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名誉心も知も凶器である |
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徳は名誉によって失われ、和は知によって損なわれる |
(私訳) 名誉を望む心はは時として人の判断を大きく狂わせる。手柄となることばかりに熱中し、評価を受けにくいことは 疎かになってしまうものだ。これでは短期的には成功しようとも、長期的には歪を生んでしまうだろう。 今の政治家を見れば、それがよく分かる。官僚や族議員が担当省庁の予算を増やすことは名誉であり、削られることは 不名誉なことであるが、予算には限りがある上伸び悩んでいるのだから、当然削られるべきである。
にも関わらず、名誉、または自分の実力を誇示するために、担当省庁の予算や特定の事業への予算を増やそうとする政
治家・官僚が非常に多い。これらは短期的には彼らの評価を(一部で)高めるだろうが、うまく行くはずのないこれらの
計画は、長い目で見れば必ず失敗し、「無駄なことをしてくれた」として逆に評価を落とすだろう。 「知を重んじれば争い事を招く」ということは、もはや説明がいらない。昨今のハイテク兵器の開発競争を見れば、荘子 の言葉が的を得ていることが分かる。 勿論、知が生み出した功績も無視してはならないが。 |