#333 アメリカ合衆国ビザ申請(前編)

2012/05/08

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 仕事の関係でアメリカ合衆国(米国)に出張に行くことになった。これまでもあちこち出張してきたが実は米国本土に出張に行くのは初めてである。

 ご存じの通り米国は、2001年のテロ以来、入国審査が大変厳しくなっている。たとえ観光であっても、ESTAという電子申請を事前にやらないと入国できない。具体的にはWebを通じていろんな個人情報や履歴を入力しておく必要がある。入国審査ではその情報を確認の上、指紋や顔写真を取られ、問題なければようやく入国できるというものだ。ちなみにESTAの場合は10ドルで2年間有効である。

 ちなみにこのESTAについては、以前に米国経由でカナダに行くときに取得している。(米国には単なるトランジットであってもESTAが必要なのである。)今回は、米国本土に出張するということで、非移民ビザが必要ということになったわけである。

 このビザを取得する場合は、あらかじめ個人情報や写真のデータをWebを通じて入力しなければならない。名前の由来はよくわからないが、これをDS-160というのだそうで、ともかくそのページに行くと、申請のための英語の説明ページが出てくる。英語が読めなくても案ずることはない。申請しようとする地域と言語で日本を選ぶと、以降の入力画面では、英語の説明書きのところにマウスを持っていくと日本語訳が出るようになる。

 いよいよ申請のための必要事項を入力していくことになるのだが、これが結構な分量なのである。しかも恐ろしいことに「この申請書の作成を20分以上中断すると、本セッションは時間切れとなり、申請ID番号を記録しているかコンピューターのファイルに申請書を保存していない限り、最初からやり直すことになります」とある。うかうかしていると、折角苦労して入力した内容がご破算になり、最初からやり直す羽目になりかねないのである。

 では、入力項目を順に見て行こう。相当いろいろなことを聞かれるので覚悟されたい

個人情報

 氏名、旧姓、性別、未既婚、生年月日、出生地、国籍など。この辺は問題ないだろう。

住所、電話番号

 文字通り。東京の場合は、CityをTokyoとし、State/Provinceは適用外としたが、問題ないようだ。

パスポート

 入国の際に用いるパスポート番号や、その発行地、発行日、有効期限などを入れる。

渡航

 渡航目的などを聞かれる(これによりビザの種類が異なるため)。公用でと答えた場合は、訪問先の機関の情報などを聞かれる。この辺からだんだん面倒になってくる。

米国への渡航歴

 (乗り継ぎのための寄港も含めて)米国に行ったことがある場合は、過去5回の渡航歴を入力しなければならない。最初私は、乗り継ぎの場合の寄港は不要なのかと思っていたら、申請後に「入国履歴がある」と言われ入力の訂正を求められた。たまたまトランジットも含めて記録が残っていたからよかったものの、普通はいつトランジットしたかなんてそんなこと正確には覚えていないものである。その他、過去のビザやESTAの申請で却下されたことがあるかなども聞かれる。

米国でのコンタクトパーソン

 米国での身元保証人の情報を聞かれる。私はたまたま知っていた仕事上の米国の知人の名前を書いておいた。そういう人がいなければ、訪問先の会社の情報などを入力しなさいとのことだが、この辺から、なんだか入国を歓迎されていない気分になってくる。

家族の情報

 両親(および既婚の場合は配偶者)の氏名や生年月日を聞かれる。

仕事および学歴

 勤務先の情報はいいとして、およその年収や仕事の内容まで聞かれる。更に念の入ったことに、中学以降の学歴ということで、これまでに通った学校名とその所在地、在学期間を聞かれる。私の場合、中学以降に通った学校にはすべてウェブサイトがあり、そこで住所などの情報も知ることができたが、そんな手段でもなければ、まず簡単には調べがつかなかったところである。

追加情報

 過去5年間に渡航した国をすべて答えよとの質問がある。私の場合、数えたら10カ国もあったが、これも記録を取っていないと正確に答えることはできない。また「火器、爆発物、原子力、生物学、化学における経験を含む専門的な技能がありますか?またはそのような訓練を受けたことがありますか?」「民兵組織、自警団、反乱グループ、ゲリラグループ、反政府組織に関与したり、構成員として活動に参加したことがありますか?」などという質問もされる。だんだん聞かれることが物騒になってくる。

 入力が必要な項目はあと少しあるのだが、それは後編へ。


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