◆模倣犯
以前から、時々感じることではあるが、ある犯罪が報道されると、それと類似した犯罪が直後に起こることがある。
いや、犯罪に留まらず、自殺などもそうだろう。思えば今年の夏は、中学生・高校生らしき自殺予告が幾つかあったものだ。
今日、読売新聞の記事を読んでいたら、おので父親の頭を殴った中3男子を殺人未遂で逮捕(長野)と出ていた。斧で父親を?
それはほんの2、3日前、警察官の娘が厳しすぎる父親を斧で殺した事件と極めて類似していないか?
年齢も殆ど同じだ。
このようなことがなぜ起こるのか? 大人たちは鈍感に思える。
彼らは我々大人が思っているよりも、はるかに影響を受けやすいのである。これは事実だ。
こういうことを言うと、「だからといって、みんながみんな、殺人を犯すわけではない」という反論が聞こえる。
確かにそのとおりだ。しかし、多くの同世代の子供達は大人以上の衝撃を受け、ある一定の条件がそろったとき、
その僅かの確率で同じような事件が引き起こされている、というのも、模倣犯が繰り返し起こることを見れば推測することは容易だ。
こういう事件が起こると、私は最近のゲームを見て不安に思う。
私が子供の頃のゲームといえばファミコン・スーパーファミコン、あるいはセガ・マーク3といったものだった。当時としては技術の推移を
集めたものだったのだろうが、正直リアリティには全く欠けていた。ギザギザで色数も少なく、画質的にはできの悪いアニメ程度だった訳だ。
ゲーム内容も、飛行機のシューティングや、亀や人食い植物、ゴリラを踏んづけて倒す程度のものであり、それが「人を殺してみたい」というような
衝動を引き起こすことは皆無だったといっていい。
しかし、最近のゲームはどうだろう? 表示は現実の動画かと思うほどリアリティがあり、刀で切ればあるいは銃で撃てば、かなりリアルに血を噴き出す。
叫び声、動きもリアルだ。
所詮それはゲームではないかと大人は思うかもしれない。いや、実際にそれをプレイしている子供の多くも、同じように思っているはずだ。
しかし、上記のようなある一定の条件を満たした子供は、残虐なゲームに看過されないとどうしていえるだろうか?
活字だけの報道であっても、模倣犯はある一定の確率で生まれるのだから、映像まで含めたこれらのゲームを日常的に行っていれば、何かの衝動に駆られたとき、
残虐な行動にでないとも限らない。
もちろん、それはゲームだけの話ではない。アニメでも映画でも、子供が見てはいけないものをもっと明確に区別すべきであると私は考える。
◆性的描写も同じコトがいえる
性的描写にしても同じだ。
小学生が読む漫画(特に少女漫画)は成人向けと間違えるほど、エロティックである。それも安易な性交渉を戒める内容ならともかく、むしろ助長している節がある。
「愛しているから・・・」という理由ですぐにキスをし結ばれるような漫画を子供の頃から読み続けることは「愛していれば何をしてもいい」という意識を植え付けることに
なりかねない。SEXをすることそのものを悪いとは勿論言わないが、あまりに低年齢化が進んでいることに危機感を私は覚えている。