#137 エクスプローラはなぜダメか(その2)

2000/10/04

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 Explorerの仕様でもう一つよくわからないのが、単純にドラッグ&ドロップした時の振る舞いである。同一のドライブ内での場合は移動になるのに、別のドライブの場合はコピーになってしまう。もちろん、CtrlキーやShiftキーを併用することで、場合によらずにコピー/移動というようにできるが、Macの場合のように、ドラッグ&ドロップは必ず移動、という具合に決めてくれた方が直感的にはわかりやすい。面倒なので私は右ボタンでドラッグし、相手先に持って行ってからプルダウンメニューでコピーや移動を選択するようにしている。

 また相手先に同名のファイルがあった時の扱いも、Explorerの場合は上書きするか否かを聞いてくるだけなのが不便である。少なくともFDKLの場合は、新しいファイルならコピーするとか、同じ名前なら名前を変えてコピーするとか、強制上書きとか同名スキップとかの選択肢を与えてくれるので、その場に応じて柔軟に対応できる。仕方がないのでこちらの方も、CopyExtというフリーソフトを使って、Explorerの芸のなさを補っている。

 Explorer(というよりWindows)の場合、シェルの起動も面倒である。Windowsの場合はスタートメニューから「ファイル名を指定して実行」というダイアログボックスを用い指定の実行ファイルを直接指定するとか、Explorerやデスクトップ上から目的の実行ファイルやショートカットを見つけてダブルクリックで実行するとか、MS-DOSプロンプトを表示させて起動コマンドを実行させるとか、いくつかの方法があるだろう。しかし前者は任意のディレクトリでの実行ができず、中者は引数指定ができず、後者はコマンドの履歴が残らないなど、どれも一長一短がある。FDやKLならば、任意のディレクトリでシェルを起動させることができるし、引数指定や履歴検索も可能である。更に、よく使うコマンドはコンビネーションキーに登録可能で、ワンタッチで実行が可能になる。更にKLはこの登録実行コマンドに更に子メニュー機能を付いており、拡張性を増している。

 もちろんExplorerというGUIのファイラーにしかない機能というものもあるだろう。例えばファイルをその種類に応じてアイコン化して表示してくれるという機能がその一つである。実行ファイルについてはそれぞれオリジナルのアイコンがついていて確かに分かりやすいのだが、一般的なファイルについては関連付けられた拡張子の種類に応じて表示を分けているだけであり、極端な話、*.jpgと書いてある文書ファイルだったり、*.wavと書いてある画像ファイルということもありえるのだが、そんなことは一切確認しないでアイコン表示しているだけのことである。

 また画像ファイルに関して言えば、BMPファイルなどは辛うじて画像を縮小したものをアイコンとして表示してくれるが、それも表示する時に再生縮小表示しているので、大きなファイルの時には表示に時間がかかる。そもそもWindowsパソコンはMacなどと違い、アイコン情報や作成元プログラムなどを記録してあるリソースがそれぞれのファイルや管理情報に含まれていないため、アイコン管理が中途半端になってしまうのである。

 その他、フロッピーのフォーマットが面倒な上に死ぬほど時間がかかるとか、[新規作成]-[フォルダ]というプルダウンメニューの表示が死ぬほど遅くてフォルダの作成が面倒だとか、ファイルをコピーしても表示されないことがあって紛らわしいとか、アルファベット大文字ばかりのフォルダを作ろうとしたらお節介にもなぜか先頭のみ大文字で後が小文字のフォルダ名にされるとか、IEと統合したおかげで、お気に入りだとか何とか必要のないメニューがあるとか、言い出したら切りがないくらいに文句がいっぱいある。

 まあそんなに気に入らないなら何か気の効いたフリーのファイラーを探してこいということになるわけだが、残念ながらこれと言ったものがまだ見つかっていない。しょうがないので私はWindowsでもしばしばKLを使う。FDはLongFileNameに対応していないのでWindowsでは使えないが、KLはPC-8801からWindowsマシンまで、多くのPCで使うことができる。使う環境ごとに設定を変えることも可能であり、今の所Explorerよりはるかに重宝しているかも知れない。

 ともかく私としては、コマンドラインとの連携を強化した使いやすく安定動作するファイラーがないことには、Windowsはいつまでたっても画像処理とWeb閲覧専用のサブマシンのままなのである。


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