本日の御題:それでも小泉首相を選ぶのか・・・?
◆政治改革は?
 抵抗勢力の顔であった野中氏を政治屋廃業に追い込んだことで、最近小泉首相はいきようようだ。小泉内閣の母で今は 勘当中の田中氏が無所属で選挙に立候補しても、余裕の表情を浮かべてコメントすることさえできる。

 さて、抵抗勢力の解体を自分の成果だと言い張る首相だが、私は些か納得がいかない。私にとって小泉VS野中はあくまでも 権力闘争であり、どちらが勝ちどちらが負けたとしてもとても政治改革と呼べるほど高尚な行為ではないからだ。
 第一、道路公団然り、官僚の天下り体質然り、地方分権然り、何も問題は解決していない。彼が首相になってまだ1ヶ月というならば 成果が上がっていなくとも問題はないだろう。しかし小泉内閣が誕生してからいったいどれたけの月日を費やしたことか。
 未だに小泉首相の口から具体的な改革案を私は聞いていない。ただ国民受けするような「パフォーマンス」を繰り返すばかりである。

 経済政策においても同様だ。不良債権問題が最近騒がれなくなったのは単に株価が上昇基調にあるためであり、決して実体経済がよくなったからではない。 グローバルな投資家はリスクを回避するために米国株に40%、欧州株に30%、日本株に30%といった具合に各国の株を分散して購入する。 たまたま米国の株価が一時の下落から立ち直り始めたので、米国株を購入すれば、各国の比率を保つために他の国の株も購入する。 その結果、日本の割安感のあった株も買われただけである。(もちろん、その国の実態経済に対して株価に割高感があれば連動せずに下がる場合も 多々ある。その場合は、投資家が配分の比率そのものを見直した結果といえる)
 各国のマスメディアでは、選挙前に東証が1万円を回復していることに関して「小泉首相はラッキーだ」と酷評している。
 有権者が間違ってはいけないのは昨今の株価回復が政府の政策によったものではないということである。

◆選挙の議題に自衛隊派遣をとりあげないという暴挙
 さらに小泉首相は自衛隊のイラクへの派遣の決定を選挙後に行う予定であり、選挙前は極力話題にしないよう努めている。
 これは55年体制下ではありえなかったことであり民主党の突込みの甘さにも問題はあると思うが、国家の大事を選挙の争点にしないというのは なんとも不誠実ではないだろうか? 選挙民は誤魔化されることなく、そのあたりもしっかり考慮して投票すべきである。
 イラクと国境を接するトルコでさえ、最近になって派兵を見合わせた。ここにきて立て続けにアメリカのヘリが砲撃にあって墜落しているが、 来年のアメリカ大統領選挙前になれば、テロリストはさらにブッシュの再選を阻止すべく抵抗を強化するだろう。その場合、自衛隊も 危険にさらされることになるだろう。
「日本は原油の殆どを中東に頼っているから、イラクの安定こそが日本の国益」というのは、所詮アメリカの言い分に過ぎない。

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