隣に寝ていた方が、高天原で温泉に浸かり、雲ノ平山荘まで行くという意欲的な計画とのことで、翌朝3時にはゴソゴソやっていたが、気にせず爆睡。
薬師沢小屋の朝食は朝5時から。朝食のテーブルで一緒になった方は、どう見ても50代なのに10年前に仕事を引退し、年に2ヶ月は山を放浪しているという。その方が言うには、朝早く赤木沢に向けて出発したパーティが2組いたそうだ。
食後、受付で昼食のお弁当を受け取り、小屋前のテラスで身支度。ちなみにお弁当はちまきだった。食べやすいからか、お弁当がちまきという山小屋は結構あるような気がする。テラスでは他の登山者も身支度をしていたが、その中にメットを被っている5〜6人のパーティがいた。こちらも赤木沢かもしれない。5時40分、準備を終えて出発。天気は良さそうだ。 |
薬師沢小屋テラスからアルミの梯子を伝って
黒部源流へと降りる。いざ、出発! |
朝靄にけむる黒部川 |
黒部源流に降りてしばらくは、高低差の少ない河原を歩いていく。昨日、1時間ほど集中的に雨が降ったが、小屋の方に聞くと水量はいつもと変わらないと言う。まだ早朝とあって、陽光は河原まで差し込んでこない。朝靄けむる中を、淡々と河原を歩いていく。
1つ意外だったことがある。沢用のガイドブックなどを読むと、薬師沢小屋から赤木沢出合までは、「特段難しいところはない」などとなっており、詳しい説明は書かれていない。確かに技術的にはたいしたことないのだろうが、トロ・淵は思ったよりも深く、胸まで浸かってへつるか、泳いで行くしかない場所がいくつもある。今年あるいは今日の水量の関係で、たまたまそうだったのかはわからない。ただ、高地とあって真夏でも水は冷たいし、ザックの防水にやや不安があった自分は、巻き道を辿ることにした。 |
いくつ目の巻き道を辿っていた時だろうか、降りようと下を見たら男女4人パーティがザイルを出して渡渉している様子が見えた。結構水量が多く、スピードも早い。確かに1人ではやや危険かもしれない。そこで、巻き道をさらに高く巻いて、もうひとつ先まで行くことにした。すると、渡渉を終えた4人パーティの後ろにちょうど降り立った。しんがりの男性と話をしてみると、彼らも赤木沢に入ると言う。男性2人はかなりのベテランの模様。4人のスピードもそれなりだったので、そのまま後ろに付かさせて頂くことにした。 |
4人パーティの後を歩くこと10数分、彼らが休憩に入った。しんがりの男性から「ここが出合ですね」と声を掛けられてミスに気付いた。先行者の後を辿ることで安心して、自分でちゃんと地形を見ていなかったのだ・・・・・(^^;。言われて見回してみても、ガイドブックで見る赤木沢出合のトロの様子と違う。時刻は7時15分。薬師沢小屋から1時間半というガイドブックのコースタイムとほぼ一致する。
小屋からノンストップだったのでここらで休憩したいところだが、いつまでも後ろに付いているのも失礼なので、ここで先行することにした。お互いこの先の無事を祈って声を掛け合い、改めて単独行として出発! |
ナメを歩く先行の4人パーティ |