トップページ > ページシアター > よそびと診療所 > シーン36 【公演データ】
下手灯り。手術室。ノノと里桜がヘッドギアをつけて座っている。シドが傍らにいる。
シド 「これがダイビングの装置ですか。」
ノノ 「はい。」
里桜 「これでどうやって体に入るんですか?」
ノノ 「直接潜り込むのではなく。患者のDNAからナノ・ダイバーを作ります。」
里桜 「ナノ・ダイバー?」
ノノ 「人工の細菌の様なものです。そこに我々の意識を移します。」
シド 「意識を移す?細菌に乗り移るって事ですか?」
ノノ 「感覚的にはバーチャル・リアリティーに近いです。体はここに残したままですから。」
里桜 「いや、しかしなんでそれを先生と私しかできいないんです?」
ノノ 「あなたに輸血した私の血液の作用です。」
里桜 「血液?輸血したのって先生の血液なんですか?」
ノノ 「私の血液が里桜さんを治療している間、あなたは一時的に私に近い体になる。このシステムはまだ私しか使用できませんが、今の里桜さんなら可能なんです。他の人では患者の体が拒否反応を起こします。」
里桜 「なんだろう…とんでもない説明なのに、理解できちゃってる…」
ノノ 「それも、私に近い体になっているからです。」
里桜 「そういう事なの?」
ベルルとミオ、カンナ、ハナが入って来る。
ベルル 「副長官にナノダイバーの注射、完了しました。」
ミオ 「場所は喉の中部、食道付近です。」
ノノ 「ボウドロンは?」
カンナ 「信号が不安定で、現れてはロストしての繰り返しです。」
ハナ 「先程は食道付近にいましたが、とにかく体中動き回っています。」
ノノ 「わかりました、体内に入ってから探ります。ベルル君、お願いします。」
ベルル 「はい。ダイビングシステム起動!」
システム起動音と共に暗転。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)