トップページ > ページシアター > 宇宙パンダの冒険 > プロローグ 【公演データ】
暗転中音楽がかかり、字幕「2220年」「新東京動物園 パンダ舎」。
明転すると一頭のパンダ、イェーイェー(曳曳)がニコニコしながら舞台上を歩き回る。
ナレーション 「遥々宇宙のコロニーからお見合いにやって来たパンダのイェーイェー君。地球滞在期限も残りわずかとなり、今回はこれが最後のチャンスかも。お相手は新東京動物園一の美人パンダ、ミンミンちゃん。さあ頑張ってね!イェーイェー君!」
イェーイェー 「いやホント、僕もですね、色んな国のパンダとお見合いして来ましたですけどね。あなたの様な素敵な娘さんは一頭もおりませんでしたですよ〜!」
イェーイェー、またグルッと舞台を回り出す。
ナレーション 「お部屋をグルッと回ってはミンミンの檻の前に戻って来ます。実はこれ、匂いを撒いてアピールする求愛行動だと言われているんです。あ!ミンミンちゃん近づいて来ましたよ!果たしてイェーイェー君の想いは届くのか?」
イェーイェー 「はい?!…え?そうですよ!本当に宇宙生まれの宇宙育ちです!宇宙パンダ、スペースパンダ!え?スペースパンダって何が特別なの?…えっと…なんだろ?特別…特別ですか?…え?空を飛べるとか?いやいやさすがに空は飛べないですが…え…あ、ちょっと待ってです!」
ナレーション 「あ、ミンミンちゃん、離れていきます!」
イェーイェー 「いやホント、あれですよ、僕は普通のパンダですけど、宇宙は結構いいとこなんですよ!…え?…しつこい?…とっとと宇宙へ帰れば?ってあ、ちょっと…ミンミンちゃん…」
ショックで呆然とするイェーイェー。そこに歌が流れ始める。
ナレーション 「イェーイェー君、今回のお見合いも残念ながら失敗してしまいました。でもまだまだチャンスはあります!めげずに頑張ってね!イェーイェー君!」
イェーイェー 「いや…ものすごくめげます…です…」
イェーイェーが落ち込んで溜め息などついているうちにゆっくり暗転。音楽もフェードアウト。
オープニング
音楽がかかりオープニング映像。
字幕「不等辺さんかく劇団 プロデュース公演2022」映像。地球。近づいて来るシャトル。
アナウンス 「ご搭乗ありがとうございます。本シャトルは間もなくスペースコロニー「コスモ・ノア」に到着致します。コスモ・ノアはその形状から通称「パイナップル」とも呼ばれ、動物保護研究施設及び宇宙唯一の動物園として運営されております。皆様、どうぞ可愛い動物達との楽しい一時をお過ごし下さいませ。Welcome to space colony Cosmo Noah.」
タイトル「宇宙パンダの冒険」
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)