◆Windows Vistaを店頭で触ってみた
この間、新宿のヨドバシに行ったとき、Windows Vistaを店頭で触ってみた。そのレポを簡単にまとめてみる。
まず、WindowsVistaは見た目は多少変わったといっていい。しかしそれは決してアドバンテージにはならない。
というのも、結局ユーザーが違いを体感するのは、対応するアプリが登場してこそだからだ。XPのときより使いつづけているおなじみのソフトを使用している限り、
そのアプリの使用感は当然変わらない。
では機能面で変わった点をあげてみよう。
たしかにファイル検索の機能は充実したと思う。
でも、そんなにしょっちゅうファイル検索するだろうか？
フリーソフト、Google Desktopをインストールしていれば同じような検索は可能だ。
Vistaから標準でDVDをライティングできるようになった。
しかし、DVD-Rとかが装備されているパソコンを買えば、初めから専用のソフト（しかもVista標準よりも格段に性能がいい）がついてくる。
ウィンドウが半透明になって背景が見えるという機能もある。
しかし、ウィンドウのタイトルバーが透けると、そこに書いてある文字が読みづらい。。。タイトルバーには大概開いているファイル名が表示されているものだが、
なんだか使いづらさを感じてしまった。ちなみにこのバグではないかと思われる現象は、Aeroという機能を有効にしている時発生する（笑）
複数開いたウィンドウを３Ｄ表示できるという機能もある。３Ｄとは言ってももちろん画面が立体的に見えるわけではなく、単にウィンドウを斜め右から見ているように
歪ませて並べるだけの話だ。
あれを見られることのメリットっていったいなんだろうか。。。？？？
僕はマイクロソフトが嫌いだけれど、仮にマイクロソフト信者であったしてもこの評価は変わらなかっただろう。
しかも、マイクロソフトらしいと感じる戦略、つまり人の無知に付け込む戦略も随所に見ることができる。
たとえば、IE7。これはXPでもインストールできるのだが、ツールバーのところに検索エンジンの窓を登録することができるようになっている。
そして、ユーザーが何も考えずに［ＯＫ］をクリックしていくと、そこに登録される検索エンジンは、マイクロソフトの「Live」が選ばれる。これは何を意味しているかというと、
現在検索の世界でナンバーワンのGoogleをターゲットにしていると言っていい。
Googleを検索エンジンとして使うユーザーが増えるに伴い、検索結果で上位に表示されるということはもの凄い価値のある広告になった。当然、Googloには広告収入が入る。これをマイクロソフトもやりたいのだ。
もうひとつは、日本では全く売れなかった「Windows Media Center」の強引とも思えるバンドルである。これはいわゆる家電との融合ということで、マイクロソフトが開発した
ＯＳだが、基本はWindows XPにちょっとしたメニューをつけただけのような他愛ないＯＳだ。
マイロクソフトはこのWindows Media Centerのユーザーインターフェイスにユーザーを慣らせる為にVistaにバンドルしたといって過言ではないだろう。
更に、販売単価を上げるための努力も惜しんでいない。Vistaの家庭用バージョンとしては安価なHome Basicと比較的高価なHome Premiumの２種類があるが、
Home BasicにはWindows Media Centerをあえて外している。さら上で書いたAeroという機能もない。正直私はどちらの機能もいらないが、多くのビギナーが量販店で店員から
「Home BasicはVistaの特徴であるAeroとWindows Media Centerが使用できないからもったいない」と言われたら、簡単に上位バージョンで値の張るHome Premiumを選択
してしまうだろう。
結局のところ、見栄えを変えたのと、今までフリーソフトをユーザーがインストールしなければならなかったところをＯＳに標準に詰め込みました、という程度の代物でしかない。
これでメジャーバージョンアップというのだから、マイクロソフトの創造力もここまで落ち込んだか、と落胆せずにはいられない。
ちなみに、Vistaには32bit版と64bit版があるが、両方入っているのは最上位のUltimate版だけで、他はどちらか一方の選択となる。
そしてアプリが対応しきれていないというのもあるのだろうが、今のところ、64bit版を購入することのメリットはない。
速度はそんなに速くならないし、ドライバーが対応していなく逆に使えないということになる危険が非常に高い。
私はソフトメーカーやハードメーカーが64bit版に対応するようになってから64bit版のVistaを購入することをお勧めする。
今32bit版を購入するというのは、世界一儲かっているマイクロソフトに、あなたのなけなしのお金を寄付するようなものである。
