久しぶりの長期山行です。この程度でも長期です。そして、行き先はいろいろ悩んだのですが、8年前に断念した赤木沢にしました。あの時は、生憎の雨で赤木沢を諦め、雲の平へ(それも雨の中だったので今ひとつ堪能できませんでしたが・・・)。今回は、赤木沢を経由して黒部五郎岳へ。黒部五郎岳は、この辺で唯一まだ行っていない山なのです。 |
11:40 | 新宿 発 |
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今回も高速バスを利用。独立3列シートが予約できなかったので、リラックスタイプの4列。途中トイレ休憩があり、シートはゆったりと座れる。これも悪くない。
富山駅に予定時間ピッタリの5時50分に到着。まぁ、途中のパーキングで時間調整しているのでしょうが・・・。でも、富山から折立へ向かうバスの時間まで20分しかなかったので、時間通りに着いて安心した。 |
6:10 | 富山 発 |
| 富山から折立行きのバスは、夏のハイシーズンのみ運行の直通バス。これは助かる。このシーズンだから結構混んでるのかと思いきやガラガラだった。全部で10人程度。富山からバスに揺られること約2時間。高速バスと違って富山地鉄バスは狭いので、2時間も長い。 |
8:20 | 折立 発 |
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折立で身支度。久しぶりの長期山行で、明日は赤木沢を控えているので、今日は疲れを残さないようにと、イチローモデルのテーピングスパッツも着用。それに荷物を軽くするように、今回は全て山小屋泊という贅沢コース。8時20分出発。天気は快晴。ちょっと暑すぎる。
以前この登山道を登った時の記憶では、さほど傾斜が急ではなかった気がする。あまり先を急がないようにゆっくり目に入った。 |
9:55 | 三角点 |
| 1時間半歩いたが、あまり疲れを感じなかったので、立ったままの給水休憩以外は取らずに、ゆっくりと歩き続けた。今朝方快晴だったが、途中から雲が出始め、太郎平の手前では遠くから雷が聞こえていた。 |
12:15 | 太郎平小屋(〜12:45) |
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太郎平に着いたところで休憩。疲れていないつもりだったが、休んだらどっと疲れが出た。ここらで昼食、と思ったところで雨が降り出し、一気に大降りになった。急いで太郎平小屋の軒下に逃げ込み、雨宿りしながら昼食。雨は止みそうにないし、疲れたし、今日はここに泊まってしまおうかなぁとも思ったが、ご飯を食べたら少し元気が出てきた。意を決し、レインウェアを着込んで雨のなか出発。
歩き始めてほどなく、雨は小降りに。滑らないように気を付けながら、折角稼いだ高度を、薬師沢小屋へ向けて下っていく。薬師沢への道は、水に困ることはなさそうだが、展望が開けていないため先が見えない。目印の渡渉地点をいくつか越えると、突然薬師沢小屋の赤い屋根が見えてきた。 |
14:50 | 薬師沢小屋 着 |
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北アルプスの奥地、薬師沢小屋に到着。沢沿いに建つ、小じんまりとした小屋だが、最盛期のせいか泊まり客は多いようだ。小屋の入口外にあるテラスでひとりビールを飲んでいると、そこかしこで今日の疲れを癒し、ビールで寛いでいるパーティがいる。ちなみに、すぐ近くで、ビンワインを担ぎあげてソーセージと一緒に贅沢な宴会をしていた男女4人組は、翌日赤木沢で再会することになる。反対側には、韓国のおじさん5人組がいて、日本への観光がここまで来たかとビックリ。
山行中はカロリーを消費するため、山小屋ではつい食べ過ぎてしまう。美味しい食事を平らげて、1日の疲れを癒すべく早々に床についた。 |
―――(薬師沢小屋にて宿泊)――― |
5:40 | 薬師沢小屋 発 |
7:15 | 赤木沢 出合 |
→赤木沢遡行
の記録についてはこちら |
8:30 | 大滝 |
10:00 | 中俣乗越 着 |
10:30 | 中俣乗越 発 |
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中俣乗越で、靴や靴下を着替え、沢モードから縦走モードに変身。赤木沢という目標をひとつクリアしたことで、晴れやかな気持で足取りも軽く登行。出発してしばらくした頃から雲の量が増え、霧が出始めた。直射日光が当らないのは助かるが、周囲の景色が見えず残念。
黒部五郎岳山頂を巻くコースを辿り、稜線に戻ったところに荷物を置いて山頂まで往復。 |
12:30 | 黒部五郎岳 山頂 |
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黒部五郎岳山頂に着いた頃は霧も濃く、周囲の景色はほとんど見えなかった。しかも、山頂に着いて5分程度で、雨が降り出した。前日に続いての昼からのスコール。山頂もそこそこに急いで荷物を置いた場所へと戻ったが、到着した時にはザックがビショビショになっていた。
今日もレインウェアとザックカバーを出して出発。黒部五郎小舎は意外と遠かった。黒部五郎岳のカールを通り、降ったり止んだりを繰り返す不安定な天気のなか、レインウェアを着たり脱いだりしながらひたすら歩き続けると、鬱蒼とした木々の中を抜けた瞬間にやっと小舎が見えてきた。とうちゃ〜く! |
14:45 | 黒部五郎小舎 着 |
| 黒部五郎小屋は思ったより広い。それに、生ビールまである。今日は、今回の山行で1番長かった日。今日一日の頑張りと、赤木沢遡行を祝し、ビールで1人祝杯。例によって、夕飯もモリモリ食べた。 |
―――(黒部五郎小舎にて宿泊)――― |
5:40 | 黒部五郎小舎 発 |
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黒部五郎小舎の朝食はナント4時半から。朝が早い山小屋の中でも、さらに早い朝食だ。とはいえ、この日の行程はかなりゆるゆる。各山頂で、相当ノンビリできる予定なので、朝食も慌てず騒がず堪能。4時半朝食にしては遅めの出立となった。
小屋を出ていきなりの登り。登り急がないという今回の課題に従い、スローペースで登っていく。約2時間で三俣蓮華岳山頂に到達した。 |
7:35 | 三俣蓮華岳 山頂(〜8:10) |
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三俣蓮華岳山頂に着くと、突然槍ヶ岳の雄姿に目に飛び込んでくる。今回の山行では初槍だ。そして、この山頂からは360度の展望。言うことなしの絶景。槍ヶ岳を起点に、鷲羽岳・水晶岳、薬師岳、昨日登った黒部五郎岳、笠ヶ岳、穂高連峰と見渡すと、また視線は槍へと戻ってくる。快晴、熱射のなか、飽くこともなく北アルプスの絶景を眺めていた。
ここから双六山荘へは、双六岳山頂を経由するプチハードコースと、迂回していく楽チンコースの2つがある。しかし、双六岳山頂から少し降りた所に絶景ポイントがあるので、当然プチハードへと向かった。次第に陽射しが高く強くなる中、双六岳手前の急登を登り切り、山頂に到達。 |
9:20 | 双六岳 山頂(〜9:35) |
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双六岳山頂は短時間でパスし、絶景ポイントへと急ぐ。その絶景ポイントとは、双六岳の少し下にある、砂漠のような平地から見る槍ヶ岳。殺伐とした大地の向こうに、槍ヶ岳に尖塔が忽然と姿を表している様は、一種独特な世界を構築している。ここで、ちょうど向こうから登ってきたお疲れ気味のカップルに無理にお願いして、記念撮影のシャッターを押してもらった。
その後は一目散に双六小屋へ向かう。その途中で、雷鳥さんに出会った。ハイマツの下をくぐり抜け、ピョコっと顔を出す雷鳥。うん、かわいい。 |
10:30 | 双六小屋(〜11:10) |
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双六小屋で双六ラーメンを食べた。麺が少し茹で過ぎだったが、山で食べれば何でも美味しい。塩分補給も兼ねて、汁も全部飲んでしまった。ポカリスウェットを飲みながら、しばし休憩。今日は先を急ぐ必要はない。
双六小屋から弓折岳分岐までは、行きも帰りもコースタイムが同じなので、比較的平坦な道が続くのかと思っていたら、かなりアップダウンが多かった。そして、弓折岳分岐から鏡平小屋への下り。小屋が見えているのに、なかなか着かないのはもどかしい。 |
13:00 | 鏡平山荘 着 |
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早めの時間に山荘到着。このあと夕食までの時間を、何をするでもなく、景色を眺めたり、ぼーっとしたりしながら過ごすのが楽しい。とりあえず、またビールを飲む。さらに、練乳カキ氷まで食べてしまった。
鏡平山荘は槍・穂高連峰の景色が売りだが、昼前から雲が出始めたため、全く見えず。ところが、夕食を食べ終えた18時前、急に雲が切れ始めた。山小屋にいた人たちが皆、近くの池まで足を伸ばし、逆さ槍が池に映るのを期待しながら、じっと山並みを眺めている。山を愛する者同士、得も言えない一体感の中、固唾をのんで見守る。雲が切れた瞬間の歓声と、また槍が隠れてしまった瞬間のため息がシンクロする。そうやって、寝る時間まで飽くことなく景色を眺めていた。 |
―――(鏡平山荘にて宿泊)――― |
6:00 | 鏡平山荘 発 |
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鏡平山荘も朝食は4時半からと早い。食後、改めて槍・穂高連峰を眺める。日の出前、澄み切った空気の中、槍ヶ岳が凛とs聳え立っている。美しい。
6時と遅発ち。今日は新穂高温泉まで下るだけ。 |
7:30 | 秩父沢の水場 |
| 水場、というか川と交差している地点で休憩しさらに下っていく。まだわさび平小屋を通過していないのに廃道風の橋が見え、早くも下界の様相。そこを通り過ぎて、さらに林道を歩いていくと、わさび平小屋が見えてきた。 |
8:30 | わさび平小屋 |
| わさび平小屋で休むのはもったいない気がして素通り。そのまま歩いていくと、途中笠ヶ岳の登山口があり、以前ここに来たことがあることを思い出した。そんな昔の山行を思い出しながら歩いていくと、登山口のゲートに到着した。 |
9:20 | 登山口 |
| 登山口を出てすぐのところに、日帰り入浴可との看板が出ている小さなホテルがあったので、早速そこに向かった。ロビーに入ってすぐにデジャビュ。そうだ、ここは笠ヶ岳に行った際にも入った温泉だった。ゆっくりと3日分の垢を落とす。ぬるめの温泉が、体に心地いい。今回もいい山行だった。 |