#434 新聞の電子版を契約

2020/08/12

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 我が家は今でも紙の新聞を購読している。雨の日も雪の日も、朝夕刊が毎日きちんと自宅の郵便受けに届けられている。

 新聞の宅配というのは日本独特の制度だそうで、このネット全盛の世の中、紙の新聞を定期購読することの意味があるのかどうかというのは、しばしば問われる問題である。メリットとしては、一覧性の高い新聞を毎日読むことによって、自分の嗜好や興味に寄らず世の中の動きを俯瞰的に知ることができることや、一定量の文章を読むことで読解力を育むことができるというものがある。一方でデメリットとして、新聞社の編集方針等により必ずしも中立的でない場合も多々あり、読んでいる新聞により思想の傾向が偏る恐れがあるとか、そもそも情報を得る手段として月数千円というのが決して安くはないとか、うかうかしていると古紙がたまって嵩張るというのも挙げられる。

 そういった一般的なメリット・デメリットは置くとして、私個人として一番問題だと思っているのは、新聞が届けられる自宅に、私自身が2週間に一度くらいしか戻ることができず、その間の新聞をリアルタイムで読むことができないという単身生活をしているというところである。さすがに私でも、2週間前の新聞を改めてくまなく読もうという気にはなかなかならない。

 離れて暮らす私が、安くない新聞代に見合うだけの購読メリットを得ることができないものかと考えていたところ、2週間ぶりに読んだ当の新聞に、紙の新聞の購読契約に200円足せば、紙の新聞に加えてほぼ同じ内容の電子版を購読できるという広告を見つけた。詳細をWebで調べたあと、早速契約をした次第である。

 契約はクレジットカードでのみ可能で、これまで紙の新聞を契約していた場合でも新たに契約することになるようだ。最初の1か月は無料であり、契約をしたら、それまで紙の新聞のみを契約している場合は販売店に連絡して古い契約の方を停止してくれるので、重複契約となることはないとのこと。

 電子版は、スマホやタブレットのほか、パソコン上のブラウザでも閲覧することができる。個人的には、画面の大きいパソコンで閲覧できるというのは電子版の新聞を読む上で欠かせない機能だと考える。基本的には紙の紙面と同じレイアウトであり、1か月前までの朝夕刊や特集号などを閲覧することができるので、読みそびれた連載記事なども後追いでまとめて読むことができる。紙面の拡大縮小などの操作も、dマガジンなどの環境とほぼ類似している。紙の方だとモノクロだったりした写真が、電子版の場合は基本的に全ページともカラーで掲載されているのもありがたい。また、いくつか種類のある地方版の紙面を見ることもできる。

 重宝するのが過去記事の検索機能で、タイトルや本文にキーワードが含まれている記事を、過去5年分のデータベースから検索することができる。検索した結果は、テキストだけでなく記事イメージとして閲覧することもできる。そう言えば、息子が中学校時代に、夏休みの宿題としてエネルギーに関連した新聞や雑誌記事をスクラップしてそれについての感想を書くというのがあり、該当の新聞記事を探すために家族総出で1か月分の新聞をひっくり返して探したということがあった。あの当時にこのサービスが使えていたら、そんな手間はかからなかったのに。

 実際のところ、新聞に載っている記事を隅から隅まで丁寧に読むかというとそういうわけでもないのだが、紙面をぱらぱらめくっていて、書評や投書欄や広告も含めて、「おっとこんな情報が」という発見を与えてくれる新聞というのは、まだまだ捨てがたい魅力があるのも事実である。


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