△ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン30


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暗転中、不時着音。明転するとネオアースの雑木林。下手からバーディー、ハルバール、
スライス、ピヨ、ゾネス、ルビー、パール、ヴァイス、ジャスミン、アーモンドの順で出て来る。

バーディー 「あそこだ!あの雑木林の中!」写真
ハルバール 「ちゃんと原型とどめてますよ!」
ピヨ 「あ、誰か出て来た!」
スライス 「気を付けろ!シンドバッドかもしれん!」
ジャスミン 「違うわ!見て!」

上手からライムがアハトを支えて出て来る。二人ともフラフラ。

アーモンド 「ライムさん!」
ヴァイス 「王子!」

ジャスミン、アーモンド、ヴァイスかけよる。

アハト 「ヴァイス…すまぬ…鬼ごっこのつもりじゃったのに…」
ヴァイス 「いいんです!とにかく無事で良かった…」
ジャスミン 「みんなは?!」
ライム 「怪我はしてるけどみんな無事よ。」
スライス 「ドクター・ピヨ!町に救急の応援を!」
ピヨ 「アイアイサー!」
バーディー 「シンドバッドは?」

メイがフラフラ出て来る。

メイ 「大丈夫。縛りつけてあります。」
スライス 「メイ!」
メイ 「おじさま!」

スライス、メイに駆け寄りハグ。

バーディー 「行くぞ!」
ハルバール 「おう!」
ゾネス 「うちらも!」
ルビー・パール 「アイアイ!」

バーディー、ハルバール、ゾネス達、上ハケ。

スライス 「無事で良かった!」
メイ 「ライムさんのお陰です。大気圏に突入中に修理をして、なんとか不時着できたんです。」
アーモンド 「ライムさん凄い!」
ライム 「危機一髪だったけどね。」写真
ヴァイス 「ありがとう!ライム!さすがだよ!惚れなおした!」
ライム 「い、いえいえ。」
ジャスミン 「あんたたちどんな関係なの?」
ヴァイス 「夫婦です。」
ジャスミン・アーモンド 「ふ、夫婦〜?!」
ジャスミン 「あんた結婚してたの?!」
ライム 「実はかなり前から…」
ヴァイス 「彼女の仕事は知ってたので忙しいとは思ってましたが、顔まで変えているとは…」
ライム 「ごめん…顔変えられる能力の事黙ってて…」
ジャスミン 「言って無かったの?!」
ライム 「本当の顔がない女なんて、嫌われるかと思って…」
ヴァイス 「顔なんて関係ないよ。ライムであればそれでいい。」
ライム 「ヴァイス…」
ジャスミン 「いい旦那じゃない。」
アハト 「助けてくれてありがとう。かっこよかったぞ。今度宇宙船の操縦を教えてくれ。クソババア。」
ライム 「喜んで。クソガキ。」

バーディーがコメッツを、ハルバールがマルティーを支えて出て来る。

アーモンド 「マルさんコメさん!」
スライス 「大活躍だったな!」
コメッツ 「無我夢中でした…みんな助かって良かった…ううっ…」
マルティネス 「大丈夫か?」
コメッツ 「お腹がすきました…」
ハルバール 「船に戻ったら美味しい料理の食べ放題をご用意しますよ。」
アーモンド 「ほんと?!食べ放題超大好き!」
ハルバール 「お?海賊は嫌いでもバイキングはお好きで?」
アーモンド 「あ、そうだね。」

みんな笑う。ジローがトランクを持って出て来る。

ジロー 「もしかして…本物のキャプテン・スライスさんですよね?!」
スライス 「ああ。」
ジロー 「感激です!握手いいですか?!」

ジロー、スライスと握手

スライス 「君の能力にも本当に助けられた。君は大丈夫なのか?」
ジロー 「はい!かすり傷程度です!あ!そうだ!これ。ジニアスの再進行剤です!」

ジロー、トランクを渡す。

スライス 「ありがとう。」
ジャスミン 「これでみんな助かるわね。」
スライス 「ああ、本当に良かった。」

救急車の音。

ピヨ 「救急車が来た!後からもう一台来るから、取りあえず乗れるだけ先に乗りましょう!」
メイ 「私は次で大丈夫。」
ジロー 「僕もです。」
マルティネス 「コメッツを先に。」
コメッツ 「すみませんお師匠様…」

ピヨを先頭にライムをバーディー、アハトをヴァイス、コメッツをハルバールが連れて下ハケ。
救急車が遠ざかる音。そこに上手からゾネス、ルビー、パール、が飛び出して来る。

ゾネス 「おい!グラビトロンがどこにもないぞ!」
ジャスミン 「え?」
マルティネス 「それなら私が…(懐を探すが)あれ?ない…あ!穴開いてる!」
ゾネス 「それにシンドバッドが見当たらないんだ!」
スライス 「なに?」

スライス、銃を抜いて上手に向かおうとするが。上手台からシンドバッドが足を引きずり
銃を構えて出て来る。手にはグラビトロンを持っている。

ジャスミン 「シンドバッド。」写真
シンドバッド 「動かないで下さい!こいつを発動させますよ!」
ゾネス 「グラビトロン!」
マルティー 「そんなもの発動させたらお前も死ぬぞ。」
シンドバッド 「どの道作戦が失敗すれば私も消されます。さあ、そのトランクを渡してもらいましょうか?」
ゾネス 「銃は効かないよ。」
シンドバッド 「ご心配なく。これは毒針です。私は早打ちのジニアスでしてね。全員は無理でも数人は確実に殺せます。さ、どうします?」
スライス 「わかった。くれてやろう。」
ジャスミン 「スライス?!」
スライス 「その代わり、俺と決闘して勝ったらだ。」
アーモンド 「ウィル!」
メイ 「おじさま!」
シンドバッド 「面白いですね。この際です。乗りましょう。」
ジロー 「無理です!あいつの服は防弾です!」
ゾネス 「無茶は止めろスライス!」

スライス、下手の階段を上り下手台へ。台の上にトランクを置く。

スライス 「一つ教えておこう。この銃は仲間のバーディーの特注だ。防弾など効かないぞ。観念するなら今のうちだが、どうする?」
シンドバッド 「ハハハ。ここに来てハッタリですか?」
スライス 「どうかな?」
シンドバッド 「99%ハッタリ。時間稼ぎですね?」
スライス 「ルールは簡単。ちょうど数秒後に町の教会の鐘が鳴る。なった瞬間に勝負だ。」写真
シンドバッド 「いいでしょう。」
ゾネス 「スライス!」
スライス 「みんなは手を出すな。」

スライス、シンドバッドお互い銃を向ける。数秒の緊張の後。協会の鐘が鳴る。
その瞬間に銃声。スライスが膝をつく。

アーモンド 「ウィル!!」
メイ 「おじ様!」
シンドバッド 「やはりハッタリか。」

シンドバッド、トランクを奪う。みんなに銃を向け。

シンドバッド 「ハハハハ!みなさん残念でしたね。これでスライスの首も取れました。ミッション・コンプリートです!ハハハハハ!」
ゾネス 「てめえ!!」
シンドバッド 「ハハハハハ!ハハハハハ!あれ?ハハハハハ!」
ゾネス 「ん?」
シンドバッド 「どうなってんだ?ハハハハハ!笑いが、ハハハハハ!」
ルビー 「これって…」
パール 「まさか…」
ジャスミン 「笑いガス?!」

スライス、立ち上がる。

スライス 「言ったろ、俺の銃は強力だって。」
シンドバッド 「ハハハハハ!お前にも毒針が当たったはず、ハハハハハ!」

スライス、手に持った毒針を見せる。

スライス 「これか?」
ゾネス 「え?まさか素手で?!」
スライス 「確かにお前の早打ちは大したもんだが、俺の動体視力には叶わねえな。」
ジロー 「かっこ良過ぎる…」
シンドバッド 「ちきしょう!ハハハハハ!苦しいハハハハハ!」
ゾネス 「じゃあ眠ってな!」

ゾネス、シンドバッドを殴る。シンドバッド気を失う。

スライス 「おちびちゃん。グラビトロンとトランクを。」
ゾネス 「ああ。」写真

ゾネスがグラビトロンとトランクを拾うが

ゾネス 「ん?…おかしい…」
スライス 「どうした?」
ゾネス 「これ…両方とも起動してる!」
全員 「え〜っ?!」

スライスが両方受け取り確認。

ルビー 「こいつ、倒れる間際に起動させやがったな!」
ゾネス 「グラビトロンは起動して5分で発動しちまう!」
ジロー 「こっちの装置は3分で発動です!もう間に合いません!!」

スライス、両方持ったまま下手台にハケる。

メイ 「おじ様?!」
アーモンド 「ウィル?!」
ジャスミン 「小型船よ!」
ゾネス 「まさかあいつ!」

全員、スライスを追って下手ハケ。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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