「コスモ・ノアへようこそ！」シーン１９ 「コスモ・ノアへようこそ！」シーン１９トップページ > ページシアター > コスモ・ノアへようこそ！ > シーン１９ 【公演データ】
吉山が出て来る。
吉山 「取りあえず電気は回復しました。各所、状況を報告して下さい。」
コロニー長が入って来る。
トーマス 「吉山君。今の停電は何だ？」
吉山 「わかりません。例の逃亡者の仕業かも。」
トーマス 「吉山君。やはり我々にここの管理は難しい。軍に引き渡すべきだ。」
吉山 「嫌です。」
トーマス 「職員の再就職先は保証されている。君なんか軍に戻ればかなり高い階級じゃないか。ここでの管理は軍の研究員が引き継ぐわけだし…」
吉山 「動物達は軍の研究材料にされるわ！ここの動物達がどれだけ貴重なのか分かってるでしょ？！」
国務次官が出て来る。
クラーケン 「君は大事な事を忘れているよ吉山君。今は「戦時中」なんだ。」
吉山 「だから軍の言う事を聞けと？」
クラーケン 「その通り。」
吉山 「だったら質問します。あなたが守ろうとしているのは地球ですか？それとも人類ですか？」
クラーケン 「フッ、質問の意味が分からんな。」
吉山 「やっぱりコーネリー以下だわ。」
トーマス 「吉山君、もうよしたまえ。君はどうかしている。」
吉山 「どうかしているのはコロニー長です。以前はあんなに動物たちの事を考えていたじゃないですか！いったい何があったんです？」
通信が入る。
吉山 「はい、吉山です。え？停電の間にペンギンが１羽逃げ出した？」
オレンジが現れる。
オレンジ 「やった！外に出られるなんて超ラッキーだ！これでグレーの奴に殴られなくて済むぞ！逃走逃走！」
オレンジ、ハケる。
吉山 「え？カンガルーの子も１頭？」
ロッキーが出て来る。
ロッキー 「誰かあ！誰かママを助けて下さ〜い！…あれ？…あれ〜？！僕、どっちからきたんだっけ？…あ〜！どうしよう！誰か〜！ママの前に、僕も助けて下さ〜い！」
ロッキー、ハケる。
吉山 「え？アシカは２頭も？」
スズキ、出て来る。
スズキ 「課長〜！タナカ課長〜！スズキです〜！大事なお話があるんですけど〜！」
スズキがハケルと反対側にタナカが現れ。
タナカ 「せっかく外に出られたのに、ここでつかまってたまるか。さ、出張出張！」
吉山 「え？なんですって？！…直ぐに全館に伝えます。」
トーマス 「どうした？」
吉山、トーマスに手のひらを向け、通信を始める。
吉山 「動物園エリア内の皆さんに連絡します。現在パンダが１頭脱走中ですが、新たにペンギン１羽、カンガルー１頭、アシカ２頭、そして…ライオンが４頭脱走しました。」
トーマス 「ラッ、ライオンだと？！」
吉山 「十分注意して行動して下さい。」
トランプが出て来る。
トランプ 「よわったな、訳わかんないとこに出ちまったよ。さっき出たドアは閉まっちまったし、これじゃ帰るに帰れねえな。あ〜あ…でも俺がいなくなったって、どうせみんなし〜〜んぱ〜〜い！してないさ〜〜！だよな…。俺は家族ののけ者だし…ま、いいか、気の向くままにプラプラ行きましょうってね。」
トランプがハケると、シャンプー、リンス、出て来る。
シャンプー 「リンス。」
リンス 「何お姉ちゃん？」
シャンプー 「これって外に出ちゃったって事？」
リンス 「それっぽい。」
シャンプー 「探検しちゃう？！」
リンス 「しちゃうっぽい！」
シャンプー・リンス 「ヒウィゴー！」
シャンプー、リンスがハケると、ダイヤが出て来る。
ダイヤ 「シャンプー！リンス〜！、まったく…どこいっちゃったんだろうねぇ。シャンプー！リンス〜！」
ダイヤ、ハケる。
吉山 「コロニー長、ここは任せます。」
吉山、ハケる。
トーマス 「え？ちょっと待て、吉山君！！」
クラーケン 「…残念だなあ。これじゃ彼女は責任とって首かもな。」
トーマス 「ええ…」
照明がかわる。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）
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