老子曰く治世の手法

大国を治むるは小鮮を煮るが若(こど)し
(私訳)
 小鮮(しょうせん)とは小魚のこと。
 小魚を煮るとき、やたら突ついたりかき回したりすると形が崩れたり味が落ちたりする。
 むしろあまり手を加えず、そろりそろり煮るのがコツだとか。

 国を治めるというものこれと同じで、お上がやたらと禁止をしたり何かを奨励しすぎたりすると、 本来の民生の活力が失われる上、歪んだ方向に発展しかねない。
 為政者はできる限り自然な活動ができるよう、干渉は控えるべきだと老子は言う。

 まさに2000年以上前に「自由貿易」「資本主義」が「社会・共産主義」に勝つと予言しているよ うな言葉ではないか。

 もちろん、何でも許す放任主義を意味するものではないが、お役所がやたらと干渉し、規制し、 企業の自由な活動を制限し、その結果無駄な費用ばかり膨らみ財政を逼迫させている一方、 企業の活力が損なわれている現在の日本を考えると、まんざら嘘ではなさそうである。

 是非とも為政者には、この老子の言葉を肝に銘じてもらいたいものだ。

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