本日の御題:第二のテロの準備は整った
◆英雄視されるテロリスト
 アメリカ経済が揺れている。経済力の一極集中にさえ思えたアメリカの繁栄は後世、「バブル」という言葉で片付けられるのかもしれない。 アメリカ経済、特に株価の低迷はそのまま日・欧といった先進国にも重大な影響を与え、これまで世界をリードしてきたと自負する 勝ち組の相対的な地位を低下させるかもしれない。

 しかしこの事態を細く微笑んで見ている人の顔を思い浮かべてみてほしい。イスラム諸国に深い陰を落としている組織の名前が 頭をかすめないだろうか?
 偶然にも、イスラエルのガザ地区でイスラエル軍の空爆によってテロリストの首謀者の一人が暗殺された。これには民間人も多数巻き込まれたため イスラエル国民からも非難の声があがっているが、今後、テロを隠れ蓑にしたイスラエル政府の強硬な姿勢が続けばアラブ諸国との関係の悪化も 心配され、それはさらにテロリスト達の思う壺という事になる。

 そもそもイスラエル政府が強硬な態度を取れるようになったのは、「テロリストへの戦争」を正当化したアメリカによるところが大きい。
 しかしイスラエルとアラブ諸国との関係の悪化はそのままその仲介役であるアメリカとアラブ諸国との関係悪化、不審の増大を生み、 結果としてテロリストにテロを行うよい環境を与えてしまう。
 たとえ超大国アメリカといえども他国(内に潜むテロリスト)を攻めるには大義名分はもとより、協力国がいなければ国内世論を まとめられないし、基地の提供がなければ補給も間々ならない。当然陸軍の上陸なしに大規模な掃討作戦もできない。
 アメリカはアラブ諸国とのあいだに何らかの妥協や譲歩をする必要に迫られるが、その譲歩を引き出した原因がテロリストにあり、 そして彼らが悪鬼アメリカに一撃を与えたならば、国民レベルではテロリストが英雄になるかもしれない。そういった土壌をはらんでいるのが 今のアラブ諸国、イスラム諸国ではないだろうか?
 ニューヨークのテロが起こったとき、アラブ諸国の一般国民は決してテロリストを憎まなかったし、むしろ手を叩いて「ざまあみろ」と 吠えていたことは記憶に新しい。

◆経済の低迷期がチャンス
 しかも偶然にも、アメリカ経済が揺れている。もし今、第二のテロがアメリカ国内で起こったならば、経済的信用はさらに揺らぐだろう。 それはそのまま株価の低迷と企業の利益圧迫につながり、アメリカ経済に深刻な影響を与えるかもしれない。
 そもそも日本のバブルは「土地」という不動産を主演俳優にして動いていた。だからこそ地価の下落が現在でもなお、経済に深い傷を 負わせている。そこへ行くとアメリカのバブルはまさに「株」が主演俳優である。一般の従業員までがストックオプションを保有しているような 国である。株価が下落したときの国民消費はじわじわとしかし確実にアメリカ経済をしぼむ方向に動かすはずだ。

 そしてそれはテロリストが最も喜ぶことでもある。もちろん、軍事特需によって一部の産業の景気は良くなるかもしれないし、大統領の支持率は おそらく急上昇するだろう、が。

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