「迷い子なカミサマ」シーン２３ 「迷い子なカミサマ」シーン２３トップページ > ページシアター > 迷い子なカミサマ > シーン２３ 【公演データ】
明転すると港。新任神様、閻魔が出て来る。
新任神様 「え？そういうこと？」
閻魔 「ええ、間違いない。」
新任神様 「初めてのケース？」
閻魔 「いや、でもかなりレアケースね。事によってはあの石を使わなければ…」
新任神様 「でも、あの石の使用方法はあの人しか…」
閻魔 「あの人が見つかるかもしれないの。」
新任神様 「え？！ほんとに？！」
閻魔 「ええ、もう少し調べてみるけど。」
新任神様の携帯に着信。
新任神様 「どうしました？…え？…そう…わかりました。ありがとう。」
電話を切る
閻魔 「どうした？」
新任神様 「田中君からなんだけど…」
新任神様、閻魔に耳打ち。
閻魔 「そうか…とりあえずわかってよかった。」
ランゼ、スーザン、ミルキー、朝倉出て来る。
ランゼ 「やっぱり外の空気は美味しいわ〜。ねースーちゃん。」
スーザン 「そうね。これで自由に動ける…」
ランゼ 「え？」
スーザン 「いや。」
川藤、新島が出て来る。
新任神様 「艦長。修理にはどのくらい？」
川藤 「現在点検中です。」
御船が出て来る。
御船 「モニターの修理、終わりました。」
川藤 「早いな。」
ランゼ 「凄いね貞(さだ)…」
御船 「（食い気味に）千鶴子です。」
ミルキー 「あ、神道さん。」
神道、新垣に付き添われて出て来る。頭に包帯。
川藤 「大丈夫か神道？」
神道 「すみません、ご迷惑かけて。あの、さっきの操舵は…」
新島 「こちらの朝倉さんが。」
神道 「ありがとうございます。助かりました。」
朝倉 「お役に立てて良かった。」
閻魔 「再出動の前に大事なお話があります。」
川藤 「お願いします。」
閻魔 「まず、待機組ですが、魔族に乗っ取られた３人は制圧できたそうです。」
ランゼ 「良かった〜！」
スーザン、ため息。
スーザン 「三バカトリオめ…」
新任神様 「３人の体も無事、他の人たちは全員待機場所に到着しました。」
神道 「あの、あきらさんは…」
閻魔 「まだ術にかかったままだそうですが…」
新任神様 「私が行って術を解きます。」
神道 「良かった…」
閻魔 「もう一つ新しい情報が入りました。」
川藤 「何です？」
閻魔、ランゼの銃を取り出す。
閻魔 「これです。」
ランゼ 「あ、私のピンキーグロッグ。」
閻魔、おもむろにスーザンを撃つ。
スーザン 「うっ！！」
スーザン倒れる。ミルキー、ランゼ駆け寄る。
ミルキー 「スーザン！」
ランゼ 「何するのよ？！」
閻魔 「大丈夫。レベル３、気絶程度のショック弾です。」
朝倉 「どうしてこんな…」
新任神様 「彼女も魔族に乗っ取られているんです。」
ランゼ 「スーちゃんが？」
新任神様 「待機組からの情報です。これで魔族は全員抑(おさ)えました。」
ミルキー 「気づかなかった…」
ランゼ 「スーちゃん可哀そ〜…」
スーザン急に起き上がり、両手を自分の首に。
ランゼ 「スーちゃん？！」
スーザン 「動くな。こいつを刻むぞ。」
ミルキー 「よくもスーを…」
閻魔 「レベル３で効かないとは。あなたかなり上級の魔族ね。」
スーザン 「ああ、私の名はアモン。魔界では幹部クラスだ。」
新垣 「アモン？！」
川藤 「知ってるのか？」
新垣 「こいつのせいで、僕は地獄行きにされかけたんだ！」
スーザン 「あ〜、お前あの時の刑事か。」
新垣 「こいつが僕の体を操って、仲間の警官を殺したんだ！」
スーザン 「ありゃ楽しかった。その節はどうも。」
閻魔 「あれはあんたの仕業だったのか。」
スーザン 「時々下界に入れる事があるんで、ちょいちょい遊ばせてもらってます。」
新垣 「遊びだと？！人の人生めちゃくちゃにしやがって！」
スーザン 「それが魔族です。」
新島 「ちょっと待って、もしかして…」
閻魔 「あ、私、閻魔なんで。」
全員 「閻魔様？！」
閻魔 「こちらが…」
新任神様 「神です。」
全員 「神様？！」
川藤 「やっぱりそうか！新島副長！お茶、お茶お出しして！」
新島 「え？あ、はい…」
新任神様 「どうぞお気遣いなく。」
川藤・新島 「（敬礼して）はっ！」
スーザン 「成程ね。」
新垣 「神様！こいつを！アモンを！」
新任神様 「新垣さん。憎しみは魔族の大好物です。ここは抑(おさ)えて。」
新島 「新垣君。」
新垣 「くそぉ…」
スーザン 「ちょうどいい。お前ら本当のコアが誰だか、もうわかっているな？」
新任神様 「おおよそは。」
スーザン 「教えてもらおう。」
閻魔 「そう簡単には…」
スーザン 「なるほど、あの３人のうちの誰かだな…」
新任神様 「え？」
閻魔 「気をつけて！こいつ、心を読んで来るよ。」
スーザン 「今更ブロックしても遅い。そこまでわかれば十分だ。」
スーザン走り去る。
ランゼ 「スーちゃん！」
閻魔 「神様、あっち頼みます。私は潜水艦で。」
新任神様 「わかった。」
新任神様、スーザンを追ってハケる。
ランゼ 「閻魔さん。銃を返して！」
閻魔 「え？」
ミルキー 「これはうちのチームの問題でもあるの。」
閻魔、２人に銃を返す。
閻魔 「程々にお願いします。」
ミルキー 「行くよ！」
ランゼ 「らじゃ！」
ミルキー、ランゼ、スーザンを追ってハケる。
閻魔 「バッカスの皆さんと朝倉さんは再出航の準備を。」
閻魔以外 「ヨーソロー！」
全員ハケる。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）