#249 4代目デジカメは一気に4倍

2005/09/28

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 私も人の親になって1年が経過した。自分の子供のことが事のほか可愛くて仕方が無いという、所謂「親バカ」という現象に、何のことはない、自分も例に漏れず、あるいは他所様以上に親バカになって、週末は子供と戯れている。

 今でこそそうでもなくなってきたが、産まれた当時はそれはもう毎日デジタルカメラで子供の写真を撮っていた。どんな写真でもとりあえず撮っておいてCDにでも焼いておく分にはランニングコストはほとんどかからないのがデジカメのいいところだから、そりゃもうどんな仕草や様子でも写真に撮っておく。何せ子供が生まれてからのデジカメの被写体は、実に9割が子供の写真である。大人にとっての1年は大したことではないが、新生児の1年は後から見返してみたらそりゃもうすごい成長ぶりである。それに、きちんと記録していなくても、写真にさえ撮っていれば「この頃から寝返りができるようになったんだなあ」とか「この頃からつかまり立ちができるようになったんだなあ」とか、「この頃から(以下略)」という感じで、そのまま子供の成長記録にもなっている。

 そんな具合で前にもまして使い倒しているデジカメであるが、子供が被写体であると、さすがに今のExilim S1(120万画素)だと、ズームが無いのが不便だったり、動画に音声が入らないのが残念だったりしてしまう。今のデジカメも別に壊れたわけではないし、通常の用途には十分に耐えるものではあるのだが、子供の小さい時は二度と戻ってくるわけではないのだから、折角だからもっといいデジカメで記録を残しておきたい、という気持ちが高まって、この際奮発してハイエンドのコンパクトデジカメを買うことにしたのであった。

 新しいデジカメを選ぶにあたり、私にとっての第一基準はやはり「小さくて軽いこと」である。何しろ先代のExilim S1は、大きさも名刺より小さく、電池やメディア込みでも100g以下であり、その小ささ軽さによる機動力が最大の武器であった。私の中では、機動力すなわち「どこにでも持って行くことができ、シャッターチャンスを逃がさない」ことが、カメラにとってもっとも大事なことであると考えている。

 最近は各社のコンパクトデジカメも、画素数の争いが一段落し、コンパクト性を重視するようになってきて、画素数が多くかつ小さいデジカメが出揃ってきている。とは言え、店頭で実機を手に持った感覚では、いずれも「見た目よりちょっと重く感じる」というものであった。

 その中で、手に持った感覚が見た目と一致し「小ささ軽さ」の面で合格点が出せたのは、PentaxのOptio S5nであった。名刺以下のサイズで、重さもバッテリ込みで120gというのは、わずかではあるが、他社のコンパクトデジカメよりも若干軽く、私が、普段から肌身はなさず携帯しようと思わせる100g内外というぎりぎり合格点に滑り込める重さに収まっている。

 画素数は500万画素あり、まあデジカメを初めて買った時に35万画素もあれば十分などと言っていた時代からは隔世の感がある。何せ先代のExilim S1から比較したら、一気に4倍の画素数である。パソコンの画面には表示させても1/3程度しか表示されないのであるが、さすがにここまで画素数があると、駅で大きめの時刻表や周辺地図を写しても、中の細かい文字まですべて読めるだけの解像度があるため、今まで以上にメモ取りカメラとして活躍している。

 また、マクロ機能がなかった先代のExilim S1と違い、6cmまで接近できるスーパーマクロモードもある。この機能のおかげで、最近は子供を散歩に連れて行く途中で見かける花の写真をいろいろ撮るようになった。花を画面一杯に収まるようにしてスーパーマクロモードで撮り、あとで再生してみると、花びらやおしべめしべの微細な構造まで綺麗に撮れており、眩暈がするような感すらある。

 また、メディアの容量分だけ連続撮影できる30fpsの動画機能もあり、子供のちょっとした仕草を録画するにもちょうどよい。どうしてもビデオカメラだと、運動会や旅行など、あらたまった行事がある時でないと重いしセットアップが面倒だしでなかなか撮影しようという気が起きなくなってしまうのであるが、コンパクトデジカメだと、ちょっとした時に動画を撮れるという感覚がいい。

 実はこのOptio S5nは、程なくしてS5zという後継機種が出てしまい、あっという間に値崩れしやがて店頭で見かけなくなってしまったのだが、個人的には液晶を大きくした分サイズが大きくなってクレードルがなくなってしまったS5zよりは、S5nの方が使い勝手がいいと思っている。動画をある程度撮ることも考えて、奮発して1GのSDカードを買ったことでもあるし、これからも子供の成長にあわせて、どしどし写真や動画を撮りまくることになるだろうと思う。


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