衆院解散総選挙予測 に対する投稿
地域経済分科会さんの感想
 今回は自民党やや有利かな、という感じはもっています。
 公明党が加勢しているので、前回参議院選挙より票は上積みされます。
 自公連合の強さは、熊本や大阪の知事選挙でも明らかになりました。

 しかし、自民党自体は、衰弱しています。あの党は基盤として、 1、農民、2、中小企業、3、大企業や、銀行、高級官僚、をもっていました。 いわば、多岐にわたる国民政党でした。
 経済成長率が高ければ、また、外から利害がからむ問題がなければ、これらのグループの間での 利害対立もさほど深刻ではなく、自民党は安泰でした。

 しかし、いまや、経済成長率は0に近い。となると、どんな政策をやっても、階級間でのゼロサムゲームになってしまいます。
 96年から97年にかけては、おもに自民党は、3の救済のため、多額の税金を使い、また規制緩和を推進し、 2から3への所得移転を行ったと言えます。(大店法が良い例)。一方で景気は消費税アップなどで腰折れした。
 このため、3の支持を失い、98年参議院選挙では東京、神奈川、埼玉、兵庫、京都、大阪、愛知の 大都市圏で完膚なきまでの大惨敗を喫しました。

 一方、大企業はどうかといえば、構成員はほとんどサラリーマンですから、自民党にいれるとは限らない。
もはやたよりは1の農民だけです。(だから熊本では勝てる!)

 小渕政権で徹底的にばら撒き、なんとか階級対立を和らげましたが財政はぼろぼろです。
 ですから、今度たとえ勝っても、来年の参議院選挙はまたもや自民惨敗の可能性もあります。
 おそらく2004年までにある総選挙では自民党は勝てないでしょう。いや、一部の農村だけで 「かろうじて」勢力を保つ地域政党に成り下がる可能性すらあります。

 むろん、たとえば、株のネットバブルが投票日までの間にはじける事態があれば、自民惨敗は避けられません。 今の景気の持ち直しは、ある意味、バブルです。

 ともあれ、来世紀は、国民政党は存在せず、むしろ階級と言うか(昔ほど固定的ではないが) そういうのを元にした政党が三つくらいあってそれが」政権を争う時代になると見ています。

 二大政党は無理と見ています。現にアメリカでも二大政党なので大統領選挙の投票率が 五割を切りました。選択肢が少ないのです。
 一つの核が左に共産党それに、社民党の支持層も、おそらく社民消滅でこちらにくるし、 民主党の旧社会党系もくる可能性があります。
 真中におそらく民主党。しかし、いまのままでは無理でしょう。
 右にたとえば自由党と自民の右より。新保守主義的政党として、出てくるでしょう。
 公明がおそらく、共産以外の各勢力の間で是々非々を取るでしょう。

 あと、たとえば石原知事辺りが新党を作れば、非共産勢力の間でのバランスが崩れてくるでしょう。この場合は、 ナショナリズムの石原新党が右にきて、共産(+その外いっぱいある革新政党)が左にきて それぞれ大勢力となり、真中が弱いと言う、戦前のドイツのような形も考えられると見ています。

管理人より
 今回はいつになく鋭いご指摘、ありがとうございました。勉強させていただきました。ご投稿、ありがとうございます。

 現在の森内閣、および自民党の比較的高い支持率は、「理由なき肯定」だと私は踏んでいます。あえて言うならば小渕さんへ の同情票が入っていることぐらいでしょうか。国民は自民党の政策で、何か特定のものを支持しているわけでもなく、 また自民党の実績を高く評価しているわけでもないからです。
 だからちょっとしたきっかけで脆く急降下する可能性があります。

 また、自民党が「利権集団」であると言われて久しいですが、地域経済分科会さんのご指摘があったとおり、 その地盤は確実に沈下しつつあります。補足するならば、公明党と連立を組んだことによって他の宗教法人からも 尽く支持を失っていることがあげられます。

 経済が停滞している以上、階級間のプラスマイナスはすべて加味すると0になる(解説:総数が同じであるから、ある階層の増加量と他の 階層の減少量は等しい)というご指摘は、まさにそのとおりだと思います。

 ネット・バブルは小崩壊した感じですね。米国でマイクロソフト(以後MS)の分割が提案されたのを材料に、割高感のあったIT株は軒並み 値を下げました。もちろん、米国ではしばらく調整が入った後は上昇に転じるでしょうが、しかしMSの分割案は今後しばらく時間がかかり そうですから断続的に株価は乱高下するでしょう。
 そしてそれを本場米国以上に影響を受けるのは、経済に今ひとつ強さを感じない日本・アジア諸国だと思います。
 もし選挙と株価の暴落がタイミングよく起こった場合、政府への不満は強まるでしょうね。自民党の敗北はおそらく決定的になるでしょう。

 最後に二大政党制ですが、この議題では私と地域経済分科会さんは袂を分かつかもしれません(笑)。まあ、それもよしとすべきでしょう。
 確かに2つしか政党がないと政策で選ぶにしても、難しい面はあります。
 しかし日本の保守的な国民性を考えると、政権交代を実現可能なものとするには、政党は2つか、多くても3つが限界だとも思います。
 抜本的な変革よりも、「なあなあ」で済ませたがる国民性は最近変わってきた感もありますが、欧米諸国と比べると未だ根強く残っていますから。
 生活レベルが向上し豊かになった日本では、よほど酷いショックがない限り、基本的には現状を変えたくないのです。

 また、大統領制ではない日本で国の最高責任者を国民が選ぼうとしたとき、首相になってほしい人のいる政党に投票する、ということも 当然あるでしょう。そのときに少数政党が乱立していると、この選挙民の意思はなかなか政界には反映されず、結果として国民の間に 諦めムードを蔓延させてしまうことにもつながります。
 よりビビッドに国民の意思が現実化するシステムとして、私はより絞り込んだ政党数が理想的だと考えています。

 ただ、現在の日本ではなかなか難しいですよね。自民・民主という与野党の柱以外にも、某組織をバックに据える公明と時代的には フェードアウトすべき元気のある共産がいるからです。自由は一個性によって存続している政党ですし、保守は近々消えるでしょう。
 社民ももはや存在意義を失っており、フェードアウトするしか道は残されていない。

 すると来世紀に残る政党はどうしても四政党になってしまいますが、共産と組みたがる政党はなかなか現れませんし、公明に対しては 不信感、心配感があるのは事実です。自民・民主共に連立政権をするとしても、公明党との二党連立は組みにくいし共産とはさらに ハードルが高い。
 つまり、基幹政党の政策の善し悪しで中道勢力が動き政変が起こるというシナリオは機能しづらいわけです。まあ、公明党は そのキャスティングボードを握るだけの力はありますが、特定宗教法人を支持母体に持つ政党との連立や駆け引きは自民・民主、 どちらにとっても決して好ましい状況ではありません。
 この場合、より連立に抵抗のない第三の勢力が求められることになるでしょう。

 最後に意見の相違がありましたが、それも議論には大切なことだと思い、あえて掲載いたしました。
是非、今後も貴重なご意見をお聞かせください。

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