#172 リソースとの飽くなき戦い(実践編)

2001/06/24

<前目次次>


 Windows9X系のOSが、リソース不足によって動作不安定になることがあることを前回述べた。ということで、今回は実践編。すなわち、リソースの無駄遣いを防ぐための設定をいくつか紹介する。もしお使いのWindowsマシンが「なんか不安定だ」という場合は、このリソース不足を疑ってみた上で、以下に挙げたいくつかの方法を試されたい。ただし中にはやや高度かつ危険な操作もあるので、自己責任の負える範囲で試していただきたい。

 まずはじめに目をつけるべきは、パソコンの中で常に動いているプログラム、すなわち常駐プログラムである。例えば、画面下のタスクバーの右側に並んでいるアイコン群がそれである。特にメーカー製プレインストールマシンはこれらがたくさん起動している場合が多いが、これらはリソース浪費の一番の元凶でもある。それぞれの機能をよく調べた上で、不要なものがあったらOS立ち上げ時に起動しないように削除するべきである。

 これらのいくつかは、スタートアップに登録されることにより起動されている。従ってスタートアップからアイコンを削除すれば、Windows立ち上げ時に起動することはなくなる。やり方は、スタートメニューを右クリックし「開く」をクリックし、「プログラム」−「スタートアップ」フォルダを開く。いくつかショートカットアイコンが現れるので、その中で不要なものをごみ箱に入れてしまう。ショートカットが削除されるだけで、プログラムそのものがなくなるわけではないのでご安心を。

 より詳細には、スタートメニューの「名前を指定して起動」でmsconfigと入力してリターン。そうするとWindowsの立ち上げに関する情報を見ることができる。「スタートアップ」タブを選択し、そこに並んでいるものから、立ち上げ時に起動する必要のないもののチェックをはずす。ただし中には、チェックをはずすとWindowsが正常に機能しなくなるものもあるので注意が必要だ。どれが必要だということは一概に言えないのだが、少なくとも、internat.exe, ScanRegistry, TaskMonitor, PCHealth, SystemTray といったものはそのままにしておいた方が無難である。あとは名前を見て、使わなそうなものはチェックをはずす。あまり一度に大量に変更すると、Windowsが起動しなくなったり、具合が悪くなったりということもあり得るので、少しずつ変更しては再起動してリソースの様子を見るようにするなど、慎重に変更するようにしたい。やや高度な設定だが成功すれば効果は抜群である。

 その他、ディスプレイ・スピーカ・言語・電源などの設定アイコンがタスクトレイに表示されていることもある。これらがタスクトレイにあると各種設定が楽に行えるが、あまり使わないようであれば、リソースを消費するだけ無駄な存在である。それぞれ以下をたどれば「タスクバーに表示する」のメニューが出るので、これをOFFにすればタスクトレイから姿を消す。

 ディスプレイの「プロパティ」で設定できる、壁紙・サウンド・スクリーンセイバー・視覚効果といったものは、全ていくらかリソースを消費するものである。我慢できるならこれらも極力はずす。更に、デスクトップのデザインで、アイコンやウィンドウに使われている文字のフォントをTerminalかSystemにすると、TrueTypeフォントを使わないのでリソースも消費しないし、動作も速くなる。また、デスクトップ上のアイコンもなるべく数を減らす。折角のGUI環境が味気ない限りであるが、OSが不安定になるよりははるかにましである。

 言うまでもないことだが、リソース不足を招かないよう、起動中は一度に多くのアプリケーションを立ち上げず、使い終わったアプリケーションはこまめに終了させる。なんのためのマルチタスクかわからないが、Windowsのマルチタスクなど所詮この程度のものであると悟ることだ。

 それにしても、リソースという昔からの足かせのために、未だにユーザー側が気を遣わなくてはならないとは、今更ながらWindowsもつくづく因果なOSである。と言いつつ結局Windowsを使い続けるている我々もつくづく因果なユーザーである。


<前目次次>