#415 ワイヤレスイヤホン事始め

2019/01/16

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 仕事の関係で英語を学ばねばと思い立ってから十数年、それなりについたと思われる英語力を維持するために、日常でもなるべく英語を聞く機会を作っている。とは言えそれほどの時間をそれに割いているわけでもなく、せいぜいNHKラジオの「実践ビジネス英語」を数年来聞き続けている以外には、インターネットのニュース番組をダウンロードしてMP3プレーヤに保存して、通勤途中に聞いているくらいである。

 英語の番組を聞くだけのものであるから、聞くためのヘッドホンというかイヤホンの音質というか品質には全くこだわりはない。最近まで使っていたのは、雑踏の中でも比較的聞きやすく、使わない時に巻き取ることができて便利な、ダイソーで108円で売っている、リール式のカナルタイプのイヤホンである。数か月も使っているうちに、ちょっとしたことで断線して片方からの音声が聞こえなくなったりするのだが、モノが100円そこそこだからして、特段惜しいものではなく、調子が悪くなったら新しいものを買って使いまわしている。

 イヤホンと言えば、最近では独立型ワイヤレスイヤホンが急速に普及しているようである。このジャンルの製品の嚆矢と言えば、やはりAppleのAirPodsであろう。本体とはおろか左右のイヤホンを結ぶコードもなしに、左右独立したイヤホンでもってワイヤレスで音楽が聴けるというアイデアを実現した製品は、出て来た当時は大変に画期的と感じたものである。

 とは言えこうしたものは簡単に模倣されるもので、今やいろんなメーカーが、同様の独立型ワイヤレスイヤホンを製造販売しており、今や廉価なものは数千円で売られていたりしている。手が出ないような高額なものでもないし、何より毎日使っているものであるから、一つ私も使ってみたいと思い、妻からのクリスマスプレゼントでリクエストして買ってもらった次第である。過去の例に漏れず、相変わらずプレゼントと言って電脳小物しか思いつかないのが我ながら進歩がない。

 Amazonで3500円也で入手した製品は、MeilunzというレーベルのNB7というモデル。一応IPX5の防水仕様になっており、連続再生時間は2時間程度だが、バッテリー式の専用ケースで3回程度の充電は可能なので、通勤で使う分にはほとんど問題はない。イヤーフックがついているので、耳から落下する心配もあまりなく、装着感もなかなか良い。イヤーピースはS/M/Lの3種類あるのでお好みで入れ替えも可能である。

 イヤホンそのものに物理的なスイッチはなく、イヤホンの表面を指でタッチすることによって電源のオンオフやBluetoothのペアリングなどを制御する仕様になっている。一度音源機器とのペアリングに成功すれば、次回以降は耳に装着してタッチするだけで電源が入り自動的にペアリングが完了する。

 で、使ってみてどうかというと、音質はさすがに100円のイヤホンより良くて、たとえ英語の番組であってもうんと聞きやすくなった。よく言われる音切れについては、たまに片耳または両耳の音切れが発生することがある。このあたり、なぜか調子よく聞ける場合とそうでない場合があり、音源であるスマホの位置を変えたりしていろいろ試しているが、今のところあまり法則性が見つからない。強いて言うなら、屋内より屋外での使用の方が音切れの頻度は多いようだが、はっきりとしたことは言えない。

 とは言え、本体とイヤホンの間の物理的な線が無いことによる利便性は、使ってみると確かに強力で、特に冬場など、顔や首のまわりにマスクやらマフラーやらいろいろつけていたりして、ほどく順番を間違えるとコードがこんがらがってしまうというようなコントのようなことにならずに済むのは大変ありがたい。また物理的可動部が一切ないので、恐らく故障の心配もあまりないのではと期待している。

 ワイヤレスイヤホンに切り替えたことによって、英語番組の音源機器もMP3プレーヤからスマホに変更した。以前は、PCのブラウザ経由でその週に聞く予定の音源をダウンロードしてそれをMP3プレーヤに保存して、という手間をかけていたが、適当なPodcastアプリをスマホに入れることによって、音源のダウンロードやストリーミングが楽に簡単にできるようになった。こんなのは別に今に始まった技術ではないのだが、こうやって安価な投資で小さな不便や手間が解消されていく恩恵を受けられるのは、いい時代であるなとしみじみ思う。


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