本日の御題:ついに自自公連立か
  ◆遂に動き出した第三の勢力
 統一地方選が終わってまだ半月だが、今月の7日、公明党が自自との連立政権について正式に検討する意思を 表明した。ついに重い腰をあげたか、といった感がある。

 実は今からおよそ3ヶ月前、まだ公明が民主と選挙協力しようなんて言っていた時期に、本コラム 『自民と公明のあやしい関係』でその可能性を十分に指摘していた。
 しかも自自公連立の時期は地方選直後であるとも言っている。是非とも参照してもらいたい。

 公明党が与党自民党に擦り寄る理由は2つある。
 1つは、小渕政権がなかなか倒れそうもないこと。秋の自民党総裁選がどう転ぶかはなお不透明にしろ、自由党 との連立以降、着実に安定政権の道を歩んでいる現政権に組することは、党の自己実現をする上で有効である。

 2つ目に選挙結果、および国民の支持率で民主党が低迷する一方、自民党が回復してきていることが上げられる。
 何をやっても裏目に出る民主党(鳩山氏の都知事選出馬や菅代表の訪中など)よりも、自民党のほうが遥かに粘り強く 気心も知れている。公明党の意見も十分取り入れてくれる。政策能力も実行力もある。

 野党勢力結集を呼びかける民主党ではあるが、実際に組んでみると協議で取り上げられるのは民主党の意見ばかりで あるし、党の色を出せない中小野党は選挙で皆民主党に食われてしまう(反自民の票が民主にのみ流れてしまう)ので、 うまみがない。
 ましてや力がないから法案も通らない。

 こうして考えると、公明党の選択も、まんざら失策とは言えないのが現状だ。

◆連立を阻むもの
 ただし、連立を阻むものがないわけではない。

 安全保障面では、アメリカとの協力を第一と考える自民党と、小沢党首率いる鷹派の自由党が積極的なのに対し、 公明党は消極的である。

 また、選挙制度では、小選挙区比例代表並立制を維持しつつ衆議院の定数を減らしたい与党と、 そうされては議席を減らしかねない公明党との溝は政治家自身に関することであるだけに深い。
 公明党は勢力を維持しやすい中選挙区への移行を主張しつづけるだろうし、これが認められなければ最終的には連立政 権への参加も噂だけで終わるだろう。
 もちろん、現行の選挙制度に手を加えないというならば、その限りではないが。

 ただ、自自公連立を熱望する自民党は、おそらく「選挙制度の変更」を棚上げすることで妥協を図ろうとし、 公明党も自己に不利になる議席数削減・並立制維持案を回避できるというメリットがあれば、自民党の誘いに乗るだろう。
 あとは、国民を納得させることができるタイミングである。たとえば、民主党議員のスキャンダルなどがもし起こったならば……。

 さて今回の私の予測が果たして的を得ているかどうかは、また数ヶ月先に議論することにしよう。

戻る