#427 海外用SIMを使ってみた

2020/01/13

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 日々ネットに接続されているのがあたりまえの日常で暮らしていると、そういった状況から切り離された途端に不便な思いをしてしまうというのは、今や多くの日本人に共通した思いではないかと思う。昔はそんなものがなくても十分暮らしていたのに、今や人々は常時SNSで繋がれており、様々な情報もネットを通じて得ている状況であり、一度そんな生活に慣れてしまうと、それなしの生活に戻れないというのは、これはもう仕方のないことかも知れない。

 自分の場合は、ネットを使い始めたのは早い方だと思うが、スマホとSNSの時代となってからはむしろ遅れていると言ってもいいくらいで、比較的クローズドなLINE以外はSNSのアカウントを持っておらず、blogなどもやっておらず、相変わらずこんなページを細々と更新したり、ごく親しい範囲の人たちとメールやLINEで時々やりとりしている程度のものである。

 なので自分にとって、日本にいる時のような常時接続環境というのはそれほど必須というものでもないのだが、時々、重要ですぐに確認しなくてはならない連絡がメールなどで入ることもあり、やはり常時接続環境はないよりはあった方がいい場面もある。問題は、海外でそうした環境を実現しようとした場合、短期の滞在であってもそれなりにお金がかかってしまうということである。

 海外で常時接続環境を作ろうとした場合はいろいろな選択肢がある。キャリアの携帯電話を持っている場合は、そのキャリアが提供している海外ローミングサービスを使うという方法が一つある。場合によっては特に何もしなくても、現地の通信会社に接続してそのままネットが使えるということもある。ただし、多くの場合はパケット代は従量制であり、うっかりすると知らないうちにパケット代がかさんでしまうということがある。スマホは自分が使っていないうちにも、アプリの更新など、バックグラウンドでいろんな通信をしているので、従量制課金のネットワークに繋がっている場合には、こうした通信を抑止しておかないと、想像以上のパケット代の請求がやってきてびっくりするという、いわゆる「パケ死」とう状況になりかねない。

 別の選択肢としては、海外のネットワークに接続できるモバイルルータを、渡航中レンタルして使うというものがある。通常は一日あたりいくらという感じのレンタルで、料金は渡航する地域や通信速度、紛失時等の保証内容などによって変わる。欧州などだと、安いプランなら一日100円ちょっとでレンタルできる場合もあるが、ルータはバッテリーなどを同梱していたりすると意外に重く、ずっと持ち歩くのもなかなか手間ではある。また、空港での受け渡しというひと手間もかかる。

 あるいは現地で一時利用のSIMを買うという方法もある。海外では日本以上にそういう使い捨てSIMが一般的に売られており、非常に廉価で使える場合もある。ただ、実際に現地で購入できるか、購入できたとしてきちんと設定できるかどうかについては、言葉の壁もあったりして、かなりハードルが高く、上級者向けかもしれない。

 私の場合は、キャリアのスマホを使っているわけでもなく、一度モバイルルータを使ってみたことはあるがやはり重くて面倒ということがあったので、何か安くて汎用的なSIMがないものかと探していたところ、Flexiroamというサービスがあったので、使ってみることにした。

 Flexiroamは、あらかじめ購入したSIMをスマホに入れ(既存のSIMに貼り付けるタイプのSIMもある)、アプリを入れて必要な設定をし、通信プランを購入するだけで、現地で使えるようになるというサービスである。SIMそのものは廉価(数百円)で、通信プランも地域や日数、通信速度に応じて複数のものから選ぶことができる上、早めに購入すると割引してくれるという余禄もある。

 そんなわけで、北米全体で使える8日間のローカルプランを割引期間中に購入して、先日メキシコに出張した時にこれを使ってみた。これでちゃんと使えればいうことなしだったのだが、なぜかメキシコの場合、なかなか思うように接続してくれず、ほとんど使うことができなかった。全く繋がらないわけではない様子だったので、設定を間違えたとかではないと思うのだが。

 ということで、残念な結果に終わってしまったが、地域によっては使える場合もあるかも知れないので、もしまた海外に行く機会があったら試してみようと思う。


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