#230 育児に役立つ家電

2004/05/30

<前目次次>


 先日、我が家にもコウノトリがやってきて、めでたく長男が誕生した。予定日より少し早く4月の頭に生まれた彼は、1週間の入院ののち、我が家にやってきた。

 生まれたての赤ちゃんというものは、とかくいろいろなことに気を配らなくてはならない。体力が無いのはもちろんであるし、感染症に対する抵抗力もまだ十分には備わっていない。目は開いているとはいえ、まだ物がちゃんと見えている様子ではないし、もちろん言葉もしゃべれないので、泣き声くらいしか相手の具合を測るすべが無い。そしてやることと言えば、泣くか、ミルクを飲むか、おしっこやうんちをするか、寝るかくらいのものである。そんな赤ちゃんを守りはぐくむにあたっては、昔に比べて今はいろいろと便利な文明の利器がある。今回は、育児に役立つ文明の利器、とりわけ家電製品について、特に活躍しているものを紹介してみる。

 赤ちゃんの食事は、はじめのうちは母乳やミルクが主体である。我が家はその両方を与えているが、ほぼ3時間おきに授乳するペースであるから、粉ミルクを哺乳瓶に入れてお湯で溶かして、適当な濃度と量と温度のミルクを作る(調乳)はもはや日課である。普段の生活では、熱湯が必要な場面というのは、一日のうちそれほど多いわけではないから、ガスレンジとやかんで必要な時に沸かせばいいくらいのものだが、一日に8回も調乳するような場合は、すぐに熱湯が出せる電気ポットが役に立つ。普段はあまり出番がないまま、かれこれ10年以上ほそぼそと使っていた電気ポットが、調乳の際にはとても役に立ち、もはや24時間フル稼働で使われている。

 また、使った哺乳瓶は、雑菌の繁殖を防ぐために、なるべくすぐ洗浄・消毒しなくてはならない。通常哺乳瓶の消毒は煮沸消毒が一般的だが、大きななべに湯を沸かして消毒するのはなかなか骨が折れる。我が家では、電子レンジで消毒を行うケースを用意した。哺乳瓶が3本入り、少量の水を入れて電子レンジで4分加熱すれば、煮沸消毒と同じ効果がある。これも大変便利である。(もっとも、熱を使わず薬液で消毒する方法もあり、最近は手軽さの面でよく用いられているようだ。)

 こうして母乳やミルクを飲む赤ちゃんは、最初の3ヶ月くらいは1週間で200〜400gくらいのペースで体重が増えていく。あまり神経質になることはないかも知れないが、この増え方が大きかったり小さかったりする場合には、母乳やミルクの量を調節しなくてはならない。したがって、我々大人以上に体重管理には気をつけなくてはならない。赤ちゃんの体重は、数グラム刻みで正確に計測できる専用の体重計があり、ベビースケールといわれている。我が家のものは、乾電池で動き、5gの単位でデジタル計測でき、服の重さなどを自動的に差し引きしてくれる機能もついたものである。もっとも、こちらは3ヶ月限定のレンタル品である。買えば数万円くらいはするものであるが、使う期間はさほど長くないので、通常はレンタルで十分である。

 また、赤ちゃんの寝る部屋などは、夏でも冬でも暑すぎず寒すぎずという具合にしなくてはならない。また、沐浴させる時などは、赤ちゃんが裸になっても寒くないように、それなりに温度調節しなくてはならない。我が家では、空気が悪くならず手軽に持ち運べる電気式のセラミックヒーターが役にたっている。さらに、ハウスダストなどの空気の汚れも赤ちゃんにとってはよろしくない。これらを除去するための空気清浄機も、赤ちゃんが生まれる少し前に購入し、活躍している。

 これらの文明の利器のおかげで、今のところ私たちの赤ちゃんは健やかにぐんぐんと育っている。今はまだ自分で動くことができない彼だが、これが自分で動き出すようになると、ビデオの口に手をつっこんだり、コンセントの穴に近づいたり、ボタン電池を飲み込んだりということが起こりうる。そのようなことが無いようにいつも目が離せなくなるような日が来るのが、不安でもあるし、もちろん楽しみでもある。


<前目次次>