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過去改変によって過去が書き換えられたことは、書き換えたタマシイ自身と生き返った人々しか知ることはない。
ゆえにシセルたちは、ゲームの開始以前にかつて一度世界が改変されていたことを、最後の最後まで知らなかったのである。それを知っているのは、10年前に改変を行ったクネリだけであった。

シセルの最後の改変によって、クネリに大きな影響を与えることになった。
死の4分前と過去の改変のテキストファイルの例を再び使うならば、パラレルワールド説ならばシセルが別のファイル名でセーブした世界にクネリは移動できず前のファイルに残ったままとなり、上書きセーブの場合はクネリに関するデータが消され保存されるためクネリの存在が消滅する。
つまり、クネリはシセルたちと同じ世界には存在できなくなるのだ。

自分の姿を好きに変えられる霊体のクネリは、ゲーム中ではずっと電気スタンドの姿をとっていたが、もし生きていたらこうなっていただろう、老いた本当の姿を最後の最後で見せたのは、シセルに対する感謝の意味もあったのかもしれない。
なお、犬は人間の数倍の速さで肉体的に歳を取る。ゲーム開始時点でミサイルは2歳(第2章より)、人間だと20歳前後にあたり、その10年後は12歳であるから、人間だと70歳前後に相当する。
第4章でリンネが初対面のクネリをオジイサンと呼ぶが、おそらく彼の声(思考?)は年老いた人物のそれなのであろう。第8章冒頭でも「トシをとるとエラそうにしたくなる」と発言している。
(余談だが、犬のように人間よりも早く歳を取る動物は他にもいる。つまりシセルは…)

クネリの目的は、かつては協力を拒まれたシセルにカノンたちを助けてもらうことだ。そのためには、シセルが他の人物と協力しあうことが不可欠である。
このため、第6章冒頭でゴミ捨て場に行くと、シセルがリンネと協力することになったと知り、非常に喜ぶクネリを見ることができる。

なお、第10章ラスト(大臣救出後)でゴミ捨て場に行ってみると、電気スタンドを動かすチカラすらなくなったクネリは、シセルにあることを頼む(内容は是非実際にプレイしてご確認ください)。他の場所に移動してから再度ゴミ捨て場を訪れると、もはやクネリは何も語らなくなる。
第13章ラスト(大臣告白後)では、シセルがクネリに呼びかけても全く反応がなくなってしまう。
この後、最後のチカラを振り絞って、彼の10年が消えてしまう前にシセルに語りかけたのであろう。

最終章の運命更新後なのに、どうしてクネリが消滅せずに、しかもあの状況で語りかけてこれたのか、という謎が残らなくもない。
上に書いた通り、ゲームスタートの時点の世界そのものが、「クネリが10年前に移動したことで生まれた世界」となる。
改変前の世界を生み出した者として、何かのチカラが働き、新しい現在に戻っていく、改変後の世界を生み出したシセルへ接触することができたのだろうか。

演出とか言ってしまえばそれまでだが。

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