△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」プロローグ1


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暗転中チャイムと女生徒たちの声。字幕「2025年」。字幕が消えて明転。上手から三人の女子高生が現れるが、足元しか見えない。

女子A 「もうほんっっっっと限界。」
女子B 「あたしもなんですけど〜。」
女子C 「つか何であいつと同じクラスなわけ?」
女子A 「超ついてなくない?」
女子B 「ちょ〜〜ついてない。」
女子A 「あ〜まじノイローゼになりそう。」
女子B 「あたしは既にノイローゼ気味なんですけど〜。」
女子C 「おっと、噂をすれば。」

舞台下手からもう一人女子高生「ペリル」が現れる。やはり足元しか見えない。

女子A 「特待生だか何だか知らないけどさ、正直ちょ〜迷惑だよね。」

ペリル立ち止まる。

女子B 「同じ教室の空気吸ってるのも嫌なんですけど。」
女子C 「つか何で同じクラスなわけ?」
女子A 「つか何で同じ世界に居るわけ?」
女子B 「まじ顔キモいし。」
女子C 「この世のもんじゃなくない?」
女子A 「吐き気する。」
女子B 「ほんとキモ過ぎ。」

ペリル顔を手で覆いながら舞台の前に出て来る。

女子C 「あの顔どっからどう見てもさ…」
女子三人 「人間じゃん!」

ペリルが顔を覆っていた手を外すと、そこには普通の少女の顔。女子三人、「キモ!」を連呼しながら舞台の前へ。現れた彼女達の顔は身の毛もよだつモンスター。ペリル、耳を塞いでうずくまる。そこに教師ゴモラが入って来る。最初はやはり足元しか見えない。

ゴモラ 「お前ら何やってる!!」写真
女子A 「やべっ…ゴモラだ」

前に出て来た教師ゴモラの顔もモンスター。女子三人に近づいて行く。

ゴモラ 「なんだ今のは?あ?お前らあれでいじめてるつもりか?あ?手ぬるいんだよ!!手ぬるすぎんだよ!! いじめ一つも満足にできないやつが、この魔界のエリートになれると本当に思ってんのかっ?!!」

ゴモラ、出席簿で女子三人の頭を叩く。反射的に女子Aが獣の様な叫び声で教師を威嚇するが教師はひるまない。

ゴモラ 「その目!その態度!」

ゴモラと女子Aが睨み合う。

ゴモラ 「…大変よろしい。我が校の生徒なら最低限その位は欲しいね。おいペリル。」
ペリル 「はい…」
ゴモラ 「ただでさえお前は人間そっくりのグロい顔してんだ。これ以上人間みたいな態度をとったら、サタン様が許してもこのゴモラ様が許さんぞ!さ、今すぐこいつらにやりかえせ!」
ペリル 「え…でも…」
ゴモラ 「やりかえせ!お前らも、つっ立ってないでやっちまえ!」

女子三人、ペリルを囲みボコボコにし出す。ペリル手を出せない。

ゴモラ 「どうしたペリル!さあ憎め!怒れ!襲え!魔族の底力を見せてみろ!」

ペリル、我慢が限界に達し、ド〜ンという音と共に両手を広げて叫ぶ。

ペリル 「うああああああああ〜っ!!!!」

女子三人とゴモラが悲鳴を上げながら吹き飛ばされる。のたうち回る女子三人。倒れたゴモラがフラフラと起き上がり。ペリルに近づきながら

ゴモラ 「ぺ、ペリル…お前…やればできるじゃないか!こりゃ桁外れに強い破壊力だ!素晴らしい!感動した!先生モーレツに感動したぞ!ペリル!」
ペリル 「…みんな消えればいいんだ…」
ゴモラ 「え?」写真
ペリル 「みんな消えればいいんだあああああっ!!!」

嵐のような轟音。女子三人とゴモラは悲鳴を上げながら消える。

ペリル 「…ここは私のいるべき世界じゃない…探さなきゃ…私の居場所…」

嵐の音が大きくなり、ペリル走り去る。暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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