#016 スキー滑走のビデオ撮影

1998/09/18

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 執筆中のプログラムの話をちょっと休んで、この飛び石連休中にあった身の上話を2題ほど。

 飛び石連休の合間を休んで、弟と一緒にスキーに行って来た。と言っても、9月の真ん中にオープンしているスキー場は恐らく国内にはない。行ったのは船橋にある国内最大の屋内人工スキー場ザウスである。

 ザウスに行ったのは私は初めてである。軽装のまんま車で2時間ばかりで行く事が出来るので、便利と言えば便利である。スキーシーズンにわざわざ行くのはさすがにちょっとはばかられるけど、オフシーズンにスキーの勘を取り戻すために行く分にはいいかも知れない。地元民なら、手ぶらで自転車でやってきて利用する人もいるそうだ。ちなみに入場料は一日券で5400円。今回は割引券があったので4900円。普通のスキー場の一日券よりちょっと高いくらいなので、ちょっと割高感はあるのだが。

 入場するにはチケット売り場でICチケットを渡される方式である。入口のところには、鉄道駅の自動改札機のような改札口があり、センサーのところにこのICカードを近づけるとゲートが開くと言う方式である。国内のスキー場でも志賀高原や八方尾根ではこの方式でリフトの改札を行っている。利用者側はいちいち現金や回数券を出す必要はない(ポケットに入れたままでも認識可能だ)し、運営側も、使った料金などを簡単に記録出来るので、お互いに便利なシステムである。ただしこのICカードをなくすと、カード保証金を1000円くらい払う事になるので注意。

 さて、今回はただ滑る他に別の目的があった。お互いの滑走フォームをビデオカメラで撮影し、あとでフォームをチェックするためである。親父が定年退職の時に送別会でもらった、40倍ズーム3CCDの8ミリビデオカメラを借りて持って来た。そんなに小さなものではないし、転んで雪まみれにしては大変であるから、一日中持って滑っているわけにもいかない。その点ザウスならば、近くにいつでもいけるロッカーがあるので、使わないときはそこに仕舞っておいて、必要な時だけ持ってくればいい。屋内だから吹雪いたり視界が悪くなったり急に冷えこんだりしてカメラが使えなくなってしまう心配もない。というわけで、ビデオ撮影はやろうと思ってもそうそうやる機会がないから、今回実行することにしたのである。

 とは言え、いざやってみると撮影はなかなかうまくいかないものである。撮影する時は、撮影者があらかじめ下に滑り降りて、撮影ポイントでカメラを構えて待っている。で、滑走者が合図を受けて滑り出すのだが、いざ撮ろうとすると、滑走者を簡単に見失ってしまう。合図を送ってからカメラのファインダーごしに覗くと、特に屋内のように周りが暗い場合、人物はシルエット気味でほとんど黒く見えてしまい識別ができなくなるのである。加えて悪い事におたがい真っ黒なウエアだったため、余計に目立たなく見失いやすいのであった。

 そのため、なるべく見失わないようにあまり人のいないところを選ぶのはもちろんだが、あまり欲張って遠いところから映さないことであると悟った。さらに、意志伝達をしっかりするため、撮影者がスタンバイしてサインを送り、滑走者がそれを見てサインを送り、さらにそれを受けて撮影者がサインを送るというようにした。なかなか大変である

 何回かやってみて、どうにか画角におさめて映せるようになったが、素人がやるとどうしても滑走者を小さめに映してしまう。あんまりズームを効かせて大きめに映すと簡単に画角から見失ってしまうので、警戒して最初からどうしても引き気味に撮影してしまうのだ。うーむ、よくNHKなどでスキーレッスンの番組とかで滑る様子を映しているVTRがあるけど、あれはやっぱりプロの技術だなー、と今更ながら当たり前のことに感心してしまう。

 結局いろいろと試行錯誤を繰り返し、最終的に編み出した技は以下の通りである。まず、カメラをセットしたら、滑走者を見失わないように、最初からファインダーごしに覗いて、上にいる滑走者を思いきりズームをかけて確認し、そのままサインを送る。この時すでに録画状態にしておくことを忘れない。相手がサインに気づいて滑走を開始したら、少し引いて、画角内に中くらいの大きさで入るようにする。あんまり画角一杯に入れようとすると、急な動きで画角からはみ出したり、カメラが必要以上に揺れて落ちつかない。あとは滑走者が近づくと共にゆっくりと画角を引いて常に同じくらいの大きさになるように映す。ま、そんなこんなで、最後の方にはなんとかましな映像が撮れたようである。

 ところでそのビデオを見て本当に勉強したのかというと、一緒に行った弟は私よりスキーの腕ははるかにいいから、ビデオに映ったフォームを見てチェックする価値もあろうものだが、私程度のスキーの腕ではそんなチェックをする以前の問題である。わざわざビデオで見るまでもなく、腰が振れていたり板がそろっていなかったりということは自分でもわかっているわい。とほほ。

 もっと練習しなくちゃね。スキーもビデオ撮影も。


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