
(私訳)
仁…裕福になっても礼を失わない
義…高位高官についても奢らない
忠…重責を負って意志を曲げない
信…隠し事をしない
勇…危険な立場でも恐れることがない
謀…種々の事変に応じて窮することがない

 ああ…、日本の官僚や政治家を見たなら、大公望もさぞかし嘆かれるだろうと、書いていて思ってしまいました。
 大公望は続けていう。「権力を利用して、低い地をさらに削り高い山をさらに高くするようなことをすれば、国は必ず乱れ、 他国の乗ずるところになるだろう」
 大公望が生きた時代は三国時代や漢の時代よりも古く殷の紂王の暴政によって、中国全土は大変な戦乱状態にありました。
 時は変わって20世紀も終わりに差し掛かっている現在、日本の社会も似たようなものではないかと思う筆者であります。

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