「宇宙海賊とヒミツの星」シーン２７ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン２７トップページ > ページシアター > 宇宙海賊とヒミツの星 > シーン２７ 【公演データ】
照明変わる。広い廊下。中央からゾネスが飛び出して来る。
ゾネス 「よおし！もう、近くまで来ているぞ！」
ゾネスが手をかざすと、下手からメイが出て来て鉢合わせ。両者剣を構える。
ゾネス 「なんだ、てめーか。」
メイ 「なんだ、小娘か。」
ゾネス 「小娘が小娘言うな！」
メイ 「誰が小娘じゃ！」
ゾネス 「なんでもいい！邪魔をするなら斬る！」
メイ 「主も我の首狙いじゃな！」
ゾネス 「てやあ！！」
メイ、ゾネス剣を交える。互角な戦いの末つばぜり合い。メイがフラつく。
メイ 「ううっ…」
よろけるメイに剣を振りかざすゾネス。
ゾネス 「くたばれ！」
下手からアーモンド、ジャスミン、ピヨが入って来る。
アーモンド 「やめろぉ！」
勢いで飛び出したアーモンドが剣を振るが、ゾネスが避ける。ピヨがメイに肩を貸し、下手に避難。
ゾネス 「どいつもこいつも邪魔だ！」
ゾネスが剣を振りながら下手に進む。アーモンドが避ける。
アーモンド 「うわあ！」
ジャスミンがゾネスの剣を受ける。つばぜり合いからゾネスが後ろに引いた所で
上手のアーモンドと下手のジャスミンがゾネスを挟むように銃を向ける。
ジャスミン 「やめなさいゾネス！」
ゾネス 「そこをどけ！スライスと戦わせろ！」
ジャスミン 「今はそれどころじゃないの！」
ゾネス 「黙れ！」
アーモンド 「あれ？君、まさか…」
上手からスライスが登場。
スライス 「相手になってやるぜ、おチビちゃん。」
アーモンド 「ウィル！」
ゾネス 「ようやく出て来たなスライス！！」
スライス 「みんなは下がれ。正式な決闘だ。手を出すな。」
ピヨ 「しかしまだ治療が…」
スライス 「おチビちゃんとの約束だからな。…ん？」
スライス、ゾネスの顔を見て驚く。
ピヨ 「キャプテン？」
スライス 「こいつも二人に見えるぞ。」
ジャスミン 「二人って、前世と前々世？」
スライス 「お前は…リズ…リズじゃないか！」
ゾネス 「あ？」
アーモンド 「やっぱりそうだ！ゾネスの前世はリズちゃんだ！」
ジャスミン 「リズちゃん？」
スライス 「おチビちゃんが…リズの生まれ変わり？」
ゾネス 「わけわかんねぇこと言ってんじゃねえ！行くぞ！」
ゾネス、スライスに斬りかかるが、スライス、まともに戦えない。スライス、ゾネスを突き放し
スライス 「ちょっと待て！お前の前世は…」
ゾネス 「前世がなんだって？」
スライス 「俺の婚約者だ！」
ゾネス 「は？なにほざいてやがる。とっとと地獄に落ちろ〜！」
ゾネスがかかって行こうとした時、メイが苦しみ出す。
メイ 「ううっ！」
スライス、ゾネスの頭に痛みが走る。
ゾネス・スライス 「うっ！」
スライスが顔を上げるとウイリアムに変わっている。
スライス 「あれ？あ！オリビア姉さん！」
ピヨ 「また！ウイリアムに戻った！」
ゾネス、顔を上げるとアニーに変わっている。
ゾネス 「あら？ここは…」
アーモンド 「まずい！ゾネスに斬られちゃう！」
アーモンドがゾネスに向かおうとすると
ジャスミン 「待ってアーモンド！ゾネスの様子が…」
ゾネス 「そこにいるのは…ウイリアム？」
スライス 「…アニー？」
アーモンド 「え？」
スライス 「アニー！」
ゾネス 「ウイリアム！」
二人かけより手を取る。
アーモンド 「アニーって…」
ジャスミン 「アニー・ローリー？！」
アーモンド 「じゃゾネスの前々世はアニー・ローリーだったの？」
スライス 「アニー！会いたかった！」
ゾネス 「私もよウイリアム！」
スライス、ゾネス、抱きしめ合う。
ピヨ 「え？これって奇跡の再会？」
またメイが苦しみ出す。
メイ 「ううっ！」
スライス、ゾネスの頭に痛み。
ゾネス・スライス 「うっ！」
二人、ゾネスとスライスに戻りお互い突き放す。
ゾネス 「な！何してんだてめえ！」
スライス 「おチビちゃんこそ！」
アーモンド 「わ！また戻った！」
ゾネス 「このセクハラおやじがああ！」
ゾネススライスに斬りかかろうとするが、またメイが苦しみ出し、ゾネス・スライスに頭痛。
メイ 「ううっ！」
ゾネス・スライス 「うっ！」
二人、ウイリアムとアニーに戻る。
スライス 「アニー！」
ゾネス 「ウイリアム！」
スライス、ゾネス、抱きしめ合う。またメイが苦しみ出し、ゾネス・スライスに頭痛。
メイ 「ううっ！」
ゾネス・スライス 「うっ！」
二人、ゾネスとスライスに戻りお互い突き放す。
ゾネス 「てめえ！いい加減にしやがれ！」
スライス 「なんだ？！どうなってんだこれ？！」
メイ 「ううっ！」
ゾネス・スライス 「うっ！」
スライス 「アニー！」
ゾネス 「ウイリアム！」
スライス、ゾネス、抱きしめ合う。
アーモンド 「人格がコロコロ変わるよ！どうしたらいいのこれ？！」
ピヨ 「どうしようもありません！」
上ハケからパールとルビーが出て来る。
パール 「奥様、あのお二人…」
ルビー 「どこかで見た記憶が…」
パール 「確か、カークランドのお屋敷の…」
ルビー 「そうよ！肖像画で見たわ！あれはウイリアム・ダグラスとアニー・ローリー！」
下手台から、まだ回復しきれていないテル＆ローがヨロヨロ出て来る。
テル 「シンドバッドはどこ？」
ロー 「ぶっ殺してやる！」
テル、ロー、スライスとゾネスを見て驚愕。
テル 「なにこれ…」
ロー 「なにがどうすればこんなことになるの？」
フェンネルが追って出て来る。
フェンネル 「二人とも無茶しないで！（スライスとゾネスを見て）え？」
ピヨ 「簡単に言えば前々世で恋人。」
ライムも下手から恐る恐る出て来る。
ライム 「カーペットはいないか？」
パール 「奥様、旦那様が！」
ルビー 「あ、ジョン！」
ライム 「アリシア！」
ライム、ルビーにかけよる。
ライム 「気をつけろ。近くにカーペットの熊がいるぞ。」
パール 「熊でございますか？」
ルビー 「大丈夫よ、これは夢なの。」
ライム 「夢？」
ルビー 「見て、あそこにいるのがウイリアム・ダグラスとアニー・ローリー。」
ライム 「え、あれが？…そうか、それじゃこれはやはり夢なのか…」
ルビー 「夢でも会えて嬉しいわ。」
ライム 「話を聞かないのか？」
ルビー 「幸せに水を差してしまうわ。それにこれ、夢ですから。」
アーモンド 「ライムさんたちどうしたの？」
ジャスミン 「あれも前世の人格ね。恐らく「アニー・ローリー」の作曲者、アリシア・スコットとその家族。」
ピヨ 「前世があの曲の関係者だらけね。」
フェンネル 「これは興味深い。」
メイの意識が戻る。
メイ 「…私…どうしたの？」
アーモンド 「メイちゃん！…だよね？」
メイ 「ええ。」
ピヨ、メイをスキャン。
ピヨ 「もう回復してる！メイちゃんスゲー。」
アーモンド 「毒で死にそうになったけどドクター・ピヨさんが治療したんだ。」
メイ 「ありがとうございます。」
ピヨ 「いえいえ。それより早速キャプテンたちを。」
メイ 「たちって？」
アーモンド 「患者がふえちゃったんだ。」
メイ 「そうなんですか？」
メイ、スライス達を見て驚く。
メイ 「え？これって？」
ピヨ 「みんな前世や前々世の人格状態。とにかくコントロールで元に。」
メイ 「はい。」
メイ、スライスに触れる。
スライス 「うう…メイ、回復したのか？」
メイ 「はい。今おじ様を元に戻しました。」
スライス 「本当か？」
ゾネス 「どうしたのウイリアム？」
メイ 「他の人たちも…。」
メイ、ゾネスに触れようとするが
ピヨ 「待ってメイ、ゾネスは面倒だから最後に。」
メイ 「はい。」
アーモンド 「僕もお願い。」
メイ 「ええ。」
メイ、アーモンドと握手。
アーモンド 「あ！戻った！みんな本人に見える！」
メイ 「良かった。」
ピヨ 「あの人たちも。」
メイ 「はい。」
メイ、ライム、パール、ルビーの前へ。スライス、ゾネスの武器を回収。
メイ 「初めまして。ウイリアムの姉のオリビアです。」
メイ、３人と握手。３人次々と元に戻る。
ライム 「あれ？」
ルビー 「なんだ？」
パール 「ここどこ？」
メイ 「みなさん、ゾネスを落ち着かせるの手伝って下さい。」
ルビー 「え？」
メイ、ゾネスの前へ。
ゾネス 「あら、皆さんどなたかしら？」
ルビー 「キャプテン？」
パール 「どうしたんすか？」
ピヨ 「これ、彼女の前々世の人格。」
ルビー 「前々世？」
パール 「なんか気持ち悪い…」
メイ 「初めまして。ウイリアムの姉のオリビアです。」
ゾネス 「まあ、お姉さま？」
メイ、ゾネスと握手。ゾネス、元に戻る。
ゾネス 「ん？…なんで握手してんだ！」
ゾネス、メイの手を振り払う。
スライス 「戻った。」
ゾネス 「スライス！まだ勝負は…あれ？剣がない。」
スライス 「ここだぜおチビちゃん。」
ゾネス 「あ、てめえいつの間に！返せ！」
ルビーとパールがゾネスを抑える
ルビー 「キャプテン落ち着いて！」
パール 「グラビトロンが盗まれたんです！」
ゾネス 「うるさい放せ！」
ルビー 「深呼吸しましょう。ひっひっふう〜。」
ルビー・パール 「ひっひっふう〜。」
３人 「ひっひっふう〜。ひっひっふう〜…。」
ルビー 「…落ち着きました？」
ゾネス 「少し。」
ロー 「今の違くね？」
ゾネス 「え〜っ？！グラビトロンが盗まれたあ？！」
全員 「今頃？！」
テル 「しかもシンドバッドがジニアスの再進行剤を持って逃げ回っている。」
ゾネス 「再進行剤？！」
スライス 「おちびちゃん、決闘はお預けだ。みんなで手分けして探すぞ！」
全員 「おお！」
ゾネス 「仕方ない…」
全員５つのハケにバラバラにハケる。テルとローも行こうとするが、フェンネルに首根っこを掴まれる。
フェンネル 「あんたたちはダメ！医務室に戻るよ！」
テル・ロー 「おおお…」
２人、フェンネルに連れて行かれる。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）
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