本日の御題:社会保険庁の所業は詐欺師と同じ

◆これは詐欺ではないのか?
 将来、支払うと約束したお金を、払う時期になったら払わない、それを詐欺と言うのではないのか?
 半ば強制的に徴収し、支払わない者を「悪人呼ばわり」しておきながら、実際に支払う時期になると「支払った記録がない」ということで 払わない、これを詐欺というのではないのか?

 少なくとも民間企業が同じことをすれば、間違いなく刑務所行きである。
 にも関わらず、社会保険庁のトップ、歴代のOBは天下りしては大金を掴み取り、ノウノウと生活しているとしたら、何をもって正義を 語ればいい?

 それにしても、嘆かわしい。

 年金記録漏れ問題では79年に記録のオンライン化を始めた際、厚生年金被保険者の氏名の仮名変換をアルバイトに任せていたというではないか。
 しかも、本人確認を指示せず、読み方すらアルバイトに任せていたというから杜撰極まりない。
 こんなことだから入力ミスが生じるし、記録漏れにも繋がるのだ。
 「83万件の被保険者台帳紛失」だの「氏名の分からない支払いがある」だの言われて初めは驚いたものだが、驚くべきことではなかったというのが正解だ。
 更に、入力作業も一日のパソコンのキーを押す回数を制限するなど(しかもかなり少ない回数に)、もはや意味不明な指示まで出している始末。
 これでは、役人=無能 と揶揄されても仕方あるまい。エリートは難関な試験をパスした者ばかりのはずなのだが。。。
 また、思い出されるのは数年前、国民年金を払っていない芸能人や政治家が問題になったことだ。当時、あれだけバッシングを受けていた人々も浮かばれない。
 江角マキ子に始まり、民主党代表だった菅直人その他の有名人が年金未払い期間があったということで糾弾されていたあのニュースを、社会保険庁は いったいどのような気持ちで見ていたのであろうか?
 そもそも、どの面下げて、年金未納者に「年金は国民の義務」などというのだろうか?

◆腐った組織はどこまでも腐る
 社会保険庁といえば、他にも腐るほど問題を起こしている。
 たとえば、印刷物。殆ど読まれないようなパンフレットを数万冊印刷しているが、実は印刷の発注先は複数ある。通常印刷物というのは、初期費用が比較的高いが、 部数に応じて急激に単価はさがるものだ。
 しかし社会保険庁は、例えば5万部刷る印刷物であれば、1社に5万冊発注するのではなく、天下り先の業者に各千部ずつ発注するようなことをして、 各社に高額な金額を支払っていた。しかも、各社が印刷した物は、どれもほぼ同じという、なんともばかげたことをやっていたのである。

 組織は一度腐ると、なかなか脱することができない。上役が作り上げた甘い密のシステムは、その下の世代にも受け継がれていくからだ。
 もはや、内部からの自浄作用など期待できないといって間違いない。

◆日本に生まれたことを悔やむしかないのか?
 こんな官僚たちに支配された国に生まれてしまったことを、我々は諦めなければならないのだろうか?
 いや、違う。我々は自分達の手で民主主義の道具を持っている。
 問題は、それが官僚の世界にまで及んでいないことだ。政治家は選べても、政党は選べても、官僚は選べない。
 そこに問題がある。
 少なくとも、今の民主主義のシステムでは、国民が選べるのは政治家なのだから、彼らに官僚がはびこらないよう、しっかり仕事をしてもらうしか方法は ないのである。
 逆を言えば、政治家が目先の利益に踊り、ろくに仕事(法案を作るなど)をしないでボケーとしていたからこそ、官僚は現在のような強い力をもつようになったのだ。

 今こそ、政治家は実力をつけ、官僚任せの政治から脱却すべきである。
 ...なんてことを書いている傍から、安部内閣の閣僚が数ヶ月の間に3人も辞め、更に清い政治家を売りにしていた若手の閣僚にまで国から事務所費用を騙し取っていた ような疑惑が持ち上がるあたり、この国は政治家すらまともにコントロールできていないのだと、嘆かずにはいられない。

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