#346 タブレットと遊ぶ(同期編)

2013/05/27

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 前回、PCにある写真などの大量のオリジナルデータファイルを、なんとか苦労してnexus7に転送するという話をしたが、こうして転送したあとも、数としては少ないとは言え、日々更新されたり追加されたりするファイルをPC側と同期しておきたい。しかし、MTP接続では、PC側でドライブとして認識されないために、PCでつかえたバックアップツールが使えず両者の間で同期が取りにくい。

 同期の問題という意味では、私がいろんな場所で使っている複数のPC間における同期おいても同様である。あるPCで更新したファイルは別のPCでも最新のものに反映しておかないと、管理がぐちゃぐちゃになってしまう。そのため、私はこれまでアドエスによく参照・更新するファイルを入れておき、アドエスとPCの間でファイルを同期することで、どのPCでも最新のデータが参照できるようにしていた。

 アドエスとPCはUSBケーブルでマスストレージクラスで接続することができるので、PC汎用の同期ソフト(私はBunBackupというフリーソフトを使用している)を使って同期できる。同期元と同期先のフォルダを設定しておけば、設定ファイルを開いてボタン一つで差分を高速にバックアップしてくれる。両方の内容を同じにする(ミラーリング)か否かなど、細かい設定が可能で、いくつかの設定ファイルを作っておけば、一部分の同期からすべてを対象とした同期まで、細かく制御ができる。

 ただし、アドエスをマスストレージクラスで接続すると、残念ながらUSB1.1相当での接続となるため、ファイルの転送速度はそれほど速くない。大量に同期が必要な場合は、いっそアドエスに挿しているmicroSDカードを抜いて、USBアダプタに挿してUSBメモリとしてデータをやりとりする方が早い。

 日々のバックアップにこうしたUSBケーブルでの接続、もしくはカードを抜き差ししての接続は手間には違いなく、また転送速度も遅いことから、PC間の同期については、別にUSBメモリを用意して、こちらのデータをもとに同期をするようになった。この方が簡便には違いないのだが、これだとアドエスの出番がないし、アドエスのデータが最新ではなくなってしまう。また、ここまでやっても時々は同期作業そのものを忘れてしまい、最新のファイルを別なところに置きっぱなしにしてしまうということもしばしば起きていた。

 どうにかこうした不便を解消できないかと考え、辿りついたのが、いわゆる無料のクラウドサービスである。こうしたサービスはいろんなところで提供されているせいか、無料であっても数Gbyte程度のディスクスペースが提供されるようである。

 Web経由で簡単に申し込めるので、いろいろと試してみたのだが、結局私の用途に一番合っていたのはSugarSyncというサービスである。通常のサービスでは、クラウドとの共有フォルダが固定化されているのに対し、SugarSyncは対象となるPC間で同期するフォルダの組み合わせを自由に設定することができる(その分、設定の仕方ががやや複雑なのだが)。そうやって設定しておけば、片方のPCで行ったファイルの追加や変更、削除の結果が、クラウドを経由して、別のPCにも反映される(別のPCへの反映は、PCを起動しクラウドサービスに繋がったときに自動的に行われる)。

 更に、nexus7等のAndroid端末の場合はFolderSyncというアプリを入れておくと、クラウド上のファイルと端末内のファイルの同期が容易に行えることがわかった。同期するフォルダどうしの設定や、どちらの側に同期させるかという設定も細かく行える上に、無線LANなどで接続されている環境であれば、同期日時を設定しておくことで、定期的に最新の状態に同期することも可能である。大量のファイルを比較する場合はそれなりに時間がかかるが、無線LANの環境で寝ている間に起動するようにしておけば、いつの間にか同期が終わっているので、非常に快適である。

 この仕組みは、これまで悩みの種であったデータの同期作業を画期的に便利にしてくれた。そしてこれをきっかけに、私の携帯端末の利用方法が大きく変わってくるのだが、それはもう少し先の話。


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