△ 「ほぐす!」シーン3


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外の廊下の花村の前に原が現れる。

「この辺かな。」写真
花村 「あ、原さん!やっぱりさっきの原さんだったんだ。」
「ん?あ、その声。」
花村 「花村です。警察官の。」
「花村さん!どうですか腰の具合は?」
花村 「またちょっとあれなんで、近いうちお願いします。」
「ええ、是非。」
花村 「今日はお仕事で?」
「はい。本当は師匠が来る予定だったんですが、熱出しちゃって変わりに僕が。でももう10分も遅効しちゃってて。」
花村 「そりゃご苦労様です。あ、お急ぎの所すみません、念のためなんですがボディーチェックしてもよろしいですか?」
「あ、はいはい。下でもされましたけど。」
花村 「何度もすみません。」

ボディーチェックされながら

「あれですって?例のあの、怪盗ベリー?」
花村 「そうなんですよ。」
「大変ですね警察も。」
花村 「そろそろ捕まえないと、警察の威信に関わりますからね。あ、手荷物も宜しいですか?」
「あ、はいはい。たいした物入ってませんよ。商売道具は(手を出して)これだけですから。」
花村 「ですよね。ありがとうございます。(荷物を返す。)あ、杖も宜しいですか?」
「ええ。」
花村 「まさか仕込み銃だとか。」
「ははは、下でも言われました。…どうです?」
花村 「…ん?これは…杖ですね。」
「良かった。」

二人笑う。

花村 「お部屋は?」
「907号室です。」
花村 「おお!目の前ですよ!」
「おお、ありがとうございます。あ、そう言えば、こないだの話。」
花村 「え?」
「あの、小笠原の超能力者の学校の…」

花村、焦る。

花村 「あ〜っ!あれはあれです!都市伝説ですから、あんまりあれです。し〜っ。」
「今度また詳しく聞かせて下さい。」
花村 「あ、はい。」

原、ドアの前に立ち

「こんばんは。瀬名マッサージです。」

市後、ベリー、驚き、顔を見合わせる。

ベリー 「…マッサージ?」
「遅くなって申し訳ありません。」
ベリー 「おいおい、こいつマッサージなんか…」

ベリー、ドアの除き穴を見に行く。

「あれ?あの、柿崎様のお部屋でしょうか?」写真
市後 「黙ってた方が…」
ベリー 「いや、余計疑われるわ。警官もいるし。」
市後 「でも、返事をしたら…」
ベリー 「待って、この人…」
花村 「どうしました?」
「なんか、返事がなくて。」
花村 「眠っちゃってるとか…」
ベリー 「目が見えない?」
市後 「え?」
「柿崎様〜?」
ベリー 「イチかバチか入れるわよ。」
市後 「でも…」
ベリー 「(低めの声で)どうぞ!」
市後 「あ…」
「あ、いましたね。」
花村 「良かった。」
ベリー 「来るわよ!」
市後 「私、どうしたら…」
ベリー 「絶対声出さないで!」
市後 「え?はい。」
「失礼致します。」

原、部屋に入る。ベリー、市後、緊張。

(作:松本じんや/写真:関口空子)

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