なんとな〜く山日記
(2012年)
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根が不精なので、簡単なコメントだけつけてみました。ちゃらんぽらんでスイマセン。


【2012年】
月 日
山 域
日 程
形 態
メンバー等
備 考
11/3
鍋割山日帰り日帰り単独鍋焼うどん、美味かったぁ〜
10/6
乗鞍岳日帰り日帰り単独リハビリハイキングです
9/15〜17
荒川・真ノ沢2泊3日山小屋・避難小屋泊単独滑落しました(;;)腰・肘痛打!
荒川遡行9日目単独途中、大崩落あり。危険!
8/17〜21
黒部五郎縦走夜行3泊山小屋泊単独久しぶりの長期山行で疲れた〜
赤木沢単独明るく爽やかな美渓遡行
8/4
早池峰山夜行日帰り夜行日帰り単独意外とゴツゴツした男性的な山
7/14
荒川遡行8日目日帰り日帰り単独重力式アーチダム秩父湖まで
6/23
谷川岳日帰り日帰り単独谷川岳。表の顔は美しい
5/4
荒川遡行7日目日帰り日帰り単独武甲山を眺めながら歩く
3/25
荒川遡行6日目日帰り日帰り単独「かわはく」は楽しいです
2/18
荒川遡行5日目日帰り日帰り単独シベリア飛来の白鳥に遭遇

 
 
 
山 域
鍋割山
日 程
2012年11月3日(土)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
曇り時々晴れ
コメント
 真の沢で痛めた腰もだいぶ復活してきたので、リハビリ登山第2弾ということで、近場の鍋割山にしてみました。最近、寒くなってきたので、鍋焼うどんもいいなぁと思って。
9:10
大倉バス停
昔はオンボロだったのになぁ・・・などと思いながら大倉バス停を出発。いつもこうなのか、紅葉シーズンだから特別なのか、渋沢からのバスは臨時便が2便も出るほどで、とにかく人が多かった。山ガールもたくさんいたのでブームの影響かもしれない。山を好きな人が増えるのは嬉しいことだけれど、実際に山で混雑を目の当たりにすると、正直げんなりする。
大倉からは車道、そして林道をたどる。アップダウンが少ないので楽だが砂利道なので歩きにくい。後ろにいた高校山岳部らしき集団に煽られたわけではないが、ハイペースで進んでいく。なんか道に見覚えがあるなぁ、丹沢だから昔来たんだろうなぁと思っていたら、二俣に着いて思いだした。一昨年、小草平ノ沢を遡行する際にアプローチで使った道だ。そりゃ見覚えがあるわけだ。その時は、二俣から入渓したんだった。
10:20
二俣
二俣で休んでいるパーティが多数いたが、特に疲れていなかったのでノンストップで先へ。やっと人影が少なくなった。ここからようやく山歩きらしくなり、多少傾斜もある登山道となる。リハビリ登山だったが、どういうわけか体が軽く、すいすいと登っていく。稜線らしきところにぶつかると後沢乗越だ。
11:00
後沢乗越
後沢乗越からは傾斜もかなりきつくなる。見上げると、富士山ほどではないが、登っている人が大勢目に入る。う〜ん・・・あんまり嬉しくない。自分の体調は絶好調で、傾斜が増してもペースを落とさずに登っていたら、すぐに前の人の後ろに着くことになってしまった。その度に道を譲って頂き、思いのほかペースを乱されることなく登高。むしろ、前を行く人に気を遣わせてしまって申し訳ないことをした。しかし、前回の乗鞍と違って、皆さんマナーがしっかりしているので、登っていても気持ちいい。
そのままひたすら歩を進めていくと、登山道の先に太陽光パネルが見えた。そこが山頂&鍋割山荘だった。結局、大倉からノンストップで到着。
11:50
鍋割山・鍋割山荘(〜13:45)
山頂は人また人。春の公園のように、そこかしこに座って、風景を眺めている人がいる。まずは鍋焼うどんを注文しなければと思い山荘に入る。待っている人多数。なんと1時間超待ちだそうだ。とはいえ、ここまで来て鍋焼うどんを食べずに帰るのももったいないので、注文して景色の良い場所に移動した。
天気は曇っている。登り続けていた間は半袖1枚で過してきたが、さすがにじっとしていると寒い。時折雲の間から太陽が顔を覗かせると少し暖かくなる。雪山用のジャケットを着て、山頂をうろうろしたり、ぼーっとしたりして過す。雲がかかっていて、富士山は見えない。
12時50分ごろ山荘に入って順番待ち、さらに20分ほどでやっと鍋焼うどんが登場。結局、70〜80分もかかってしまった、しかし、「11月は1年で一番混んでいる」と店の人から聞いてナットク。考えてみれば、暑くなく、さりとて雪もなく、という諸条件を考えると、11月が鍋焼うどんの最適シーズンなのだ。で、肝心の鍋焼うどんのお味は・・・・・美味かったぁ〜。まぁ、ここで食べるから美味しいのでしょうが、お出しがいい感じに出てて、山の幸も味わい、疲れた体にちょうどいい塩分補給。ごちそうさまでした。山頂に2時間近く滞在し出発。
13:45
鍋割山 発
下山はあまり得意ではなく、最近は膝に配慮してダブルストックにしているが、今日はなぜか走るようにして下山。回復度合いを測るつもりが、体に力があり余っている。下りながら、思いのほか傾斜があったことに気付き、登りの快調さにビックリ。下りもノンストップで大倉まで。
15:40
大倉
11月は登山にいいシーズンですね。気持ちのいい山行でした。
山は本連れ
今回は、胡桃沢耕史の「天山を越えて」。山岳小説?という情報もあり、一応読んでみた。1982年の作品、舞台は戦前のタクラマカンということで、正直あまり期待していなかったが、これが面白い面白い。いやー、惹きこまれました。奇想天外な冒険浪漫小説といったところ。日本推理作家協会賞受賞、直木賞候補と後で知り納得。ただ、山岳小説ではないですね。

 
 
 
山 域
乗鞍岳
日 程
2012年10月6日(土)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
曇り
コメント
 前回、奥秩父真ノ沢で滑落して、腰と肘を痛打。しばらく整骨院に通って良くなったので、今回はリハビリ登山ということで、超楽コースです。が、乗鞍は遠かった・・・。松本駅からでも2時間以上かかるんですから。結局、往復でほぼ半日乗り物に乗っていました。翌日、腰痛が復活してしまったのは、登山のせいというよりも長時間移動のせいのような気がします。
9:43
松本駅
松本から白骨温泉行きバスの乗り、乗鞍高原(観光センター前)で乗り替え、畳平へ。高速バスほど乗り心地が良くないので余計辛い。
畳平に直行したが、実は紅葉はその途中が見どころ。期せずして紅葉シーズン真っただ中。バスの運転手さんも心得たもので、キレイに紅葉した場所では、わざとゆっくりバスを走らせる。
13:00
畳平
富士山五合目のような様相を呈した畳平。既に標高2700mで、結構寒い。足ごしらえをして、いざ出発。
いかにも北アルプスらしい岩山を眺めながら緩やかな砂利道を歩く。観光地なので親子連れや、街と同じ格好で歩いている人も多い。
13:30
肩ノ小屋
肩の小屋を過ぎると、さすがに登山道になり傾斜も増す。とはいえ、標高差300m程度で、山頂も見えている。人が多くて歩きにくいので、半ば走るようにハイペースで登る。結局、畳平からノンストップで50分。山頂に到着した。
14:00
剣ヶ峰(〜14:40)
観光センターの掲示板に、山頂の気温は0度と書いてあった。そこまで冷えている感じはしなかったが、さすがに半袖では寒く、1枚上着を着て、乗鞍の紅葉や遠くに見える槍・穂高連峰を眺めて過ごした。ここで、リフィル(詰め替え)のどん兵衛を食べた。なんだか、どんどん便利になるような・・・。体があったまったところで下山。
小さな岩や砂利の多い下山道で、一度コケてしまった。こんな調子なので、手首を悪くする。年とともに満身創痍だ。
15:10
肩ノ小屋
15:30
畳平(〜16:15)
乗鞍岳は実に良い山だ。山そのものも展望も。ただ、観光地化され、2700mまで切り刻まれた乗鞍はいただけない。登山という観点からすれば、面白みはないし、剣ヶ峰に登る人たちのマナーも何もあったものではない。それでも、ここまで切り拓いたことで、高山に馴染みのない人でも山の良さを多少なりとも味わうことができる。痛し痒しだが、これはこれでヨシとするしかないのだろう。
山は本連れ
あまりの移動の長さに、500ページを超える「漂流」(吉村昭)を軽く読み切ってしまった。無人島サバイバルものだが、“生”に懸ける執念、逞しさ、知恵と勇気は素晴らしいです。舞台は、アホウドリの生息地・鳥島。新田次郎の「火の島」も読んでみたくなった。

 
 
 
山 域
黒部五郎岳・三俣蓮華岳・双六岳 縦走
日 程
2012年8月17(金)〜21日(火)、夜行3泊4日
メンバー
単独行
天 候
晴れときどき雨
コメント
久しぶりの長期山行です。この程度でも長期です。そして、行き先はいろいろ悩んだのですが、8年前に断念した赤木沢にしました。あの時は、生憎の雨で赤木沢を諦め、雲の平へ(それも雨の中だったので今ひとつ堪能できませんでしたが・・・)。今回は、赤木沢を経由して黒部五郎岳へ。黒部五郎岳は、この辺で唯一まだ行っていない山なのです。
11:40
新宿 発
今回も高速バスを利用。独立3列シートが予約できなかったので、リラックスタイプの4列。途中トイレ休憩があり、シートはゆったりと座れる。これも悪くない。
富山駅に予定時間ピッタリの5時50分に到着。まぁ、途中のパーキングで時間調整しているのでしょうが・・・。でも、富山から折立へ向かうバスの時間まで20分しかなかったので、時間通りに着いて安心した。
6:10
富山 発
富山から折立行きのバスは、夏のハイシーズンのみ運行の直通バス。これは助かる。このシーズンだから結構混んでるのかと思いきやガラガラだった。全部で10人程度。富山からバスに揺られること約2時間。高速バスと違って富山地鉄バスは狭いので、2時間も長い。
8:20
折立 発
折立で身支度。久しぶりの長期山行で、明日は赤木沢を控えているので、今日は疲れを残さないようにと、イチローモデルのテーピングスパッツも着用。それに荷物を軽くするように、今回は全て山小屋泊という贅沢コース。8時20分出発。天気は快晴。ちょっと暑すぎる。
以前この登山道を登った時の記憶では、さほど傾斜が急ではなかった気がする。あまり先を急がないようにゆっくり目に入った。
9:55
三角点
1時間半歩いたが、あまり疲れを感じなかったので、立ったままの給水休憩以外は取らずに、ゆっくりと歩き続けた。今朝方快晴だったが、途中から雲が出始め、太郎平の手前では遠くから雷が聞こえていた。
12:15
太郎平小屋(〜12:45)
太郎平に着いたところで休憩。疲れていないつもりだったが、休んだらどっと疲れが出た。ここらで昼食、と思ったところで雨が降り出し、一気に大降りになった。急いで太郎平小屋の軒下に逃げ込み、雨宿りしながら昼食。雨は止みそうにないし、疲れたし、今日はここに泊まってしまおうかなぁとも思ったが、ご飯を食べたら少し元気が出てきた。意を決し、レインウェアを着込んで雨のなか出発。
歩き始めてほどなく、雨は小降りに。滑らないように気を付けながら、折角稼いだ高度を、薬師沢小屋へ向けて下っていく。薬師沢への道は、水に困ることはなさそうだが、展望が開けていないため先が見えない。目印の渡渉地点をいくつか越えると、突然薬師沢小屋の赤い屋根が見えてきた。
14:50
薬師沢小屋 着
北アルプスの奥地、薬師沢小屋に到着。沢沿いに建つ、小じんまりとした小屋だが、最盛期のせいか泊まり客は多いようだ。小屋の入口外にあるテラスでひとりビールを飲んでいると、そこかしこで今日の疲れを癒し、ビールで寛いでいるパーティがいる。ちなみに、すぐ近くで、ビンワインを担ぎあげてソーセージと一緒に贅沢な宴会をしていた男女4人組は、翌日赤木沢で再会することになる。反対側には、韓国のおじさん5人組がいて、日本への観光がここまで来たかとビックリ。
山行中はカロリーを消費するため、山小屋ではつい食べ過ぎてしまう。美味しい食事を平らげて、1日の疲れを癒すべく早々に床についた。
―――(薬師沢小屋にて宿泊)―――
5:40
薬師沢小屋 発
7:15
赤木沢 出合赤木沢遡行
  の記録についてはこちら
8:30
大滝
10:00
中俣乗越 着
10:30
中俣乗越 発
中俣乗越で、靴や靴下を着替え、沢モードから縦走モードに変身。赤木沢という目標をひとつクリアしたことで、晴れやかな気持で足取りも軽く登行。出発してしばらくした頃から雲の量が増え、霧が出始めた。直射日光が当らないのは助かるが、周囲の景色が見えず残念。
黒部五郎岳山頂を巻くコースを辿り、稜線に戻ったところに荷物を置いて山頂まで往復。
12:30
黒部五郎岳 山頂
黒部五郎岳山頂に着いた頃は霧も濃く、周囲の景色はほとんど見えなかった。しかも、山頂に着いて5分程度で、雨が降り出した。前日に続いての昼からのスコール。山頂もそこそこに急いで荷物を置いた場所へと戻ったが、到着した時にはザックがビショビショになっていた。
今日もレインウェアとザックカバーを出して出発。黒部五郎小舎は意外と遠かった。黒部五郎岳のカールを通り、降ったり止んだりを繰り返す不安定な天気のなか、レインウェアを着たり脱いだりしながらひたすら歩き続けると、鬱蒼とした木々の中を抜けた瞬間にやっと小舎が見えてきた。とうちゃ〜く!
14:45
黒部五郎小舎 着
黒部五郎小屋は思ったより広い。それに、生ビールまである。今日は、今回の山行で1番長かった日。今日一日の頑張りと、赤木沢遡行を祝し、ビールで1人祝杯。例によって、夕飯もモリモリ食べた。
―――(黒部五郎小舎にて宿泊)―――
5:40
黒部五郎小舎 発
黒部五郎小舎の朝食はナント4時半から。朝が早い山小屋の中でも、さらに早い朝食だ。とはいえ、この日の行程はかなりゆるゆる。各山頂で、相当ノンビリできる予定なので、朝食も慌てず騒がず堪能。4時半朝食にしては遅めの出立となった。
小屋を出ていきなりの登り。登り急がないという今回の課題に従い、スローペースで登っていく。約2時間で三俣蓮華岳山頂に到達した。
7:35
三俣蓮華岳 山頂(〜8:10)
三俣蓮華岳山頂に着くと、突然槍ヶ岳の雄姿に目に飛び込んでくる。今回の山行では初槍だ。そして、この山頂からは360度の展望。言うことなしの絶景。槍ヶ岳を起点に、鷲羽岳・水晶岳、薬師岳、昨日登った黒部五郎岳、笠ヶ岳、穂高連峰と見渡すと、また視線は槍へと戻ってくる。快晴、熱射のなか、飽くこともなく北アルプスの絶景を眺めていた。
ここから双六山荘へは、双六岳山頂を経由するプチハードコースと、迂回していく楽チンコースの2つがある。しかし、双六岳山頂から少し降りた所に絶景ポイントがあるので、当然プチハードへと向かった。次第に陽射しが高く強くなる中、双六岳手前の急登を登り切り、山頂に到達。
9:20
双六岳 山頂(〜9:35)
双六岳山頂は短時間でパスし、絶景ポイントへと急ぐ。その絶景ポイントとは、双六岳の少し下にある、砂漠のような平地から見る槍ヶ岳。殺伐とした大地の向こうに、槍ヶ岳に尖塔が忽然と姿を表している様は、一種独特な世界を構築している。ここで、ちょうど向こうから登ってきたお疲れ気味のカップルに無理にお願いして、記念撮影のシャッターを押してもらった。
その後は一目散に双六小屋へ向かう。その途中で、雷鳥さんに出会った。ハイマツの下をくぐり抜け、ピョコっと顔を出す雷鳥。うん、かわいい。
10:30
双六小屋(〜11:10)
双六小屋で双六ラーメンを食べた。麺が少し茹で過ぎだったが、山で食べれば何でも美味しい。塩分補給も兼ねて、汁も全部飲んでしまった。ポカリスウェットを飲みながら、しばし休憩。今日は先を急ぐ必要はない。
双六小屋から弓折岳分岐までは、行きも帰りもコースタイムが同じなので、比較的平坦な道が続くのかと思っていたら、かなりアップダウンが多かった。そして、弓折岳分岐から鏡平小屋への下り。小屋が見えているのに、なかなか着かないのはもどかしい。
13:00
鏡平山荘 着
早めの時間に山荘到着。このあと夕食までの時間を、何をするでもなく、景色を眺めたり、ぼーっとしたりしながら過ごすのが楽しい。とりあえず、またビールを飲む。さらに、練乳カキ氷まで食べてしまった。
鏡平山荘は槍・穂高連峰の景色が売りだが、昼前から雲が出始めたため、全く見えず。ところが、夕食を食べ終えた18時前、急に雲が切れ始めた。山小屋にいた人たちが皆、近くの池まで足を伸ばし、逆さ槍が池に映るのを期待しながら、じっと山並みを眺めている。山を愛する者同士、得も言えない一体感の中、固唾をのんで見守る。雲が切れた瞬間の歓声と、また槍が隠れてしまった瞬間のため息がシンクロする。そうやって、寝る時間まで飽くことなく景色を眺めていた。
―――(鏡平山荘にて宿泊)―――
6:00
鏡平山荘 発
鏡平山荘も朝食は4時半からと早い。食後、改めて槍・穂高連峰を眺める。日の出前、澄み切った空気の中、槍ヶ岳が凛とs聳え立っている。美しい。
6時と遅発ち。今日は新穂高温泉まで下るだけ。
7:30
秩父沢の水場
水場、というか川と交差している地点で休憩しさらに下っていく。まだわさび平小屋を通過していないのに廃道風の橋が見え、早くも下界の様相。そこを通り過ぎて、さらに林道を歩いていくと、わさび平小屋が見えてきた。
8:30
わさび平小屋
わさび平小屋で休むのはもったいない気がして素通り。そのまま歩いていくと、途中笠ヶ岳の登山口があり、以前ここに来たことがあることを思い出した。そんな昔の山行を思い出しながら歩いていくと、登山口のゲートに到着した。
9:20
登山口
登山口を出てすぐのところに、日帰り入浴可との看板が出ている小さなホテルがあったので、早速そこに向かった。ロビーに入ってすぐにデジャビュ。そうだ、ここは笠ヶ岳に行った際にも入った温泉だった。ゆっくりと3日分の垢を落とす。ぬるめの温泉が、体に心地いい。今回もいい山行だった。
山は本連れ
今回は長期山行で、しかも赤木沢遡行というオプション付きで、その分荷物も多いので、それ以外の物は極力減らす方針。ということで、本を持っていかなかったのです(;;)

 
 
 
山 域
早池峰山
日 程
2012年8月3日(金)〜8月4日(土)、夜行日帰り
メンバー
単独行
天 候
曇りのち晴れ
コメント
 今年は少し真面目に山行に行こうと思う。で、あといくつ残っているか分からないけれど、少し百名山をこなしておこうと。百名山については、いろいろ言われてはいるものの、良い山ばかりであるのは間違いない。
23:40
池袋 出発
まずは高速バスを使って夜のうちに池袋を立ち、朝盛岡駅に着く。高速バスは最近何かと安全性が話題になっているが、新幹線の半額以下という安さと、朝現地に着くという利便性は捨てがたい。ゆっくり寝られるように、独立3列シートにしてみた。車内にトイレが付いているため、PAでのトイレ休憩hはなし。熟睡するにはいいが、PAでの休憩タイムも嫌いじゃない。
7:10
盛岡駅 発
夏のシーズンだけ運行されている、盛岡から河原坊・小田越直通バス。とても便利だ。
8:54
小田越 着
小田越えに着くと、百名山だというのに商業的要素が見事に排除されていて非常に好感が持てる。まず売店の類も自動販売機も全くない。簡易トイレがあるだけで水場すらない(これには困っている人もいたようだが)。そして、早池峰固有の貴重な動植物を守るための活動も徹底しており、山中にはトイレがなく、ボランティア風の人が登山口で携帯トイレを販売している。また、登山口には靴の裏をキレイにするため、靴の泥落としがおいてある。なかなか気持ちがいい。靴を履く以外にすることがないので、バス停を降りて10分で出発。
9:05
小田越 発
天候は霧。あまり良いとは言えないが、歩き始めて約40分、「二合目」という石の碑が見えてきた頃には陽が射し始めた。樹林帯を抜け視界が開けると、高山の様相を呈した山容が見渡せる。「ハヤチネ」という言葉の印象から、勝手に池糖などが点在する女性的な山のイメージを持っていたが、意外とゴツゴツしており男性的な山だ。
10:25
ハシゴ
途中一箇所だけハシゴがある。難所ではないが、人が多い時だったら渋滞を起こすかもしれない。
ハシゴを通過してしばらく進むと、剣ヶ峰の分岐点に着く。そこから10数分も登ると山頂に到着する。こう言っては何だが、あまりにあっけない。
10:45
早池峰山 山頂(〜12:00)
早く下山しても仕方ないので、山頂で呆けてみた。ここから見える山は、どこがどこだかさっぱりわからない。「展望の山旅」をコピーしてくるんだった。
帰りも1時間半程度。山としては物足りないが、高山植物がたくさん咲いていた。自分には、ハヤチネウスユキソウくらいしかわからない。あと、たくさん咲いていたタカネナデシコという名前を教えてもらった。他にもいろいろな花が咲いており、高山植物好きにはたまらない山なのだろう。
13:30
小田越え バス停
バス停で山頂以上にぼけっとしていた。
山は本連れ
佐藤友哉の「デンデラ」を読んだ。2011年に映画化された作品で、深沢七郎の名作「楢山節考」のスピンオフ的作品とでもいうような作品。読む前は、生に対する執念とか、「楢山節考」的なテーマをさらに掘り下げたような作品なのかと思っていたが、だいぶイメージが違った。それに、どう評したらいいのかよくわからない作品だった。解説を法月綸太郎が書いていてビックリしたが、この解説が高尚過ぎてよくわからない。何となく、法月氏がこの作品を褒めていることと、法月的解説で表面的ではない部分での作品の凄さが少しわかったような気になった。とりあえず、舞台が山で、熊との闘いも出てくるということで、山岳小説的な興味もあって読んだが、これは山岳小説ではないようだ(GAMOの独断と偏見による基準では・・・)。

 
 
 
山 域
谷川岳
日 程
2012年6月23日(土)、日帰り
メンバー
単独行
天 候
曇りのち晴れ
コメント
去年あたりから書く方が忙しくて、ちゃんとした山は久しぶり。ならば・・・と思い、楽して行ける山らしい山ということで、谷川岳にしてみました。一昨昨日の台風直撃や昨日の大雨もなんのその、梅雨の晴れ間で素敵な山行になりました。ただ、人が意外と多かった。考えてみたら、山ガールブーム以降でこれだけメジャーな山に行くのは初めてかもしれない。雑誌で見かける山ガールがたくさんいたし、山ボーイもいて、予想以上に若者が多かった。山ガールブームや百名山ブームなどで登山人口が増えているのはウェルカムなのですが、ゆっくり楽しめる雰囲気がなくなってしまうのは、痛し痒しですね。
5:00
家 出発
山行は基本的に電車派です。ゆっくり本が読めるとか、1人だと電車の方が安いとか、帰りにビールが飲めるとか理由はいろいろです。安いと言っても電車代は馬鹿にならない。なので、極力鈍行で行きます。今回も新幹線代3000円をケチるために、早くに家を出て、高崎経由で向かいます。と、ところが、上野に着いてみると高崎線が人身事故で遅れているとのこと。想定外の事態にアタフタ。結局、新幹線を使ったあげくに、当初予定と同じ時間に土合駅に到着。お金が余計にかかった分だけ損した気分。JRのバカー!(悪いのはJRさんではありませんが・・・)
10:10
土合駅の地上
有名な500段弱の階段を登って土合駅から地上へ。電車の中では、青いジャージ姿の中学生軍団100名?ほどと一緒になり、パワーに圧倒された。彼らも土合駅で降りたが、どこへ行ったのだろう?
駅から20分ほど車道を登ってロープウェイ乗り場へ。西黒尾根を歩いて登るほど、元気でもないし、若くもないのだ。文明の利器は使うに限る。この時間帯はまだ霧が濃く視界が効かない。ロープウェイは老夫婦と私の2組だけ。昔、山に登っていたらしいご主人の武勇伝を微笑ましく聞きながら、霧に煙る山々に視線を向ける。
10:45
天神平駅
ここからが本番。今回は久しぶりなのでゆっくり登るつもりだったが、いざ歩き始めると、貧乏人の悪いクセでついつい先を急いでしまう。熊穴沢避難小屋(11:19)、天狗の留まり場(11:40)をノンストップで通過すると、12時前に突然大雪渓に出くわした。6月だから雪が残っているとは思ったけど、ここまで大量に残っているとは・・・。雪渓の上を歩かなければいけないのは100m足らずだが、勾配が急ということもあり、安全のためにロープが張られている(実際、下りの方で滑り落ちている人が何人もいた)。雪渓を登り切ったところに肩の小屋がある。
12:10
肩の小屋(〜12:30)
一気に登ってしまったので、思ったより足にきていた。ということで、ここで昼食。結構なスピードにまだまだイケると思う反面、この程度で足にきたのは弱っている証拠。少し鍛えよう。
まだ霧が濃く、風も強い。あまりに寒いので長袖を着込んで食事を取った。
12:35
オキの耳
肩の小屋からオキの耳までは目と鼻の距離。山頂は風が強く、もっと寒かった。濃い霧が流れており展望はほとんどない。一瞬の晴れ間から、すぐ隣のトマの耳がはっきりと見え、山頂に歓声があがる。
12:50
トマの耳(〜13:20)
双耳峰のもう一つ、トマの耳に到着。この頃から霧が晴れ始め、本格的に天候が回復してきた。少し待つと、360度全てを見渡せる状態に。が、どこがどこの山だかサッパリわからない。「展望の山旅」をコピーして持ってくるんだった。失敗!
東側湯桧曽川の方を覗きこむと、駐車場の車が見える。谷川岳にクライミングに来ている人だろうか。西側の比較的近いところには、ちょっと素敵な感じの山が見えた。あとで調べたら、仙ノ倉山だった。いつか登りに行こう。山頂で30分ほど景色を眺めてから下山にかかった。
15:10
天神平駅
下りは全くのノンストップで歩いたが、行き同様に2時間近くかかった。というのも、あちこちで渋滞が起きていたからだ。富士山ほどではないにしろ、メジャーで簡単な山・谷川岳でも、百名山ブーム・山ガールブームの弊害が起きているような気がする。人が多いので多少の渋滞は仕方ないにしても、登り優先や遅い人は道を譲るとかいった当り前のルールがないがしろにされている。こんなことが気になるのは、本当にマナーが悪くなっているのか、それとも自分がオヤジ化したためか。でもやっぱり、山好きの人が増えるのはいいことだ。みんな、もっと山に行こう!
それはさておき、行きには全く見えなかった谷川岳が、帰りの道々、そして天神平駅からよく見えた。所々に雪渓を頂いた谷川岳の雄姿は、青い空によく映える。文句なく格好いい。
山は本連れ
森村誠一さんの『死者の配達人』。電車に乗っている時間が長いので、300ページ弱程度の文庫本は余裕で読めてしまう。本書は、北アルプスの山行帰りに、麓の温泉宿で女性と出会って・・・・・みたいな話だが、山行シーンはなかった。森村誠一さんのストーリーテラーぶりは相変わらずで、先の読めない予想外の展開はさすがだが、偶然に頼った決め打ち的な捜査という部分が多く、推理小説としては今ひとつか。