トップページ > ページシアター > よそびと診療所 > エピローグ2 【公演データ】
中央にサス。里桜が入る。
里桜 「ミュン副長官から頂いた黄色いリボン。銀河連合では黄色は戦士の色だそうで、私も医療戦士と認めて頂いた様です。そして一か月が過ぎ、ゆっこは一足先に退院。」
下手にサス。雪子がいる。
雪子 「お先!」
雪子が去り、サスが消える。
里桜 「次に会うときにはお互いここの事は忘れているんでしょうね。そしてある月夜のこと…」
上手灯り。月夜。ロッサ、ソルト、モント、モス爺、ぬらりが身を潜めて下手を見ている。里桜が通りかかり
里桜 「何やってるんですか?」
ロッサ 「し〜っ!今いい雰囲気なのよ。」
里桜 「え?」
下手灯りが入ると、ノノとメルが椅子に座っている。
メル 「ねえノノ、聞いていいか?」
ノノ 「なんです?」
メル 「ノノはなんでメルと結婚したんだ?」
ノノ 「え?それはですね…」
メル 「医療の実験体だからか?メルの元になった人間が恋人だったからか?」
ノノ 「それは…」
メル 「そこに!…愛はあるのか?ごまかさずに答えるべし!」
ノノ 「…わかりました。私がメルさんと結婚したのは…」
メル 「したのは?」
ノノ、急に立ち上がり
ノノ 「あ、月が…」
メル 「え?なんだ?今度はなんだ?」
ノノ 「月が…綺麗ですねぇ。」
メル 「え?ああ、確かにきれいだな…」
ノノ、ニコニコしながらハケる。
メル 「あ!ちょっと待て!」
覗いて見ていたみんなが倒れ込む。
モス爺 「いたたたた!」
メル 「誰だ?」
みんな 「ごめんなさい。」
メル 「のぞき見とはふてえ野郎たちだ。」
ソルト 「しかし、ノノ先生も照れ屋だなあ。」
メル 「ごまかすなって言ったのに。」
ぬらり 「懐かしいですね?」
メル 「何が?」
ぬらり 「以前教えてくれたじゃないですか、夏目漱石さんが。」
メル 「え?…あ!そういう事か!よおし、今度こそ月の話をきかせてもらおう!」
里桜 「え?それって…」
メル、ノノを追いかけて去りながら
メル 「まってよ〜!ノノく〜ん!」
里桜 「ノノ君って…やっぱりメルティローズさんの…」
ロッサ 「そう言えばシドさんが言ってたわ。副長官の事をマスターミュンって呼ぶのは当時の部下だけだって。」
ソルト 「ってことは…」
中央サスのみになり、里桜だけになる。
里桜 「これがロロップの術の不具合だとすれば、もしかしたら私とゆっこにも不具合が起きて記憶が残ったり…するかはわかりませんが、まあ、あまり期待せずにいましょう。それにしても命って何なんでしょうね?なんで生命は最後に死ぬのに誕生するんでしょう?それでも我々は、数えきれない命のバトンを受け継いで今生きている。それはきっと物凄い奇跡。その奇跡を未来の命に繋いで行き、宇宙(そら)に帰った人達の意志を繋ぎ続けて行く。なんだか愛しいです。これが父さんの言ってた 「愛」なのかな?そう言えば、実は父さんも昔この病院にお世話になったそうで、ノノ先生とSF映画の話で盛り上がったとか…ともかく、これから退院するまでの5ヶ月、好奇心の赴くままに過ごしたいと思います。何か凄い事が起きたら…また別の機会にお話しします。それでは…」
ミオ、カンナ、ハナがおしゃべりしながら出て来る。
ミオ 「ねえ、だったーど?」
カンナ 「たっかろしもー。」
ハナ 「トロンメ!」
3人 「トロンメ!」
3人、里桜に気付いて止まり。
ミオ・カンナ・ハナ 「お疲れ様で〜す。」
3人、通り過ぎ
ミオ 「たれわらちねま。」
かんな 「わちは!」
ハナ 「わちは!」
3人ハケる。
里桜 「そうそう、皆さんの周りにいる人達や、今隣に座ってる人が、もしかしたら異星人かもしれませんが…ま、異星人でも地球人でも、奇跡の存在同士仲良くしましょうね。それでは皆さん。またどこかでお会いしましょう!お元気で!」
ゆっくりと暗転。幕が閉じる。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)