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静かなること止水の如くありたい |
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輝いている鏡は埃を寄せ付けない。 寄せ付けたならば、その輝きも失うだろう。 |
(私訳) 荘子はさらに続けて言う。 「人は流水に鑑(かんが)みることなく、止水に鑑みる」 訳すれば、人が水面に自分の顔を映したいと思う時は、流水ではなく止まった水を選ぶということ。流れが速い 水では自分の姿が映らないからだ。 つまり、何かを判断する時は、煩悩を振り払い、損得を忘れ、心を静かにして当たらなければ、成功の光が 見えていても見つけることができない、というわけだ。 確かに私たちは重大な決断をする時、あれこれと考え、ときに調査し、そして最終的な行動を決定する。 しかし、私たちはいったいどれぐらいの未来を予測できるだろうか。今日これから起こるであろうことも、明 日の事さえも、正確には何も知らない。 調査や思慮はもちろん大切であるが、それはいずれも短期的な予測に過ぎず、あまりそれに捕らわれすぎると 長期的な展望を持てなくなり、結局失敗する事にもなり兼ねない。 まずは心から損得勘定を取り払い、冷静に物事を判断するところから始める必要があるのではないだろうか。 |