#001 Windows98はいつ使う?

1998/07/26

目次次>


 Windows98が無事昨日(1998/07/25)に発売されたようだ。私は前日の夜に別の用事があって秋葉原界隈まで行ったり、翌日は午後になって市内のパソコンショップを覗いてみたりしたのだが、それほどの盛り上がりを見せているようには感じなかった(時間帯が悪かったせいかもしれないが)。もとより私自身は、Windows98の発売に合わせて、たとえ野次馬としても、25日の未明や早朝に様子を見に行く興味もないが。

 Windows95からWindows98へのバージョンアップ自体は、同3.1から95へのバージョンアップと比べて、少なくとも見た目やユーザーインターフェイスにさほどの変化はないらしい。そのためかマイクロソフト(以下MS)やその日本法人(以下MSKK)もWindows95の時ほど派手な宣伝に出ているようでもなかったし、その結果として今回のバージョンアップ当日は静かなものになったんだろうかと勝手に想像している。最近はMS自身も、アメリカで司法省との対立が続くなど、世間にあまりいい印象を与えていないというのも雰囲気的にあるかもしれない。日本の景気の冷え込みによる購買欲減退も無視できない。それになにより、3年前に大騒ぎして買ったのはいいもの、使ってみたらバグの連続の使えない代物で、こんなもののために大騒ぎしていた我が身を恥じて反省し、みんなおとなしくしているのかもしれない。

 そもそも前回のバージョンアップはいろんな意味で大騒ぎだった。1995/11/23のあの熱狂から始まり、パソコンも持ってないのにWindows95のパッケージだけ買ってしまったという人もいたという(本当かね)ほどの過剰なセールストーク、しかし自分のWindows3.1の入ったパソコンから95にアップグレードしてみてもトラブルの続出。アンインストールや再インストールを繰り返すのが日常茶飯といった状況であった。現に私の職場でも、最初に積極的にWindows95に移行した人は、周辺機器の接続や設定などで相当な時間と労力をつぎ込んだようだった。おかげであとから使うことになった者は余計な努力をしなくてすんだことは間違いないが。

 Windows95の動作環境としても、発売当初は486マシン16Mbyteのメモリで大丈夫なんて言っていたのに、実際に使いはじめると、とてもじゃないが快適に使える環境とは言い難く、その間にアプリケーションも肥大化してきたこともあって、今や最低Pentiumで64Mbyteはないとね、なんて言っている。今回の場合もそんなことはないのであろうか。「現在使っているスペックのマシンで大丈夫」なんて言っているけど、それ、前にも聞いたセリフだぞ。

 結局Windows95にしても、リリース以降、こっそりとマイナーバージョンアップが続けられていたり、周辺機器もPCIバスが主流となっていく過渡期であったことなど、Windows95のプレーンな環境で動くものが出そろうまではかなりの時間がかかっている(といってもせいぜい2年くらいのことだが)。

 というわけで、こんなことを書いてることからして当然のことだが、私自身はしばらくWindows98を使うつもりはない。私が使うようになるのは、職場にWindows98パソコンがあふれてきて、ソフトもハードもWindows98対応のものばかりになって、嫌でも使わなくてはならなくなった時であろう。Windows95の時もそうであったが、少なくともその方が、パソコンがまともに動くための努力などというおよそ生産性のない仕事に時間を割かなくてすむからだ。新しい環境は、中身がどうなったかということはさて置いて、誰よりも早く使うこと自体に魅力がある、という意見はもちろん否定しないが、少なくともパソコンを道具として使おうとしている立場の人間からすれば、そのために払う代償の方が大きすぎてとてもそんな気は起こらない。

 もっともWindows98は、Windows95のバグフィックス的な意味合いが強いから、前回と比べてそんなに苦労することはないという話も聞く。それならそれでありがたい。少なくとも私はWindows98がかかげる新機能などどうでもいいので、あとは誰かがまともに使える代物だということを確認してくれるのを待つばかりだ。待つ時間が短くなるというのはそれはそれでお互い助かる。もっとも何度も言うが、Windows98を使うことを待ち望んでいるわけではないので、本当はどうでもいいのだが。

 かく言う私は、実は職場でも自宅でも、メインに使っているのはMS-DOSマシンである。なんで未だにMS-DOSなんて使っているのだという意見もあるだろうが、そのことは追々話すこともあるだろう(無いかも知れない)。


目次次>